魔獣創造がはっちゃけた   作:静かなるモアイ

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実は壮大なネタバレが有ったので、一部のコメントの返信にウソを着きました。ごめんなさい。

だってね………本気で当てた人がいるんだよぉぉおお!

イナバが神の◯◯◯みたいなの?って


仮想訓練!!一誠「えっ?マジだったのか」

――普通の魔術師の肉体ならば完成体スサノオの使用に耐えられないかと。やはり、あれは漫画だからです。柱間細胞が遺伝しないとすると…

 

――千手閻間のような柱間細胞は遺伝しないのか。

 

――ならば人ならざる物を降霊させれば良い。万華鏡写輪眼は日本神話に出てくる神々やそれに関わる代物の名前が使われる。相性も良いだろう。

 

――神そのものの降霊は危険だが、私の友人に最上級悪魔が居る。彼等にも協力してもらう。もしかすれば、神々の分霊ならば降霊させる事が出来るだろう。

 

――ふむ。ならば魂が出来る前…本当に最初期の胚の段階で降霊させた神を定着させましょう。

 

――複数体完成すれば、何体かは貴族悪魔に手渡すか。彼等も写輪眼の恩恵を知りたいだろう。

 

久遠寺イナバ誕生の11月ヶ月前に交わされた時計塔の会話である。

 

なお、この会話データは録音されておらずエンマさえもグレート・スピリッツで過去を見るまで知らなかった。

 

 

ダーニック死亡事件から4日後。

 

『久遠寺イナバはもしかすれば、人間ではないのかも知れん。

あの子が災いをもたらすのか、それとも希望をもたらすのかは千手エンマと私達にかかってる』

 

フィオレは数ヶ月前…イギリスのディズニーランドで撮ったイナバとのツーショット写真を見て、ロード・エルメロイ二世の言葉を思い出す。

 

ダーニック死亡、続けてランサーの即敗退。ロシェ、霧に包まれ行方不明。黒のキャスター敗退。その事実を受けて、フィオレは暫定的にユグドミレニアの当主に成ってしまった。

そして即問題発生。一誠やジークフリートの証言からロシェ誘拐犯人と黒のキャスターを殺した犯人をサーヴァントであり絶霧の所有者と定める。絶霧は飛雷神と違いマーキングを必要とせずに転移可能であり、消費チャクラや魔力さえも無い。絶霧を使うサーヴァントが未だ合流していない黒のアサシンなのか、赤のサーヴァントなのか分からない。だが、敵なのは間違いない。

 

「使い方が歴代の所有者と違う。それにサーヴァントは基本的に神秘を帯びた攻撃しか喰らわない。でも、黒のキャスターは軍隊蟻に内側から食い殺された」

 

本来、サーヴァントは神秘を帯びた攻撃しか喰らわない。魔術やサーヴァントの武装等でしかダメージを与えることが出来ないのだ。一応、殴る蹴る等の物理攻撃も喰らうが人間の腕力では普通は勝つことは不可能。

 

なのに、本来は神秘の無い軍隊蟻にキャスターが食い殺された。この事から軍隊蟻は神秘を帯びている。絶霧は聖書の神が製作した神造兵器。その霧で力を付加させれば軍隊蟻でもサーヴァントを傷着ける事は可能だ。

 

「これは非常に不味いですわ。白旗でも挙げるべきでしょうか?」

 

フィオレが弱音を吐きながら、そう言った。唯でさえ、イナバの飛雷神で黒の陣営は何時でも殺られる状態。その上、未知のサーヴァントが使う絶霧。もう、逃げ場は何処にも無いだろう。

言うならば、黒の陣営は完全に捕捉され続けた状態だ。ダーニックの飛雷神が消えた事から、イナバもダーニックの死を理解しただろう。だとすればイナバが他の赤の陣営に報告去れば総攻撃を仕掛けてくるかも知れない。いや、もし…絶霧が赤のサーヴァントならば大量の爆弾を投下させられて一気に殺される。

 

「しかも…絶霧を使うサーヴァントはやってくれますね」

 

フィオレが大きな溜め息を吐き出した。無理もない事だが、絶霧のサーヴァントは殺害以外にも色々とやってくれたのである。

先ず、絶霧のサーヴァントがやったのはダーニック殺害とロシェ誘拐、黒のキャスター殺害だ。ダーニックの殺害現場からは隕石が発見されており、ダーニックは宇宙空間を漂う隕石を真上に転移させられてその衝撃でミンチに成ったのだろう。それしか考えられない。黒のキャスターの場合はルーマニアには生息していない筈の軍隊蟻の手でキャスターは殺された。それも外部からの侵入ではなく中からの侵入である。どう考えても絶霧でしか出来ない事だ。

