御坂美琴になったけどレベル5になれなかった(更新停止中)   作:無視すんなやごらぁぁぁあああああ!

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 前書きで書くことも無くなってきたな。



三話

 

「寒ッ⁉おかしいだろこれ⁉マイナス何℃行ってんの⁉」

「メイド服で動き回るような場所ではない!」

「その格好で動き回っても良い場所を私は知らない」

 

 外はマイナス二十度。猛吹雪の地獄であった。

 

「チアリーダーのくノ一が何を言っているのかな?」

「それは私も気になってた。っていうか、アンタたちちょっと格好個性的すぎない?」

「……とにかく、どこでも良いから一番近くの建物に行こう!考えるのはそれからだ!」

「無視すんな!」

 

 御坂が叫んだ瞬間、近くにあったガソリンスタンドが爆発した。その衝撃でメイドは吹き飛び、御坂があんぐりと口を開ける。

 

「……うっそ~ん。なにあれ?学園都市製なのは間違いないわよね?」

「とりあえず、暖には困らなくなった」

「あ、そういえば暖かいわね。学園都市も気遣いが出来るなんてやるじゃない」

「言ってる場合か!」

 

 にしても、なんか暖かいどころか痛くなってきたような――

 

「この熱風、なんか肌の表面が痛くなるだけでちっとも温かく感じないんだけど」

「それ私も思ってた。ナニ〇レ珍百景?放射能でもバラまかれてんの?」

「だとすると私たちはとっくに危ない状態に……まずい、来る。来るぞ。向こうのビルが倒れてくる!」

 

 精密な爆破解体と違い、中途半端に支柱は折れたせいで、ビルがまとめて倒れてくる。

 

「ちょ、ふざけんな!ちょっとそこの忍者、何とかしなさいよ⁉」

「忍法、脱兎のごとく退避」

「ざけんなパチモン!もっとまともな忍法使えや!」

 

 そんなやり取りをしつつ、三人は何とかビルの倒壊から免れる。

 

「!……、飛ぶわよ」

「え、ちょ、何をォォォォォ⁉⁉⁉」

 

 メイドと忍者を脇に抱え、近くの折れていない支柱に向かって電磁力で吸い込まれるようにかっ飛んで行く御坂。

 その直後、ビルの重さに地下通路の張り巡らされている地面の方が耐えられず、崩壊した。

 

「……助かった。全く、地上も地上で最悪だ」

「えげつないわね。っていうか、ほぼ無意識だったんだけどこれ。後どれくらい続くんだろ?」

「今すぐ降ろせ!」

 

 いつ落下するか分からない状況に、メイドが絶叫する。

 御坂はある程度崩壊が収まったことを確認し、ゆっくりとボロボロの地面に降りていく御坂。

 

「うぎゃぁぁぁああああ!!」

「なんで落ちてるんだ⁉」

 

 御坂の降り立った足場だけ不安定だったようで、一人落ちていった。

 

「クソっ!」

 

 その後を慌てて追いかけるメイドと忍者。

 

「うぅぅ、痛った~い」

「大丈夫か?」

「なんとか、ね」

「にしても、上条当麻とかいうヤツ。こんな所で一体何が出来るって言うんだ?」

「さ、さあね。実はあっさり死んでいました、なんて展開になっていない事を祈ろう。この街なら何でもアリだ」

「上条……?」

 

 メイドたちが話している内容を聞き、御坂が振り向く。

 

「知っているのか?上条当麻を?」

「知ってるっていうか、私の知り合いが偉く熱心に探してるわよ」

「知り合い?」

「まぁ、色々あるのよ。……後、心配する必要はないわよ」

「どうして?」

「いや、なんかよく分かんないけど、多分、『上条さん』なら何とか出来る気がするのよね」

「清々しいほどに根拠がないな。けど、その様子じゃ知り合いなんだろう?」

「さぁ?」

 

 肩をすくめ、ぼかす御坂。

 

「さぁ、ってなんだ?」

「ぶっちゃけ、本当に知り合いかどうかわかんないのよね」

「どういうことだ?」

「記憶喪失なのよ、私」

 

