そらのオルガもの   作:ウルトラネオン

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異世界オルガを作ってる兄貴達に触発されて書きました
悔いはない。
仕方ないじゃん!PCねぇんだよ!


オルガ・イツカの転生

「なんか静かっすね」

 

地球から遠く離れた星――火星に存在する最も大きな都市クリュセのとある一角のビル。

そこで鉄華団のメンバー、ライド・マッスはクリュセの現状に素直な感想を言った。

鉄華団は今、危機的状況に陥っている。ギャラルホルンの圧倒的な戦力によって何人もの団員やマクギリス率いる兵士達が死に、遂には火星まで追い込まれてしまい孤軍奮闘という状況に陥った。そこでオルガ・イツカ率いる鉄華団はマクギリス自身が提案し、行動に移している囮作戦によってギャラルホルンから逃げ延びるため打開策を探していた。

 

そして―――これまで鉄華団が積み上げてきた物とも言うべきか、今は離れているテイワズの中でも特に関係が深かったタービンズや、蒔苗東護ノ介の助力を得た事により脱出方法が見つかりそれを鉄華団のメンバーに知らせる為ライドとオルガは外に止めている車に向かっているとこだった。

 

「街の中にはギャラルホルンもいないし本部とはえらい違いだ」

 

「ああ。火星の戦力は軒並み向こうに回してんのかもな」

 

「ま、そんなのもう関係ないですけどね!」

 

ライドは嬉しそうにオルガにそう告げた。

 

「上機嫌だな?」

 

「そりゃそうですよ!皆助かるし、タカキも頑張ってたし!俺も頑張らないと!」

 

かつての鉄華団の団員だったタカキは蒔苗東護ノ介の元で懸命に働いていた事をモニター越しで分かっていたライドは自身も負けてられない、そう思っていた。

 

「(……そうだ。俺達が積み上げてきたもんは全部無駄じゃなかった。これからも俺達が立ち止まらない限り、道は続く)」

 

いつからだろうか。初めの頃はただ皆が馬鹿みたいに笑い合ったり時には喧嘩をしたりしてただ普通の生き方をしたかった俺達はいつからか火星の王、なんて物を目指していたのか。そんな生き方を突っ走ってここまで来てしまっていた。あの時の判断は間違っていたかもしれねえ。団員の皆を死なす事もなかったかもしれねえ。

だが、そんな状況でも俺達が貫いた道は無駄に終わった訳じゃなかった。俺達のとった行動でタービンズの皆や蒔苗東護ノ介が今度は俺達鉄華団を助けると、そう言ってくれた。そう、無駄じゃなかったんだ。

 

ならもう一度、今度は間違えないように一から始めようじゃねえか。

 

 

そう思った時だった。

 

突如横から車のブレーキ音が大きく鳴り響いた。音が鳴った方向を見たときは既に遅かった。車から黒いスーツを着た男三人がこちらに銃を向けて発砲し見張りをさせていたチャドに銃弾が当たる。当然近くにいたライドも命中すると思われたがそんなことはなかった。

オルガが庇ったのだから。

 

「団長…?何やってんだよ!団長!!」

 

「グゥッ…!うおああああああああっ!!!」

 

悲鳴とも思える叫び声と共に懐から銃を取り出し男達に向けて一発、二発と発砲する。その二発はヒットマン達に当たり内一人は車の中に倒れていった。するとヒットマン達は早々に車に身を隠してそのまま逃げていった。オルガは見事撃退することに成功したのだが……

 

「ハァ…ハァ…なんだよ…結構当たんじゃねえか…ヘヘッ」

 

嫌な汗と血を大量に流しながら弱々しくオルガはそう呟いた。

 

「団長……?」

 

「なんて声…出してやがる…ライドォ!!」

 

「だって…だって…!」

 

「俺は…鉄華団団長…オルガ・イツカだぞ…!こんくれぇなんてことはねぇ!」

 

「そんな…!俺なんかの為に!」

 

「団員を守るのは俺の仕事だ!」

 

「でも!」

 

「いいから行くぞ…!皆が待ってんだ!それに…」

 

ミカ、やっと分かったんだ。俺たちにはたどりつく場所なんていらねぇ。ただ進み続けるだけでいい。止まんねぇかぎり、道は続く。ふと、俺の頭ん中でミカのやり取りを思い出した。「謝ったら許さない」と。ああ、分かってる。団長である俺が皆の前で弱くて情けねぇ姿を見せる訳にはいかねえもんな。だろ?ミカ…

 

「俺は止まんねぇからよ…!お前らが止まんねぇ限り!その先に俺はいるぞっ!」

 

血が流れすぎてんのかもう立って歩くのがやっとだ。俺の後ろから声が聞こえてくるがもう頭に入りやがらねぇ。

だが…死ぬ寸前でも伝えなきゃならねえ事がある。お前らがこの先どんな地獄が会おうともその歩みを…生きてる事をやめないで欲しい。道は必ずある。今生きてるこの瞬間を必死に生きてりゃあ…それだけでいいんだ。

 

「だからよ…!止まるんじゃねえぞ…」

 

そう言って立つ力を失くした俺は皆が道を…先に進めるように指を前に出し倒れた。俺の意識が段々と薄れていく。俺は…鉄華団の団長としてうまくやれてたか?そうだと信じてえ。心残りがあるとすりゃミカだが…アイツはうまくやるだろきっと。