 

そして何よりフィオレが頭を抱えるのは別の問題だ。1つはフィオレはそこまで問題ではないが、魔力提供用だったホムンクルス達が水槽から全員丸ごと居なくなっていたのだ。水槽はアストルフォと一誠が保護した少年ホムンクルスが脱走した水槽以外は割れておらず、間違いなく絶霧の仕業である。

 

その結果、ジークフリート 弱体化。アストルフォ 弱体化。フランケンシュタイン 弱体化。である。黒のアサシンが合流していない状況では黒の陣営はアーチャー、セイバー、ライダー、バーサーカーの4騎しか居ない。この状況でどうやって生きるのかをフィオレは考える。いや、魔力面以外でも死活問題が起きていたのだ。

 

「まさか…絶霧のサーヴァントがミレニア城に有った資金を根刮ぎ盗むなんて」

 

ミレニア城にはダーニックの豊富な資材が有ったが、その全てが絶霧の手で没収。その上、冷蔵庫の中に入ってた食料の大半も没収。食費の事を考えればミレニア城の資金は1週間以内に危険領域に成るだろう。

 

黒の陣営…絶体絶命!!

 

フィオレが大きな溜め息を吐き出すと、フィオレの側にヘラクレスが実体化する。

 

「フィオレ。取り合えず、あのジークはルーラーの伝を借りて中立地帯の教会に避難させたぞ」

「ありがとうアーチャー」

 

あのホムンクルスの少年は結局の所、此処から避難させる事に成ったのだ。

いや、ホムンクルスの少年とは失礼だろう。今の彼はジークという立派な名前が有るのだ。名付け親はまさかの黒のセイバーであり、名前の意味は勝利である。3年しか生きられない残酷な運命に勝つようにと、ジークフリートが付けたのだ。

 

黒のセイバーからはジークという立派な名前を、黒のアーチャーからは簡単なリハビリメニューの書かれたノートを、ゴルドからは簡単な料理のレシピと体質改善の薬を受け取り、ルーラー ジャンヌとアストルフォの護衛の元でジークは教会に向かっている。その教会はジャンヌが拠点にしており、一先ずは安全だ。

 

「しかし、ルーラーが仰天した顔で飛んできた時は焦ったな」

「無理もないですけどね」

 

ジャンヌが関わった訳だが、理由は単純。いきなり黒のランサーと黒のキャスターが赤のサーヴァントと関わらず、いきなり消滅した為である。

仲間割れかと思ったルーラーは戦いを停める為にやって来たが、消滅の現場を見てしまい…この聖杯大戦は可笑しいと流石のルーラーも思ってしまったようだ。

 

「フィオレ。そろそろだぞ」

「分かってますよ」

 

黒の陣営は火の車であり、絶体絶命。お金も無い、少量も無い。ナイナイ尽くしの聖杯大戦を行わなければ成らないのだ。

 

 

 

フィオレとヘラクレスが移動したのはミレニア城の食堂。そこには既に現在生き残ってる黒の陣営のマスターとサーヴァント、そして居候の一誠が集まっていた。

 

勿論…臭いが取れたセレニケも其処には参加しており、これで黒の陣営が一先ず全員揃った事に成ったのだ。

 

「全員揃ってますね。単刀直入に告げます。私達、ユグドミレニアは敗北寸前と言っても過言では有りません」

 

主力だったランサーが消滅、物量作戦の要だったキャスターが消滅、ロシェも含め不明。更に食料も資金も消えてしまった。だが、白旗を挙げる事は出来ない。何故ならユグドミレニアは魔術協会からの独立をかけ、宣戦布告したのだ。

負ければ間違いなく破滅。生きていても、間違いなく実験台等々、負ければバッドエンドしか待っていない。

 

「資金集めも勿論です。資金集めに関しては、ゴルド叔父様とセイバーにしてもらいます。

セイバー、確か貴方には黄金率のスキルが有りましたね?それを使い、バイトするなりスクラッチ宝くじをするなりしてお金を稼いでください」

 

取り合えず必要なのは金、食料である。マスターとホムンクルス達の食料は必須、更にサーヴァントの魔力消費も抑えると考えるとサーヴァントの食事も必要だ。ならば、働くしかない。

 

「次にライダー!」

「はいはーい!フィオレちゃん!僕は何をすれば良いの?」

 

アストルフォは元気一杯に手を挙げた。

 

