魔獣創造がはっちゃけた   作:静かなるモアイ

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会談の後

日本と聖書の首脳会談が終わった後、世界はちょっぴりと変わった。

 

吸血鬼完全殲滅を掲げたミカエルと米軍に非難が集まった。罪の無い子供まで殺すのは殺りすぎだ、人を殺す吸血鬼は兎も角何もしてない子供を殺す事はないと。様々な声が上がった。

だが、中には吸血鬼や悪魔は全滅させるべきだったと、ミカエルや米軍を支持する声が上がる。特に一部の政治家達はエンマが言った『全ての原子炉を停めれる』という言葉に関して過剰に反応。確かに今の御時世は原子力発電所で大半のエネルギーを賄い、国防の要である原子力空母を日本周辺に派遣させるという暴挙に出たのだ。

 

「あっ…マジでやるの?」

 

と反応したエンマは各国の軍事責任者の元に影分身を送り、今すぐ退くように伝える。しかし、今の世界は日本以外と和平を結んでおり、核兵器程度では倒せないエンマの要求を拒否。その結果、日本以外の全ての原子力空母と原子力潜水艦が停止。

 

「最終通達だ。次は無い。次は原子力発電所を停める」

 

と最終通達を行い、パルキアの力で機能停止した原子力空母を送り返す優しさを見せたがそれでも一部の国は怒ったままだ。

 

そう、吸血鬼事件と首脳会談でミカエルと共に面子を潰された大国 アメリカである。

 

「くそう!!あのガキ!!」

 

アメリカ大統領のオズマ大統領が机を叩き、この場には居ないエンマに激怒した。嘗ての同盟国であり、神仏の実在が明らかに成ってからは核の傘から外れた島国日本。その日本の手でミカエルと自分達の面子が潰され、更には原子力発電所を停めると脅されたのだ。無理もないだろう。

 

それに彼は熱心な一神教の信者であり、その上で白人主義者だ。自分よりも遥かに年下であり、黄色人種な火影の手で自分達アメリカと敬愛するミカエル達の顔に泥を塗られたのだ。

 

「ふざけるな!!」

 

オズマが怒るのは無理がない。米軍はあの会談の後、日本政府に保護した全ての吸血鬼の身柄を要求した。勿論、人類の為に粛清するためだ。だが、日本政府の要求は断固拒否。

聖書の神以外を認めない一神教の徒でもあるオズマは、彼からすれば神でもない神々が信仰される日本政府が此方の要求を拒んだ事にも激怒した。

 

「ならば…ロッズフロムゴッドを使って…」

 

「言った筈だ…次は無いとな」

 

その声が聞こえ、オズマは後ろを振り向く。そこには彼が先程まで激怒し、机を叩いてまで怒った初代火影 千手エンマが立っていたのだ。

 

「別にアンタが日本の神々を否定するのは良いさ。宗教なんて、人の自由だしな。

俺は言ったよな?子供達に仇なすならば、神だって殺してやると」

「ひっ!?…千手エンマ!?」

 

突如として現れた火影。それを前にして、オズマは尻餅を着いて後退り。先程の威勢はどうしたのやら。

 

「警告通り。この国の原子力発電所…いや、アンタ達には此方の方が良いか。米国の全ての核兵器を鉄屑同然に変えた」

「ふざけてるのか!!お前のそれは立派な戦争行為だ!!」

 

原子力を停める。確かに先進国からすればこれ程の驚異は無いだろう。原子力発電所は停まり、核兵器は使い物に成らない。更に原子力空母や原子力潜水艦は動かすことが出来ない。

国の切り札を停める事が出来る。正に最悪の力だろう。

 

「先に仕掛けたのはお前達だろ?自分達は正義、吸血鬼は悪、吸血鬼は滅びなければいけないと高らかに叫び、女子供だろうと虐殺した。

あの集落にはひっそりと生きる吸血鬼ばかりだった。人間に危害を加えるとは思わない。それなのに…子供は心臓に銃弾を打ち込まれ絶望した表情で死んでいた、若い恋人同士はお互いを庇うように殺されていた。彼等に抵抗した様子は無かった。俺が復活出来ないように、魂まで破壊して徹底的にな」

 

エンマの言葉を受けて、オズマは奥歯を噛み締める。確かに事実だ。

 

「それがどうした!?我らは亡くなった神の為に、この世界を維持する責任が有るのだ!!」

「はっ…残念だが、それは作り話だ。聖書の神は地球を作ってないし宇宙も作ってない。俺がグレート・スピリッツで見たから間違いないさ」

 

そう告げ、エンマは大きな溜め息を吐き出した。

 

「因みにこの会話。俺がニコ生でライブ配信してるから…不用意に喋る言葉を間違えたな」

 

ボフンっと音がなってエンマは消えた。どうやら影分身だったようだ。

 

喋る言葉を間違えたな。エンマの言葉がアメリカ大統領であるオズマの脳内で反響する。喋る言葉を間違えたな…先程の自分の言葉を思い浮かべる。

 

「まさか!?」

 

その直後、ホワイトハウスに抗議の電話と()()()()に関しての電話が鳴り響く。

 

 

 

「言質とる為にニコ生に流したが、まさかこう成るなんてな」

 

エンマは苦笑いを浮かべ、外務省に新たに作られた火影室で書類を整理していた。とはいっても、自分の部屋が火影室と名前を変えただけである。

 

あの日からエンマの日常は変わった。多重影分身を駆使し、世界中を回って恵まれない子供達を保護し続けた。普通の子供は自分が信頼する孤児院に、裏側の素質が高く確りと導かなければ成らない子供は久遠寺の屋敷に隣接させた孤児院 アリスが院長を務める千手の家に預けたのだ。

だが、全ての子供を助けることが出来ない。エンマもそれは理解してるし、何度も自分の掌から命が落ちていった。

 

すると、火影室の扉が開かれ…幼い子供とそれを追いかける吸血鬼との混血である十代半ば程の少女が入ってきた。

 

「すいません!火影様!忙しい所を…」

 

十代半ばの少女はヴァレリー。あの時、エンマが助けれた吸血鬼と人間の混血である。神滅具を宿しており、今は千手の家で働いている。

 

「おっちゃん!あそんでー!」

 

幼い子供は未だ6歳程の少女だ。エンマは少女を見ると肩を回し、笑みを浮かべて立ち上がる。

 

「全く…此処じゃ初代火影様って呼べって言ってるだろ?火影じゃトビオとややこしくなるからな。マシュ」

 

幼子はマシュ。何やら魔術協会の怪しげな施設から救助した子供である。




遂にバレた神の不在!?どうなる…日本以外の国!!

そして…6歳のロリータ マシュ。まさかの登場。彼女はすくすく、エンマ達の元で育ってます。



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