魔獣創造がはっちゃけた   作:静かなるモアイ

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アザゼル…亡命する!!


堕天使の亡命!?

悪魔が日本国民に成ってから、聖書の冥界で暮らしている種族は堕天使と堕天使に協力する人間だけである。その人間達も日本に留学中のヴァーリを除き、裏側の真実が暴露されてからは日本に居座る理由が無いので堕天使領土等で過ごしていたのだが。

 

「アザゼル様!!」

「ああ…分かってる。神の不在が明らかに成り、世界大戦やら何やらで天界の信仰心が薄れるから何れだとは思っていたが…」

 

アザゼル達は非常に焦っていた。無理もない。何故なら堕天使領土は大絶賛、滅亡の危機に瀕していたのだ。聖書の天界と冥界はリンクしてると言って良いだろう。天界は一神教の信仰をエネルギーとして運営されており、信仰が得られなかったら天界は維持する事が出来ずに滅んでしまうのだ。冥界は悪魔が集めてきた欲望のエネルギーで運営されており、悪魔の旧政府が我らが火影様の手で滅ぼされてからは日本国民に成ってしまい集めていない。

世界は今、神仏や人外との権力格差は皆無。その上、神仏の実在から始まり、禍の団対策での和平(日本以外)、神々の好き勝手によるデモ、キリスト教とアメリカによる吸血鬼の迫害、一神教の神の不在の証明、第三次世界大戦を経てキリスト教の信仰は一部を除いて無くなった。その結果、信仰のエネルギーを得られる訳が無く天界は崩壊したのだろう。そうでもしなければ、冥界の崩壊など始まらないのだから。

 

「まさか…まさか…もう聖書の冥界の崩壊が始まっていたなんて!!

冥界の崩壊が始まるという事は…既に天界は滅んでいたのかよ!!」

 

既に天界は滅んでいる。アザゼルの言う通りだ。

因みにミカエルは立川のボロアパートで家賃3万の部屋で過ごしており、ウリエルとラファエルはスウェーデンに就職、ガブリエルはデュリオと同じタイミングでこっそりと亡命しており三咲町の町役場で働いているとか。他にも天使達は既に崩壊する天界から去っており、多くはスウェーデンで過ごしてるらしい。

 

悪魔は日本国民になり、欲望のエネルギーなんて集めて居らず日々働いてお金を稼いでいる。貴族主義ではなく民主主義の日本の暮らしを悪魔の皆様は謳歌してるのだ。

因みにサーゼクスとアジュカは外務省勤務、セラフォルーはアイドル、ファルビウムはファルビウム岩である。

 

「アザゼル様…どうします」

「他国に亡命するしかない。このままじゃ…持ってもあと3ヶ月で冥界は消滅する!!」

 

アザゼルは亡命を決意した。

 

 

 

時は4月20日。

 

「いやー…始まっちまったな。レーティングゲーム国際試合」

 

火影室でエンマは書類作業を休憩して、テレビを見ていた。彼が見てるのはお昼のニュース番組であり、そのニュース番組ではレーティングゲームの国際大会の事が報道されていた。

そう…レーティングゲームの国際大会が遂に始まったのだ。因みに大会名は特に決まっておらず、普通にワールドカップである。今後、4年に1度のペースで行われるそうだ。今は予選の真っ只中であり、第三次世界大戦に関わらなかった神話の方々や裏側の力が有る人々が毎日のように凌ぎを削り、争っている。

 

「俺…予選は出れないんだけどな」

 

自分も出たがるように、エンマはそう言った。そう…エンマは予選には出ることが出来ず、本選からの出場なのだ。理由はチートだから他の国々が勘弁してくれ、情けを掛けてくれと言った為である。

その為に今はトビオを仮の王にして日本代表チームは戦っているが、今の所は余裕で全勝。因みにこのレーティングゲームのワールドカップ、未だエントリーする事は可能であり多くの参加者がエントリーしたは別の人達が次々にリタイアしていく。

 

「アジュカや琥珀さんのお陰で、安全面も確立されたしたな」

 

