御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中)   作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!

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 日常編です。九月三十日事件までは平和が続きます(フラグ)

 今回はギャグ回でもあるので御坂はキャラ崩壊してるかもです。

 今回で突然だけど新キャラ出します。


12話

 大覇星祭が終わり、ドラゴンも脱走しなかった学園都市は、平穏そのものだった。

 今頃、上条達はイタリア旅行でアドリア海の女王がどうたらこうたらしているだろう。

 そんな感じで原作が順調に進む中、

 

「……これ、欲しいな」

 

 広告にある、新型ゲーム機を見てそう呟く御坂。

 すると、御坂のもとに一本の電話が届く。

 

「……コンビニを手伝ってほしい?」

『あぁ、もう人手が足りなくて困ってるんだ。従業員ほどとはいかないが、それなりの給料も出す。頼む』

「いや頼むって、労働基準法って知ってます?」

『クローン作ってる街に何を言ってるんだ?』

「なんであんたがそれ知ってるんだよ」

 

 御坂が話しているのは、彼女が少し前に出会ったコンビニの店長だ。出会いは偶然だが、彼はなぜか学園都市の黒い部分についても詳しい、謎の多い人物だった。

 尤も、彼は極度の経営下手で、常に店は赤字続き。客足も悪く、従業員もいない。その上個人経営で、偶におかしな商品を仕入れることがある。何故それで店が潰れないのか。

 

「……ホント謎めいた人ですよねアンタ」

『やってくれるかい?』

「まぁ、ちょうど暇でしたし。金も欲しかったですから」

 

 こうして、御坂のコンビニアルバイト(仮)が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、頼むよ」

「はぁ……。ま、それなりにやってあとはサボるか」

「いやサボらないでね?」

「でもあんた、普段サボってるだろ」

 

 御坂の指摘に、できもしない口笛を吹いて誤魔化しながら、事務所に戻っていく店長。

 

「……にしても、あの人いったい何者なんだろうな」

 

 多分、原作で言う雲川先輩ぐらい謎めいてる。

 すると、コンビニの扉が開く。お客さんが来たようだ。

 

「いらっしゃっせー」

「強盗だ!金を出せ!」

 

 ……え?

 

「あの、もう一度言ってもらっていいでしょうか?」

「あぁ⁉強盗だっつってんだろ!さっさと金を出せ!」

 

 ……嘘だろ。

 

「聞いてないぞ、そんな仕事……」

「なにごちゃごちゃ言ってんだ!いいからさっさと金を――」

「ビリビリ」

「……え?」

 

 侵入してきた強盗は一人だったようだ。御坂は取りあえず放電を起こし、強盗を威嚇する。

 

「強盗よ、有り金を置いて失せろ」

「……え、いや……え?」

「言っても分からないか。なら、力づくだな」

「……は、え、ちょ、待っ――」

 

 そして、御坂の放った電撃であっさり沈められる強盗。何の能力も使わなかったことから、スキルアウトと推測される。

 

「……一万ちょっとか。まぁ、強盗する奴なんてこんなもんか」

 

 発言が強盗そのものである。

 御坂は強盗を警備員(アンチスキル)のもとに……は連れて行かず、適当な川に捨てていく。

 

「……まぁ、警備員に渡したら俺が金を巻き上げたこともバレるしな」

 

 そうして、再びコンビ二に戻る御坂。

 

「……あ、店長!」

「おぉ、御坂君。無事だったようだね」

「ふざけんなよ⁉なんで強盗が来るんだよ⁉」

「あれ?言ってなかったっけ?この店強盗のカモにされてるからそれなりの頻度で強盗が来るよ」

「常連の客が来るみたいな感覚で何言ってんだアンタ!」

「まぁとにかく、強盗を倒すなんて流石だね。この調子で頼むよ」

 

 そう言うと、店長が再び事務所に戻っていく。

 

「……仕事するか」

 

 しかし、全く客が来ないため、とてつもなく暇を持て余している御坂。

 余りの暇さに

 

「だーれかこなーいかなー」

 

 ぴーろーりーろりろ~ん!ピロろろろ~ん!

