飛雷神の術。それはナルトに出てくる時空間忍術であり、マーキングを施した所に自在に本人や他の物質を送る事が出来る忍術であり、早い話テレポートだ。そんな飛雷神は卑劣様が考案し、その利便性を理解したエンマは気合いと根性で修得した物である。
そんな飛雷神で堕天使に殺されようとした駒王育ち駒王在住の兵藤一誠を連れて、エンマは採石場にやって来ていた。その採石場は現在は使われておらず、完全にエンマの実験場と成っていることを一誠は知らない。
「ここって…採石場?」
「特撮とかのシーンでお馴染みの採石場だ。今は使われる事が無い採石場でな…今となっては俺の修行場所及び実験場と成っている。
此処にお前を連れてきた訳だが、君にはとても強力な神器が宿っている可能性が高い」
エンマは一誠に神器という物を説明する。聖書に記された神様が作った力であること、中には危険な魔物を封じ込めた代物もあり、自分の中に宿る神器はその何かを封じ込めた代物であると言うことだ。
「俺の中にそんな物が!?」
「何がとは断定できない。だけど…俺が写輪眼で確認した時、お前の左腕にはとても強力なドラゴンが宿っていた。恐らく、神滅具と呼ばれる物だろうな」
神滅具。新しい単語を聞いて一誠は首を傾げる。
「神滅具?なんですか?なんか…さっきの出来事が有るから信じますけど、普通なら嘘っぱちな話と思われますよ」
「だろうな。因みに俺も宿しているが、神滅具とはキリスト教の勢力…世間的には三大勢力と呼ばれている。その三大勢力の皆さんが名付けた神様さえ殺せる神器の事だ。全部で13種類あってな…俺も宿してる」
すると、エンマの隣に突如として大きな獣が出現した。そのモンスターはティラノサウルスを思わせる大きな頭部、翼竜のような翼腕が強靭に発達した前足と成っていた。だが、一誠はこのモンスターを知っている。一誠もやっているゲーム、モンスターハンターシリーズに出てくるティガレックスという大型モンスターだ。
最新のシリーズであるワールドと薄型テレビの映像が繰り出す、ティガレックスは画面の向こうの存在であるが…それが実際に目の前に現れたのだ。やはり、年頃の一誠はティガレックスを見れた為か、興奮気味に成る。
「ティガレックス!?うそ!?」
「俺の神器は魔獣創造。俺のイメージが許す限り、自在にモンスターを産み出せる。禁手と呼ばれる形態はともかく、その上を行く制御装置の解放を使えば自分の体も弄くれるが…これは未だ早いな」
そう言い、ティガレックスの顎の下を撫でるエンマ。生命体を産み出せるためか、仮の生命だとしてもティガレックスは生きており…気持ち良さそうにゴロゴロと喉を成らした。
「さてと…お前の神器は左手に宿ってる事は分かる。だが、未だ神器が目覚めてなかったら出し方が分からないだろ?
先ずは自分が一番強い物をイメージしてみろ。そうすれば出やすいそうだ」
エンマに言われ、一誠は刀のような物を想像し、構える。どうやら彼の思う一番強い者とは剣士のようだ。
「ヒノカミ神楽!!陽火突!!」
ヒノカミ神楽…それはジャンプ漫画大好き人間であるエンマも知っている。最近に成って社会現象とも成ったジャンプの大人気漫画 鬼滅の刃に出てくる技だ。鬼滅の刃は鬼と作中では言われているが、吸血鬼を刀で倒す日本一優しい鬼退治の漫画である。
「鬼滅は知ってて、NARUTO -ナルト-は知らないのか」
「世代が違うんすよ」
一誠は今時の子供。それに対してエンマはアラフォーのおっさん。ジャンプをお互いに読んでいるとは言え、好きな漫画が連載してた時期が異なるのだ。
一誠の好きな鬼滅は最近連載が終了したが、エンマの大好きなNARUTO -ナルト-は20年以上前から連載しており、数年前に完結したのだ。
だが…ヒノカミ神楽の真似をした一誠の左腕に光が溢れ…気が付けば彼の左手には龍の力を感じる赤い篭手が装備されていた。
「封印式の装備型か…」
ボソっとエンマが言う。一誠が装備した神器は龍の手と言われるありふれた神器だ。能力も展開してる間は自分の力を2倍に引き上げ、禁手に至ると宿されたドラゴンの力を具現化させて鎧を全身に纏うのが基本である。
神器の中では外れ扱いされるが、禁手になれば宿されたドラゴンによっては汎用性等に優れるのでそこまで外れ扱いでは無いだろう。だが、エンマは首を傾げた。龍の手はありふれた神器であり、過去にエンマは何度も遭遇しており…大体はどんな物か知っている。しかし、あの時に写輪眼が視た中の気配は今まで遭遇した龍の手のドラゴンとは比べ物に成らない程の力を宿していたのだから。
妙だと思い、エンマは両面に写輪眼を発動させて一誠の神器を見る。当然、――また目に黒子が!?とナルトを知らない世代の一誠は叫んだが気にしてはいけない。
「ビンゴ。やっぱりか」
