【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
リアル事情忙しくて全っ然更新できてませぬでした。
すまぬ、すまぬ……。
年内は無理だとわかってしまった上に書き直しのプロットが全然進まない……。おぉうふ、マズイでござる……。
立香らが甲板上を突き進む一方で、ブリュンヒルデらは艦内を突き進んでいた。時折廊下の角から現れる伏兵や、甲板への増援を屠っていた。
揺れる艦内、引っかかることなく振るわれる巨槍と、どこからともなく現れる名状し難き触手。姿を隠し、背後から不意を突く森の賢者など。彼らはその力を遺憾なく発揮していた。
「先行してきましたぜ、この先は牢屋みたいでさぁ」
「迂回の可能性は?」
ベディヴィエールが問うも、ロビンは苦笑いしながら首を振る。それにベディヴィエールは悩ましげな顔をした。
「いや他の道もないことはないんですがね?牢屋通った方が監視が抜けやすいのなんの」
「戦闘は少ない方がよろしいですね。牢屋区を通る方針で参りましょう」
ブリュンヒルデの一声で、仲間達は頷き合う。
一向は牢屋区へと、立ちふさがってくる敵を薙ぎ倒しながら進んでいく。
ふと、道中通路のわきから叫び声が聞こえてくる。
「──急ぎ探しだすんだ!このままではルシファー様に示しがつかない!!」
ブリュンヒルデらが走る通路の右側から、大急ぎな様子で現れる堕天使の一団。
両者の姿を確認して、先を走っていた堕天使の一人が叫ぶ。
「────っ!!侵にゅ──」
「っ、こなクソッ!」
叫ばせまいとしたが、既に現れた通路の奥から異常を感づかれた堕天使達が駆けつけてきている。
その集団の中でも、隊長格であろう人影が、群を抜いてブリュンヒルデらに襲いかかる。
「うおおおお!!我が名はリクス・テトラクス!!ルシファー様の御名において誅罰するッ!!」
「させません!!」
前に躍り出るベディヴィエール。銀の腕と振り下げられた光の剣が交差し、一際甲高い音を放つ。
競り合う二人であったが、リクスの横から巨大な触手が飛び出し、リクスを横薙ぎに払う。それによってリクスは壁に思い切り背を打ち付け気絶する。
もう少しで押し負けかけていたベディヴィエールは腕を降ろし、攻撃の主である少女を見やる。
「助かりました、ありがとうございます。レディ」
「大丈夫?間に合ってよかったわ」
ほっと胸を撫で下ろすアビゲイル。残りの堕天使達もブリュンヒルデ達が一掃しており、周りには堕天使達が倒れ伏していた。
「あまりもたもたしてっと仲間が来きまいやすぜ。ほれ、さっさと行く」
「わわわ、ごめんなさいロビンさんっ」
体勢を整え直し、牢屋区へと走っていく一向。
目的の場所へとたどり着き、重厚な扉を開くと、そこには、鉄格子ではなく、近未来的かつ最低限の生活ができるガラスケースのような部屋が多くある空間が広がっていた。
「これは……ミス・プラヴァツキーがおられたならば喜びそうですね」
「えぇ、同時に憤慨もしそうですが……。今は先へ進みましょう」
そうして、無人の牢屋区を駆けていく一向。牢屋とはいえ、未だに使ったことがないのか綺麗なままの部屋が多く、果たして牢屋と言えるのかは疑問であった。
そうして奥へ奥へと進んでいくと、またしても重厚な扉があり、一向はそれを開け、またさらに同じくあり、同じく開ける。
すると、大きく拓けた空間が広がっており、奥には淡く光る液体で満たせられた、まさしく動力部だと言わんばかりの設備が置かれていた。
「あれが、動力部ですね」
「んじゃま、さっさと破壊工作でも────ッ!?」
ロビンがサッと動力部に近づき、その距離が丁度半ばまで来た時、ロビンの眼前に巨大な炎が吹き付けられる。
間一髪で避けたロビン。冷や汗をかけながらその炎が吹かれた方を見ると、ふいごを持ち、立派なひげを生やした筋骨隆々な男が、鼻息を荒くしていた。
「ワシの仕事道具に手は出させんぞ若造共!」
「うげぇ、なんなんだあの天使らしくねぇやつ」
ロビンの呟くような悪態がその老人に聞こえていたのか、さらに血管を浮かせながら声を上げる。
「悪いか!ワシは他人呼んで"ふいご吹き"のグザファン!!ワシの仕事場を荒らさせはせんぞ痴れ者共め!!あとそこの失礼な若造はもっと許さん!!」
そう荒く吐き捨てながら、グザファンと名乗った老人の堕天使はふいごの口をブリュンヒルデらに向ける。
それに何かを感じたブリュンヒルデは、すぐさま全員に指示を下す。
「!!回避を!」
「焼け炭になれィッ!!」
ふいごが吹かれる。と同時にふいごの口から燃え盛る炎が吐き出される。
ブリュンヒルデ達はなんとか回避は間に合ったものの、仕切りなしに炎を吹き出すそのふいごは、言い得てみれば火炎放射機のようであった。
とそんな時、あまりの炎の勢いにアビゲイルが悲鳴を上げる。
「きゃぁっ!!熱いわ!やめておじ様!」
「おじ様!?ワシが!?そうかのぅ」
すっとんきょうな声を挙げて驚いたと思えば、アビゲイルの方を向き、孫のようにでも感じたのか戦闘中にも関わらずほんわかとした笑みを浮かべる。
その一瞬の不意を突き、ロビンが後ろに回り込んでふいごを狙い撃ち、ブリュンヒルデがその巨槍で吹き飛ばす。
「ごほぉっ!?お、おぉぉ……無体な……」
唸り声を絞り出しながら倒れ伏すグザファン。動かないことを確認してから、ブリュンヒルデらは改めて動力機関に目を向ける。
「では、これをどうにかして止めましょうか──」
「──あぁ、これ止めない方がいいですよ。今止めると墜ちるので」
ブリュンヒルデ達しかいない、正確にはブリュンヒルデ達と気絶したグザファンしかいないはずの空間に、誰かの声が響く。
新手かと思い至ったブリュンヒルデらはその声の方向へと武器を構える。だが、そこにいた者にロビンは、驚き目を見張る。
「──っ!アンタは……あのトンデモロックンローラーもどきから話は聞いてるよ」
「おや、それは重畳。……聞いただけだ判るものですかね?私」
疑問を浮かべるスーツ姿の男に、ロビンは苦笑いして答える。
「そりゃあもう、あのお嬢さん方から飽きるほど聞いたものでね」
悪魔つながりで彼を出したいなぁと。
一体何ックスウェルなんだろうか……(ほぼ答え)