御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中) 作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!
新・プロローグ
十月三十日。
学園都市とイギリス清教。ローマ聖教とロシア正教。
二つの勢力が衝突した第三次世界大戦は終結した。
終戦間際、北極海に要塞『ベツレヘムの星』の落下を確認。
ミーシャ=クロイツェフは消滅。これにて、完全にすべてが終了した。
北極海に生存者の反応は無し。
この日、一人の少女が学園都市から『消えた』。
「……ん?ここは……?」
少女は目を覚ました。
「お、目が覚めたかい?みこっちゃん」
「……アンタは?」
「初めまして、俺はトール。まぁ、戦争代理人ってやつ?」
少女は辺りを見渡していった。
「ここはどこ?アンタ何者?」
「俺は『グレムリン』のメンバーってとこだな。ここは俺の仮拠点だ」
トールの言葉に、少女は
「ぐれむりん?」
「あれ?知らない?」
「うん。……あれ?」
知らないはずだ。なのに、少女の脳裏に、ある情報が巡ってきた。
――「新約・とある魔術の禁書目録」で登場した、科学と魔術の混じった組織。機械という概念が生まれてから発生した、「世界の片側がもう一方を蝕む象徴」を名乗り、 第三次世界大戦の戦勝者たる科学サイドを喰らわんとする者たち。
……なんだこれは?
「……あれ?」
そもそも…………………………………………………………………………………………………、
「……ぁ」
「どうした?」
目の前にいる金髪の少年が、心配するように少女の顔を覗き込む。
トール。『グレムリン』の正規メンバーの一員である魔術師。
そんな情報が……またしても、少女の脳裏に――
「……
その言葉に、トールは戸惑った。
「いや~災難だったなみこっちゃん」
「笑い事じゃないわよ」
少女……
彼女はどうやら、
(でも……なんでかしらね?記憶喪失なのは間違いないんだけど……それだけじゃないような)
違和感。まるで、自分であるけど、ここに居るべきは自分ではないような……そんな違和感。
記憶以外の大切な何かを失ったような……いや、見失ったような、そんな気持ち。
一体なぜ、そんな風に思うのか。
「まぁでも、時間が経過したら戻るつってたし、大丈夫だろ?」
「……そんなものかしらね」
一応医者に診てもらい、記憶喪失であると判明した。
さらに、記憶の呼び出し経路に破損が見られたそうだ。
「記憶の呼び出し経路の破損はおよそ一年前。……私、なにやってたのかしら?」
「さぁ?」
しかし、これからどうしたものか。
「行く当てはあんのか?」
「全く」
彼女が失った記憶は、俗にいうエピソード記憶である。思い出を司る記憶であり、その部分だけ失った。
なので、彼女は今、何とか事態を受け入れられている。自分が持つ、
(……この世界は創作物の世界……そして、私はその中のキャラクター……そこまではいいわ)
ビックリするほど、今の状況を受け入れられることに疑問を持ちつつも、今後の展開を考える。
(大まかなストーリーを思い出せないのが痛いわね。キャラの情報や用語なんかは分かるけど、それ以外がザル。……これは苦労しそうね)
今やるべきは、何とか生き残ること。記憶を取り戻せば、もっとそれを叶えやすい。
「……疲れたわ。少し眠らせて」
「あいよ。お休み~」
取りあえず、明日のことは明日考えるか。そう思い、御坂は眠りについた。
導入なので短い!……今後の展開に困るなこれ。