そらのオルガもの   作:ウルトラネオン

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タイトル落ち


キボウノハナーとチョップと未確認生物

とりあえず、俺の事情を聞くために家まで連れてこられたんだが…火星にはねぇ家の造りだった。二階立ての屋根を瓦にしたその家は前になんかの本で見た日本って国の家によく似ているな。

 

「取り敢えず自己紹介からだな。俺は桜井智樹」

 

「俺は…鉄華団団長…オルガ・イツカだぞ」

 

俺が自己紹介しようとした瞬間、何故か急に体の気だるさが出てきやがった。体を動かすだけでもかなりヤバイぞ…

 

「何で死にかけた状態なんだよ」

 

「よく分かんねえ」

 

自己紹介を終えると体の不調はなくなった。なんなんだよこりゃ!?一体なんでこうなるんだよ!?

 

「まあいいか。で、鉄華団ってなんだよ?」

 

「ああ?そりゃあ…」

 

丸っこいテーブルを挟んで俺は智樹にここまでの経緯を詳細に話した。死んだと思っていた筈がいつの間にかここに来てしまっていた事。火星の事。ギャラルホルンの事。

そして……鉄華団の皆の事。

初めは理解してくれてたのか、うんうんと智樹は頷いていたが段々と険しい顔になっていった。

 

「………これで終わりだ。どうだ、納得してくれたか?」

 

「ああ分かった」

 

「ホントか!?」

 

「ああ、怖い夢でも見てたんだな。俺も怖いって訳じゃないけど変な夢みるんだ。おかしな話だよな」

 

智樹がなんか腕を組みながら哀れんでる目で俺の事見やがる。こいつ理解してねえな!?俺はテーブルを叩いて身を乗り出した。

 

「夢じゃねえって!」

 

「夢じゃなきゃなんだ!火星どころか月に行くのがやっとだってのにMSだぁ!?そんなロボットアニメ今時流行らんわ!!」

 

「月に行くのがやっと?どういう事だ?」

 

「生まれてこのかたMSなんて聞いたことねえしそもそも月に行ったのだってごく最近の事なの!火星なんて精々衛星飛ばすのがやっとだよ!」

 

「なんだと!?」

 

俺をからかってるのかとも思えたが智樹の顔を見る限り冗談言ってるとは思えねえ。俺達の生きた時とはまるで違う。だとすりゃ此処は一体何処なんだよ?

 

「まあ言えない事情があるなら言わなくてもいいけどさ」

 

そういうわけじゃねえんだけどな。くそ、拉致があかねぇ。乗り出した体を引っ込ませると懐から何か落ちた。見たところ何かの手帳みてえなもんだが…

 

「それ、うちの学校の生徒手帳じゃん。何で持ってんだ?」

 

「いや、俺にもサッパリだな」

 

「ふーん」

 

生徒手帳?の中を見てみると俺のプロフィールが書いてあった。特に怪しいもんは書いてねえみてえだが、あえて言うなら俺の出身地の欄の所に馬鹿でかく「火星」って書いてやがるくらいか。

 

「オルガってさ、家何処なの?」

 

「火星…って言いてえとこだが正直な話智樹の話を聞く限りじゃそれもわかんねえな」

 

火星に行けない、じゃなくそもそも人類は火星に行った事がないって話なら別だ。現状行く手段がないだけじゃなく仮に行けたとしても鉄華団の基地があるのかも怪しい所だからな。

 

「てことは家がなくて無一文なのか?」

 

「………あっ」

 

そうだ!冷静に考えりゃ、智樹の話を聞いた限りじゃ恐らくここは地球の日本って所であってるだろう。だが、正確な位置もわかんねえし正直分かっても鉄華団の皆が居ないんじゃ話にならねぇ。

それどころか金もねえから今日明日の飯すら食えねえじゃねえか!

 

「行く宛ないんなら俺の家使うか?」

 

色々困惑した俺に智樹が提案してくれた。だが…

 

「けどよ、迷惑かかっちまうし何より親御さんとか…」

 

「あぁ、うちの両親遠くで仕事してるから当分帰ってこないのさ。金は仕送りしてもらってるし、特に問題はないぞ?」

 

「いいのか?ホントに?」

 

智樹はうん、と頷いた。出会って数十分だってのになんだよ、結構優しいじゃねえか…ヘッ

なら、鉄華団の団長としてしっかりけじめはつけなきゃならねえな!俺は智樹に頭を深く下げ誠意を見せた。

 

「すまねえ!感謝する!」

 

「お、おう」

 

まあ、智樹はちょっと引いてたがこんくらいなんてことはねぇ!恩を貰ったってことはしっかりとしなきゃなんねえし恩を仇で返すようなダセェことは出来ねえ。

智樹は家を案内すると言い出しそのまま案内されるままに歩いた。キッチン、トイレ、俺達が茶の間や個室等それなりにいい家だった。

最後に智樹の部屋を案内され、部屋に入ると本が散らばっていた。

 

