【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
今日はちょっと趣向を変えてお昼に投稿してみました。
今話では、やったことある人なら懐かしいと思うかもしれない、もうちょい書けやと思うかもしれないfate作品を混ぜたお話。
アンリマユ VS アザゼル
開闘。
黒と紫が交差する。互いに短剣なれども、片や歪さを極めた漆黒の刃。片や凶悪さを微塵も隠さない凶刃。
遠くの戦闘音を背景に、ただ二人だけのこの場所で剣撃の音が鳴り響き、互角の戦いを繰り広げているかのように見えた。
「ン~、だいぶ無理してるんじゃない?」
「あ、やっぱバレる?まぁオレ一人じゃ結構キツイって話ですわ」
軽薄な態度で言葉を返すアンリマユ。その間も剣撃が止むことはなく、油断のならない攻防が続いていた。
消えては現れる敵の
「最弱ってのも考えようだけど、舐めてたら痛い目見るぜ?」
「ンフフッ、別に舐めてなんかないさ。ただ──キミだけは、ここで潰さないとってネ?」
雰囲気が変わる。先程までの楽天的なものから、殺意まじりの真剣な空気がひしひしと伝わる。
「そりゃキミの宝具は危険だよ。瀕死でも生きてるなら倍返しされちゃうんだからサ。でも────一発で死ぬなら関係ないよネ?」
「は?──うげっ、マジかよそういうことか!?大人げねぇ!!」
敵──アザゼルの分身に気を取られ過ぎて、彼が何をしていたかを今確認したアンリマユは、顔をしかめて罵る。
しかしアザゼルの行動は素早く、腕を広げると共にアザゼルを中心として、赤いカーテンのようなものが二人を覆っていく。
完全に覆われきったそれは、外から見れば、まるでサーカステントのようどもあった。
「サァ、とっとと終わらせようか──────宝具解放、『
そして、死神の遊び場が今、開かれる────。
アンリマユが目を覚ますと、自分は高い屋根の上で寝転がっていた。空には
慌てて飛び上がり、辺りを見回す。見慣れた形の尖塔、懐かしいと言える町並み、空気、そして────
そう、彼が今見ている景色はまさしく、かつて喚ばれた地、『冬木市』であった。
「どう、なってんだ、こりゃ……夢?」
「────いつまで寝惚けているつもりですか
背後から掛けられた、遠い思い出の声に振り向く。
そこにいたのは────
「──────」
「なんです?私の身体に欲情しているのですか?駄犬がケダモノにでもなりましたか?」
あの頃の、あの時の姿のままのドS修──「あいて!?」
「ふしだらな考えを感知しました」
「お前さん心読める能力あったか!?」
痛みがある、まぎれもない現実。唖然としたいが、それはそれでまた向こうの機嫌を損ねる。
カレン・オルテンシア。あの偽物の聖杯戦争で、監督役を勤め、何より最も苦手としていた相手でもある。
「……ま、いいか」
そう小さく呟き、また横にな────ろうとしたところを、カレンの持つ礼装、『マグダラの聖骸布』によって絡め取られる。
「私の前で二度寝とは、いい度胸をしていますね」
「えー、あのー、カレンさん?カレンさーん?」
抵抗すらできないまま、どこへともなく引きずられていくアンリマユ。
それからしばらく、あちらこちらへと連れていかれ、遠い記憶が甦っていく。とは言え、時折しばかれてはいるが。
「アヴェンジャー」
「いっててて……はいはい?なんです────なんですかね」
しばかれた所を擦りながらカレンの呼び掛けに振り向く。相変わらず軽薄な態度を取ろうとして、止める。
いつになく真剣な顔をしている彼女に、そんな態度で返すのは、何か違う。とは言え、いつもと変わらないような口調で返事を返す。
「
「は?待て待てそりゃどういう──────あ?」
突如告げられたおかしな言葉。それを問い質す間もなく、意識がブラックアウトしていく。
最後に見たのは、薄い微笑みを浮かべて自身を眺める彼女であった。
意識が覚醒し、はっと起き上がって彼女を探す。
しかし、そこに彼女の姿はなく、代わりに────
「どうかしましたか?アヴェンジャー」
毅然とした表情の、かつて戯れに命を救ってやったマスタ──バゼット・マクレミッツが、そこに立っていた。
「バゼット──?」
「聖杯戦争中ですよ、アヴェンジャー。寝惚けている場合ではありません」
めぐるめく変わる現状に、アンリマユは先程までのが夢だったのかと思う。それとも、今が夢なのかと錯覚に陥る。
呆然としつつも、遠い記憶を必死に思い出し、今があの四日間を繰り返しているのだと理解する。
「さぁ、次はセイバーが相手なのですから、油断してある暇はありませんよ」
「お、おう……──なぁあんた、ホントにバゼットか?」
そう問い掛けるアンリマユに、バゼットは怪訝な顔をして首を傾げる。
「何をわけのわからないことを言っているのですか?」
「いや、なんでもねーよ。ほんじゃま、とっとといきますかねっと」
そしてまたあの四日間が繰り返される。バゼットと共に歩む、再演される四日間の聖杯戦争。アンリマユの記憶は徐々に、カルデアに喚ばれたことをほとんど忘れかけていた。
そうして同じ軌跡を辿って天の逆月を拝み、バゼットの慟哭を嗤い、在るべき場所へと帰る。その物語をもって終わろうとしていたところで、バゼットから声をかけられる。
「アヴェンジャー、最後に一つだけいいですか」
「珍しいな、あんたからそんなこと言うなんて。いいぜ」
懐かしい軌跡、自分にしては珍しい行動の数々、虚無に還る前のいい思い出で、アンリマユはバゼットの声に耳を傾ける。
「では────アヴェンジャー、またいつか
「────。あぁいいぜ、今度はあんたと観てみたいもんだ。きっと、楽しいぜ?」
「えぇ、楽しみにしています。アヴェンジャー」
そう言って二人は去る。片や、光の差す道へ。片や、永遠に続く虚無の道────ではなく、星々が瞬く希望の地へと。
闇呑の幕に亀裂が走っていく。懐かしい記憶は遠く、新しい思い出は、今なお走り続ける。
ならば立ち向かおう。あの
「さぁて!いっちょやりますか!最低最弱のサーヴァント、ぱぱっと駆けつけるとしますかねぇ!」
アンリマユと言えばホロウアタラクシア。
駆け足気味なのは否定しない。あの二人から激励されるアンリマユ、これが書きたかった(真顔)
言うてほら、カレンさん実装するとは思わないじゃん……?ダメットさんも、待ってます。
【修正版】サタンvs◯◯!!エンディングに見たいのは! 【主土下座】
-
正義を夢見た守護者
-
ただ一度の為の魔神剣
-
獣を追い続けた聖剣使い
-
不遜なる薔薇の皇帝
-
監獄より這い出た復讐者