神器が表に出てきて、より見やすくなった為か…エンマは理解した。先ず、一誠の神器は不安定な覚醒をしており…完全には起動していない。恐らく、物騒な日常に巻き込まれることなく平和に過ごしてきた為に神器が完全には目覚めておらず…造形も下位互換な龍の手に成ってたのだろう。
何故なら…写輪眼を通したエンマの瞳には本来の一誠の神器の姿が見えており、それは別物の篭手……ブリテンの守護神である赤い龍を宿した篭手だったのだ。
一誠の宿した神器は赤龍帝の篭手。神滅具の1つであり、エンマが日本政府から保護を頼まれた人物と言う事に成るのだ。
「少年。お前の神器は神滅具と呼ばれる物だ。今は不完全な覚醒をしてて、よわっちい見た目をしてるけどな」
「神滅具って言うと……」
「そうだ。さっきも話した通り、神さえも殺せる代物だ。だが…お前の今後の為にも今、目覚めさせる。良し、お前…今から全力で逃げろ。このティガレックスからな!!」
へ?と一誠は唖然とする。今、エンマはティガレックスから全力で逃げろと言ったのだ。つまり、エンマは一誠の神器を覚醒させるためにティガレックスをけしかけ、一誠は全力で逃げなければ成らないのである。
もし、へまをすれば…一誠は肉片に成ってしまうだろう。
「……冗談ですよね?」
「マジ。もし、死んでしまっても俺がグレート・スピリッツ呼んで蘇生してやるから安心しろ。あれならエドテンでも良いぞ」
どうやらマジである。ティガレックスは力一杯叫び、一誠の耳が耳鳴りする程の高音が周囲に響き渡った。
「さあ!!行くのだ!!ティガレックス!!」
「マジかよ!!ふざんけんじゃねぇぇぇぇええ!!」
ティガレックスをけしかけられ、一誠は全力で逃げる。一誠とティガレックスが離れると…
「そろそろか…木遁分身!!」
エンマは木遁分身という…木遁を用いた分身を行う。この木遁分身は分身と本体で常に情報のやり取りを行うことが出来るのだ。
魔獣創造の力で木遁もやってるので、魔力の消費も影分身と比べると遥かに良くて燃費が物凄く低い。1体作るのに影分身10体分の魔力で出来るのだ。しかも、偽物と本物の区別が殆んどつかないという便利な物である。
「頼むぞ。俺は兵藤一誠少年を見るからに、駒王の管理者に挨拶を」
「ああ」
エンマの本体は木遁分身にそう告げて、木遁分身は飛雷神で駒王の管理者が住まう駒王学園に飛んで行った。
「エンマさーーーん!!」
「おっ!篭手が進化したか。ティガレックス、もう良いぞ」
そして無事に一誠の神器は本来の形に進化したのだが…
「それじゃあ、次は戦い方を教えるぞ。今からサイバイマン出すから、戦ってくれ」
「なんでサイバイマン!?サイバイマンってヤムチャよりも強いんだけど!!そこは初心者向けの奴とか居るだろ!!モンハンだったらランポスとか、居るじゃないか!!それ以前に、俺…一般ピープルなんですけど!」
採石場に一誠の叫びが響いた。彼のツッコミライフは始まったばかりである。
「あら。貴方が日本政府の千手さんね。私はグレモリー家次期当主のリアス・グレモリーよ」
「千手閻間だ。エンマで良いぞ」
木遁分身のエンマは駒王の管理者と話を行っていた。しかし、リアスは知らない。エンマの長期滞在?で胃痛に成ってしまう事を。
一方その頃、日本政府の外務省の一室。
「赤龍帝の保護か。良くやったなエンマ、それでこそ私の弟だ」
外見年齢なら年若い女性が通話に出てそう言った。彼女の名前は千手鉋…人は彼女をカンナと呼んでいる。名字から分かる通り、彼女はエンマの姉である。
「ランサー!!家の掃除を宜しく。明日、エンマのアホが赤龍帝の少年連れて帰ってくるぞ」
カンナの言葉を聞いて、音もなく部屋にローマ兵のような装備に身を包んだ男が現れた。
「掃除なら日頃からエリセと彼女のサーヴァントであるセイバーがしてるぞ。というか、エンマが置いていった家政婦タブンネが日頃から家事をやってくれてる筈だ」
「あっ!そうだったな。まあ、弟の本体の久々のご帰宅だ!
エリセとギャラハッド・オルタことギャーさんにも伝えてくれ。明日は宴だとな!!」
エンマの家族を知り、一誠がツッコミの悲鳴を挙げるのは近い。
因みに…此処でのギャラハッド・オルタ…作者の別作品で様々な人々に世紀末戦法でトラウマを植え付けてきたアイツです。一誠の胃は絶対に死んだ!!
次回!一誠、エンマの実家に向かう。一方、駒王ではエンマの影分身が大暴れ!?
「ギャラハッドだ。一応、此処とは平行世界の出だし…この世界の俺とは色々と違う。ギャラハッド・オルタと自称してるが、気軽にギャーさんと呼ぶが良い」
「エンマの姉のサーヴァントだ。ルキウスと気軽に呼んでくれ」
「この家で厄介になってるエリセです。あっ、そこは勝手に触らないで。私のサーヴァントが仕掛けた防犯用のクレイモアが爆発するから」
「マジでなんなの!?」
エンマ×100「互譲起爆大爆発!!」
リアス「駒王教会が…も…燃えてる……」