このレーティングゲーム国際大会だが、安全面も悪魔時代と比べて遥かに向上してる。

先ず医療設備の進化。エンマがグレート・スピリッツの力で作った医療設備や薬品を琥珀さんとアジュカが細かく調整。これにより、四肢を失っても元通りに治療は可能。序でに日本の医療体勢も大幅パワーアップ。

次に安全装置の導入。即死級の死ぬと判断された攻撃を受ける際、当たった瞬間の手前(個人で異なる。不死身の方々には反映されない場合も。例シエル、バイオライダー、五大精霊)に強制リタイアされて医療施設に強制転移されるのだ。

 

お陰様でこのレーティングゲーム国際大会で死者は出ることは有り得ず、皆楽しく自分の腕を競い合えるのだ。

 

早く本選になり、レーティングゲームに出たいエンマ。因みに日本代表以外の皆様はエンマが出てこない内に、日本代表を倒そうと必死であるがトビオを突破出来ずに逆にボコボコにされている。

 

「神器や魔術等の授業プログラム等々、やらないといけない仕事も有るしな」

 

エンマはそう言うと、仕事を再開しようとする。すると、突如としてデスクの電話が鳴り響いた。

 

「はい。もしもし、此方は火影室」

 

裏側に関する防衛術も教育として教える事にした日本。チャクラの練り方、水面歩行のやり方、魔術の授業、等々の電話かと思いエンマは電話に出た。事実、エンマは日頃から影分身等を多用しては警察、学校等で忍術や陰陽道等を教えている。とは言え、魔術は生まれの素質(魔術回路)が必要なので基本的にはチャクラの練り方等である。

 

『俺だ!アザゼルだ!!千手エンマで間違いないな!?』

 

なんという事でしょう。電話の相手は学校でも警察でもなく、まさかの堕天使のトップアザゼルさんだったのです。

 

「これはこれは堕天使の総督。失礼ですが、レーティングゲームの受付は此方では無いですよ。ホームページを参照に、運営委員の所に連絡してください」

『レーティングゲームの受付じゃない!!堕天使の危機なんだ!!一刻も早く亡命を希望する!!』

 

切羽詰まった声でアザゼルは叫ぶ。受話器越しに響いた声にエンマは驚くが、同時に疑問に思う。何故、堕天使が亡命を希望するのだろうかと。

 

「クーデターでも?」

『いや…そんなのは起きていない。お前は知らないかも知れないが、天界が滅べば聖書の冥界も滅ぶんだよ。

既に堕天使領土は半分以上が消滅していて、もってあと3ヶ月しか無い。それまでに受け入れ先を見付けないと俺達は冥界と共に消えてしまうんだよ!!』

 

此処でエンマはアザゼルから事の重大さを聞かされる。だが、同時にどうすれば良いのかを考える。そもそも、亡命すると言っても何処に受け入れさせるかだ。

 

「日本以外にも伝えたのか?」

『いや…未だだ』

「俺から総理にも伝えてやるが、他の国にも伝えた方が良いぞ。流石に堕天使は悪魔や天使と比べて人口が多いし、日本だけで受け入れるのは厳しいからな」

 

そう…堕天使は一番人口が多い。天使は神がお亡くなりに成ってから増える事はなく、繁殖すれば堕天の危機が有り子作りが出来ない。悪魔は大戦と内乱で人口が減っており、悪魔スゲェーと思ってた貴族主義の方々はエンマの手でお亡くなりに成っており今はサーゼクス達を含めた一部だけ。対し、堕天使は子作りしても堕天の恐れなど有るわけがなく普通に増えるし、内乱も無い。一番堕天使が多いのだ。

 

 

3時間後。

 

成田空港にアザゼルは数年前のウツセミ事件の際に、グリゴリに加入した2人の神器保有者の若者と共にやって来ていた。その2人の神器保有者は神滅具には認定されていないが、ワンオフの特別仕様の神器を宿しているのだ。

 

「アザゼルさん…」

 

