受けループ使いがジムチャレンジをするのは間違っているだろうか 作:zetta
「行けウールー!」
「遊んでやれ!ドヒドイデ」
フィールドに紅のドームがそびえ立つ。さながら赤い鉄壁だ。コイツは俺の一番の相棒だ。負けるわけがない。
「ドヒドイデか!レイジ君は珍しいポケモンを使うんだな。それにその色、色違いか!すごいな。それにお互いがお互いを信頼しているようにみえる。これは強敵だぞホップ!」
当たり前だ。コイツは唯一、一から、ヒドイデのときから育てたポケモンだ。父さんのポケモンのなかでドヒドイデだけは身を挺してほかのポケモンを守ったらしく、ローズの元から帰って間もなく死んでしまった。
ただ、俺が父さんにポケモンが欲しいとせがんで貰ったのも、色違い理想個体のヒドイデだった。確か、努力値は振ってあるから後は、育てるだけだって言ってたっけな。これも運命だと思い俺はコイツと旅に出ることに決めた。俺はコイツを父さんのドヒドイデの生まれ変わりだと思っている。俺はコイツを信じている。
「俺だって、ウールーを信じてるぜ!いけ、ウール!たいあたりだ!」
「焼け!ドヒドイデ!ねっとうだ。攻撃は当たってもいい、その代わり、確実に何回も、大量に熱湯を当てろ!」
ねっとうを浴びながらも、ウールーのたいあたりが直撃する。しかし、ドヒドイデは少し後ろによろめくだけで済んだようだ。それに、あれは、、焼けたな。
「お前のドヒドイデ硬すぎるぞ!」
「おいおい、ホップ。小言を言ってる暇があるのか?お前のウールー様子がおかしいぞ」
よく見るとウールーが苦しそうな顔をしている。更にウールーの動きは先ほどよりぎこちなくなっており、ドヒドイデはたいあたりをくらっているのにも関わらず、その場からピクリとも動かない。
「ホントだぞ!どうしたんだ?ウールー!」
「
「やけどか!忘れてたぞ!でもダメージが減るなんて何処にも載ってなかったぞ。」
それは驚いたな。父さんは当たり前の事のように言っていたから、常識なのかと思っていたが、あまり一般的な知識ではないのか。
「あきらめるな!ウールー!たいあたりだぞ!できるだけドヒドイデの体力を削ってサルノリに繋げるぞ!」
ウールーは覚束ない足取りではあるがポップの指示どうり、しばらく
たいあたりを続けた。
「つっぱるのか?悪手だな。なら起点にさせてもらうよ。ドヒドイデ、じこさいせい!」
ドヒドイデの周りに黄緑色のオーラが漂い始め、付いていた僅かな傷すらもなくなってゆく。それと同時にウールーはやけどのダメージで倒れてしまった。
「う、噓だぞ」
これはさすがに、ポジティブサイコパスのホップもこたえたようだ。ずっと一緒にやってきた相棒をもってしてもドヒドイデを倒すどころか、体力を殆ど削れなかったのだから。
「ホップには少し厳しい初陣だったな。だが、この悔しさを超えて更に成長していけ!ところで、色違いドヒドイデといい、あの戦い方といい、もしかしてレイジ君はあの人の、、、いや、ドヒドイデは元々ああいう戦い方をするポケモンだ。俺の考えすぎか」
「いやアニキ!俺にはまだサルノリがいるぞ!まだ終わってないぞ!」
おいおい、メンタルお化けも大概にしてくれよ。まあ、ホップのそういう所は認めてるけどな。
「ダンデさん。ホップはどうするべきだっだの? 私なら、ねっとうを躱すことに専念させて、攻撃を当てつつすぐに、離脱して距離をとる、ヒット&アウェイかな。全部躱せるわけじゃないと思うけど、ねっとうって当たっても確実にやけどになるわけじゃなさそうだし」
「驚いたな、ユウリ君、誰かにポケモンバトルを習っていたのか?」
「いや、独学だよ、どこかおかしかった?」
「末恐ろしいな、、いや、完璧だ。恐らく俺もそうするだろう。強いて言うなら、サルノリに交代しなかったのも悪手だな。これは高度なテクニックだが、ドヒドイデがねっとうを打つと予測できるタイミングで、みずタイプのねっとうを半減で受けられる、くさタイプのサルノリに交代すれば戦線を維持でき、ドヒドイデにじこさいせいの隙を与えなかったな。有効打がないポケモンが居座ると言うことは、相手に時間を与えるのと同じだからな」