 メイドと忍者が押し黙る。

 

「……別に気にしてないわよ」

「そう、か。だが……、いや、何も言うまい」

「結構。それで、どうする?」

「無論、あの男を追う」

「あの男?」

「木原加群」

 

 メイドはその名を言う。

 

「っていうか、今更だけどアンタ達誰?」

「本当に今更だな⁉……私は雲川鞠亜(くもかわまりあ)

近江手裏(おうみしゅり)

「御坂美琴よ。よろしくね」

 

 今更な自己紹介を終え、雲川は話を続ける。

 

「学園都市のとある小学校で起きた、未成年の死亡事案に深く関わっているとされている人物なんだ。私はどうしてもあの男を追わなくてはならない。私は自分のプライドを気にする人間だが、これだけは丸ごとへし折っても手に入れたい」

「プライドって何?そんなの気にする奴なの?」

「うるさい。……というか、お前はここに何をしに来たんだ?」

「私?」

 

 寧ろ、聞かれないはずがない。

 

「記憶がないのだろう?ならばこそ、こんなところに来る理由はないはずだが?」

「あぁそれね。……まぁ、何て言うのか。……直感?」

「どういうことだ?」

「ここに来れば、私の失った記憶の手がかりを掴める。……そんな気がしたの」

「ほう。それで結果は?」

「惨敗。途中でおっさんの殺し合い事後現場に遭遇するわ、トンデモ幼女に殴られそうになるわでもう散々」

 

 やれやれと肩をすくめながら、御坂はため息をつく。

 そうこうしながら三人は入り組んだ通路を抜け、中心部のゴミ処理場へとたどり着き、さらにその内部の薄っすらと開いた扉のもとまでやってきていた。

 

「誘われた……わけじゃないわね。なら引き返しましょう」

「引き返すってどこにだ? それに目当ての人物がいるかもしれないぞ?」

「いいや、いない。絶対にいない。これはあれよ、覗いた部屋の中はやばいところで、見られてしまったからには生かしておけないパターンよ」

「なんのパターンだ……。覗くだけ覗いてみればいいさ、やばそうだったら逃げればいい」

「それじゃ遅いと思うんだけどさ~……」

 

 しかし、御坂の思いとは裏腹に、扉が勝手に開きだした。

 どうやら、中にいる者が瓶のようなものを投げて強引に開けたらしい。途中、ガラスが割れるような音をしたのを御坂は聞いた。

 

「あれ?向こうからお誘いしてくれてる?」

「椅子に合った足置きとドリンク用の小型冷蔵庫、ついでに全自動発電機が欲しかったんだけどさ。どれになりたい?」

 

 中にいた褐色肌のオーバーオール姿の銀髪を三つ編みにした少女が、微笑みながら(ノコギリ)片手にそういった。

 

「死ね」

 

 御坂はドアの隙間から、ポケットから取り出した銀貨を元に電磁力砲(コイルガン)を発射。

 銀貨は少女の顔面へと殺到した。瞬間、ぶつかった衝撃で辺りに粉塵がまき散らされる。

 

「……え、ちょ、おま、何やってんのォォォォォォぉおおおお⁉⁉⁉」

 

 最早不意打ちどころか闇討ちに近い外道行為。

 だが

 

「いくらなんでも今のは――」

「逃げるわよ!」

 

 人間としてどうかと思うような行為に、思わず抗議しようとした雲川を無理やり抱き抱え、近江とともに来た道を全速力でもそる御坂。

 

「待っ、一回降ろせ!」

「それ!」

「投げるな――ッ!」

 

 思いっ切り地面に投げ飛ばされた雲川は、転がりながら態勢を整えつつ二人に並び走る。

 

「っていうか、さっきのは何だ⁉サイボーグの亜種か何かか⁉」

 

 雲川は学園都市の人間。『異能の力』にはある程度慣れているつもりだった。そんな彼女が、パニックになりかけている。

 尤も、御坂のトチ狂った行動のおかげで、それはある程度緩和している。それを自覚している雲川は、少し泣きそうだった。

 