「あぁん?なんだこりゃ?」

 

1つ手に持って中身を見ると雑誌だった。女の水着姿がプリントされた1つの雑誌、だが題名とかそういうのは書いてなかった。

 

「ほほう。オルガ君、それを手に取るとは…中々いい目を持ってらっしゃる」

 

智樹がニヤニヤしながら俺の手に持ってる雑誌を凝視していた。なんだ?これに何かあんのかよ?いざ、雑誌を開いてみるとそこにはとんでもねえものが写っていた。

 

「こ、これは…これは!?」

 

俗に言うヌード写真って奴だ。しかも下着とか着てやがらねえマジの裸だ。自分でも分かるくらい俺の顔がみるみる赤くなる。そして限界に達し、鼻血を盛大に吹いて倒れた。

 

「ウ゛ッ!」

 

オルガの死亡と共に希望の花が咲き団長命令が頭に響いた。

 

「だからよ…止まるんじゃねえぞ…」

 

「ああっ!?俺の本がぁっ!?」

 

俺の死亡をよそに床に染み込むくらいの鼻血を噴出したことで智樹の本は血まみれとなった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺の鼻血を綺麗に拭き取った後、もう見れなくなった本を泣きながらゴミ捨て場に持っていった智樹。

俺は妙に智樹の背中が寂しさを物語っているのが分かった。しくじったな。まさか俺があそこまで耐性がないなんてな。

……まあ女性の経験なんてこれっぽっちもねえがよ。

 

すると家のインターホンが鳴り響いた。なんだ?智樹の知り合いか誰かか?取り敢えず玄関まで向かいドアを開けると1人の女性が立っていた。

 

「あぁ、すまねえが智樹は今…」

 

「だ、誰ですか!?」

 

「ああ、いや実は…」

 

「ど、泥棒!!」

 

「は?」

 

泥棒と勘違いされたのか目の前の女性がいきなり俺にチョップをしてきた。まあ、流石に女のチョップなんざぁ痛くも痒くもねえだろうしひとまずチョップを受けてからでも事情を話せばなんとかなるだろ。

 

そう思っていた時期が俺にもあった。

 

 

チョップを振りかぶったまではいい。だが、途端にチョップの速度が速くなり文字通り目にも止まらないスピードと女性の割にはとんでもないパワーで俺を壁にめり込ませた。

 

「ガハッ……」

 

《キボウノハナー》

 

そのまま倒れ死亡したオルガは希望の花を咲かしたがあまりの強さに団長命令は響く事はなかった。

 

 

 

 

「ああっ!?そはら!?何してんだ!?」

 

オルガが希望の花を咲かせたとき、愛しのエロ本をゴミ捨て場に捨てに行った智樹が丁度戻ってきた。家の玄関の惨状を見ると原因はどうあがいても智樹の幼馴染こと、見月そはらにあると智樹は察した。

 

「と、智ちゃん!泥棒が…」

 

「こいつは泥棒じゃねえよ!」

 

「そ、そうなの?」

 

「事情を話すと長いけど取り敢えず泥棒じゃない!オルガ!?しっかりしろオルガ!」

 

「ウッ………グッ……はっ!」

 

智樹がオルガを全力で揺さぶることでなんとか目を覚ました。

 

「と、智樹…」

 

「大丈夫かオルガ!?すまねえ、俺の幼馴染が」

 

「俺ァ…鉄華団団長…オルガ・イツカだぞ…!こんくらいなんてこ………ウッ」

 

《キボウノハナー》

 

復活したオルガだったがそはらのチョップがオルガのダメージ許容量をオーバーし、再び死亡してしまった。

 

「無闇に人にチョップするんじゃねえぞ…」

 

またもや希望の花を咲かせ、団長命令が響いたのであった。

 

 

 

オルガが蘇生するとそはらに今までの経緯を話す為、再びテーブルについた智樹達。智樹はこれまでの経緯を全て話した。

……そはらって言ったか。どうやったらあんな馬鹿げた威力のチョップが放てるんだよ。やられた所を触るとまだ痛え…

 

「あ、あのごめんなさい。大丈夫ですか?」

 

俺が痛そうに傷を触ってるとそはらが謝ってきた。普通人を殺せるチョップを受けて大丈夫だと思うか?幸い俺だったから大丈夫だったがよ…

 

「まあ、なんとかな」

 

「やばいだろ?そはらのチョップ。幼い頃からあの威力だぜ?」

 

「そうなのか?」

 

「あはは…」

 

マジかよ。あの威力、下手するとミカに匹敵するぞ?てか、幼い頃から知ってるって事は智樹もあのチョップ喰らってるって事だよな。俺も大概だが、智樹も智樹でやばいな。

 

「にしても、火星ですか…」

 

哀れみを含んだ声を発しながらそはらは目を反らした。

 