さすがにチャンピオンなだけあってそれくらいはわかるか。しかし、このバトルセンス、ユウリは要注意だな。チャンピオンになる、一番の障害になるかもしれない。
「お前しかいねぇ!後は頼むぞサルノリ!」
「サルノリにねっとうは効きにくいから、今度は有効打がないのはドヒドイデの方ね」
「いや、そうとは限らないぜユウリ君。ドヒドイデならあの技を持っているはずだが、、、」
サルノリが、ジリジリと距離を詰めてゆく、今度は慎重にこちらの様子を伺っているようだ。
「ねっとうだ。ドヒドイデ」
すると待ってましたと言わんばかりにホップの瞳の色が変わる。
「今だ!サルノリ!斜め前に飛べ!次は三歩バックステップ。更に左に二歩ずれて、前進だ!」
ウールーの時とは打って変わって、的確な指示でねっとうを躱してゆく。なるほど、本人は自覚していないようだが、ホップも才能を開花させようとしているようだ。どうやらホップは、ポケモンの身のこなしに関する才能がありそうだ。煩わしいことこの上ない。そんなことを考えているうちにもうサルノリが、ドヒドイデの目の前まで来ていた。
「よっしゃー!確実に捉えたぞ!サルノリ!えだづきだー!」
サルノリが自分の持っているえだを槍のようにつく構えをとるが、、
「よくここまで、辿り着いたが、捕らえたのは俺の方だ!結局無駄だったということを教えてやるよ。ドヒドイデ!トーチカ!」
突然ドヒドイデのとげが、肥大化し始める。紫色のオーラがドヒドイデを包み込んだ。
「なんだこれ!?サルノリー!!」
「もう遅いな」
サルノリのえだづきは、はじかれ、それどころかドヒドイデの棘が深々と突き刺さる。
「サルノリはどうなっちゃったの?ダンデさん」
「あれは、トーチカと言うドヒドイデの専用技だ。基本的な効果は、まもるなどの技と同じで、相手の攻撃
を防ぐ技なんだが、その時に、相手がドヒドイデに触れていた場合、棘を差し込みそこから毒を注入する。ドヒドイデの毒はホエルオーでも三日三晩苦しむという。サルノリは、あとどれだけ戦えるのか、、」
「マジ、かよ、、」
今度こそ、ホップの落胆した顔が見て取れる。だが闘志は失っていないようだ。これが俺の求めていた精神状態だ。ホップのやる気が負の方向に走り出す。ドヒドイデの毒が蝕むのは、ポケモンだけではない。
「このまま何もできないなんて、そんなのないぞ!サルノリ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!
ひっかく、ひっかく、ひっかく、ひっかく、ひっかく!」
「ホップ、もうやめろ」
サルノリは苦しみもがきながらも、ひたむきに、ひっかくを続けている。ただ、ドヒドイデは痛がるそぶりも見せない。
「ならもう、終わらせてやるよ。ドヒドイデ、ねっとうだ。きゅうしょに当ててやれ」
サルノリはドヒドイデの前でひっかくを続けている。これではきゅうしょにあてるのも容易だ。ねっとうがサルノリのみぞおちに、直撃する。サルノリは動かなくなった。
「えだづき、えだづき、ひっかく!」
「ホップ。もうサルノリは戦闘不能だ。ほら、げんきのかけらだ。はやく、これで直してやれ」
「ア、アニキ!違うんだよ。こんなはずじゃ、、、」
あーいつもそうだ。こうやって勝っても、相手を屈服させても、残るのは消え入りたくなる程のむなしさだけだ。だが、これでいい。俺は誰とも馴れ合わない。俺は誰とも高め合わない。ただ、勝つ。ただ、上を目指す。「ただ勝って何が悪い」と世間に問う為に。
先日、ドヒドナットに親を殺されました笑
ゲーフリさん。きゅうしょ、ねっとうのやけど、エアスラの怯みの確率。隠蔽しないでください。今日が最終日なので、めげながらも頑張ります笑
ホップ君も強く生きて、、、。