魔獣創造がはっちゃけた   作:静かなるモアイ

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この作品の切り裂きジャックはぶっ壊れです


仮想訓練!!一誠「始まった」

「数日後、フィオレがイナバ連れて遊びに来る。まあ、それまでにVR訓練をある程度は進めといてくれ」

 

エンマにそう言われ、一誠は再びVR訓練を開始した。

 

 

 

時間軸はイナバ単独襲撃マーキング事件から3日後。ダーニック忍殺宣言の時間まで残り4日の事だった。

 

「聞いてよ!僕のマスターはあの缶詰にやられちゃってさ。暫く部屋から出てこないんだ」

 

一誠は暇をもて余したアストルフォと共にミレニア城の内部を散歩していた。というか、アストルフォを含めたライダーペアはやる気が殆ど無い。

 

アストルフォのマスターであるセレニケはぶっちゃけると、可愛いサーヴァントをペロペロとしたかった変態。その為に元々聖杯大戦はヤル気皆無。その上、アストルフォはやるときはやるが、序盤から絶望的な黒の陣営なのとマスターがアレなので乗り気ではない。

 

ダーニックはユグドミレニアの主として多忙な戦いを強いられ、ロシェとキャスターはゴーレムを量産して戦力増強。ゴルドは資金調達からホムンクルス製造を行い戦力増強、更にはサーヴァントであるセイバーとコミュニケーションを取っている。フィオレとカウレスも自身のサーヴァントとコミュニケーションを捗り、信頼関係を深めている。だが、セレニケはぶっちゃけ何も仕事はしておらず、シュールストレミングに敗北してからは部屋に引きこもっているのだ。

余談だが、何処かの宝石爺さん曰く平行世界のゴルドはセイバーの真名の発覚を恐れてコミュニケーションを取っ手なかったとか。

 

「まあ…女性だから臭いに敏感だしな(シュールストレミングを兵器に転用するとか、やっぱり親子だな)」

 

一誠は苦笑いを浮かべ、エンマとイナバが親子である事をつくづく実感した。シュールストレミングという最強の食べ物を兵器として転用して相手に被害を与える。

シュールストレミングは余りにも臭すぎて、暫くは普通の食事も喉を通り辛く成る程だ。その上、臭いは1週間程は消えないのである。

 

「アリスさんに似てるのは…顔だけか」

 

神様が擬人化したような当時のイナバ。父親譲りの発想力と写輪眼、母親と似てるのは顔だけ。そんなイナバを思って一誠は嘆くようにそう言った。

 

(そう言や…人間らしい感性を持ってるのって、フィオレさんとゴルドさん、そんでカウレス位か。でもカウレスって魔術師らしい本性も有りそうだけどな)

 

一誠はそんな事を思い、黒の面子を思い浮かべる。一誠がミレニア城で過ごしてから3日程は経ったが、一誠が人間らしいと判断出来たのはフィオレ、ゴルド、カウレス位である。ロシェは一誠の事が眼中に無いようだし、セレニケは判断する前に部屋に引きこもった。そして一誠と実際に話、交渉したダーニックは一誠をどう利用しようかと考えていた事を一誠は感づいていた。

 

セレニケは臭いに完全敗北し、引き子さん。

ロシェと黒のキャスターも臭いに完全敗北して部屋に引きこもってゴーレムを量産中…もう、臭いを忘れる為に量産しまくってるとか。

そしてダーニックは臭いで部屋に引きこもり、黒のランサーは気合いで玉座に座っている。

 

「てか、黒の陣営って真名が直ぐにバレやすいんじゃないのか?」

「だよね」

 

一誠の言葉に同意するようにアストルフォも言った。そく、黒の陣営のサーヴァント達は真名が全員バレやすいん特徴がある。

先ずは黒のセイバーであるジークフリート。彼の場合はバルムンクでバレバレだ。と言うのも、この世界では三大勢力が様々な宝具を保有しており、エクソシストがバルムンクを使ってるのは裏側では有名な話だ。だから、裏側の知識を持つ人が剣を見れば即バレる。