「貴方にはこの操縦方法を覚えてもらいます。ゴーレムが使えない以上、私が表の技術と魔術を合わせて作り上げたドローン礼装の操縦の仕方です。私の考えが正しければ、騎乗スキルはラジコンにも適用されると思いますので」

 

フィオレは何処から取り出したのか、ドローンの空飛ぶラジコン、そして芋虫や蛇のようにクネクネと動くカメラ付きのドローンだ。

 

「そして一誠さん。巻き込まれた貴方に頼むのは無理も承知ですが、手裏剣影分身は出来ますか?」

「出来るけど」

「ならば、このドローン礼装を各個50個に増やして下さい」

 

一誠、フィオレに言われてドローン礼装を50個以上に影分身させる。

 

「姉ちゃん。俺とバーサーカーは?」

「カウレスとバーサーカーは電気供給をお願いします。それと、人体に付けられたマーキング以外の飛雷神のマーキングを見付け次第に潰して」

 

テキパキと指示を出していくフィオレ。

 

「アレ?てっきり、仲間割れしたんだと思ったんだけどな」

 

その声が聞こえ…フィオレ以外の全員が臨戦態勢に突入してしまった。何故なら、飛雷神でイナバとイナバのサーヴァントである赤のバーサーカーが飛んできた為だ。

 

「「「久遠寺イナバ!?」」」

「やっほー!まあ、攻撃されない限り…俺からは仕掛けないよ!」

 

瞳を写輪眼に変化させ、イナバはそう言った。

 

「イナバ。この場で万華鏡写輪眼はやっては行けませんよ」

「えーー!フィオレちゃんのケチ!!」

 

フィオレの言葉に対し、イナバは頬を膨らませて抗議する。その様子を見ると、敵対関係と言うよりも姉弟のようだ。

 

「そうそう。私、イナバに聞きたい事が有ったんです。3つ質問…質問宜しい?」

「フィオレちゃんのお願いなら仕方がないなー!なんだい?」

「姉ちゃん!今は「だまれメガネ」ケツガ!!!」

 

カウレス。台詞を遮られ、イナバの手で幻術にかけられ、夢の中で阿部さんの手で尻を掘られる。勿論…万華鏡は使ってないので刺激は少なめだ。ショック死する事は無いだろう。

 

「先ず1つ!貴方が今、この場に現れた理由は?」

「黒のランサーのマスターに仕掛けた飛雷神のマーキングが消えてさ、ソイツが死んだ事を理解したんだ。赤のサーヴァントやマスターは誰も仕掛けてないし、仲間割れかなと思ってフィオレちゃんを助けに来たけど…その必要はなかったね」

 

どうやら、イナバは黒の陣営がお互いに仲間割れしたかと思い、フィオレを回収しに来たようだ。だが、彼の言う通り、その必要は無いだろう。

 

「2つ目。赤のサーヴァントとマスターで、神器を宿してる人は?」

「居ないよ。でもさ、俺はセイバーのマスター以外は信用はしてないよ?」

「そう。それじゃあ、3つ目の質問を変えます。最後の質問です。アーチャーから聞きましたが、貴方のサーヴァント…十中八九で平行世界のサーヴァントでしょ?アーチャーの本体が外交で感じた神威と同じ気配だそうですしね」

「へー!じゃあ、フィオレちゃんはバーサーカーの真名分かるんだ!」

 

この世界では神仏が実在することは当時から裏の世界では知られている。

 

「ええ。そうですね……私とイナバに分かりやすく言うと、アベンジャーズの一員ですね?半神であり、鎚を武器にして鉄の手袋を持つ。彼しか居ません」

「YES!!!フィオレちゃんにはバレちゃった?」

 

アベンジャーズの一員であり半神…そう言われ、表の世界にも明るいゴルドは唖然とする。

 

「バカな…神は召喚できんぞ!!出来ても、半神半人か元が人間だけだ!!」

「黒のセイバーのマスター。この世界の俺は兎も角、俺は半神と半神の間に産まれた半神だ」

 

確かに北欧神話の神々は巨人(文献にもよるが、超強い人間)との間に子供を作っており、オーディンとヨルズも半神という解釈が出来る。半神と半神の子供なので、当然赤のバーサーカーも半神なので召還出来るのだ。

 

「なんで…バーサーカーなのに意思疏通がハッキリと」

「伝承で狂戦士と伝わる時が有る。だからだ」

 

なんという事でしょう。赤のバーサーカーはバーサーカーでありながら、狂化の影響を一ミリも受けてなかったのだ。

因みに赤のバーサーカーはキャスターのクラスとライダーのクラスで呼ばれる時も有る。

 

