魔獣創造がはっちゃけた   作:静かなるモアイ

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宝具の裁判は終っておらず、ミカエルさんの戦いは続く。


裁判は終わってない!!

アメリカ。ワシントンのとある一室。そこで月一必ず送られてくるシュールストレミングから逃げるために、アメリカのワシントンに逃亡していたミカエルは頭を抱えていた。

 

「あれは…信徒の暴走に近いのですが」

 

ミカエルが頭を抱えて嘆くのも無理はない。草薙の剣を始め、聖書勢力は様々な宝具を保有している。

バルムンク、グラム、草薙の剣。他にも神器に改造した品物も含めれば沢山有る。神器に改造したのは今は亡き神様の仕業だが、その宝具の回収を実行したのはミカエル達だ。だから神器に改造した物は言い逃れは絶対に出来ない。

 

「全く…これはどうしようも有りませんか」

 

ミカエルは深く溜め息を吐き出した。と言うかミカエルは今、非常に多忙な日々を過ごしている。神仏の実在が明らかになる前はキリスト教しか担当しておらず、天界はイスラム教とユダヤ教は放置してきた。しかし、良く考えてほしい…元々、この3つの宗教は同じだ。呼び方は違うが元と言えば同じ神様を信仰する一神教である。

 

中東付近での宗教争い等で起こる内乱や紛争、その解決を含めてミカエル達は忙しく慌ただしく動いていた。その上、ぶっちゃけ不可能に近い草薙の剣の修復に外交問題、アメリカでの政治活動等で多忙すぎる毎日を過ごしてきた。

 

「アッラーの他に神は居ない!…そう言われましても」

 

過激派な信徒の起こした問題の解決にエクソシストを派遣する事も出来ず、ミカエル達は天使を動員する必要が有った。

 

その上…北欧各国との議論の真っ只中に有る魔剣グラムの所有権問題。御存知魔剣グラムは北欧神話の大英雄シグルドの所有物であり、これは世界的に認知されている。だが、これは長く北欧神話ではなくまさかの天界が保有して教会のエクソシスト達が使ってきた。自称ジークフリートが逮捕された事を受けて、そのグラムの所有権で国際的な問題が発生したのだ。

 

『魔剣グラムは代々、教会が管理してきた。だからこそ、魔剣グラムは我々が管理します』とはミカエル達の弁。

 

『魔剣グラムは北欧の大英雄シグルドの所有物。ならば聖書ではなく、私達北欧各国で管理するべきです』とは北欧各国の声である。

 

和平のお陰か、このままではグラムはミカエル達の所に戻る可能性が実に高い。グラムなどの宝具は一先ず、それでミカエル達の手元に戻るだろう。

だが、それが関係ない国が1つだけ存在する。そう、我らが火影エンマが日頃から暮らす日本である。

 

『お宅…まだ草薙の剣を返してきれてませんが、もしかして未だ修復出来て無いんですか?出来ると言って責任をもって返すと言いましたよね?』

 

と遂に普段は動かない日本神話から直々に手紙がやって来たのだ。

確かにミカエルは責任を持って草薙の剣を修復し、自分で返すと言った。だが、今の天界の技術力では折れてしまった草薙の剣を修復も進展しない状態であり、折れたままで返せば何を言われるのか分からない。

 

『おっす!ミカエルさん!俺、火影のエンマ!!さてと、ふざけた挨拶は此処までにして次行から大真面目にするぞ。

天使長ミカエル殿。此度、日本国は天皇陛下の希望により生前退位を執り行う事に成りました。ですが、それを行う為には三種の神器である草薙の剣が必要です。至急、御返しして頂きたいのですが宜しいですか?良い返事を御待ちしております。我が国としましても、各国と良い関係で居たいのは変わりませんので宜しくお願いします』

 

と変に改まったエンマからの手紙がやって来たのだ。日本の天皇陛下が生前退位を望まれているのはミカエルも知っている。だが、生前退位を行い次の天皇陛下が天皇に成るためには草薙の剣が必要不可欠なのだ。しかも、今時のワープロ文字ではなく、筆を使った中々の達筆な手紙である。

 

これは何か有る。無視すればシュールストレミングを越える恐ろしい事が起きそうな気配がプンプンとしており、ミカエルは冷や汗がダラダラと吹き出してきた。

 