黒のアーチャーであるヘラクレスは世界的に有名すぎる英雄だ。その為に此方もバレる。

黒のランサーであるヴラド三世もルーマニアでは絶大な知名度を誇り、同じく直ぐにバレる。

黒のライダーであるアストルフォも三大勢力と深い関係に有り、同じくバレる。結果、三大騎士クラスの3人とライダーのアストルフォは調べれば直ぐにバレてしまうのだ。

 

既に情報戦が始まってから数日以上の日が流れており、間違いなく赤の陣営は対策を練ってくるだろう。それに、黒のマスターはフィオレを除き飛雷神のマーキングが施されている。もう、この時点で詰んでいるがそれでも黒の陣営は戦うしかないのだ。

 

曲がり角を曲がって直ぐだった。廊下にパンツ一丁のありのままの姿で、見たことも無い少年が倒れていた。心音、呼吸からして大分疲弊している。

 

(えっ?おい…嘘だろ…)

 

そして一誠は染み付いた特技から少年の年齢等を理解し、同時に普通の人間では無いことを理解した。先ず、少年の年齢は産まれたばかり、そう産まれたばかりなのだ。そして、人間は産まれた時は決まって赤子である。赤子ではなくある程度は成長した少年の姿から、一誠は理解する。この少年は人間ではなくホムンクルスだと。

 

「た゛…す゛…け…て」

 

ホムンクルスは小さく、それでもハッキリと助けを求めた。

 

「うん!任せてよ!!僕が絶対に助けてあげる!」

 

アストルフォは強く頷き、ホムンクルスを抱っこした。そして、一誠とアストルフォがホムンクルスを匿う為に運んだ場所が…

 

「おい。なんで俺の所に持ってきた?」

「信頼出来るのヘラクレス位じゃん!キャスターはダメでしょ?ランサーも恐いし、それでもさ!ヘラクレスは言ったよね!俺は正しい者の味方だって!!」

 

黒のアーチャー 黒の陣営最強のサーヴァント ヘラクレスの自室である。

ヘラクレスの自室にはヘラクレスは勿論、マスターのフィオレ。更にはセイバーとゴルドも居たのだ。どうやら、前衛の要であるセイバーとそのマスターであるゴルドと共に戦いの打ち合わせを行っていたようである。

 

「仕方がないか、そこのベッドに寝かせてやれ。師範やアスクピレオ程ではないが、医療の心得も有るからな」

 

ヘラクレスの指示に従い、アストルフォはホムンクルスをベッドに寝かせる。いざ、ヘラクレスが診察を行うとしたが、ゴルドが制止させる。

 

「私がやる。この中でホムンクルスに一番詳しいのは私だ」

「そうだったな。それじゃあ、ごっさん。頼むぞ」

 

ユグドミレニアのホムンクルス達は全員、ゴルドが錬金術で産み出した。ならば、この中で一番ホムンクルスに詳しく適切な治療が出来るのは彼である。

 

「ふむ…魔術回路を強引に使い、更には筋肉も酷使している。成る程な」

 

一通りの診察を終えたゴルドはそう言うと、アストルフォと一誠を見て告げる。

 

「この子の命は持って3年だ。人として活動できる時間はもっと少ないかもしれん」

「そんな!?どうしてだよ!!」

 

アストルフォが叫ぶのは無理はない。だが、ゴルドは淡々と事実を告げていく。

 

「先ずだ。この子は人として生きる事を前提には作られていない。雑事担当や戦闘ホムンクルスと比べ、この子はそう言う活動を前提としては作られておらん。

この子は本来、心を持たず自我も持つ事は有り得ん。奇跡でも起きない限りはな…」

「というと?」

「サーヴァント達の魔力提供の為に作ったからだ。自我に目覚めず、心臓を動かして魔力を生み出す為の存在だった」

 

ゴルド曰く、アストルフォやジークフリートを含めヘラクレス以外の黒のサーヴァントはゴルドが製造したとあるホムンクルスから魔力提供を受けているそうだ。

その魔力提供を行うホムンクルス達は自我はなく、心も無い。簡単に言えば細胞は生きていて心臓は動き、魔力を生み出す事は出来るが産まれた時から脳死に近い状態だそうだ。

ベッドで眠るホムンクルスの少年もそう言うホムンクルスであり、魔力を生み出す為だけに産まれ水槽の中で一生を終える予定だったのだ。

 

