御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中) 作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!
………………、はい!あるとジャーナイト!
「……なんか、急に寒くなった気が……」
「奇遇だなレッサー、俺もそう思う。どこかの誰かが寒いギャグかましたのかもな」
「……おい、なんで俺を見るんだ」
二人の訝しむ視線を受けて、抗議する御坂。
「っていうか、おかしいだろ!ギャグって言ったら俺みたいな風潮やめてくれない⁉しかも、なんで俺は殴られなきゃなんねぇわけ⁉」
「大体お前のせいだしな」
「ふざけんなウニ野郎!あの寝間着野郎の口車に簡単に乗せられたのはテメェだろうが!」
「う、ウニですと⁉上条さんのイケヘアーになんてことを!」
「っていうか、もしかして寝間着野郎って右方のフィアンマの事ですか?」
三人がそんなことを言い合っていると
「しっかし、ロシアまで来て、この味を嗜むことになるとはな」
そういう上条の手には、某有名店のハンバーガーが握られている。
「いや~、世界全土で変わらない味ってのも、便利なものですよ?」
「それな。俺海外料理って苦手だから、こういうのホント便利」
すると、乗っていた車が止まった。
「密入国ブローカーに紛れてここまで来ましたが、車両で進むのはこのあたりが限界でしょうね。フィアンマのいるロシア軍基地には別ルートで潜入しましょう……どうしたんです?」
「いや……、『エリザリーナ独立国同盟』に流れていく人は、それなりに多いのかな?」
「あるいはその逆も。誰もが敗戦国の国民にはなりたくないですからね。さっさと終わらせちゃいましょうよこんな戦争。どーせ裏じゃフィアンマが糸を引いてるんでしょ?」
暗い様子などみじんも見せずに、レッサーはそう言う。
「あの野郎をぶっ飛ばして、手っ取り早く戦争を終わらせて、世界中を平和にしちゃいましょう!」
「……そうだな。とっととフィアンマをぶん殴って、インデックスを助け出すか!」
二人が明るさを取り戻す中
(……この後の「新約」の展開を知っている身としては、少々心苦しいっスね)
これからの新訳のイカれ展開を思い、上条に心の中で手を打つ。
(せめて新約十巻までは持ってください上条さん。あれ以降なら俺が何とかするんで)
え、ハワイ?バゲージシティ?オティちゃん?なにそれおいしいの?
「そうと決まれば、パパっと栄養補給を済ませてしまいましょう!」
そういって、レッサーがハンバーガーに齧り付くと
「あ……」
不幸にも、上条の服にケチャップが付いた。それを見たレッサーが目の色を変えて
「体で支払います!」
「なんで瞳にお星さまキラッキラ輝かせて舌なめずりなんだよお前」
「体で支払います!」
「キモイぞ御坂。後、お前はケチャップ飛ばしてないだろ」
調子に乗った御坂が上条をおちょくるも、一蹴された。
「……なんか、見た事ある絵面だな。主に別作品で」
「何言ってんのお前?」
取りあえず車から降り、歩いて基地に潜入した三人だが、学園都市とロシア軍の戦場にぶち当たってしまった。
「チャンスです!このどさくさに紛れて、フィアンマの基地に潜り込みましょう!」
「ま、誘われてるのは確実だろうがな」
「……なに?」
御坂の言葉に、二人が首を傾げる。
「……お、あったあった。聞こえてるか寝間着野郎?」
御坂が上条の服を弄ると、中から雪でできた人形のようなものが出てきた。
『ほぅ、やはりお前は気づいていたか』
「この声……フィアンマ⁉」
レッサーの言う通り、その雪人形から右方のフィアンマの声がした。
「大方、上条さんを安全に自分のもとまで連れてくるために誘導したんだろ?」
『まぁな。砲撃に巻き込まれて、右腕が失われるのも困る。てっとり早く回収するために、わざと穴をあけておいたのさ』
すると、上条が御坂から雪人形を右手で取り上げる。その瞬間、人形が只の雪の粉となった。
「あの時やけにあっさり引き下がると思ったら……、見逃されていたってことかよ!」
「取りあえず、先を急ごうぜ。折角向こうが道を用意してくれたんだしな」
「あぁ!」
そうして、三人は今いる場所を飛び出していった。
その瞬間
ゴゴゴゴゴゴゴッッッ!!!と、地面が揺れた。
いや、揺れた、だけではない。
「何だ⁉」
「……来たか」
地面が、
「……お」
そして、上空に巨大な円のようなものが描かれる。その次の瞬間、全身真っ白の人型の何かが姿を現した。
「ようやくお出ましだな。ミーシャ=クロイツェフ!」
すると、御坂はいきなり雷神モードを発動。ミーシャへと向かっていくが
「――」
「ぎゃああああああああああ!」
瞬殺。元々、雷神モードでの戦闘は一度も行ったことがない。仮に使っていても、それは所詮撤退や脅しくらいにしか。
ぶっちゃけ、初戦が大天使はハードルが高かった。
「落ーちーるーっ!」
落ちる、というよりは、落とされるが正しいだろう。勢いを欠片も落とさず地面に激突した御坂。
「……やっべぇ。超痛い」
珍しくダメージが体に響いている。いや、イギリスから直接来たため、ダメージが回復しきっていないのだ。
「……おん?」
「ミサカのシリアルナンバーは10777です。と、ミサカは言葉を詰まらせたお姉様に懇切丁寧な答えを返します」
「サンキュー。それで、ここで何してるの?」
「撤退戦が完了しましたので、後はプライベートな時間を過ごすことにしました。と、ミサカは物騒なライフル片手に、バカンス気分を報告します」
そりゃサイコーにイカすバカンスだな。
「じゃあ、ちょっと協力してもらうぜ」
「???」
そういって、御坂は10777号に不敵に笑いかけた。
「おーおー、派手にやってるねぇ」
現在御坂は、10777号から借りた双眼鏡でベツレヘムの星を眺めていた。彼女の視線の先には、丁度、
ミーシャ=クロイツェフ。かつて……、原作四巻辺りに登場した大天使。神裂と互角に渡り合う数少ない存在でもある。
「ロシア側の無線を傍受しました。とミサカは報告します。あの要塞に対して、大規模な攻撃を行うことを示唆しています。とミサカは補足説明します」
「どんな兵器を使うんだ?」
「お待ちを……NUAD1967」
「……え~っと、確か」
「はい。旧ソ連製の核弾頭です。と、ミサカは報告します」
そういや、そんなのが使われるんだったな。と、御坂は廃れていた原作知識を掘り起こす。
「冷静になりましたか?とミサカは質問します」
二人は場所を変え、ロシア軍の戦車の通る道を見ていた。
「問題ねぇよ。……核弾頭を使う位置は?」
「通信内容によると現在地からおよそ70kmの地点です。とミサカは答えます」
「オッケー。……車をジャックする。運転できるよな?」
しばらくまた真面目な話が続きそう。