8月のある日のこと。エンマはその日の一誠に行う修行をトビオに任せ、国会議事堂の中に有る総理控室に訪れてきた。勿論、本体でである。訪れた訳は、総理である神津に呼ばれた為だ。
「エンマ。ニュースを見てるか?」
「勿論。相変わらず、他の国々は神様を持ち上げ過ぎな気がしますよ。日本の神様も言ってた通り、今は人の時代だ。だけど、彼等は少しやり過ぎな気がしますよ。まあ、余所の政治に俺達が口を出すのもあれですしね」
神仏の実在が証明され、海外では神々が当たり前のように政治に介入している。北欧やギリシャ等の有名どころは勿論のこと、アメリカではミカエル達も政治に介入しているのだ。神仏は国によって違うが、一部の国ではもう1つの王族のような扱いも受けているのだ。
「いや…それもそうだが…」
「あっ!あっちですか?他の国々が日本を批判している事と、北欧のオーディンが日本と首脳会談を行いたいって奴ですよね?」
エンマの言葉に従うように、神津は頷いた。
日本以外の先進国は聖書と共に和平を結んでいる。理由は今後の発展と世界を脅かす禍の団に対抗する為だ。禍の団は主に聖書のはみ出しもので構成されたテロ組織であり、ミカエルとアザゼルが言うには世界を滅ぼせる力を持っているそうだ。
そして、オーディンが日本と首脳会談を行いたいのである。理由は日本に禍の団対策で和平を持ちかけるためだ。オーディンを含め、多くの国々や神話の考えでは日本は禍の団との戦いでは確実に生き残れない。オーディンは日本の事を想い、和平を申し込みたいのだ。
「そうだ。神話が事実で有ると証明され、他の国では神々が事実上のトップと言っても過言ではない。そんな世の中、オーディンを含めた多くの神々は禍の団対策で和平を結んでいる。だが、日本は和平を結んでいない。彼等からすれば、日本は禍の団の手で滅ぼされると思っているのさ」
ぶっちゃけ言うと、日本がその気なら禍の団を1日で壊滅させることが可能だ。日本神話が動けば相手の居場所は常に分かるし、地獄に有る鏡を使えば相手の過去の行いも自在に見えるためだ。
だが…他の神話はその事を全くしない。知っていても真数千手を目撃したアザゼル位だろう。
「北の神様は日本と和平を結びたいのね…」
「それと、観光がしたいらしくてな。会談の3日前に日本にやって来る。エンマ、その際だが護衛を頼めるか?」
「勿論ですぜ、総理。何があっても日本とアンタは守ってやりますよ」
だが、神津総理とエンマは知らなかった。その護衛任務で、1人の神が地球から消え去るという事に成ることを。
一方その頃、一誠はトビオの指導の元でイリナとゼノヴィアと共に修行していた。修行場所は久遠寺屋敷の大きな庭である。
「ふふふ!!見ててイッセー君!全集中!霹靂一閃!!」
「見てくれ!!武装色の覇気を修得したんだ!これで、私のデュランダルも攻撃力アップだぞ!」
だが…そこで一誠は目頭を抑えた。
「あっあれ?可笑しいな…俺は疲れたのかな?なんか、イリナとゼノヴィアも見ない内にヤヴァイ事に成ってるぞ」
無理もない。エンマが一誠を鍛えている間、兵藤夫妻の護衛をトビオは行っていた。だが、その間にトビオは色々とゼノヴィアとイリナを鍛えてしまったようだ。
先ず、イリナは全集中の呼吸を修得し、身体能力が物凄くupしている。他にも様々な流派の呼吸を修得し、剣の腕に磨きがかかっていた。
ゼノヴィアもONE PIECEに出てくる武装色、見聞色の覇気を修得していた。お陰でゼノヴィアは敵の攻撃が読めるようになり、更にデュランダルも黒く染まっている。
「君も影分身とかめはめ波を覚えたから上出来だろ?」
