御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中) 作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!
「……手応えはあった。間違いなく、私の原子崩しは人体に直撃した」
そして、煙が晴れるとそこには
「……フフフ、アハハハハ!」
上半身と下半身が裂かれた、
それを見て麦野は歓喜の笑い声をあげる。
「ザマァナイわねフレンダ!……にしても、あのガキはどこ行った?……まぁいいか。滝壺を使って居場所を割り出せばいい」
すでに研究所で滝壺は御坂のAIM拡散力場を特定している。『体晶』で能力を暴走させればすぐに発見できるだろう。
それよりも、まずは『スクール』だ。
そう思い、麦野は滝壺を捕まえるために動く。フレンダの死体とともに。
その様子を、
「……気配がない。完全に行ったってわけよ」
彼女はボロボロではあるが、五体満足無事である。
「……結局、アンタには迷惑かけたってわけよ」
「……気に、すん……な……っ!」
「ちょ、喋っちゃだめって!」
フレンダは、御坂の体を見ながらそう警告する。
「……大丈、夫。電撃で傷ぎ口を焼いて、止血はした」
「そういう問題じゃない!アンタ、脇腹に穴空いてるのよ⁉」
そう、御坂は麦野の攻撃を受け、脇腹を貫かれた。麦野が手応えを感じたのは、彼女の脇腹を穿ったからだ。
普段の彼女なら騙されないだろうが、怒りで冷静さを欠いている彼女だからこそ通じたともいえる。御坂もそれを見越して、敢えて攻撃を受けた。
因みに、麦野が持っていった『フレ/ンダ』は、御坂が友人に頼んで作ってもらった超リアルな人形だ。頼んだ時、友人にドン引きされたのは言うまでもない。
写真元は
しかし、そんなことはどうでもよくて
「……それ、にっ。……まだ、やることは……」
「ダメ!……まずは病院に……気絶した」
今まで大きな怪我など負ったことがない御坂には、腹に穴を開けられるという激痛には耐えられなかったようだ。
大量の冷や汗を流しながら、彼女は瞳を閉じる。呼吸はしているから、生きてはいるだろう。
フレンダは彼女を抱え、その場を動く。
「……どうして、私なんか助けたの?」
「……」
「私は別に、アンタの友達でも何でもない。寧ろ、アンタは『アイテム』に突っかかってきた、敵なんじゃないの?」
「……」
「どうして、そこまでして私を助けようと思ったわけ?」
「……」
「……結局、アンタは気絶してるから答えられないってわけよ」
すると、ほんのり瞼を開いた御坂が呟いた。
「……佐天涙子」
「!……、」
「
「……それは」
「……お前が死ねば、悲しむ奴もいる。だから、助ける意味はある」
「でも、それはアンタには……寝てるし」
その言葉を最後に、御坂は再び眠りにつく。
そうこうしているうちに、二人は路地裏を出た。
『スクール』のアジトにて。
「どうだ?何か分かったか?」
「もうちょっと待ってくださいっス」
「早くしてよね。この後、あの子と買い物に行く約束があるんだけど」
「心理定規、お前いつの間に林檎とそこまで仲良くなったんだ?」
現在、『スクール』は追っ手である『アイテム』を壊滅寸前に追い込み、ピンセットから情報を入手しようとしていた。
