御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中)   作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!

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 ようやく入った、暗部抗争編開始!そこまで長くないと思うけど!



17話

 ファミレスを後にし、歩道を歩きながら思考する御坂。

 

「……とりあえず新約対策は万全。旧約も雷神モードで問題なし」

 

 普段なら心の中で考えるが、木原脳幹との邂逅で既に俺の事情はアレイ☆さんにバレてるようだ。

 なら、隠す必要もないし、彼の信用を得るなら情報は開示していくのも悪くはないだろう。まぁ、浜面はもうどうしようもない。あいつには学園都市を追われてもらおう。

 

「……不味いんだよなぁ」

 

 実を言うと、この暗部抗争編は、詳しい流れをほとんど覚えていないのだ。ファミレスでため息をついたのもそれが理由。

 流れが読み切れないから、迂闊に動けない。唯一覚えているのは、『アイテム』のフレンダと、『スクール』の垣根と誉望君が殺されることだ。……垣根は冷蔵庫だったが。

 

「覚えている範囲でやるのは、誉望くんを救うこと。次にフレンダ」

 

 前までなら関わらなかったが、誉望くんとは既に知り合いだ。見捨てたら後味が悪い。フレンダは、新約で生きてくれたら滅茶苦茶役立つ。なにしろ、新約十二巻をスキップできるのだ。

 正確には、ある程度の工程はカットでき、最悪サンジェルマンが動かない可能性もある。少なくとも、フレンダの生存は、新約十二巻で多大な影響を及ぼせるはずだ。

 

「……どこの研究所だっけ?」

 

 あれ、出だしから詰んだ?

 

「……ん?あれは……」

 

 ボサボサの髪にジャージとジーンズ、金髪の男。浜面仕上だ。周囲に『アイテム』がいることからどうやら車をパクってアシにしようとしているらしい。

 

「!……、チャンス!」

 

 全員が車に乗り込んだタイミングで、その後ろに電磁力で張り付く。これなら道に迷うこともないだろう。

 

「……バレない、よな?」

 

 バレたら『御/坂』にされかねない。

 しばらくして、四角い建物の所にやってきた。

 

「……よし、浜面以外は全員出たな」

 

 なら、そろそろ動くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふぅ、助かったね誉望くん」

「……」

「あ、気絶してるし」

 

 原子崩しでバラバラにされる前に何とか救出。少しだけアイテムの奴らと交戦になったが、何とか撒いた。

 っていうか、麦野弱い。あのBBA全然大したことない。防御に徹したらあっと言う間に撒けたわ。そんなんだから浜面に負けるんだぞ。

 

「……こいつどこに捨てようか」

 

『スクール』は前とアジトを変えているはずだし、病院にもいないだろう。っていうか、垣根と一方通行が戦うとかないよね?嫌なんだけど。

 

「おい、なんでテメェがここにいる?」

「お、丁度よかったぞ垣根君」

 

 なんでここに居るのかは知らないが、丁度いい。預かっててもらおう。

 

「はい。上げる」

「……まぁいい。こいつが居ねぇと、困ることも多いしな」

 

 垣根は誉望くんを抱えて飛んでいく。

 

「……次は……フレンダか」

 

 なら今度は、『あれ』の出番だ。この日の為に知り合いに頼んで作ってもらった一品。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「AIM拡散力場による検索を開始。近似、類似するAIM拡散力場のピックアップは停止。該当する単一のAIM拡散力場のみを結果報告するものとする。検索終了まで残り5秒」

 

 機械のように放たれる声の後に、結果は出た。

 

「結論。『未元物質』はこの建物の中にいる」

 

 その発言に、その場にいる全員が愕然とする前に、次の動きがあった。

 個室サロンの扉が蹴り破られ、一人の男が入ってきたのだ。

 

未元物質(ダークマター)……!」

「名前で呼んでほしいもんだがな。俺には垣根帝督って名前があるんだからよ」

 

 その男の手にあるのは、機械でできた奇妙な『爪』だった。『ピンセット』。素粒子工学研究所で『スクール』が奪ったものだった。

 

「カッコイイだろ。勝利宣言をしに来たんだぜ」

「ハッ。アレイスターに選ばれなかった『第二候補(スペアプラン)』にはしゃがれてもさ。ついさっきまで散々逃げ回っていたくせに、態度ががらりと変わってくれたね」

「いやいや。素粒子工学研究所では世話になったしな。まぁ、こっち(正規メンバー)は誰も欠けていないから気にしてねぇが」

「……っち。でも、忘れてない?少し前にはスナイパーも殺しているはずだけど。交換したんだ?」

 

 ……物語は、加速する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ、どうしよう?このままじゃ麦野に……」

「殺されるってか?」

「!……、誰⁉」

 

 路地裏で蹲っているフレンダに、何者かが話しかける。

 

「じゃっじゃ~ん!超絶天才TS美少女御坂ちゃんで~す!普段とは百八十度違うキャラ崩壊待ったなしのスタンスでお送りしていま~す」

「???」

 

 フレンダは目の前に現れた珍生物への理解を停止した。

 

「……え、そんなにおかしい?」

 

 ようやく人の言葉を話し出した御坂に、フレンダは呆れながら言う。

 

「結局、そういうテンションじゃないってわけよ」

「なるほど、これがKYと言う奴か」

「っていうかアンタ、よく見たらさっきの研究所の奴じゃないの!」

 

 げっ、バレちった。

 

「覚えてやがったか」

「今思い出したってわけよ」

「どっちでもいいわ。取りあえず今は――」

「フ~レ~ン~ダ~」

 

 その声を聞き、フレンダの体が硬直し、表情が恐怖に染まる。

 

「……む、麦野……っ!」

「まったく、だめじゃないフレンダ。『スクール』のクソ野郎共に私を売ろうとするなんて」

「ひ、ひぃ!」

「うわぁ、これは怖いな」

 

 ホラー映画の撮影と言われても信じられるほど、麦野の表情は恐怖心をあおってくる。

 

「あぁ?テメェ、さっきアタシらのこと邪魔したクソガキじゃねぇか。丁度いいわ、二人まとめてブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね」

 

 それは嫌だ。っていうか、こんなBBAに殺されるとか死んでも御免だ。殺されそうだけど。

 すると、麦野が御坂に向かってレーザーを放つ。彼女の能力、原子崩し(メルトダウナー)による攻撃だ。

 御坂はそれを電撃のバリアで防ぐ。

 

「っち、ホントアンタはしぶといわね」

「だって死にたくねぇし」

 

 すでに一度、研究所で交戦したため、互いの手の内は把握している状態だ。

 本当なら雷神モードで行くのだが、狭いし能力の相性も悪い。それに、上手い事誤魔化さないと、フレンダが再度狙われることになる。

 

「まぁでも、これなら」

 

 すると、麦野の周囲に複数の光の塊が出現し、こちらに向かって放出される。

 

(来た!)

 

 その瞬間、路地裏が光と爆音に包まれた。

 

 

 

 

 

 




 これから投稿ペース落ちると思うのでご容赦ください。


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