御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中)   作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!

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 劇場版「御坂美琴になったけどレベル5になれなかった・エンデュミオンの奇蹟遍」を見るときは、部屋を明るくして、パソコンみたいな画面の広い端末を使ってくれよ!

「無視すんなやごらぁぁぁあああああ!」先生との約束だゾ☆

 因みに、御坂はエンデュミオンの奇蹟を知らないという設定なので、この話はオリ展開少ないです。



劇場版
1話


「なあ、インデックス。ハンバーガーで手を打たないか?」

「なんならラーメンでもいいだろ?」

 

 そう話す少年は、そのツンツンした黒髪の頭を片方の手で掻きながら歩く。

 

「だめだよとうま!ゆうべは私とーってもひもじい思いをしたんだよ!みさきが来てくれなかったら飢え死にしてたかも!」

 

 白に金の刺繍がされている修道服を着た銀髪の少女、インデックスは。その少年、上条当麻にそう言った。

 

「まぁそう言うなよ。上条さんは貧乏なんだから。っていうか、みさきって誰だ?」

 

 しかし、その御坂の疑問は、二人の耳には入らなかった。

 

「そうだぞ、なんだったら御坂の家に戻ればいいじゃないか」

「短髪の家じゃスフィンクスが飼えないんだよ」

「俺の寮だってペット禁制だぞコラー!」

 

 あ、もうスフィンクス飼ってたのね?なんでそっち行ったのかと思ったらそういうことだったのね?

 

「大体、とうまは分かってないんだよ!晩ごはんを忘れられるとね、存在そのものを忘れられたような気分になるんだよ!」

「……ハァ、不幸だ」

「しょうがないから、俺も出してやるよ」

「そういうことだ。今日は好きなだけ食えよ」

「ほんとに⁉」

「ああ、上条さんに二言はねーよ」

 

 この男、俺も一緒に払うからってインデックスに好き放題食えとか言いやがった。俺の財布が軽くなるね、おかげで荷物も軽いやー!

 すると、インデックスが突如立ち止まり、遥か彼方を見つめている。

 

「宇宙、エレベーター……?」

『いよいよ完成間近に迫った宇宙エレベーター「エンデュミオン」!記念式典は九月に開催される予定です!今回は、エンデュミオンが完成されるまでの軌跡を――』

 

 ……エンデュミオン?……どっかで聞いたことある気がするな。

 

「ねーね、宇宙エレベーターって何?」

「ハァ⁉」

「あ、俺もよく知らない」

「何言ってんのお前まで⁉……ほら、あれだよ。あれが宇宙エレベーター。ロケットやシャトルを使わずとも宇宙まで上がれるようにするためのものだ」

 

 上条がはるか先にある塔のようなものを指さして言う。

 

「……あれ?あんなの今までにあった?」

「ありましたよっ!シェリーと戦っていたときも、アニェーゼたちと戦っていた時も……堂々とあったでしょーが!」

「記憶ねぇ……俺ってホントに学園都市の住人なのか?」

「そこ疑ったらおしまいだぞ御坂」

 

 しかし、やはりどこかで聞いたことがある。そう思わずにはいられない御坂だった。

 

「まあ、発表は最近なんだけどな。何でも、学園都市の技術力でしか実現不可能と言われるほどのスピードで建造が進められたとかなんとか」

「おぉ、科学サイドはついにバベルの塔まで実現しようとしているんだね……」

「なんか違う気がするんだが」

 

 すると、三人の耳に、聞きなれない歌声のようなものが聞こえてきた。

 

「はいはい、すみませんっと……」

「♪~!」

 

 そこにはキーボードを叩きながらその歌であらゆる人を惹きつける、一人の少女がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして、彼女の路上ライブが終わり、拍手が沸き起こった。

 

「ありがとうございました! 良かったら、私のサイトからダウンロードしてみてください!」

 

 人々がざわめきながら四方へ散っていく中、インデックスは飛び上がりながら拍手を続ける。

 

「……あぁ、そうだ。思い出した」

「?何か忘れもんか?」

「いや、気にすんな」

 

 そう、今更になって思い出した。今日この日は、劇場版、「エンデュミオンの奇蹟」の日だ。

 そして、ここで一つ問題が出る。

 

(……俺、エンデュミオンの奇蹟見た事ないんだよなぁ)

 

 御坂が知っていることと言えば、神裂が宇宙空間で大暴れするという人間離れした戦闘シーンだけである。……なぜそこだけ?

