受けループ使いがジムチャレンジをするのは間違っているだろうか   作:zetta

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この話はポケモンのレート対戦をした事がない人向けの内容です。3値の知識がある人は読まなくても良いかもしれません。


秘密

「いくら、私がルリナと仲がいいからって勝手に話を進めないでよ。いったい全体どうして急に私に教えることになったの?」

 

「私も、もう年だしね。そろそろ孫娘に研究者としての地位を譲ろうと思ってね。ソニアの専門はポケモンの歴史や伝説だけど、レイジの理論は、ポケモンの研究者のならば知っておいて損はないわ。」

 

実はマグノリア博士は俺が父さんの息子であると知っている。博士は以前から父さんと親交があり、父さんの知識をよく研究に役立てていたようだ。今回はソニアに父さんの知識を伝えたいが、父さんの消息が不明ということで俺に白羽の矢が立った訳だ。

 

「なら、おばあさまが教えてくれればいいじゃない」

 

「私も完全に理解しているわけじゃないし、何よりどこまで話していいのかわたしにはわからないわ」

 

今から話すのは主にポケモンの技の種類と3値と呼ばれるものについてだ。前者は広まっても問題はないだろうが、後者はより良いポケモンを生み出すための大量孵化、ポケモンへの過剰なトレーニングの強制、弱い種族のポケモンに対する差別意識が広まりかねない。話す内容はセーブするか、ある程度の口止めが必要だろう。

 

「それに、ソニアが知らないポケモンの生態や、伝説についても少しは知っているみたいよ」

 

「本当!?レイジそれじゃあ、早速ぅーってもうこんな時間ね。まずは晩ご飯にしましょ!最近流行りのカレーライス作りにはまってるの」

 

「またカレーかよ、まぁソニアの料理好きだからいいけど」

 

「あ、あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない!」

 

「手っ取り早く、食えるからな」

 

「ちょっと!!それってどういう意味よ!?」

 

褒めてるんだけどな、、。

 

 

 

 

夕食後、俺はホワイトボードとモニターの前に立ち、ソニアは椅子に座って紅茶を楽しんでいる。コイツ本当に話を聞く気があるんだろうか?後に話そうと思っている伝説のこと以外、興味がなさそうだ。まあ、等価交換なのだから俺は一向に構わないが。

 

「おい、ソニアいいか?始めるぞ」

 

「あ、ちょっと待って、えーとメモ用紙は、っと・・・おっけー準備万端よ!」

 

「はぁ、じゃいくぞー。ソニアはポケモンの能力値を分類するとしたら、何があると思う?」

 

「えっと、一般的に言われてるのは、たいりょく・こうげき・ぼうぎょ・すばやさ・よね」

 

「ああ、正解だ。ただし俺の理論ではここにプラスして二つの基準が存在する」

 

「え?それってあと二つ新しい能力の基準があるってこと?」

 

「いや、厳密に言うとそうじゃない。俺は、こうげきを二つに分化させて、()()()()と特殊こうげき、略して()()()()  同じくぼうぎょを二つに分化させて、()()()()と特殊ぼうぎょ、略して()()()()と呼んでいる。煩わしいので、今後この、たいりょく・こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼう・すばやさ の事を順に H・A・B・C・D・S と呼ぶがいいか?」

 

「それはいいけど、そのC?とD?って何の能力なの?」

 

「ポケモンが使う攻撃技は、()()()()()()()に分けられる。CとDは、ポケモンがとくしゅ技を使う時、又は受ける時に参照する能力だ」

 

「ん?ん?ぶつり、とくしゅ?」

 

「ぶつり技はポケモンが物理的な方法で攻撃する技、とくしゅ技はポケモンが特殊な方法で攻撃する技だ。

例を出すと、かえんほうしゃ と ほのおのパンチだな。かえんほうしゃは炎を相手に吹きかけると言う特殊な方法で攻撃するからとくしゅ技。ほのおのパンチは同じく、炎を使うが結局、炎をまとわせた拳で攻撃するだろ。物理的だよな。だからぶつり技だ」

