魔獣創造がはっちゃけた   作:静かなるモアイ

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新年明けました。


年明け騒動である。

1月2日。

 

「ぬぉぉおおおおお!!しぬぅぅぅ!!」

 

新年早々。一誠は仲間と共にグレート・シミュレーターが体験させるVR訓練を受けていた。今回は一誠の政治力や交渉術を高める為の聖杯大戦をモデルにしたシミュレーションではなく、サブカルチャーをモデルにしたVR訓練である。

 

今回モデルにされたのはモンスターハンターシリーズ。その中でも2ndGで多くのG級ハンターをキャンプ送りにしてきた、超弩級のヤバすぎるモンスター。ウカムルバスである。

 

「グゥオオオオ!」

 

ウカムルバス。全長尾獣位、シャベルのような下顎が特徴で雪原地帯の深部に生息する巨大モンスター。口から大出力の絶対零度級のウォーターカッターを放ったり、巨体を利用して氷の塊をぶつけたり、ワイルドに突進したりして戦うモンスターである。

 

「一誠どん!そっちに行ったぞ!!」

 

モンスターハンターは最大4人でモンスターを討伐したり、捕獲するゲームだ。だからこそ、一誠は3人の仲間を連れて4人でウカムルバスを討伐しにやって来たのだ。

一誠が今回選抜した仲間達はデュリオ、聖堂協会との裁判に勝訴した自称ジークフリートことジョバンニ、日本の農園をカタッシュ農園で勉強中の自称曹操さんである。

 

だが、既に自称ジークフリート(本名ジョバンニ)と自称曹操さんはリタイアしており、今ウカムルバスと戦えるのは一誠とデュリオだけである。

しかも、このウカムルバス。ゲームでその気になればハンター1人で討伐できるが、それはゲームの主人公のハンターさんが余りにもチートだからである。故に、チートではない一誠やデュリオ達ではゲームのようには行かず、尽くボコボコにされていたのだ。

 

そして…ウカムルバスは大地を…氷の雪原を削りながら物凄い速さで一誠に向かって突撃する。

 

「うわ!?あぶね!!」

 

一誠に迫り、大きな口を開けて一誠を噛み砕かんと迫るウカムルバスの顎。あと…数瞬で一誠は大きな口に喰われ、顎で噛み砕かれてしまう。

 

だが…一誠は日頃の修行で、予備動作が必要とは言え飛雷神に匹敵する術を手に入れたのだ。

 

「瞬間移動だ!!」

 

瞬間移動。それは漫画 ドラゴンボールでカカロットこと孫悟空が習得した便利な技であり、人差し指で額を抑えないといけないが何処でも便利に瞬間移動する事が出来る技だ。

転移魔術と違い、大規模な魔力を使用する事もない。その上、飛雷神の欠点でもあったマーキングを施した場所に自分自身を飛ばす…マーキングが無いと飛べないという訳ではなく好きな所に飛ぶ事が出来るのだ。

 

しかし、戦闘では人差し指で自分の額を抑える行為は僅かでも隙を産み出す。予備動作の無い飛雷神と比べると、戦闘では多用出来る物では無いだろう。

 

ウカムルバスの顎が一誠に触れる寸前。一誠の瞬間移動が間に合い、一誠はウカムルバスの目の前から消えてデュリオの隣に飛んだ。

 

「危なかったぜ…」

「なんだろう…一誠どんが火影様達までとはいかないけど、充分人間を辞めてきた気がする」

 

デュリオの言葉は当然だ。一誠本人が気付いていないが、一誠は日本でトップクラスに強い実力者に育っている。後進を育てることも火影の大事な仕事なのである。

 

だが、その気の緩みが一誠とデュリオの運命を決めてしまった。

 

「グゥオオオオ!!」

 

ウカムルバスは雄叫びを上げるように、咆哮を響かせる。余りの衝撃に大地は割れ、一誠とデュリオは耳を押さえてその場に蹲ってしまった。

 

「耳が!?」

「いてえぇ!?」

 

咆哮と言うよりも爆音波。爆発に近い衝撃波を咆哮だけでウカムルバスは産み出したのだ。そんな咆哮を響かせられたら普通は動けず、一誠とデュリオの目にはウカムルバスの尻尾が迫ってきた。

 

「「あっ…」」

 

グシャリ。そんな音が鳴り響き…辺りは静寂に包まれる。一誠とデュリオが立っていた所には赤い水溜まりが出来ていた。

 

一誠とデュリオ。ゲームオーバー。

 

 

 

「おぉ…勇者達よ。死んでしまうとは情けない」

「「「「勝てるか!!」」」」

 

VR訓練での死亡…ゲームオーバーに成ってしまい、強制的に現実世界に戻ってきた一誠とデュリオ、そして曹操とジョバンニ。

4人は同時に叫んで嘆いた。ゲームでは頑張れば普通に勝てるウカムルバス。しかし、実際の所はどうだったのだろうか?理不尽、怪獣、自然の脅威。様々な言葉が一誠達の脳裏に駆け巡る。

 