その2人は男女であり、実はトビオと嘗ては同じ学校に通っていた2人である。その片方の女性がアザゼルを心配するように言う。

 

「すまない。あの時…お前達を日本政府に任せれば、良かったかも知れない」

 

アザゼルは頭を抱えながら懺悔した。

 

「過ぎた事を後悔するなよ。アンタ、それでも国のトップか?前を向け」

 

その声が聞こえ、アザゼルは声の方を振り向く。アザゼルに続いて男女も声の方を向くと、そこには初代火影 エンマが立っていたのだ。

 

「千手…エンマ…」

「ホテルの空き部屋は確保した。あと、イタリアとスウェーデンもお前達を迎え入れる準備をしてくれている。

但し、日本人だった神器保有者は日本で迎え入れる。特にそこの2人、今後は神器や魔術等の防衛術の特別講師としてビシバシ働いてもらうからな?そのつもりで」

 

エンマの言葉を聞いて、アザゼル達は頭を下げた。取り合えず、自分達は未来を生きることが出来るように成ったのだから。

 

 

 

数日後。

 

エンマは数名の男女を火影室に呼びつけていた。その中にはトビオは勿論、現五大宗家の当主達も居たのだ。但し、未だ未成年の玄武は居なかった。

 

「さてと…改めて実力等に関するランク付けを行う事に成った。言わば、原作ナルトで言えば下忍、中忍、上忍のような感じだ。

そして…駒王の学舎に通う高等部の学生達に下忍昇格試験を行いたい。頼めるか?」

 

「二代目火影 トビオ了解」

「朱雀分かりました」

「青龍了解だわ」

「白虎了解」

「黄竜了解」

 

ナイスバディの美女 朱雀、なんか眼鏡をかけて大蛇丸みたいなオカマである青龍、なんかガイ先生みたいに緑のタイツ姿なマッチョマンの黄竜、そして二代目火影のトビオ、彼等と比べると普通な白虎。

 

「では改めて白虎は有事の際に待機。他は第6演習場で駒王学園の学生達の昇格試験を頼む。

一応、学生達に紛れてイナバと一誠…あと木場も見てはくれるが、彼等は学生側だ。手加減してるが、お前達から鈴を取りに来るぞ」

 

エンマがそう指示を出すと、ノックもせずに火影室の扉が開かれて…葉王とナイスバディな美女が入ってきた。

 

「いやっほーー!エンマ!お久しぶり!!」

 

第五の魔法使い 蒼崎青子…帰国!!

 

「あっ、青子。日当やるから手伝ってくれ。駒王学園の学生達の下忍昇格試験をやりたいんだ。

葉王はイナバと同じく下忍離れしてるし、生徒側からの立場で生徒達の頑張りを見てくれ。

 

合格基準は損得考えずに協力し合い助け合いが出来てるか、それだけだ」

 

 

 

 

更に3日後。

 

駒王に新たに作られた大きな森林地帯と開けた草原の有る演習場…第6演習場。

 

トビオ、青子、朱雀、青龍、黄竜は一直線に横に並び、彼等の視線の先には生徒として潜り込んでいる葉王、一誠、イナバ達を含めた駒王学園在籍で前から裏側に関わっていた生徒が居る。何も知らずに試験を受けるのはゴルドルフを筆頭とした生徒達だ。

 

「では下忍昇格試験の説明を行う。内容は簡単、俺は鈴、他の先生は胸にカワラケを着けてる。それを奪うなり割れば良い。

逆に俺達に捕らわれた人達は1年間、学び直しだ…まあ、俺達の監視を潜り抜けて助けても良いぞ。それじゃあ開始!!」

 

因みにこの試験。ゴルドルフ達が大真面目に協力し合えば、捕らわれた関係無しに全員合格に成るのだ。

 

「俺と勝負だ!!二代目火影!!」

「雷遁 雷獣追牙!!」

「ホンゲェェェーー!!」

 

3年生でシトリー眷属の匙さん。早速確保。試験は未だ始まったばかり。




次回!!下忍昇格試験!?果たして、ゴルドルフ達は合格出来るのか!?

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