「反省してんのかおちょくってるのかどっちだ?」

 

「いえいえっ!そんなことは!」

 

慌てて否定するそはら。…………まあ、いいか。これからしばらくの付き合いになる。終わった事は水に流して先に進もうか。

 

「まあいい。それより自己紹介だ」

 

そう言った瞬間、再び体の気だるさが出てきやがった。なんだよこの現象。もうよくわかんねえ。

 

「俺は…鉄華団団長…オルガ・イツカだぞ」

 

「見月そはらです。よろしくお願いします、オルガさん」

 

体の気だるさに負けず一礼をするオルガ。それに対してそはらも一礼を返した。

 

「なぁ、オルガ。なんでいつも死にかけなんだ?」

 

「分かったら苦労しねえよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それで、オルガさんは学校に通うんですか?」

 

「ああ。一応そうなるな」

 

にしても学校か…生まれてこのかた行ったこともねえな。

クーデリアのアドモス商会が建てた学校なら知ってるがそれ以外はてんでわかんねえ。

 

「ねえ智ちゃん、守形先輩が言ってたやつオルガさんも誘ったらどうかな?」

 

「あー…そうだなぁ…」

 

「誰なんだよそいつは?」

 

先輩っていうからには年上の人間なんだろうが智樹の反応が妙におかしいな。年上には(人によるが)敬意とかそんなもんがあるだろうに若干、拒絶しているように見えるな。

 

「年上の先輩で新大陸部の部長でもあるんだよ」

 

「新大陸部ぅ?」

 

「そう。オルガさんは知らないと思うけど智ちゃん、ちょっと変な夢を見るのよ。だから守形先輩なら何か分かるかなーって想って相談したところ「それは新大陸だ!」って言ってるのよ」

 

?智樹の夢となんでその新大陸とやらが結び付くんだ?訳がわからねえ。

 

「守形先輩が言ってたんだけどな。今日の深夜12時に学会の人ですらわからない謎の物体がこの町の上空を通るらしいからもしかしたらそれと俺の不思議な夢は何か関係があるんじゃないか、とのことらしい」

 

「よく分んねえ」

 

「即答かよ…」

 

学会だかなんだか知らねえが、お偉いさん方にもわかんねえもんに俺が分かるわけねえ。そもそも新大陸ってのが分からねえ。なんだよ新大陸って。

 

「ともかく!その守形先輩に誘われてるからオルガさんも一緒にどうかなって」

 

「特に何かあるわけでもねえしなぁ…よっしゃあ!いっちょ行ってみるかぁ!」

 

あまり良く分からねえがどっちにしろ夜中に外に出歩く事は危険だからよ。団長である俺が守らなきゃならねぇしな!ついでに謎の物体とやらも俺らで暴いてやろうじゃねえか!

 

 

 

 

 

そして深夜12時………

 

『ごめんね、智ちゃん。お母さんがそんな夜中に外に出歩くなって言われてね…行けなくなっちゃった…』

 

『すまん、智樹。朝の一件のせいで教頭につかまってな…そちらには行けん。何かあったら報告するように』

 

 

俺と智樹を除いて誰も来ることはなかった。

 

 

 

「なぁ、オルガ」

 

「なんだよ、智樹」

 

「俺達ここにいる意味ある?」

 

「ああ、これっぽっちもねえな」

 

「もう知るかぁ!俺達は帰る!」

 

「ああわかったよ!連れてかえってやるよ!どのみち夜道は危険なんだ!俺が…お前を連れて帰ってやるよ!」

 

誰もこねぇこの場所でテンションが可笑しくなってるが此処にもう一時間近くは座ってる。なんで一時間近くかというと特にやることもなかったので早いうちに集合場所である大きな桜の木の下に来ていた。現在の時間は11時58分。この町の上空を通るのは12時ちょうどらしいが…それらしいものも見当たらねえ。

 

そして12時になるとピリリリリリリリと電話の音が鳴り響いた。

 

「誰からだ?」

 

「守形先輩からだな。もしもし先輩?……え?何?よく聞こえないっすよ?え、上空?上空がどうしたんです?」

 

「おい智樹!あれ!」

 

空を見上げると星空の中心に馬鹿デカい黒丸が出てきやがった。あれが…守形って奴が言ってた新大陸なのか!?

 

「なんだあれ…」

 

「智樹!危ねえから少し離れとけ!団員を守んのは俺の仕事だ!」

 

「俺いつから団員になったんだよ!?」

 

そうは言いつつも智樹は少し距離を開けた。しかしなんだありゃ!?あんな馬鹿でけえもんが地上にでも落ちてきたら洒落になんねえぞ!

すると、俺の予感が当たったのか1つの光が落ちてきた。

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「うおああああああああ!?」

 

 

俺が希望の花を咲かせる前に見た光景は…羽の生えた女が落ちてくる光景だった。




きゃーそはらさんつよーい
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