魔獣創造がはっちゃけた   作:静かなるモアイ

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ミカエルさん…立派になって


カブト…狩りじゃぁぁあ!!

ほぼ全裸が黄金色に輝くまで蜂蜜を塗りたくった変態=バラキエルの側から去っていき、新たなポイントを探すエンマ達3人。

 

「何処に仕掛けるか…分かりやすい所に仕掛けたい物だな」

 

エンマがそう言いながら先頭を歩く。彼等は今、餌を仕掛けるポイントを探しながら雑木林を歩いていた。勿論、ポイントを仕掛けた所に飛雷神のマーキングを仕掛け目印にするも良し。折角なので直ぐ側のキャンプ場で宿泊するも良し、何でもござれだ。

 

「ねぇ…なんか臭わない?てか、物凄く臭いんだけど」

 

突如、瑞鶴が苦しそうに鼻を抑えた。その刹那、風に乗ってエンマと一誠の鼻にも物凄い刺激臭が襲い掛かる。

 

「うわ!?くっさ!?マジで臭いんですけど!!エンマさん!?なんなんですか!?くさやってレベルじゃないぐらい臭いですよ!!」

「ぼぉぇ!?…おい、ちょっとまてよ。俺はこの臭いを知ってるぞ…てか、アレしかないな」

 

正体不明の激臭に思わず鼻を抑える瑞鶴と一誠。エンマはこの未知の臭いを良く知ってる。

初めてこの臭いを知ったのは忘れもしない大学生の頃、興味本位でアマゾンでとある缶詰めをポチッとクリックして購入したのが始まりだ。いざ、届き…人気の無い無人島にわざわざ飛雷神で転移して開封すると…あら不思議!地獄が解放されたのだ。

 

「間違いない。これはシュールストレミングだ!」

「ふぁ!?シュールストレミング!?シュールストレミングってエンマさんが天界とヴァチカン等に強制的にお布施しまくったシュールストレミング!?なんで此処に有るんですか!?」

 

そう、この激臭の正体はシュールストレミングである。シュールストレミングは毎度、この作品に多々出てくる罰ゲーム等に使われる缶詰めという戦略兵器であり、核と違って普通に購入出来る便利な物だ。

余りの臭さに汁が着いた部位の臭いは衣類ならば2度と取れず、皮膚等でも1週間以上は臭いまま。余りの激臭で味は一切分からず、水洗いして臭いを出来るだけ落としても味はニシンの塩辛。盛り上がる事は間違いないがトップクラスにヤヴァイ缶詰めである。いや、トップクラスではなく世界でダントツだろう。

 

すると…何やらドタドタと物凄い勢いで何かが走る音が聞こえる。その方向をエンマ達が確認すると、ツキノワグマ、カモシカ、イノシシ、猿、鳥、等々が一斉に涙を流しながら何かから逃げていたのだ。

 

「あの…提督?なんか、動物が泣きながら逃げてるんだけど」

「そりゃ、動物は基本的に人間よりも嗅覚が凄いからな。俺達よりもシュールストレミングのダメージが大きいんだろう」

 

動物は基本的に人間よりも嗅覚が敏感だ。犬や猫は人間よりも遥かに優れ、厳重に包装された麻薬の臭いすらも感じ取れる。特に一番臭いに敏感なのは鮭の仲間だと言われており、鮭は人間の万倍嗅覚が鋭く臭いで産まれた川を判断して戻ってくるのだとか。

 

「つまりだ。動物達が走り去った方向とは逆の所に、奥多摩でシュールストレミングを開放したおバカさんが居るわけだ」

「行くんですか!?」

 

鼻をつまみ、エンマは動物達が走り去った方向とは逆の方向に向けて歩き出す。そう、彼の言うとおりで動物達とは逆の所に進めばシュールストレミングを開放したおバカさんが居るのだ。

 

「当たり前だろ?この臭いのお陰で虫は先ず出てこない。消臭玉(モンハンの臭い消し)を持ってきて良かったぜ。

マシュの虫の為にも、原因を排除しないとな」

 