本来なら一方通行を倒すのが手っ取り早いが、何故か彼らは気が引けた。やはり、知らずのうちに表の世界の影響を受けていたのだろう。知り合いを傷つけることに抵抗を覚えている。
なので今は取りあえず、当初の目的を果たすために動く。
「……出ました。今のところ分かったのは、暗部組織の名前っすね。『スクール』、『アイテム』、『ブロック』、『メンバー』、『グループ』」
「確か、『グループ』には一方通行もいるんだっけか。しかし、目ぼしい情報はねぇな」
「えぇ。……ん?」
「どうした?」
「最後の方に……『ドラゴン』?」
「なんだそりゃ?」
垣根は心理定規のほうを見るが、彼女も無言で首を横に振る。
「……御坂さんなら、何か知ってるんじゃないっスか?」
「かもな。アイツは多分、この街の核心に近い存在だしな」
とはいえ、彼女から闇の住人の匂いがしないのも事実。だからこそ、彼女の謎は深まるばかりだ。
そして、事態は終章へと向かっていく。
どかァァァァんッ!!と、『スクール』のアジトの壁が、勢いよく破壊される。
「……随分とお早い登場だな。一方通行」
「そりゃァどうも。早速だが、取り立てだぞ。その爪渡せメルヘン野郎」
「そいつは困るな。こいつはアレイスターとの直接交渉権を手に入れるための手段だ。簡単には手放せねぇ」
「じゃあ話は簡単だな」
「力づくでも渡してもらうわよ」
現れたのは一方通行だけでなく、『グループ』のメンバーも混じっていた。
「っち、面倒なことになったぜ」
「全くな。テメェらが余計なことしなきゃ、こんな面倒は起こらなかったんだろォがよォ」
垣根は未元物資の翼を出し、一方通行は首元の電極のスイッチを入れる。
次の瞬間、二人は目にも止まらぬ速さで上空へと飛び上がった。
「……痛てぇ」
「あ、目が覚めたってわけよ」
「……ここは?」
「生憎携帯を持ってなかったし、お金もないから歩きで病院に向かってるってわけよ」
流石に表通りは目立つので、人の少ないところを選びながら動いているが。
「……あれ?」
「どうした?」
「なんか……音が…」
ドゴォォォォン!ドゴォォォォォン!と、何度も地響きのような音が続いている。
「……まさか……っ!」
「ちょ!待って!」
何が起こっているのか推測した御坂は、音の方へ走ろうとする。
「……くっ!」
「ダメ!その怪我じゃ……っ!」
「……それでも、行かないと」
「どうして⁉そんな怪我を負ってまで、そこまでしてやらなきゃいけないことって何なの⁉私のことも、今も……」
フレンダの問い詰めるような叫びに、御坂は答える。
「あそこにいるのは多分、俺の知り合いだ。だから、行かないと……取り返しがつかなくなる」
「だからって……っ!」
「別に死ぬつもりはねぇよ。適当に乗り切って、病院のベッドで目を覚まして、そんで退院する。それだけだ」
某医者がいれば、患者としてくること前提でいるのはやめてほしいと文句を言うだろう。
「……大丈夫だ。だから、お前はお前の友人を安心させてやってくれ」
「……」
止めなければならない。彼女が暗部の関係者でないことは、フレンダでもよく分かる。そういう世界の匂いがしないから。
そんな人が、命懸けで自分を救ってくれたのに、その人はまた、自分の知らない誰かの為に命を投げ出してまで戦おうとしている。
分からない。そこまでする理由が。
だが、その背中を見ていると、ふと思った。
(……焦ってる?)