すると、ミカエルは有ることに気付いた。エンマからの手紙は2枚のようでもう一枚入っていたのだ。

 

『追伸。草薙の剣は必ず修復してから返して下さい。タイムリミットは今年の神無月が始まるまで。あっ!カレンダーとしての神無月ではなく、神々が出雲に集う神在月が始まる日ですので安心してください。

神無月は年に一度、日本中の神様が出雲大社に集い縁結びの会談を行う場です。その為に出雲では神在月と呼ばれます。とは言え、全員揃う事はなく恵比寿様は大きなお祭りが控えてるので参加は出来ません』

 

2枚目の手紙には今年の神無月が始まる前に草薙の剣を返すようにと書かれていた。既に10月…神無月であるが、どうやらカレンダーの暦ではなく神々が出雲に集う神在月の始まりまでと記されていたのだ。

 

『今年の神在月は11月5日!!それまでに還さなかったらマジで日本政府と日本神話がブチ切れるからな!宜しく!!

あっそうそう!今、火影プロデュースとしてスウェーデンの水産加工会社と協力して新しい缶詰めを開発してるから、今度試作品を送るわ!』

 

今年の神在月は11月5日。その日から暫くは出雲大社に多くの神々が集っており、行けば物凄くご利益を授かれるのだ。

しかし、ミカエルは最後の一文を読んでガチガチに震える。水産加工会社…スウェーデン…缶詰め…間違いないシュールストレミングの会社である。

 

「ギャァァァァイィィィィヒィィィ!!」

 

間違いない。試作品はシュールストレミングを改良した最強兵器だろう。

 

ミカエルは被害を受けたくない為に、今は亡き神に祈った。

 

だが、頭を抱え…悲鳴を出すのはミカエルだけではない。

 

 

 

ローマ法王も同じく頭を抱えていた。

 

「どうして…こんな事に…」

 

ヴァチカン。人体実験を容認したとして、遺伝子操作を何度も行ったとしてミカエルと同じく非難が殺到。英雄派(笑)の自称ジークフリートの裁判が終ってから更に抗議なども起きてきているのだ。

 

 

 

場所は変わり、イギリスの時計塔。

 

長い髪の男 ロード・エルメロイ二世(本名ウェイバー・ベルベット)は自分の研究室で、イナバと格闘ゲーム MUGENで対戦を行っていた。

 

「聞いたかね?降霊科のロード ルフレウス・ヌァザレ・ユリフィスと彼の息子で降霊科のブラム・ヌァザレ・ソフィアリが日本神話の怒りに触れたらしい。何か知らないかね?」

「俺は知らないなー」

 

写輪眼を発動させ、画面の中で阿部さんを使うイナバ。そんなイナバに対して画面の中でダークドナルドを使いながら質問するロード・エルメロイ二世。

そんな2人を見ながら、後ろで紅茶を飲む鈴仙と車椅子を卒業したフィオレが苦笑いを浮かべていた。

 

「で?俺を神の擬人化にしちゃった言い出しっぺと自称ハンサムはどうしたの?」

「ロード・ユリフィスは食べた物が全てシュールストレミングの味に成る呪いをかけられ、ブラムは毎晩夢で阿部さんに掘られる上にEDに成る呪いをかけられた」

 

降霊科のトップ2。十数年前に行った計画のお陰で、軽めの呪いを日本神話にかけられた模様。

 

「なんでも日本神話が手紙で要求してきた謝罪を無視した為だとか」

 

ソフィアリ家終了のお知らせ。

 

 

 

「完成だ!!」

 

エンマの影分身はスウェーデンの加工工場で、現地の職員と共に喜ぶ。

 

「シュールストレミングを越える激辛シュールストレミングの完成だ!!」

 

材料。ニシン、塩水、キャロライナ・リーパー(世界で一番辛い唐辛子)の粉末。

 

「味覚も嗅覚も、視覚もパーティーだぜ!!」

 

最強の食べ物、此処に完成。なお、食べ方は少量をパンや野菜に挟み食べる。滅茶苦茶辛いので用心して下さい。




激辛シュールストレミング…貴方もいかが?五感が色んな意味で震えますよ
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