エンマはそう言うと鼻をつまみながら臭いの方に向けて歩き出す。

 

「ちょっと!提督!」

「エンマさん!」

 

エンマの後を追うように瑞鶴と一誠も後を追いかける。やがて、臭いの元に辿り着いたが、そこには…

 

「ふんふふーん!カブトムシは強い臭いに引き寄せられると聞いたので、持ってきて良かったですね」

 

シュールストレミングの中身をストッキングの中に容れて、そのストッキングをくぬぎの木に巻き付ける優男 ミカエルが居たのだ。

ミカエルの足元にはシュールストレミングの激臭に耐えられなかった蝶々、スズメバチ、カナブン、クワガタがショック死しており…虫は集まる気配は無い。というか、シュールストレミングよりも臭くないカメムシの臭いですら虫は死ぬのに、それより臭い王者シュールストレミングで虫が集まる事は有り得ないだろう。

 

「あっあの……エンマさん?あの人、ミカエルさんですよね?」

「大天使ミカエルはシュールストレミングの魅力に取り付かれ、奇食の守護天使に成ってしまったんだよ。そっとしてやれ」

「奇食の守護天使ってなんだよ!?初めて聞いたわ!そんな言葉!!」

 

なんという事でしょう。ミカエルはシュールストレミングに囲まれ続けた生活を送る内にシュールストレミングの守護天使と成ってしまったのだ。

 

すると…エンマの右掌にどんどんチャクラが乱回転していき、ハンドボール程の球体に形態変化してしまった。

 

「提督!?」

「エンマさん!?」

 

勿論、瑞鶴と一誠もこの技を知ってる。エンマの必殺技の1つ 螺旋丸である。

 

「螺旋丸!!」

「ホンゲェェェ!!」

 

螺旋丸を背部に受けたミカエルはキリモミ回転しながら、シュールストレミングの激臭と共に数メートル吹き飛ぶ。勿論、エンマもバラエティー程度に手加減はしており、ミカエルに怪我は無い。同時にチャクラの暴風で激臭は消えた。

 

「なにやってんのぉおおお!!」

「臭いを飛ばすのはこれが手っ取り早い。風遁 突破を使っても良いが、そうすれば近隣住民から苦情の嵐だからな」

 

臭いを飛ばす為に螺旋丸をブッパしたエンマ。臭いもマシになり、瑞鶴と一誠も鼻を抑えるのを止めた。

 

「わりーな。ミカエルは亡命してから、シュールストレミングに取り付かれてしまったんだよ」

 

その声に一誠達は聞き覚えがあった。この声は様々な国に散り散りに亡命した堕天使達の長 アザゼルである。

 

アザゼルの方を振り向いたエンマ達。そこには30人程の堕天使、そして蜂蜜まみれのバラキエルが居たのだ。

 

「アザゼル。親父が言っていた団体客はお前だったのか」

「おう。俺達は今、ボロアパートでバイト等をして日本で暮らしてる。だがな、今年の夏は熱い。冷房も無くてな…だが、カブトムシとクワガタは高く売れるし!繁殖させれば来年も売れる!!俺達は金儲けの為に山に入ったのさ!!

金が有れば浮いたお金でエアコンが買える!!」

 

そう、アザゼル達は金儲けの為に奥多摩にやって来たのだ。カブトムシやクワガタは高く売れるし、繁殖させれば継続して売れる。

アザゼル達は自分達がより良い暮らしを行う為に、昆虫採取にやって来たのだ。

 

「悪いが…可愛い愛娘の為にも、俺は立派なカブトムシとクワガタが要るんだよ」

 

だが、エンマも引けない。彼はマシュの為にクワガタとカブトムシを探しに来たのだ。

 

此処に、生活が掛かったアザゼル達VSマシュの為に戦うエンマ達の昆虫採取対決が始まった。




次回!カブト狩り、完結(笑)

果たしてエンマ達はアザゼル達に勝てるのか!?
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