【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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とっとと二人を決着させてサタナエル戦をかかなければ、と少し焦っている私であった、丸。

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・サタン/サタナエルの真名確認と共に、設定集2のサタン/サタナエルの説明文を追加しました。
・『7-9』のサタンの宝具を『第三』から『第九』に変更しました。



7-9・裏 Angra Mainyu

 

 真っ暗な空間、静寂な時間。そんな中にスポットライトが射し、一人の『道化師』が芝居掛かったお辞儀をする。

 やがて全体を照らし出すと、そこは観客の影すら見えないサーカステント。立っているのは道化師一人。そして────舞台の中央にて横たわる一人の計二名。

 

「さてさて~、懐かしい記憶に囚われて寝息すやすや。仕込みは上々、後は仕上げを御覧じろってネ?」

 

 バレエのように器用に回りながら、舞台に横たわるアンリマユへと近づいていくアザゼル。

 それは無邪気な狂気を携えた恐怖。静かに近寄り、掌でその凶刃を大道芸が如く回しながら、切っ先を心臓のある場所へと向ける。

 

Adieu(サヨウナラ)、アンリマユ」

 

 そして、遂に凶刃が振り下ろされ、その皮膚を抉って心臓を突き刺し────

 

「────勝手に殺すなっての」

「ッ」

 

 直前で目を開いたアンリマユが、アザゼルを蹴り飛ばして仰け反らせる。

 その勢いのまま跳ね起きて自身の武器──右歯噛咬(ザリチェ)左歯噛咬(タルウィ)を呼び出して気だるげに構える。

 

「──ふぅん?驚いたヨ~♪まさかあれから抜け出すなんてサ」

「おう。まぁお陰様で?なかなかいい思いできたからな。ケケケ」

 

 皮肉を返すアンリマユに、アザゼルは普段のお調子者な雰囲気を落として目を細める。

 

(これで仕留めきれなかったのはイタイねぇ……)

 

 仮面の下の人を小馬鹿にしたような笑みは引きつっており、状況を冷静に分析する。

 現状、宝具を持った一撃で即死させれなかったのはかなりの痛手である。アンリマユの宝具は『報復』、つまりはカウンター系。下手に時間をかけてしまえばこちらが不利。つまりは────

 

「先手必勝、ってネ!」

「だろう、なッ!」

 

 舞台の上で再び切り結ばれる剣撃。今度は反撃を恐れるアザゼルが加減していることもあってか、完全に互角の状態が続く。

 決定打がないまま、何度も、何度も、何度も剣撃を繰り返し、濃縮された時間が続いていた。

 

「シャァッ──!」

「こっち──「──ぁんてなァ!!」ッッ」

 

 幻影を使って撹乱するも、違いがわかるようになってきたアンリマユは、背後に回り込んだアザゼルの本体に急転身する。

 空中に跳ねていたアザゼルは、転身してきたアンリマユの突進を受け止め切れずにはね飛ばされる。勢いを身体を回転させることによって流して着地する。

 

「へへっ、こんなもんよ」

「ンフフ、やるねぇ……──でも」

 

 着地した時のしゃがんだ体勢のまま、身体を沈めていく────と、次の瞬間。バネのように鋭く跳び、アンリマユへと一直線に向かっていく。

 迎撃の体勢をとるも、あと少しというところでアザゼルの姿がかき消える。訝しげに思ったアンリマユ。瞬きをしたその刹那。

 

「────獲った」

「甘ェ!!」

 

 間近に来たアザゼルの攻撃を、急所を避ける形で受け身をとるアンリマユ。とは言え、それは致命的なものである──────お互いにとって。

 

「ッ、しまっ────」

「ッ、遅ぇ──!逆しまに死ね、偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』ッ!!

 

 アンリマユに幾何学的な紋様が青く浮かび上がり、一際強く、そして鈍く輝く。

 それと同時に、アザゼルの身体に、アンリマユに付けた傷と同じ深さの『報復』が跳ね返ってくる。それだけでなく、それ以前につけた傷の一切が刻まれていく。

 

「ガッ──────アアアアアアアアアッ!!?」

「ゴフッ……あ゛ぁ゛……きっつい……」

 

 絶叫を上げるアザゼルとは対照的に、疲れた顔で力なく倒れるアンリマユ。自身の宝具を撃つためとはいえ、ほぼ致命傷に近いダメージを追ってしまっている。

 膝から崩れ落ち、片手を付きながらにもなんとかして耐えるアザゼル。しかし、最早虫の息といえるほどに呼吸が絶え絶えであり、これ以上の戦闘続行は難しいと言える。

 

「はぁ、はぁ……ぐっ、クッソォ……アンリマユゥゥゥ」

「おぉおぉ…おっかねぇの…。ゴフッ……あんまり無理すんじゃねぇぞーっと……ッ」

 

 怨めしげな声を上げるアザゼル。それは先程までの飄々な態度はどこへやら、張り付けたような笑みのまま歯噛みしていた。

 血と皮肉を吐きながら、嘲笑うように告げる。もはや膝を付くことすらできない悪魔は、顔だけでもアンリマユに向けながら、鬼の形相で睨み続ける。

 

 

 

 

────オオオオオオォォォォォォォォ!!

 

 

 

 地の底から響き渡るかのような叫び声。驚くアンリマユを余所に、先程まで怨めしげにしていたアザゼルは、高らかに狂笑を上げる。

 

「──フ、フフ、フフアハハハハハハハハ!残念、もう手遅れ!これでもう誰も、誰にも、止められない!ボクらの宿願は叶う!アハハハハハハ!!」

「宿願、だと……ッ?」

 

 アンリマユの問い掛けに、狂喜に満ちた眼を、仮面の奥からこれでもかと見開いて、傷口が開くのも知ったことかと声を張り上げる。

 

「そうさ!これでボクらの、ボクの宿願が叶う!この煉獄で生まれた聖杯(・・・・・・・・・)にそう願ったのさ!

 

 

 

 

 

 

 ────"あの子"を見殺しにした、世界を壊してってネェ!!

 

「ッ────!ってことは、お前…ッ」

 

 隕石群を落とす禍々しい龍を目にして、なお止まることのない笑い声を上げ続けるアザゼル。

 

 ──そう、このアザゼルこそが、この煉獄に生まれ落ちた『聖杯(イレギュラー)』を使って彼の悪魔達を呼び出した張本人であり、今なお生きる本物の悪魔。

 最果ての荒野にて封印されたエグリゴリの堕天使にして、最低・最凶・最悪の悪魔、『虚飾の悪魔・アザゼル』そのものである。

 

 

 

 





はい、というわけで、案の定な黒幕であるアザゼルさわは、今なお生きていたガチガチの悪魔でした。
そして他の皆はサーヴァントっていうね。

さぁさ、ここからどんどん巻き上げていきますよぅ!

【修正版】サタンvs◯◯!!エンディングに見たいのは! 【主土下座】

  • 正義を夢見た守護者
  • ただ一度の為の魔神剣
  • 獣を追い続けた聖剣使い
  • 不遜なる薔薇の皇帝
  • 監獄より這い出た復讐者
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