「敵側に強い恐怖と高い治療費を与えるために、敢えて生かしたまま肉体を壊して捨て置く戦略がある。片足だけを吹き飛ばす対人地雷をばら撒くとか。あれも多分その一種! 死体を加工するのとはまた違った思想で運用しているはず!」

「そんなデジタルなもんかね⁉ 趣味と娯楽ですって思いっきり顔に書いてあったように思えるけど!?」

「いい?私たちは何も見なかった。冷蔵庫とか足置きとか知らないし、全自動発電機なんて私にしか出来ないだろとか無し。何も見なかったし、聞かなかった。ドゥーユーアンダースタン?」

「「オーケー」」

 

 御坂が真顔でそういう。

 その言葉に二人は了承した……が。

 

「いやー駄目駄目。つーかね、言ったじゃん。切り札のシギンの事を聞かれちゃったら口を封じるしかないでしょもー」

 

 褐色少女が追いかけてきているのを見た瞬間、御坂は涙目で叫んだ。

 

「知らないです!ジカンとか知らないです!私たちは何も見ませんでしたし聞きませんでした!」

「シギンって言ってんじゃんもー」

「言ってないでしょ⁉どんだけ耳遠いの⁉理不尽過ぎるって!」

「私の顔面に向かってあんなもんぶち込んでおいて、それはないっしょー」

「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ――ッ!!」

 

 本来、あの電磁力砲は牽制用のつもりで放った一撃だった。

 まさかここで裏目に出るとは。

 

(いや、あれはそんなこと関係なしに()りに来る!そういう人種(タイプ)!)

 

 捕まれば「死」……よりも恐ろしい「加工」生活が待っている。

 

「どうするんだ⁉お前のせいで余計に怒ってるぞ⁉……すみません、こいつだけでも見捨てるんでどうにか見逃してもらえませんかね?」

「アンタそれでもメイドか⁉ご主人様への忠誠心はどこ行った⁉」

「お前に忠誠心なんぞあるか!さっさと私たちの身代わりとなれ!」

「シギンのこと聞かれたし見逃せないなー」

「ハハハハハ――ッ!ザマァ見なさい!これがご主人様を見捨てた罰よ!」

「ぐぬぬ……ッ!」

「もういいから前見て走れ。……この先は先ほどの地下通路か」

「あそこ戦車やらビルやらで塞がれてなかったか⁉」

 

 ここまで来て行き止まり、最悪の事態を考え雲川が絶叫するが、御坂達は冷静だ。

 

「いえ、逆にチャンスよ。瓦礫の隙間を通った後に埋めれば、向こうの足止めが出来るかもしれないわ」

「あぁ。氷点下の地上へ出ることになるが、あれと真っ向から挑むよりはマシだろう」

 

 作戦は決まった。彼我の距離五十メートル。これならば――ッ!

 そう思った御坂達だが

 

「な……」

 

 突如、真横の壁が、雲川を押し潰そうと盛り上がってきた。

 

「チッ!」

 

 御坂は再び牽制に使おうとした銀貨を壁に向け、電磁力砲(コイルガン)を発射し、壁を押し返す。

 

「っていうか、今の人間か⁉悪趣味とかいう話じゃなくて、一人だけ明らかに見てる次元が違うと思うんだけど!サイコパスとかそういう話じゃなくない⁉」

 

 御坂のバカみたいな言葉が、逆に緊張感を無くし、突然の事態に対するパニックを消していく。

 それに助けられつつ、雲川たちは冷静に目の前の現象について考える。

 壁は恐らくあの少女に「加工」されたのであろう『人間』。そして、それらは徐々に広がり通路を覆っていく。

 

「その状態で『生かして』おくのって大変なんだぜ? だって四角いし」

 

 褐色の少女はにやにやと笑いながら言う。鬼ごっこは、一時中断だ。

 

 




 この時のマリアンって普通にやばいよな。
 っていうか、御坂がオリ御坂の影響受けてる希ガス。
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