御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中)   作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!

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 サブタイトルを漢数字にするという変化を加えてみました。
 ……え、アンケート?……今回からの話は……この後すぐ!


一話

 目が覚めた時、真っ暗な世界にいた。

 

「……え、いや何処ここ?」

 

 御坂美琴は、真っ暗な世界で一人佇んでいた。

 

「……もしかして、俺の知らないうちに世界滅んでた⁉オティちゃんやっちゃったの⁉」

 

 おっかなびっくり。誰だって、自分一人で何もない空間に放り出されたら怯える。

 しかも、置かれた状況を理解する「知識」があっては尚更だ。

 

「……いや待て、確か時系列はロシア編。つまり、まだ時間は……あるのか?」

 

 御坂の最後の記憶は、ロシアでミーシャに轢かれたところで止まっている。

 もしかしたら、昏睡状態に陥り、いつの間にか世界が滅ぼされていたという可能性も、無くはない。

 

「でもその場合は俺が生きてるのはおかしいしな」

 

 世界が滅べば、基準点である幻想殺し(イマジンブレイカー)を持つ上条当麻以外は、全員消滅するはずだ。

 故に、御坂美琴が一人残されるというのはあり得ない。

 

「……分っかんねぇな……ん?」

 

 すると、御坂の前にスクリーンのような映像が映し出された。

 

「え、何処から?え、怖い⁉何が起きてんの⁉ルイー〇マン〇ョン⁉キング〇レサに絵画にされるの⁉」

 

 馬鹿みたいなことを言いながら、映し出された映像を覗き込む御坂。

 そこに映し出されていたのは―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ~」

「お目覚めか?みこっちゃん」

「……トール。おはよう……今何時?」

「大体八時くらいだな」

 

 ベッドから身を起こした御坂が、トールに質問する。

 彼の言う通り、時計の針は八時を指していた。

 

「……ちょっと眠り過ぎたかな」

「色々あったんだし、仕方ねぇんじゃねぇの?」

「そう?」

 

 そういって、御坂は起き上がる。

 ……ゲコ太パジャマのまま。

 

「は……?何このパジャマ?」

「みこっちゃんのだろ?……あ、分かんねぇか」

「ちょっと待って。何をもってこんな可愛i……じゃなくて、子どもっぽいパジャマが私のだと――」

「今可愛いって言った?」

「……言ってない」

 

 ジト目で御坂を睨むトール。その視線を、御坂は顔を逸らして躱す。

 

「そ、それより……!これからどうするの?」

「……そうだな。ぶっちゃけ何も考えてないんだよなぁ」

「え……何も考えてないのに私を助けたの?」

「まぁな」

 

 それはまた、随分とお人好しだな。と、御坂は感心する。

 

「別に、海の中で溺れかけてる人がいたら、誰だって助けようとするだろ?それと同じだよ」

「……それもそうか」

「それでだな。……今頃、グレムリンは……」

「グレムリンは?」

「ハワイにいるはずだ」

「慰安旅行?グレムリンって暇なの?」

 

 確かに、ハワイと言えば観光名所だろう。

 

「違う違う。なんでも、「起爆剤」がうんたらかんたらって言ってた気がする」

「覚えてないの?自分の組織の作戦を?バカなの?死ぬの?」

「死なねぇ。後、向こうがあんまり詳しく話さなかっただけで、俺はバカじゃない」

 

 疑いの目でトールを見つめる御坂。

 しかし、当の本人はそんなもの気にしないとばかりに話を進める。

 

「……バゲージシティに行くとも言ってた気がするな」

「なにそれ美味しいの?」

「食い物じゃねぇ。地方都市だよ。あんま詳しいことは知らないけどな」

「ダメじゃん」

 

 何も得られていない。もしや、トールは信用されていないのでは?

 

「んなこたぁねぇよ。きっと……多分」

「自信ないって、何やったのよ」

「まぁ、戦争屋なんてやってるしな。……別に信用されねぇ理由にはならない、はず……」

 

 どれだけ自信がないのか。

 

「……、」

「そこで無言にならないでよ。……それで、バゲージシティって、そんなところで何をするつもりなの?」

「確か「全体論の超能力」を試そうとしてるらしい」

「……全体論の超能力?」

 

 その理論は、御坂の知識にもある。

 グレムリンが開発しようとしている新種の超能力。

 通常の『超能力』とは、 量子力学で記述されるようなミクロな世界を歪めることで、マクロな世界で超常現象を引き起こすものである。

 それに対して、この『全体論の超能力』は、 全体論で記述されるようなマクロな世界を歪めることで、ミクロな超常現象を発生させるというもの。

 分かりやすく言えば、「宇宙全体を折ったり丸めたりすることで、その副作用で掌から炎を出す」ということである。

 

「……それ、やる意味あるの?遠回り過ぎない?」

「さぁ?」

 

 御坂の言う遠回りとは、この理論は、宇宙全体を折ったり丸めたりするほどの力があるなら、その力で素直に銀河や惑星を押しつぶせば良いのでは? という疑問が出るからだ。

 

「でもまぁ、わざわざそれをやるってことは、なんか重要なことがあるんじゃねぇの?」

「それもそうか。……よし、決めた!」

「行くのか?」

「えぇ。なんか、そこに行けば色々分かる気がするし」

「じゃ、頑張れよー」

「え、アンタは行かないの?」

「俺はちょっと用事があってな。後から追うよ」

 

 トールの用事というのも気になるが、今はバゲージシティだ。

 

「よーし!……トール」

「なんだ?」

「お金貸して?」

 

 瞬間、気まずい沈黙が空間を支配した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな、御坂美琴の様子を、スクリーン越しに、御坂美琴(・ ・ ・ ・)は見ていた。

 

「……どういう……事だ?」

 

 それはまるで

 

「まるで……あの無限の世界の……いや待て、いくら何でもそれは……でも、じゃあ一体何が起こって……」

 

 そんな彼女の疑問に答える者は、誰もいなかった。

 

 

 




 え、ハワイ?御坂の席は垣根さんが埋めました。
 困ったときは垣根さんに報告!まさに「スクール」の冷蔵庫!(意味不明)。
 因みに垣根さんのメンツは本人、林檎ちゃん、心理定規ですね。垣根以外は遊んでいましたが

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