まるで、ここから先で起こることを知っていて、自分だけがそれを回避できると思い込み、急ごうとしているかのように。
もし、彼女が、本当にそうだとして、自分は何をすべきか。
「……簡単な事ってわけよ」
そう、簡単なことだ。フレンダ=セイヴェルンは、『友達』を見捨てはしない。
「……ほらっ、肩貸してあげる」
「フレンダ……お前」
すると、御坂は目を見開いて
「いや、それお前のキャラじゃないだろ」
普通にツッコんだ。
「ハァ⁉どういう意味ってわけよ⁉」
「いやだって、お前と言えば裏切りだろ?仲間の情報は簡単に売るし、あっさり保身に逃げるし」
「ぐっ!」
事実、先ほどまでの自分はそうであったため、何も言い返せない。
しかし、何の考えもなしに彼女は情報を売るわけではない。彼女が話すのは基本的に『アイテム』のリーダー、麦野のことだ。
そして、彼女は麦野を信頼している。何が起ころうと、どんな情報が渡ろうと、彼女は負けはしない、と。だからこそ、安心して情報を売る。
「……でも、アンタは死にかけよ」
「……」
「アンタは放っておいても死にそうなのに、わざわざ死地に向かおうとしてるのよ?」
「……分かってる」
「分かってないってば。……はぁ、だからこうして私が手を貸してやってるのよ?」
「助けてもらった分際で偉そうだな」
その発言にうっ、と言葉を詰まらせるフレンダ。
「冗談だよ。……まぁでも、この先は多分ホントにやばいぞ」
「……私にもよく分かんないけどさ」
「?」
「なんか、行ける気がするってわけよ」
清々しいほどに根拠がない。
だが
「……なるほど、確かに」
「ふふっ」
そういって、二人は微笑み合う。
一方通行と垣根帝督の戦いは、苛烈を極めた。
当初は、
垣根の方も無意識のうちに民間人に手を出すことに抵抗を覚え、被害は小さかった。そして、一方通行の解析は終了し、垣根は徐々に追い詰められていった。
「……クソが」
「悪く思うなよメルヘン野郎」
一方通行は垣根から、ピンセットを奪う。
元々、これは上層部の命令ではない。土御門が上を出し抜くのに必要になると言い、回収に来ただけだ。
『スクール』の壊滅自体は、上の依頼にあるが、半分壊滅したようなものだし、無視していいだろう。
「あなた」
「!……、」
立ち去ろうとした一方通行のもとにやってきた
「……大丈夫垣根?」
「……林檎?」
そして、倒れこむ垣根を心配する杠林檎。
「……あれ?どういうこと?」
「なんでアンタが驚いてるのよ?」
そして、その様子を遠くから観察する御坂とフレンダ。
「……なンで、テメェが……」
「大丈夫だよ。だから、喧嘩はしないで欲しいって、ミサカはミサカはお願いしてみる」
突然の打ち止めの登場に、驚く一方通行。
「……酷い怪我。病院行こう?」
「……お前……心理定規とショッピングに行くんじゃねぇのかよ」
「大丈夫。明日でも問題ない」
「……はっ」
林檎の言葉を鼻で笑う垣根。だが、彼女はそれを不快には感じない。
「……病院行こうか」
「やっとその気になったってわけよ」
思い違いに恥ずかしくなり、その場を離れようとする御坂。
そうとは気づかず一緒に歩いていくフレンダ。
(多分、今まで一番頑張ったと思うな)
少なくとも
「……あ、やばい。寝る」
「……え?」
安心したせいか、突然襲ってきた睡魔に勝てず、御坂は眠りについた。
「くっ!ホント厄介ねアンタの能力!」
「ふふふ、ありがとう」
現在、『スクール』と『グループ』による抗争が続く。座標移動を使って攻撃しようにも、彼女と相対する心理定規の能力で心の距離を操られ、上手い事動けずにいた。
因みに、今の二人の心の距離は……、結標淡希の性癖を考えるとお察しである。
「くっ、どう見ても金髪ロリなのに、ランドセルを背負った男子小学生に見えるっ!これが……
「……なんだか、能力が汚された気分だわ」
ある意味、激しい侮辱である。
そうこうしていると、結標のもとに一本の電話が来る。唯一後方待機していた土御門だ。
「……ふ~ん、そう。分かったわ」
「あら、どうしたの変態さん」
「くっ、金髪ロリの罵倒なのに、男子小学生に言われてるように感じる……っ!……どうやら、ピンセットを回収できたみたいね」
「!……、そう」
「あら?安心して、別に殺してはいないみたいよ。じゃあ、私はこれで……ねぇ、アナタの能力って他人同士の心の距離も操作できたり――」
「早く行け」
その言葉に光悦とした表情をしながら、結標は去っていく。
心理定規は、能力を使ったことを少し後悔した。
「……どうします?」
「……しばらくは『スクール』も活動休止ね」
こうして、物語は終わりを告げる。
あ、麦野は浜面のそげぶ擬きで倒されました。
やべぇ、麦野の扱いが雑過ぎる……なんか、後が怖――(ここから先は、焼け焦げていて読めません)