「リアルカカシ先生のトビオさんに言われたくないよぉぉおおおお!!」
トビオの左目は普通の眼ではない。過去に色々と有り、元から有った眼を失ったのだ。その代わりに、トビオはエンマに眼を治してもらったのだが…エンマの気まぐれで写輪眼に成っていたのだ。
トビオが普段から左目を眼帯で隠してる訳だが、左目が写輪眼に成っていた為である。
「そろそろ休憩にしたら?ティータイムの時間よ」
庭に備え付けられた机にティーセットを置き、椅子に座りながら家主であるアリスがそう言った。
「はい!そうします!!」
一誠、リアルカカシ先生=トビオ、リアル鬼殺隊=イリナ、リアル海軍or海賊=ゼノヴィアから現実逃避するように真っ先にティータイムを始める。
だが、そこで一誠はふと、アリスに質問するのだった。
「そういや、アリスさんはエンマさんと結婚してるんですか?」
「してないわよ。私は時代に取り残れた魔女。彼は日ノ本を護る影。時間は有るけど、今は難しいわね」
アリスはそう言うと紅茶を喉に流し込む。
「出産の経験は無いけど、子供なら居るわ」
出産の経験はない。だけど子供は居る。そう言われ、一誠はエンマがRXを受肉させる前段階として受肉させたレミリアおぜう様達を思う。
「レミリアの事ですか?」
「違うわ。正真正銘、私とエンマの間の子よ」
出産の経験は無し、されどエンマとの間に実子は居る。そんな事を言われて一誠は疑問を浮かべるが、アリスは直ぐに答えてくれた。
「神仏の実在が明かされるまで、神秘は秘匿されるべきだったの。
だけどね…魔術協会は写輪眼の存在を知り、写輪眼が遺伝するのか知りたかった。だけど、エンマに手を出すのは余りにも危険すぎる」
写輪眼は本来、血継限界。血の繋がりで遺伝する特別な力である。その写輪眼を知れば、間違いなく裏側の人達は手を伸ばすだろう。
「その為か…魔術協会は人形師 蒼崎橙子に依頼したの。
柱間細胞純度100%であり写輪眼を持つエンマと優れた魔術師の遺伝子を掛け合わせて、能力が遺伝するのか調べてくれと」
言わばデザインベイビーを作れという事だったのだ。写輪眼の秘密を暴く為とは言え、魔術協会もやることがやることだろう。
「その結果。殆どの実験台は胚の段階から成長しなかった。
でも、私とエンマの遺伝子を合わせた子は無事に成長した。その上、写輪眼を受け継いでね。その子を知ったエンマは魔術協会に襲撃を仕掛け、本人曰くOHANSIして養育権を取ったわ」
「やることがえげつな!魔術協会もエンマさんも!」
結論、エンマは子供1人の為に魔術協会と戦って勝ったもよう。
「最初の数年間は此処で育ったけど、小学校を卒業してからはイギリスの友人 ロード・エルメロイ二世の所に預けられてるわ。
一応、付き人として日本の桃源郷で暮らしてるウサギの天女が居るけどね」
「お子さんってどんな子ですか?」
「エンマ以上の大バカよ。外見は私そっくり、今で言えば腐男子?」
「はーい!阿部さんと野獣先輩の同人誌入りませんか?」
その頃、ハワイ…ルルハワではアリスと瓜二つな顔をした男の娘が良い男と野獣先輩とのホモ同人誌をコミケで売っていた。
だが…あんまり売れなかった。
「火影様!!若の暴走を止めてくださいよ!!」
その男の娘の付き人であり、何処から見てもウサミミが生えた鈴仙・優曇華院・イナバな天女は嘆いた。当たり前だが、こんな場所でホモ同人誌を売られても…将来が心配な為だ。
エンマとアリスの子供はロキ様がくたばってから、本格的に出てきます。
次回!来訪のオーディン。果たして、日本の運命は!?