御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中) 作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!
銀行強盗に遭遇したあの日からだいぶたった。今では中学二年生。
身体検査の結果、能力レベルが3に上がっていた。やったぜ。
因みに、ここで重大な報告がある。俺、何日にどの事件が起こるのか正確に覚えてない。……幻想御手事件っていつ起こるんだっけ?
「……いや、よくよく考えれば超電磁砲の事件って俺が介入する必要なくね?」
幻想御手も
アニメオリジナルストーリーがないなら、俺の出番はほとんどない。と言うか要らない。
「勝ったな」
俺はゲーセンのメダルゲームをしながら勝利を確信する。……お、大当たりじゃん!
にしても、戦わなくていいと分かると一気に気が楽になったな。もう人生楽しくてたまらねぇ。
御坂のストーリーに関わる必要がなく、魔術サイドにもほとんど関わる必要がなく、挙句の果てにはアレイスターにもクローンを製造するという以外必要とされていない。
誰にも邪魔されず普通の人生を過ごせる。素晴らしいことじゃないか。多分、上条とか一方通行とか垣根とか浜面とかになってたら終わってたな。
「さ~て、帰りになんか本でも買ってくか!」
そう思い、ゲーセンを出ようとすると
「……」
「……」
なんか、頭に帽子をかぶった魔女っ娘露出娘がこちらを見つめている。……え?
「……」
「……」
……え、なんなの?え、こいつあれだよね?
「……」
「……おい、いつまで黙っている」
おかしいだろ!お前の出番はまだ先だよ!フライングしてんじゃねぇ!
「待って、せめて話すなら『外』にしてくれない?」
「このあたりの
オーマイガー、逃げ道はないようだ。
「それで、何の用?」
「私に対して随分態度がデカいな。私の力は貴様も知っているのだろう?」
あれから、他の奴に聞かれるのも不味いのでとりあえず誰もいない公園に移動した。
その際、オティヌスがテレポート紛いの事をしたり、辺りに見えない結界を貼ったりしていた。
「いやだってねぇ、ここまで来たらもう、色々悟るわ」
「生憎、貴様には聞きたいことが山ほどある。無論、力尽くでも良いがな」
「喋りますから暴力はやめて」
怖ぇ、オティちゃんが言うのと強盗が言うのとじゃあ迫力が違う。
「
「知らないです」
「……………………………………………………………そうか」
あ、今落ち込んだな。
「っていうか、俺の記憶を見りゃあいい話じゃないの?」
「……それもそうだな」
そういって、オティヌスは俺の頭に手を当てる。
「……あぁ、貴様
「……も?」
「あぁ、お前のように、この世界を創作物として知る世界から来たものはかつてもいた」
……え、マジで?俺の同類って他にもいたの?
「だが、どいつもこいつも分かった風に私に向かって、世界を滅ぼすのはやめろだの、魔神の力を捨てろだの、好き勝手言いやがる。そいつらは洩れなく殺してやったがな」
そらそうだ。こいつが丸くなったのは上条さんがこいつの『理解者』になったからだ。何の関りもない状態で好き勝手言われてもデレるどころか殺意が湧くのは当然だろう。
「貴様もそう思うのか?」
「う~ん、どっちでもいいかな」
「……ほう?何故だ?」
「俺が安全なら大体は好き勝手にやっていいよ。でも、俺に害を与えるなら……」
「与えるなら?」
「土下座するからやめてください。靴でも何でも舐めますからぁ!」
そういって、俺はオティちゃんに頭を下げる。……いやだってさ、聞いたでしょ?俺の同類を何度も殺したって。俺もそいつらの二の舞になるかも。……それだけは嫌だ!
「……私が言うのもなんだが、人としてそれでいいのか?」
「馬鹿野郎!誇りで飯が食えるか!そもそも、お前は人じゃねぇだろ!」
「馬鹿野郎?」
「ひぃぃぃぃいいいいいい!すみませんすみません勘弁してつかぁさいマジホント許して!」
もはやプライドなど溝に捨てた。今この場を乗り切るために俺は道化になる。
「……はぁ、まあいい。特別に許してやろう」
「え、マジですか!」
やったぜ!
「……一つ聞きたいのだが」
「何でございましょうか姉貴」
「姉貴はやめろ。……貴様は元いた世界に未練はないのか?」
「どっちでもいいかな。こっちに来て結構たったし、それなりに愛着も沸いたから」
「……そうか」
「そう言えば、なんで俺の存在が分かったわけ?」
「私は魔神だからな。貴様の中身が違うことくらいは見抜ける。それに、数年前にこの世界に異物が紛れ込んでいたのも分かっていた」
「え、前からバレてたの?」
「あぁ。だが、私も忙しくて向かうに向かえなかったのだ」
マジか。魔神って年がら年中暇人みたいなイメージあったわ。
「……なぜそんなイメージを?」
「主にお前の同類のせいだな」
「……なるほど」
あっさり納得するオティヌス……草生えるwww
「……そろそろ帰るとするよ」
「お、マジっすか」
ようやく俺の胃が生き返る。
「最後に一ついいか?」
「なに?」
「お前は……、私の『理解者』か?」
「その問いにはNOと言わせてもらおう。俺はお前の『同士』ってとこだ」
「そうか」
すると、オティヌスの姿が幻のように消えた。
「……助かったか」
今頃
「……はぁ、何とも強烈な一日でした」
二度と来ないでほしい。
しかし、そんな俺の希望はあっけなく崩れ去ることは、今はまだ、知る由もなかった。
「なんて不穏なナレーションを一度はやってみたい俺であった」
そんなことを言っているうちに、無事に家に帰った俺。
「……ちょっと換気するか」
本当に出来心だった。ぶっちゃけ今やる必要などなかったのだ。
「……ん?ベランダになんか干されてる?」
だが、今日程窓を開けなければよかったと思うことはないだろう。
「……お腹空いたんだよ」
「……………は?」
「お腹空いたんだよ」
「……え?」
「お腹空いたって言ってるんだよ。何か食べさせてほしいんだよ」
俺の家のベランダに、
「……不幸だ」
切実に、そう思わされた。
御坂になったのになぜか魔術サイドのほうが関わり合いが多いという謎展開。