御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中) 作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!
プロローグ
『とある魔術の禁書目録』に登場するヒロインで、スピンオフ作品とある科学の
その能力は、いたってシンプルな
別名【
そんな少女に、俺は憑依した。
ただし、小学三年生くらいの。つまりロリだ。確かこの時期の御坂はレベル2くらいだったはず。
……いや、それはどうでもいい。
「彼は筋ジストロフィーという病気を罹っている」
俺は隣を見上げる。そこにいる、科学者らしき人物を。
今の話の内容と言い、恐らくこの展開は、
原作を知る方なら、シスターズの悲惨な末路を知り、止めたいと思うだろう。しかも、俺はそのチャンスを与えられている。
「筋肉が徐々に低下していく病気でね。彼はそんな理不尽な病を背負って生を受けた」
だが、忘れないでほしい。
シスターズが居ないということは、一方通行のヒロインである
これを見逃せば世界が終わる。
「執念で彼は病気と戦っている。毎日、ああして努力を欠かさない」
しかし、問題はそれだけはない。俺が御坂美琴になり、シスターズを生み出すということは、雷神モードやあの天使みたいな竜をもつ何とかと戦わなければならない。
それ以前に、
……いやだなぁ。
「君のDNAマップを提供してもらえないだろうか?」
「(あ、いつの間にか話し終わってた)うん、いいよ」
「本当かい?」
「うん」
いかにも少女のような演技をし、科学者と話す俺。
「ありがとう、必ず彼を治すよ」
そういって、科学者はにやりと笑う。上手く丸め込んだと思っているのだろう。
馬鹿め、貴様は既に私の術中に嵌っているのだ!……特に何も考えてないけど。
御坂美琴になって数年がたった。俺も今では中学生。
「いたらよかったんだよなぁ」
どうやら、俺の演算能力では超能力者にはなれないらしい。
結局、俺はあの日からレベル2のままだ。ちょっとした静電気を出すことしかできない。もう原作の戦いは諦めて逃げます。なんなら
当然、これでは常盤台中学に入れるはずもなく、割と普通の中学に入学した。因みに、現在友達募集中です。
現在の恰好はフードのついたパーカーにショートパンツ。あとサングラスをかけている。完全に不審者すれすれの格好だ。なぜこれで友達が出来ると思ったんだ俺。
にしても、今頃は俺のDNAマップを元にクローンが作られてる頃――
「……いや待てよ」
よくよく考えたらこれって実験起きないんじゃね?
だって、シスターズの実験は御坂がレベル5だったからこそだろ?
確かにアレイスター……と言うより、あの実験の真の目的は「虚数学区・五行機関」のアンテナになる能力者を世界中にばらまくことで、そのカモフラージュの為にレベル6になる実験を行っていた。
そして、あれは『
だが、
クローンは勝手に世界中にばらまかれて二万人生存フラグを立てるんじゃ。
「……あ、セロリの
そして、それを迂闊に声にしてしまったことに後悔する。
流石のアレイスターもこんな呟き気にしないと思うが、万が一と言うものがある。
あいつは学園都市に『
「……諦めて流れに身を任せるか」
「だ、誰か助けてくださいっ! 中に強盗が……しらっ、
その声で、自分が銀行辺りまで来ていたことに気づく。
っていうかあれ、初春さん?しかも銀行ってことは、もしかして――
(御坂美琴と白井黒子の出会いってわけか)
まぁ、今の自分はレベル2だ。何かが出来るわけではな――
「おい、どうする?」
「いや、俺たちは只の
……まぁ、この街はそういうところだ。風紀委員が太刀打ちできない犯罪者に、関わりたいとは思わないだろう。
俺だってそう思う。ぶっちゃけ、レベル5になれなかった現状からも、余計な事には関わりたくない。
「誰か……っ!お願い、します……!」
「…………」
俺は、ヒーローじゃない。そんな善性もないし、実力もない。何かを守りたいなんて大層な心もない。
「……あり?」
「……え?」
なのに、俺の足はいつの間にか、銀行のシャッター前に来ていた。シャッターは何かに無理やりこじ開けられたように開いていた。
「……あの、助けてくれますか?」
「え、いや……私は…」
初春さんが涙目&上目遣いでこちらを見上げてくる。未だに心は男である俺にそれは効く。
「……いや、金を下ろしに来ただけですので」
「あ……」
そういって、俺は銀行に入っていく。
「あん?なんだテメェは?」
「え、お客さん」
『……』
余りの場違いな発言に全員が押し黙る。
「……へっ、丁度いい。人質が増えるのはありがたい。おら!さっさとテメェの能力で金を出しやがれ!」
「くっ!」
なぜか全くこちらに注意を向けていない強盗。
「お邪魔しま~す」
「なっ!テメェいつの間に――」
俺は、手元に精一杯の電流を溜め、強盗に放出し気絶させる。
「……金、下ろすか」
「あ、あの!貴女は――」
「ちょっとあなた!ただの民間人がこんなところで何してるの⁉」
そういってこちらに叫んでくる眼鏡の女性……あ、固法先輩か。因みに先輩ってのはあくまで俺の呼び方。実際にそういう関係ではない。
……ん?
「そこ、危ないですよ」
「……え?」
「クソが!舐めんじゃねぇ!」
強盗が起き上がり、こちらに向かってパチンコ玉を投げてきた。それも大量に。
「なッ!そんな、複数同時に⁉」
不味い。確かこいつの能力は
一見すれば大した事なさそうだが、この能力、目の前に障害物があっても進み続けるんだよな。だからどんなに頑丈な壁でも破壊できるし、人も貫通できる。
これらが面倒だから不意打ちで倒そうとしたのに。
……あれ、遅くね?
なんか投げられてから結構時間がたったと思うんだが。……あり、気絶してるぞ?
「大丈夫ですか固法先輩⁉」
……あ、そうか。投げた瞬間に白井黒子が強盗を気絶させたから能力が強制解除されたのか。
助かったわ。流石黒子。
「……このままじゃ怒られそうだな」
さっき固法先輩に怒鳴られたし、このままここに居るのも危険だ。
そう思い、そっとその場を後にする。
「……あ、先ほどの民間人が居ませんわ!ちゃんとお礼を言いたかったのに……」