御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中) 作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!
シリアス注意です!
「……あぁ?なんでお姉様がここ居るわけ?」
突如、
「……
「テ、メェ……なンで……?」
「いいから、
「ふ~ん、お姉様が遊んでくれるの?」
そういって、番外個体が釘を構えた。それに対し、御坂はポケットからコインを取り出し、番外個体に向けて構える。
「言っただろ。ケリをつけるって」
「知らないよ」
二人は全く同時に、磁力砲を放った。
「がッ⁉」
だが、押し負けたのは御坂だった。番外個体の釘が、御坂の二の腕を貫く。
そもそも、二人の間には
「アハハハハ!オリジナルって言っても、この程度⁉全然大したことないんだけど!ほらほら、ドンドン行くよ!」
「くッ……!」
コインを構えようとする御坂だが、痛みでコインを落としてしまう。
「あ……」
「死んじゃえ!お姉様!
そういって、番外個体は死の一手を解き放った。
「クソ……!」
「なッ!
その直前、一方通行が御坂にタックルをして、無理やり射線を外す。
「はっ!いいねぇ!」
ボロボロの二人を前に、さらに気分を上げている番外個体が、次々と釘を放っていく。
「くッ……!」
「チッ……!」
「あなたはミサカたちを一万回以上、一万人以上殺してきたんでしょう?最低でも一万倍は人権を踏み躙らないと帳尻が合わない!利子を含めれば、三倍返しじゃ済まないからね!」
そして、最悪の一言を告げた。
「もちろんお姉様もだから。尤も罪深いあなたには、そいつ以上に苦しんでもらわないとね!」
「な、にを……」
一方通行が、番外個体の言うことを理解できずにいる。
御坂美琴は、「あの実験」のことは何一つ知らなかった。間接的な加害者であるとはいえ、一方通行より罪深いとは思えない。
「知らないの?お姉様はね、
「……は?」
「……、」
「そうよね?お姉様、実験の事も、全部最初っから知ってて、それを許容してた。貴方は学園都市の科学者たちと変わらない、只のクズなのよ!」
一方通行が信じられないと言った様子で御坂を見つめる。
「……オイ、なンとか言えよ」
「……、」
「なンとか言えっつってんだろ!」
番外個体の事など忘れて、一方通行は御坂に掴みかかっていた。
「ふざけンじゃねェぞ!知ってただと⁉
「……そうだ」
「!……、」
実際のところ、一方通行は否定してほしかった。
謝るつもりはない。だが、それでも和解できると思っていた。それすらも、幻想だったのか。
「知ってたよ。あいつらがお前に殺されるために使われるのも。
「……ふざけんじゃねェぞ!あいつらを、なンだと思ってンだ!俺みたいなクソったれにそんなこと言う資格ねェのは分かってるが、それでも言わなきゃ気が済まねェ!
「!……、」
いつかの時、ヒーローの言葉を叫ぶ一方通行。
「なにより……なンであのガキが、あンなに苦しめられるンだ!何も悪い事なンかしてねェだろ!!なのに……なンで!」
最早、一方通行の頭に、番外個体の存在はなかった。ただ目の前の少女が、とてつもない巨悪に見える。
「……分かってる」
しばらくして、御坂は言葉を紡いだ。
「分かってるよ。……あいつらは生きてるんだって。
かつて妹達に出会った時、ずっと御坂の胸に引っかかっていた罪悪感。
せめて悲劇を変えれば、自分の罪も帳消しにできるんじゃないかという甘え。それが、心のどこかにあったから、御坂は戦ってきた。
誰かに向かっていった言葉など、言い訳でしかない。自分のため?まさしくその通りだ。自分が辛いから、誰かを助けていた。自分を誤魔化せた。
今までは、いつの間にか事件に絡んでいた。もちろん、何とかしようと自分の意志で動くこともあっただろう。だが、殆どが偶然と成り行きでしかない。
しかし、御坂は事件を解決していた。舞い上がっていたのだろう。自分なら出来る。万が一のための保険もある。
だから、
「……馬鹿だった。
「……オマエ」
「だから……ッ⁉」
突如、御坂の左腕を、釘が貫いた。
番外個体だ。
「……もういいかな?懺悔は終わった?終わってなくても続けるけどさぁ!」
「くッ……!」
連続で釘を打ち込む番外個体。
それを躱し続ける御坂達。
「そーら!」
「ガハッ!」
じれったくななったのか、電撃を後ろに放ち、衝撃を利用して一気に距離を詰めてきた番外個体。
その勢いのまま御坂を蹴り飛ばし、近くにいた一方通行を踏みつけた。
「アナタもよ。どうして今まで
何度も何度も、執拗に一方通行の顔を踏みつけ続ける
「アハハハハ!ミサカ達は少しずつ人間らしくなっている!時期に多くのミサカ達が憎悪に気付く!正当な復讐の権利について考えることになる!……、」
番外個体は一方通行から視線を外し、一点を見つめる。
彼を守ろうと、今もなお苦しいはずなのに、それでも必死に手を伸ばし続ける、たった一人の女の子に。
「あぁ。まずはあっちの不良品から片付けるか。その方が効果的っぽいしね」
「させる、か……っ」
「……あれを片づける前の、肩慣らしには丁度いいかもね」
(殺さない。殺させない!……もう二度と、
「……誰も、死なせない」
「はぁ……?」
「もう一人も、死なせやしない!」
覚悟を持って、そう告げる御坂。
「だから!全部あなたが元凶なんだって言ってんでしょうが!アナタが居なきゃ、誰も死ななかった!」
そんなことは分かっている。先の事など、どうなるか分からない。だから、救うべきだった。
それが出来たはずだった。
「しなかった。……だから、それが
もしも、『実験』を自らの手で止めていたなら、もう少し何かが変わっていたかもしれない。
だが、そんなものは夢物語だ。今見るべきは、夢ではなく現実。己の
「……
誰の
「
(……あァ、そういうことか)
不屈の闘志を見せる御坂を、倒れ伏す一方通行は見ていた。
(ダメだと思った。誰も死なせずに場を治める方法なンてねェ。そう、諦めてた。……でも、アイツは違った)
どれだけの
悪党でも、ヒーローでもない。ただ姉として。たった一つの幻想を守るために立ち上がる。
(……忘れンなオレ。オレは守りたいンだ!失いたくねェんだ!)
これで終わりではないのかもしれない。今度はまた別のクローンが作られるのか。それとも、一方通行の知る誰かが使われるのか。
でも、もう諦めない。それをしたら、すべてが無駄になる。これまで積み上げてきたものも、これからも。
だから、起きろ。今すぐ立ち上がれ。
「……お前を止める。そして救う。行くぞ妹!お姉ちゃんがお仕置きしてやるよ!」
そういって、御坂は
咄嗟に迎撃しようとした番外個体だったが、電池が切れたように動きが止まった。
「……?」
訝しむ御坂だったが――
――ぶちゅり、という。
何かが破裂する音が聞こえた。
そして、
うぇ~ん!ギャグが死んじゃったよぉ~!