「ほうほーう!!これは愉快な!実に愉快な!!」

 

聞いたことの無い声が響く。やがて食堂に霧が広がっていく。すると、食堂の入口に紳士服姿で、シルクハットを被りピエロマスクを被った男が現れた。

 

「サーヴァント!?」

「黒のアサシン。以後、お見知りおきを」

 

紳士服のピエロは自分の事を黒のアサシンと告げた。ならば、間違いなく切り裂きジャックだろう。

 

「あががががうぐぅぅあ!!」

 

だが、突如としてフィオレが苦痛に満ちた叫びを上げる。何事かと思った一誠達だったが、フィオレの左腕が焼け爛れ…あろうことか骨まで見えだしたのだ。

 

「うーーん!!やはり、美女の苦痛に満ちた悲鳴と表情はそそりますな!!

貴女の顔を絶望に染めたい!!実に染めたい!!」

 

『お前達!!奴は硫酸を霧から出してるぞ!!サーヴァントは兎も角、当たれば人間は皮膚が溶ける!!絶対に触れるな!!』

 

一誠からドライグこと長谷川さんの声が響く。

 

「折角ですし…顔も溶かして挙げましょう!!ぐふふ!!」

 

どうやら、黒のアサシンは絶霧の特性を活かして硫酸を霧から出して攻撃しているようだ。

 

「お前……グチャグチャにコロシテヤル」

 

突如…今度はイナバがそう言う。しかし、何やら様子が変だ。一誠はイナバの方を見ると、イナバの臀部からはチャクラで構成された尻尾が生えてきており、一本、二本、三本と増えていく。

どんどん尻尾が増えていき…やがて尻尾は6本に増えると…

 

「グゥオオオオオオオオオオ!!」

 

イナバは18メートル程の大きさで、皮の無い骨と筋肉が剥き出しで万華鏡の瞳を持つ6尾の怪物に変貌してしまった。

 

「イナバ?」

 

恩人の息子の代わりように一誠は言葉が出ない。エンマは一誠に尾獣は受肉させてないと告げており、この世で人柱力は一誠やヴァーリのように封印系の神器を宿した人間だけだ。

だが、イナバはどうだろうか?誰が見ても複数の尻尾を生やした狐の化物である。

 

「黒のアーチャー!お前のマスターは俺なら元に戻せる。だが、貸し1つだ」

「分かった!だが、お前のマスターはどうする!?どうしてお前のマスターからとんでもない神性を感じるんだ!!」

 

怪物に変身し、辺りを破壊するイナバ。負傷したフィオレをハンマーの宝具で元通りに治療した赤のバーサーカー。そして、総員退避を始め、殿を勤める黒のセイバーとアーチャーに赤のバーサーカー。

 

奇跡的に犠牲者やフィオレ以外の怪我人は出なかったが、ミレニア城は尾獣化して暴走したイナバの手で更地に変わった。

 

 

 

 

「どうしでした?黒のアサシン」

「ぐっふふふ。では協力を結びましょうか!赤のマスター…コトミネさん!!

約束通り、久遠寺イナバを挑発しましたよ。いや、面白い物が見れた」

「えぇ。私もまさか…ここまでとは思いませんでしたよ。ですが、久遠寺イナバは死んでません。黒の他のマスターも同様だ」

 

黒のアサシンは赤のアサシンのマスターに寝返っていた。

 

そして…一誠はVR訓練をセーブして、中断した。

 

 

 

「エンマさん!!イナバは一体なんなんですか!!」

「そうか…見たか。良いだろう、教えてやる」

 

現実に戻った一誠の疑問に答えるように、エンマは天井を見て大きく息を吐いた。

 

「俺とアリスの遺伝子から作られた胚に、時計塔の降霊科のロード達と一部の上級悪魔が降霊させた神の分霊を組み込まさせ、人工的に擬人化された神だ。

組み込まれた神の分霊は天照大御神。だから、九尾に成れる。

 

鈴仙がお目付け役なのはイナバが俺の息子で写輪眼を宿してるからじゃない。イナバが擬人化された正真正銘の神だからだ。

 

でも、例えそうでもアイツは俺の息子で間違いない。俺やアリスにとっては可愛い息子なんだよ」

 

神が擬人化したような人間ではなく、人工的に産み出され、擬人化された神その物。その事を聞いて、一誠は頭を抱えた。

 

 




はい。イナバ君は神の擬人化(マジ)でした。

因みにエンマに引き取られず、そのまま時計塔に居たら尾獣化してロンドンは消滅してます(笑)
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