そらのオルガもの   作:ウルトラネオン

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前編後編などではなくシリーズです


好きっ!(挨拶)


オルガとニンフの日常・2

何の変哲もない、ある日の事。

この俺、桜井智樹は今由々しき事態に陥っていた。

 

「皆紹介するね、転校生のイカロスさんです。さぁイカロスさんも挨拶して」

 

「よろしくお願いします」

 

先生に誘導されて一礼をしたイカロス。挨拶をしたイカロスは無表情だったが、しかしクラスメイトの反応は凄かった。

 

「え、あの転校生の子可愛い!」

 

「ヒャッハー!女だ!女がいるぞぉ!」

 

「しかもスタイル良くて綺麗…」

 

等、一部世紀末染みた発言をしている奴もいるがイカロスは好印象を持たれていた。それはこの際よかった。朝、朝食を取ってから(相変わらず守形先輩はいた)イカロスに「行ってきます」を言った筈なのに学校の朝礼が終わってからすぐさまイカロスが転校生として学校に来ていた事は色々問題もあるが百歩譲っていいとしよう。問題はそこからだった。

 

「あれ…名字が桜井だ」

 

「桜井!?」

 

「桜井だと!?智樹の彼女かなんかか!!??」

 

そう、まさかイカロスが俺の「桜井」の名字を使って学校に来るとは思ってもみなかった。お陰であらぬ疑いやその他もろもろが掛けられていた。クラスメイトが怪しい目や疑いの目、そして何故か嫉妬の目も向けられていた。

そんな視線にも負けず俺はすぐ近くの席に座っているオルガをチラッと見てみた。

するとオルガはまるで「よかったじゃねえか」とでも言いそうな顔をして俺の方をニヤニヤとみてやがった。

あの野郎、自分の事じゃねえ事をいいことに…!すると再び担任の先生がパンパンと手を叩き、クラスを静かにするともう1つ大きな爆弾を落としていった。

 

「実はもう1人転校生がいます。さあ入ってきて」

 

先生が教室の入り口に声を掛けるともう1人現れる。現れたのはなんと―――

 

「イツカ・ニンフよ。よろしくね」

 

ニンフが学校に転校してきた。()()()()()()()()()()()()()()。それに反応してかクラスメイトはイカロスと同じような反応をしていた。

「ちっちゃくて可愛い!」

 

とか

 

「綺麗な髪の毛で顔も可愛い!」

 

とか

 

「ホホォーウ!!女だ!女が2人だ!」

 

とか

 

「我が生涯に一片の悔いなしぃぃ!!」

 

と、同じように反応をし…

 

「イツカ!?イツカだと!?」

 

「イツカってオルガ意外いねえじゃねえか!桜井と同じでまた彼女かなんかか!?」

 

「しかも智樹とオルガは一緒に暮らしてるとか聞いた事あるぞ!まさか…両方ともお嫁さんか!?」

 

「ちくしょう!焼き殺せ!焼き殺してつるし上げろ!!」

 

等、俺の時よりもさらに過激な言葉がオルガに浴びせられていた。ハッ、ざまあないぜ!!オルガ自身も「ま、待ってくれ」とか色々弁解していたがここでニンフから更に爆弾発言が降りかかった。

 

「え…オルガ…私の事散々メチャクチャにしたのに覚えてないの…?」

 

「待てぇニンフ!そんな事した覚えねえしやろうとも思ったことねえぞぉ!!」

 

因みにこのニンフの発言のせいでクラスの大半は俺からオルガにヘイトが溜まっていた。幸いというかなんと言うか

、三日月は事前にオルガとニンフの関係を知っているから別に気にもせず火星ヤシだったか?それをモグモグ食べていた。

 

「こんないたいけな私の体にあんな事やこんな事…オルガが望んでたからしてあげたのに…」

 

と一見見てみると悲しそうな顔に、しかしその本音は面白可笑しそうにしてオルガを弄っていた。

 

「嘘言うんじゃねえ嘘を!……あれ、皆どうしたんだよ?そんなやべえ目で見てきてよ…?ま、待ってくれ頼む!俺だけの命は助けてくれ!だから―――」

 

言い切る前にオルガはクラスの総攻撃を喰らった。

 

「うおああああああああ!!!??」

 

《キボウノハナー》

 

死亡し、希望の花を咲かせたオルガは団長命令を響きわさらせる。

 

「だからよ…誤解するんじゃねえぞ…」

 

 

 

 

「痛って…」

 

「随分やられたねオルガ」

 

持ってきてくれた救急箱の中にある薬や絆創膏を使ってオルガの応急処置をしていくミカ。いつも死んで蘇ってた俺だが今日のは格段に心身共に傷ついた気がするな。まあ、クラスの奴ら俺を殴ってストレスが発散したのか誤解だと分かった途端皆謝ってきたんで今回だけだと割りきり許す事にした。