 

「なるほどね。つまり、かえんほうしゃを使う時はとくこう、ほのおのパンチを使う時はこうげきを見るってことね。受ける場合はそれぞれ、とくぼう、ぼうぎょってことでいいかしら?」

 

「流石、研究者志望。飲み込みが速いな」

 

「えへへ、そうでしょ!もっと褒めてもいいのy-」

 

「次行くぞ」

 

「ちょっと!」

 

「さっきの話だが、言葉だけじゃ分かりにくいだろ。この映像を見てくれ」

 

するとモニターにスタジアム内で対峙している、トゲキッスとパルシェンが映し出される。トゲキッスがパルシェンにブレイブバードを仕掛けた。だが、パルシェンは殆ど傷つかず、ピンピンしている様子だ。

 

「へー今のってブレイブバードよね。使った側が反動のダメージを受ける、ひこうタイプの大技じゃない!あんなのをくらってほぼ無傷だなんて、パルシェンって硬いのね」

 

「次はこの映像を見てくれ」

 

今度はトゲキッスがエアスラッシュを放つ。するとパルシェンは殻が傷つき、2メートルほど後方に吹き飛ばされてしまった。

 

「え、なんで?エアスラッシュの方が威力は低いとされているのに!?」

 

「さっきの事を思い出してみろ。ソニア」

 

「あ、分かった!トゲキッスは()()()()()()()けど()()()()()()()。だからぶつり技のブレイブバードより、とくしゅ技のエアスラッシュの方が威力が高かったってことね」

 

「正解だ。加えて言えばパルシェンは、ぼうぎょは高いが、とくぼうは極端に低い。だからこの様な結果になったと言うことだな」

 

「ところで、今回の例で思ったんだけど、そう言う○○が高いとかって、ポケモンごとに決まっているの?」

 

「いい質問だな。それをこれから話そうと思って居たんだ。先ほど紹介したH・A・B・C・D・Sだが、実は俺はこれらの要素を独自に数値化している。何を基準としているかとか、どの様な計算をしているかなどは、

教えることは出来ないが、幾つか計算後のデータは置いていこう。これらのデータには三種類の見方がある。俺はこの三種類のデータの事を3値と呼んでいる」

 

「なるほどね、データは後で見させて貰うわ」

 

「ああ、まず一つ目は、種族値だ。これは、さっきソニアが言っていたポケモンの種類ごとに決まっている値だ。例をだそう。ソニアはトゲピーとドラパルトどちらが強そうなイメージがある?」

 

「そりゃあドラパルトでしょ、なんでそんな当たり前のこと聞くのよ?」

 

「トゲピーは進化前だからドラパルトの方が強いに決まっていると言ってしまえばそれまでだが、これを種族値の観点から考えてみよう。トゲピーの種族値はH・A・B・C・D・Sの合計が245、ドラパルトは合計600と、ドラパルトの方が圧倒的に高い。つまり、種族値の観点から見てもドラパルトの方が強いと言う訳だ。ソニアの強弱関係のイメージはどのトゲピー、どのドラパルトにも言えることだろ。それは種族値も同じでドラパルトが何匹いても、皆同じ種族値を持っているんだ。」

 

「へぇーだったらその種族値が高いポケモンを使えば、バトルで勝てるんじゃないの?」

 

「ポケモンの強さはそれだけで決まる訳じゃない。タイプ、種族値のバランス、特性、覚える技の種類、強さの基準は多岐にわたる。しかし、ソニアの言っていることも正しいのが現状だ。ポケモンの本当の強さを引き出せるトレーナーが少ない現状、種族値の高さが正義なのかもしれない。だから、この数値の件については、研究に利用するのは構わないが他言無用にして欲しい。これらの知識が、トレーナーの間で広がれば少なからず、種族値の低いポケモンに対する差別意識が生まれるかもしれないからな」

 

「分かったわ、もちろん誰にも話さない」

 

「ok、じゃあ次だ、二つ目は個体値という。まぁなんと言うかポケモンの才能の様なものだ。これも例を出そう。ソニアは、ダンデさんのリザードンとそこら辺のトレーナーのリザードン、どちらが強いと思う?」