 

「はーい。らっしゃっせー」

風紀委員(ジャッジメント)ですの!近隣住民から強盗が入ったと通報を受けましたの!」

「……」

 

 やってきたのは白井黒子でした。

 

「……あの~、非常に言いにくいんですけど」

「あら?御坂さん?こんなところで会うとは奇遇ですわね。ところで、強盗はどちらに?」

「もう退治しました」

「……今なんと?」

「退治しました」

「……」

「……」

 

 二人が無言で見つめ合う。

 

「……ごほん、どうやら、何も問題ないようですのね。では、私はこれで」

 

 すると、白井はテレポートで消えた。

 

「……頼むから普通のお客さん来ないかなぁ」

 

 ぴーろーりーろりろ~ん!ぴろろろろ~ん!

 

「(また来たか。出来れば普通の客でお願いします)いらっしゃっせー」

「結局、鯖缶があればどこでもいいってわけよ!」

「流石にコンビニに鯖缶は超売ってないと思いますけどね」

 

 ……マジか。暗部組織『アイテム』の構成員の二人、フレンダと絹旗だな。

 

「……あ、あった!」

「嘘でしょ、本当にコンビニに鯖缶なんて置いてるなんて、ここの店は超何を考えてるか分かりませんね。そこのところどうなんですか店員さん?」

 

 知らんがな、そう言いたい気持ちをぐっと堪え

 

「……さぁ?私は本日から働くことになったアルバイトですので。後、鯖缶は普通に売ってると思うのですが」

「え、そうなんですか?……っというか、アナタ中学生ですよね?労働基準法に超引っかかってると思うんですけど」

「それはあんたが言えることじゃないってわけよ」

「それは超どういう意味ですか⁉」

 

 ほんとだよ、暗部が何言ってんだ。

 

「……まぁ、とにかく。会計ですか?」

「えぇ、これお願いします」

「え~っと、鯖缶三個、鮭弁二個、……よく分からないC級映画一本」

 

 ……なんでこんな商品があるんだ?売る店違うだろ。

 

「全部で税込み7834円になります」

「超高くないですか?」

「映画が高いんです」

「そうなんですか?」

「そうなんです」

「……あ、私今五千円しかないですね」

「私も」

「合わせて一万ですね。お釣りは2166円になります。ありがとうございました、またの来店をお待ちしております」

 

 会計を終え、二人はコンビニを出る。

 

「……しかし、さっきからなんで、このコンビニは大物ばっかり来るんだ?」

 

 まぁ、言うほど大物じゃないが。あくまで原作キャラと言うだけだし、一人はいずれ死ぬし。

 

「……まぁいいや」

 

 御坂は思考を放棄した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、超激レアか。単発乱数神ってるな」

「いや、何やってるの君?」

 

 レジでソシャゲの、『ブタこ大戦争』というゲームをやっていた御坂に、店長が質問する。

 

「なにって、暇だからゲームしてるんです」

「うん、それは見ればわかるよ。聞いてるのはそうじゃなくて、なんでゲームしてるの?ってこと」

「客こないから暇なんですよ」

「お客さんが来ないのは仕方がないけど、せめて仕事はしてよね」

「してますよ、さっきだって本日二回目の強盗を始末したじゃないですか」

 

 始末、といえば聞こえは悪いが、実際はボコボコにして川に捨てただけである。もちろん有り金を抜き取った。店長には報告していない。

 

「はぁ、確かに強盗を撃退してくれるのはありがたいけどさ、正直もうちょっと真面目に働いてほしいというか」

「あ、もう時間っすね!これで仕事終わり!早くバイト代プリーズ!」

「……はぁ」

 

 本日何度目かのため息をついた店長が、御坂にバイト代を渡す。

 

「やっほう!これで奨学金と合わせりゃ新型ゲーム機が買えるぜ!じゃあな店長!」

 

 あっという間に、御坂はコンビニを去っていった。

 

「……さて、御坂美琴。いや、本来存在しない御坂美琴(イレギュラー)。君は一体、どんな物語(ストーリー)を描くんだ?」

 

 ただ一人残った店長の呟きは、誰にも聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 




 この店長……いったい何者なんだ?


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