すると、そこにニンフがやって来て

 

「何やってるの?」

 

と声を掛けてくる。

 

「お前のせいで体中傷だらけだから直してもらってんだよ」

 

「ああ〜…ごめんね」

 

テヘッ、と舌を少し出してウインクするニンフ。それを見た俺はため息をつくほかなかった。

 

「ねえねえ三日月。私も手伝っていい?」

 

「いいよー。はいこれ」

 

といって渡されたのは皆よく知るピンセットと脱脂綿、そして塗り薬だった。それを手に取ったニンフはまずピンセットで脱脂綿をつまみ、塗り薬にひたす。塗り薬をひたした脱脂綿をそのままオルガに向けて――

 

「えい」

 

傷口にぶっ刺した。読者諸君ならよく知るであろうヒロインが傷口にポンポンと突っつくあれ。それをニンフは突っつくではなく突き刺すにしたのだ。

 

「う゛っ゛!」

 

《キボウノハナー》

 

既に咲かせていた希望の華。刺された時点でオルガは死亡したのだ。

 

「って、何しやがるニンフ!」

 

ダメージや衝撃が少なかったため比較的に早く蘇った俺はいの一番にニンフにそう言った。ニンフはキョトンとしていたがすぐに気がつくとニコリと笑う。

 

「な、何だよその笑顔」

 

「もっとしてあげるね♪」

 

「ヒエッ」

 

オルガが普段、というか緊急時でも出さないような声を出すと座っていた椅子から急いで飛び上がる。それに対しニンフはピンセットと脱脂綿を持ちながらオルガにジリジリと詰め寄った。

 

「オルガ、逃げちゃヤだよ?」

 

「お前キャラ変わってねえか!?」

 

そんなオルガの嘆きは虚しく、ニンフはオルガに素早く近寄った。が、それをすぐに察知したオルガはすぐに駆け出しニンフから逃げるために教室から飛び出した。

 

「あっ!?待ちなさいよ!」

 

勝ち取りたい!物もない!とでも曲が流れそうな、そんな走り方で逃げるオルガ。そんな光景を見ていた一部除くクラスメイトは「やっぱり付き合ってるか何かしらあるんじゃね?」と感じていた。

 

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ…」

 

何とかニンフから逃げ切った俺は校舎裏の木の下で少し休憩を取っていた。アイツはなんでそんなに俺を死なせてえんだ?面白いからか?それともホントに心配だから……いやそれはねえな。じゃなきゃあんな笑顔する筈がねえ。

 

「あら、よく逃げ切ったわね」

 

「え゛っ゛!?」

 

何処からかニンフの声がした。辺りを見回してみるがニンフの姿は見当たらない。

 

「上よオルガ!」

 

「何だと!?」

 

上を見上げると木の枝に仁王立ちで立っていたニンフがいた。どうやら逃げ切ったと思っていたが全く逃げ切れてなかった。俺は木から離れ距離を取った。

 

「フフフ、さあ大人しく私の処置を受けなさい」

 

満面の微笑みでニンフはそう言ったが、脱脂綿をピンセット事ぶっ刺すとか処置でもなんでもなく最早殺人でしかなかった。まあ、常人ならば刺されても決して死ぬことはないがオルガの場合は別である。

 

すると、突然風が吹き出した。

 

「きゃっ!?」

 

その風は突風ともいえる風で回りにある木の葉や草、花でさえも揺られていた。当然そんな物が揺らされるという事はオルガの来ている服や髪の毛、そしてニンフの髪や()()()()もなびかせる事になった。

 

「ん?」

 

その風はニンフのスカートをめくり上げスカートの中があらわになった。その状況を目の当たりにしてオルガもは呆然と立ち、ニンフはそれに気づいたのかすぐにスカートを押さえた。するとニンフはプルプルと顔を赤らめながら

 

「見た?」

 

と言った。そして、俺はフッと笑うと――

 

「やったあああぁぁぁぁぁ!!!」

 

と両腕を空高く上げて盛大に喜んだ。そして――

 

「どこ見てるのよこのバカァ!!」

 

とニンフが木の枝から飛び立ちオルガの脳天にカカト落としを叩きこんだ。そのカカト落としはオルガの頭蓋骨をも砕き一瞬で即死させたのだ。

 

《キボウノハナー》

 

頭蓋骨は割れても原型を保っているオルガは何を発することもなく希望の華だけを咲かせていた。その後、ニンフはオルガをそのまま放置し、偶々通りすがる守形先輩に気づかれるまでは蘇る事はなかったという。

 

 

 

 

余談だが、ニンフはオルガを本当に心配しており応急処置をしようとしていたのは本心だった。

 

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