「お前達な。言っとくがモンハンの主人公ハンターは別格に強くてな、普通のハンターよりも遥かに強いんだよ。

大体、古龍1体で国や町が滅びるんだから当然の世の中なんだよ。そんな理不尽を越えたラスボス、ウカムルバスと戦ったんだから当然だろう」

 

エンマの言葉を受けて、一誠と共に戦った愉快な仲間の3人はお互いを見る。彼等は古龍単体なら4人で力を合わせて倒すことが出来た。だからこそ、次のステップとしてウカムルバスに挑まされてが、負けて当然と言われたのかしょうがないと納得する。

 

「まあ、俺は1人で勝てるけどな。あと、トビオはイナバとシエル、琥珀さん連れて4人で倒したぞ」

「ですよねぇぇえええ!!」

 

上には上がまだ居る。当然な事を実感した一誠だった。すると、エンマのスマホがプルプルと鳴り響く。

 

「おっと、失礼。外務省からの電話だ」

 

エンマは通話に出ながら、グレート・シミュレーターが有る部屋から出ていった。

 

 

「もしもし…へぇ?お騒がせのミカエルさん達が亡命を希望?

俺にそれを言われてもな…」

 

電話の相手は外務省の相手からであり、内容はミカエルが日本に亡命したいという内容だった。

信徒達はミカエルの話も聞かず、吸血鬼殺戮事件、神器を宿してたからと追放する始末、多くの実験で多くの被害者が出た事に関しての責任をミカエル達は様々な国から押し付けられて、アメリカは勿論、ヴァチカンを追放されてしまったそうだ。

 

しかもこの世の多くはキリスト教の国々。第三次世界大戦に参加しなかったイタリアやスイスも人体実験等を行っていたミカエルを受け入れる事はせず(イタリアはローマ市内にヴァチカンが有るのも大きい)、ミカエルは正に家なき子に成ってしまったのだ。

 

『スウェーデンはミカエルの受け入れをしても良いと表明してますが、ミカエルはスウェーデンに行くなら日本が良いと言ってまして』

 

スウェーデンはミカエルを受け入れても良いと言っていた。と言うのも、スウェーデンは御存知例の食品兵器シュールストレミングの産地であり、ミカエルには非常にお世話に成っている国だ。国の名産を着払いで購入してくれるミカエルの事を受け入れても良いと言っており、更には例の水産加工会社がミカエルを雇っても良いと言ってる程である。

 

「あー…でっ?ミカエルは今何処に?」

『成田空港です』

 

そう教えてもらい、エンマは飛雷神で成田空港に飛んだ。

 

成田空港にたどり着いたエンマはその足で、ミカエルの所に向かう。そこにはボストンバック1つのミカエルがポツンと椅子に座っていた。

 

「あれれ?どうしてこんな所に居るんだい、天使長さんよ」

「じつは…」

 

ミカエルは語りだした。アメリカでは聖書の神の不在を隠し続けた事や人種差別の無い人々からは天界へのデモが勃発。結果、アメリカでの居場所を失った。

更に聖堂教会からは人体実験、神の不在を隠し通す為の追放や暗殺、様々な不祥事の全責任を取らされて見事に追放されてしまったのだ。

 

「成る程な…確かに俺は火影だが、俺の特別権限で保護出来るのは子供位でな。流石に成人の亡命は管轄外なんだよな…。

アザゼルに頼めば良いだろ。お前達、兄弟なんだろ?まあ、ホテルの滞在位なら許可は出来るけどな」

 

なにはともあれ、ミカエルは一先ず…成田空港のホテルで厄介と成るのだった。

 

その日の夜。ミカエルが滞在するホテルの部屋に、エンマからの差し入れがパルキア経由で届いた。

 

『ミカエルさんへ。

今年の5月に生前退位を行いますので、それまでに草薙の剣を返却してください。もし、修復が無理なら早めにギブアップしてください。私、千手エンマがグレート・スピリッツで何とかしますので。

 

それと、此方の品は御近づきの品です。貴方の大好きなシュールストレミングでは有りませんが、味は保証しますよ』

 

と手紙と共にダンボールが届いたのだ。

 

「いや…別にシュールストレミングは好物ではないんですが」

 

苦笑いを浮かべ、ミカエルはダンボールを開ける。そこには…

 

お品1 ミルベンケーゼ(ダニの力で発酵させたチーズ。合法)

 

お品2 イナゴの佃煮

 

お品3 ハブ酒

 

お品4 何かの天ぷら

 

「ふんぎゃーー!?イナゴ!?イナゴ!?あっ、でもこの天ぷらは美味しそうですね」

 

だが、ミカエルは知らない。その天ぷらはマムシの天ぷらだと言うことを。

 

 

 

1週間後。

 

「すいません。ギブアップです」

「強がらずに早めに言えよ」

 

ミカエルは草薙の剣の修復をギブアップ。エンマの手で草薙の剣は無事に修復された。




結論、グレート・スピリッツはチート(笑)

次回!

エンマ「今思ったんだが、神器って何種類あるんだ?」
一誠「知らないですよ…ミカエルさんなら知ってるんじゃないんですか」

ミカエル「すいません。私も知らないんです」
アザゼル「俺も把握していないしな」
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