 

「そんなのダンデ君のリザードンに決まってるじゃない。ていうか私は呼び捨てなのに、ダンデ君はさん付けなのね」

 

「まぁそこまで親しくないからな」

 

「それって私のことは、親しくka-」

 

「話すを戻すぞ。同じリザードンでもダンデさんの方が強そうだろ。おそらくダンデさんのリザードンは他のリザードンよりバトルの才能がある。つまり個体値が高いと言うことだ。個体値は0から31の評価があり、H・A・B・C・D・Sのどれか一つが31である事をVと表記する。俺はダンデさんのリザードンは恐らく4つ以上が31、つまり4V以上であると推測している」

 

「なるほど、つまり同じポケモンでもそれぞれ違う個体値を持っているということね」

 

「そうだな」

 

「ちなみに聞きたいんだけど、その個体値っていうのは変えることはできないの?才能のないポケモンはそのままなの?」

 

「基本的には、個体値は生まれ持った才能だから変えることはできない。しかし()()()()()()()なるものをすれば、苦手を克服しVまで持って行けるらしいが詳しいことは俺も分からない。しかも、野生で高個体値のポケモンと出会える確率は2V以上で0.1%程度と言われている。これでは、野生で会うより孵化させた方が早いと無責任な大量孵化が、蔓延ってしまうかもしれない。だから、この数値のことも他言無用で頼む、しかもこの個体値、ポケモンセンターにあるパソコンで特定の条件を満たせば誰でも確認できてしまうからな。まぁ明確な数値は出てこないが」

 

「そうなんだ、、わかったわ」

 

「最後は努力値だ。これはポケモンやトレーナーが努力して、追加できる数値だ。

先ほどの種族値、個体値、そしてこの努力値を合わせて、出てきた実数値こそが実際にそのポケモンの強さを表す。後は性格も一応影響してくるが今は置いておこう。ただ、この努力値はどんなポケモン、誰のポケモンでも最大、合計510までしか追加できない。」

 

「つまり、私達がポケモンとトレーニングしているのは努力値を追加しているって事?」

 

「ああ、恐らくな。自然と努力値が振られていると思う。だがポケモンは努力値の振り方を変えるだけで全く違うポケモンとなる。そのポケモンに合った努力値の振り方をするのがベストだな」

 

「へー、ていうかそこまで数値化するとポケモンがあと何発で倒れるかとか、分かるんじゃないの?」

 

「いい質問だな。そうだな、俺は自分のポケモンなら大体わかる。だが相手のポケモンとなると、正確には分からないし、なによりポケモンも生き物だ。計算で全て出せる訳がない。ポケモンの体調やトレーナーとの絆、意思の力で数値の壁を飛び越えてくることもあるだろう」

 

「それじゃぁーー」

 

俺のソニアへの解説は夜明けまで続いた。

 

 

 

 

「おい、ソニア!聞いているのか?ってもう寝たか」

 

机の上に伏せて寝ているソニアに毛布を被せてやると、博士が起きてきた。

 

「悪いねぇこんな朝までソニアの為に。ソニア、私の後を継ぐか迷っているみたいだけど、今回の話はきっといい刺激になったよ」

 

「だと、いいんですけど」

 

「これ、約束の物だよ」

 

そう言って博士はダイマックスバンドとポケモン図鑑を手渡してくれた。

 

「招待状の件は追ってソニアに連絡させるからね」

 

「分かりました。ありがとうございました。それでは」

 

「もう行くのかい?」

 

「ええ、でないと開会式に間に合いませんので」

 

扉を開けると朝の日差しが差し込んで来た。なんでもない朝なのに少し気分が晴れやかなのは何故だろう。久しぶりに我を忘れてポケモンのことを語り合えたからだろうか。こんなに話したのは父さん以来の事だった。

 

 

 

 




突然投稿してすみません。リアルが慌ただし過ぎて更新をやめていました。最近は落ち着いてきたので、不定期ですが投稿しようと思います。
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