「だけど…この子はどういう訳か、普通のホムンクルスや私達と同じく自我に目覚めた。そう言う事ですね」

「そうだ。肉体も運動に耐えられる物ではない、産まれたときから虚弱だ。ほんの少し、移動しただけでもマラソンを走ったに匹敵する運動量だったろうに」

「ごっさん。1つ良いか?」

 

ヘラクレスが指を立てて問う。

 

「アンタ。この子を水槽に戻し、魔力の電池みたいに使うつもりか?俺がその魔力提供を断った理由を知ってるだろ」

 

ヘラクレスがホムンクルス達から魔力提供を断った理由は単純。いくら自我はなく産まれた時から脳死に近いとはいえ、彼等を犠牲にしてまで戦いたいとは思えなかったからだ。アストルフォやジークフリート、ヴラド三世がその方法で魔力提供されてたのは見ぬふりをしてた。だが、自我が芽生えたホムンクルスを魔力提供の水槽に戻す事は彼の正義が許さない。この子は命からがら逃げ出し、生きる為に助けを求めた。その命を捨てる事はヘラクレスは出来ないのだ。

 

「私だってそこまで外道ではない!魔力提供のホムンクルス達も、苦しい思いをさせない為に脳死に近い状態で自我を芽生えさせないようにやってたんだ!」

「良かった。戻すと言ったら、俺の拳が炸裂したぞ」

 

ゴルドことごっさん。九死に一生を得る。

 

この子をどうやって匿うか。その話題を一誠、アーチャーペア、セイバーペア、そしてアストルフォで話し合うかを決めようとした時…突如として激しい爆音と衝撃波がミレニア城を襲った。

 

「うぐ!?」

「なに!?」

 

一誠とアストルフォは耳を塞ぎ。

 

「キャ!?」

「うぉ!?」

 

フィオレも耳を塞ぎ、ヘラクレスは咄嗟にフィオレを庇う。

 

「ぬぉ!?」

「ぐ!?」

 

ゴルドも耳を塞ぎ、ジークフリートはゴルドとホムンクルスを庇う。

 

何が起きたのか理解できなかった彼等であったが、寝ているホムンクルスを除き一誠達は窓から外を見る。外にはミレニア城の一角が消し飛んでおり、消し飛んだ一角の中心にはクレーターが出来ており…そこには。

 

「は!?マジかよ!?」

「アーチャー?」

「マスターは絶対に見るな!」

 

ヘラクレスはその視力でクレーターの中心に有った物質に気付き、フィオレに視界共有の魔術を使わないように言う。

 

「ねぇ…何があったの?セイバーは見えた?」

「ああ…あれは…大きな岩、飛び散った肉片。そして、ダーニックの右腕だ」

 

ダーニック。聖杯大戦リタイア。

 

ダーニックの右腕が残ったのは魔術刻印が有ったからだろう。突如として肉片に変わったダーニック。余りの恐ろしさに一誠達は言葉が出ない。

 

「フィオレ…これは久遠寺イナバの仕業か?」

「いえ。あの子は私を殺さないと言いました。ならば、こんな場所で大規模忍術は使いません。殺すなら、螺旋丸や千鳥を使うはず」

 

ゴルドの言葉を否定するようにフィオレは告げた。ならば一体誰が?

 

――グゥゥゥガガガガ!!

 

――先生!!先生!!助けて!!先生!!

 

今度はキャスターの悲鳴とロシェの叫びが響いた。

 

「ロシェ!?」

「俺が行く。アーチャーはマスターとその子を」

 

ジークフリートはそう言うとロシェを助けるために部屋を飛び出した。

 

「俺も行く!」

「僕も!」

 

一誠とアストルフォもジークフリートを追って部屋を飛び出した。

3人がキャスターペアの工房に辿り着くと、そこには…

 

「助けて!!」

 

霧に包まれ何処かに消えたロシェ。そして、内部から蟻に食い殺されたキャスターの姿だった。

 

――霧?…絶霧?ダーニックミンチ?……ジャック・ザ・リッパー!?もう仕掛けて来やがった!?

 

一誠。エンマから教えてもらった知識から黒の陣営襲撃の犯人を理解する。

 




ダーニック、ミンチ。ロシェ、拐われる。アヴィケブロン先生…軍隊蟻に中から食い殺される。

はい。本気を出した絶霧のなせる技です(笑)
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