 

「すごいすごい!とっても素敵だったんだよ!」

「ありがとう!あたしは鳴護アリサ」

 

 よろしくね、と言おうとした彼女だったが、彼女はコードに引っかかってしまい、転びそうになる。

 

「きゃっ!」

「よっと」

 

 そんな彼女を、御坂が間一髪で受け止める。

 

「大丈夫か?」

「……う、うん。ありがとう。……あれ?」

「どうかしたか?」

「……あの、どこかで会ったことありますか?」

「?いや、無いと思うが……」

「……そうですか」

 

 妙な空気になったので、とりあえず場所を移した。

 

「ほんとにすごかったんだよ! 感動したよ!」

 

 インデックスは先ほどから惜しみなくアリサのことを絶賛している。

 

「俺は普段からあまり音楽とかは聴かないんだけど、それでもすごかったってのは分かったよ……ほら、インデックス。全部ダウンロード終わったぞ」

 

 上条がダウンロードが終わった携帯を手にしてインデックスに渡す。もちろん、俺もちゃんとダウンロードした。

 

「ありがとう。気に入ってもらえると嬉しいな」

「私はこう見えて歌には結構うるさいけど、アリサの歌は本物だね!だって歌詞に呪文(スペル)を載せてもいないのに、みんなの心を魅了しているんだもん!」

「すぺる?」

 

 突然の魔術言葉(ワード)に困惑するアリサ。咄嗟に上条がインデックスの口をふさぐがもう遅いだろう。

 ……仕方ない、フォローしておこう。

 

「魔法みたいなもんだ。つまり、アリサの歌は魔法よりすごいってこと」

「そ、そうかな?……えへへ、嬉しいな」

「いやほんとすげぇよ、精神感応(テレパス)とかでもここまではいかないだろうしな」

「それはないよ、あたし無能力者(レベル0)だもん」

「あ……、そうなのか」

 

 完全に地雷だ。能力のレベルで悩む人間はたくさんいる。

 

「うん。昔は悩んだこともあったけど……今はそのことに感謝しているの」

「感謝?」

 

 学園都市では珍しい人種だ。基本的に、学園都市は能力の強度(レベル)がほとんど他者からの評価に直結する。

 そのために、一般的に無能力者(レベル0)はそのことをコンプレックスに思うことはあっても、そのことに感謝する、ということはないからだ。

 御坂でさえ、レベルの低さにはある意味で悩まされていた。主に原作の乖離で。

 

「何か能力(ちから)があったら、きっとそれに頼って歌を歌うことはなかったかもしれないから。私、勉強とかも全然だめだけれど……でも、たったひとつ、自分にできることが歌うことだったの」

 

 アリサはどこまでも、前向きに話す。その表情には少しも陰りがない。

 

「だったら歌おうって……いつか、大きな場所でたくさんの人に私の歌を届けられたらいいなーって! それが今のあたしの夢……かな!」

 

 そう言った彼女はとても輝いていた。っというか、最早物理的に輝いて見えた。

 

「ま、まぶしいよ~輝いてるよ!」

「これが夢と希望ってやつか……なんつーまぶしさだ……!」

「くっ、心が、浄化されていく~!」

「いや、お前はアンデット系のモンスターか何かかよ。まぁ、分からんでもないが」

 

 くそ、この御坂さんをたじろがせるとは。こ奴、出来る!

 すると、アリサの電話に突如電話がかかってきた。

 

「ちょ、ちょっといいかな⁉」

「え……、あ、あぁ」

 

 アリサは御坂達に一声かけると、電話に出る。その声はとても弾んでいた。何か嬉しいことがあったのだろうか?

 

「はい、鳴護です!……はい!え、本当ですか?……ありがとうございます!……はい、わかりました!」

 

 ピッ、と電話を切った彼女は、はあー!と携帯を胸に抱いて大きく深呼吸する。

 どうやら、相当いいことがあったらしい。

 

「あたし、オーディション受かっちゃった……!デビュー、できちゃうんだって!」

 

 …………………え

 

「おぉ、すっげぇ!ってことは、テレビとかにも出るのか!」

「テレビ⁉それってカナミンと同じになるってこと⁉すごいよアリサ!」

「あ、アリサさん。出来れば今のうちにサインでも書いていただけないでしょうか?」

「お前最低だな」

 

 失礼な。ちょっとサイン貰って、アリサが売れてきた辺りでオークションに出そうとしただけだろうが。

 まぁ、流石にアリサに失礼だからやめておこう。

 

「これは絶対にお祝いしなきゃだね!そうだ、私たちこれからおいしいもの食べに行くんだよ!アリサも一緒に行こうよ!」

「えっ!……でも、そんな悪いよ」

「もともと今日は、とうまがなんでも食べさせてくれる日だもん!いいよね、とうま!」

「おう、任せとけ!」

 

 この男、俺が奢るからって遠慮がなさすぎないか?……いくらあるかな?ちゃんと足りるか?

 

「じゃ……じゃあ、お言葉に甘えちゃおう……かな?」

「うん!私はインデックス!こっちがとうまで、こっちが短髪だよ!」

「せめてこんな時くらいはちゃんと名前で呼んでほしかったよ!……御坂美琴だ、よろしくな」

「あ、うん。……すぅ、はぁ。……鳴護アリサです!よろしくね!」

 

 そうして、俺たちはファミレスへと向かった。

 

 

 




 やばい、ほとんど原作通りになってる。

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