何せミカは…スゲェ奴なんだからよ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

オルガが死んだ後、鉄華団は悲しみにくれていた。中にはオルガの敵討ちをしようとする物も現れた。これはひとえにオルガには人望があり…何より鉄華団の皆はオルガを尊敬すらしていたのだ。が…オルガと家族以上の関係を築いていた三日月・オーガスはそれをよしとしなかった。

 

それはオルガが…団長が最後に残した命令ではないから。

 

「オルガの命令を邪魔する奴は誰であろうと潰す。…誰であろうともだ」

 

それは団長命令に背く団員も、という意味を含まれていたのだろう。団員達は息を飲む。

 

「いい?分かったなら…命令を果たせ」

 

そして…三日月は団員を逃がすため大軍のギャラルホルン相手に囮を買って出た。無論MSを扱える者も随伴していったが、やがてガンダムグシオンリベイクフルシティを駆る昭弘・アルトランドと三日月の駆るガンダムバルバトスルプスレスクのみとなった。

たった二人でギャラルホルン相手に大立回りするが火星の空より遥か上空…宇宙からダインスレイブが放たれ、グシオンとバルバトスは大破してしまった。

かろうじてまだ動く程度。が、三日月は最後の力を振り絞りバルバトスのリミッターを外しツインアイが赤く染まる。

 

「こんな所じゃまだ終われない…そうだろ?バルバトス…」

 

三日月の声に呼応するかのように狼のような鳴き声を上げた気がした。

 

「それじゃあ…行くかぁ!!」

 

バルバトスは目の前に写るMS全てをMSとは思えない程のスピードで次々と敵を薙ぎ倒して行く。あるものは腕で、あるものはテイルブレードで。がそこにジュリエッタの駆るレギンレイズが妨害に入った。

 

「さがれ!貴方達ではこいつには勝てない!」

 

とは言ったもののジュリエッタが後ろに向くと既にバルバトスによって破壊されたMSがあるのみ。

 

「何故!?何故貴方達は戦うんです!?こんな…大義や意味もないと言うのに!」

 

「……大義?何それ。意味…?それなら…」

 

意味はある。俺にはオルガがくれた意味がある。なんにも持っていなかった俺のこの手の中に、こんなにも多くのものが溢れている。アトラやクーデリア、鉄華団の皆。

そうだ。俺たちはもう辿り着いていた。俺たちの本当の居場所、それはきっと鉄華団なんだ。

 

だろ?オルガ…

 

 

「………っ!」

 

バルバトスがボロボロになりながらもレギンレイズに向かってテイルブレードを動かす。迎撃するためライフルを打つが既に力尽きたのかレギンレイズに届くことはなくバルバトスもただ体当たりをするのみだった。

 

「もう…意識が…っ」

 

ジュリエッタはブレードでバルバトスのコックピットのハッチを切り取るも中にいる三日月は既に意識がなかった。

最後にバルバトスの首をブレードで突き刺し高らかに掲げた。

 

そして三日月は―――

 

「(あぁ…また汚しちゃった。アトラに怒られる…クーデリア、一緒に謝ってくれるかな…)」

 

そんな何気ない事を思いながら静かに息を引き取った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…………い」

 

暗闇の中で遠くから声が聞こえてくる。俺は…死んじまったんじゃねえのか?それに…団長である俺、オルガ・イツカが団員の声なんて忘れる筈がねぇ。つまり知らねぇ奴の声だ。

 

「…た……か!」

 

あ?なんだ?聞こえねえよ。ったく。死んだと思えば今度は幻聴かなんかが聞こえてきやがる。しかも真っ暗だ。

あー、これはあれか。死んだ後の世界ってやつか?そんで迎えが来たとかなんとかじゃねえのか?

 

「おいあんた!大丈夫か!?」

 

「なんだよ…。出迎えにしてはえらく騒々しいな」

 

「は!?何言ってんだお前!?」

 

「そりゃあ俺が死ん……は?」

 

気がつくとずっと真っ暗だった筈の空間が自然に囲まれた川沿いに俺と男1人が写しだされていた。その状況に多少困惑したがそれより目の前の奴が大分焦っている様子だ。何かあったのか?

 

「いやお前の体、一体どうなってんだよ!?」

 

「どういうことだ?」

 

俺の体?別に特に変わった所は……………ん?なんだ?よく体を見てみると手があり得ない方向に曲がっている。手だけじゃねえ、足や色んなとこが180度回転してやがる!?

 

「どうやったらそんな体になるんだよ!?」

 

自分の体の状態を認識した瞬間、これまで味わった事もない激痛が全身を駆け巡り、激痛のせいでショック死した。

 

「グゥッ!!」

 

《キボウノハナー》

 

「だからよ…止まるんじゃねえぞ…」

 

オルタの死と共に希望の花が咲き、団長命令が頭に響いた。

 

 

 

 

「グッ……はっ!?」

 

気がつくと今度は目の前奴がかなり困惑した顔で俺を見ていた。なんだ!?何がどうなってやがる!?

 

「なんなんだよ今のは!?」

 

「俺が知るかよ!ていうか、お前確実に死んだ筈なのにどうやったら生き返るんだ!体もいつの間にか治ってるし!後希望の花ってなんだよ!」

 

「俺が知るかぁっ!」

 

 

こうして俺と目の前の奴…桜井智樹の出会いだった。

 

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