這いずりながら家から出てきた俺達はしばらく動けなかった。普段なら回復するも流石に俺のキボウノハナーでも一瞬かつとんでもなく蓄積された疲れは回復できなかったみてーだ。
「智樹ィ…これはちょっとキツイぞ…」
「うん…俺もそう思う…」
ったく、そはらの奴何もここまでしなくてもいいんじゃねえか?そりゃ、智樹もやすぎじゃねえか?と思うところは幾らかあるが下着全部爆弾はやべえよ。俺と智樹じゃなきゃ死んでるぜ。…まあ、俺は死んでるがよ。
「オル…ガ?」
ふと、前から声がした。男の声だな。
「ああ?誰だ俺の名前呼んだのは…………え?」
声がした方向を見ると人が立っていた。深緑のジャケットを着ていてショートヘア、それに身長は低い。横の智樹は誰だ?って顔してるが、アイツは…!
「み、ミカァ!?」
「オルガ…」
忘れる筈もねえし、見間違える事もねえ!アイツは…俺の相棒で生涯最高の友達であり家族でもある三日月・オーガスだった。
「お前なんで此処に!?」
「オルガこそ。何してんの?」
ミカが俺の事をジィーッと見つめてくる。一見、見てみれば表情が分からねえが長年の付き合いだったからミカの言いてえ事はなんとなく分かる。
「ま、まあ色々だな。見ての通りボロボロだが」
「相変わらず、オルガはいつもボロボロだね」
ミカが少し表情を崩した。確かにボロボロっちゃボロボロだがいつもじゃねえからな?
「そっちの方は?」
「ああ…喜べミカ!新しい団員の智樹だ!……まあ、今は智樹の家に居候の身だがな」
「俺は団員になった覚えはねーからな?」
「は?」
「……違うの?」
「いやいや!?お前、俺の事団長って言ってたじゃねえか!?」
「ああ。確かに団長とは言った。だからっていつ俺が団員になるって言った?」
ちくしょう!あれは俺をおだてる為の言葉だったか!なんて奴だ俺を出し抜きやがったな!?
「ふーん…」
「な、なんだよ」
ミカが智樹の方に近づきしゃがんで智樹の事をジィッと見つめている。よしミカァ!智樹に言ってやれ!
「いつもオルガが世話になってる。これからよろしくね」
「お、おう。ご丁寧にどうも…」
少し微笑みながらミカはそう言った。なんだよ…なんか言ってくれるんじゃなかったのかよ…。
「で、オルガ。こんな状況だけどどうすればいい?」
「ああ…取り敢えず智樹の家に入れてくれると助かるな…」
「分かった」
そう言ってミカは片手で俺を担ぎ上げ、もう片方の腕で担いだ。
「お前…いつの間にこんなに筋力上げたんだ?」
「別に普通でしょ。あっ、そうだ。プギー、ちょっとここで待ってて」
「ブモッ!」
プギーって誰なんだよって思っていると堀の外から馬鹿みたいにデケェ猪がひょこっと顔を出してきた。流石の俺も唖然とするしかなく、智樹に至っては信じられないって顔をしてやがった。
やっぱすげよミカは。
取り敢えず茶の間まで連れてってくれたミカのここまでの経緯を聞いた。鉄華団の事やミカがこの世界に来てたこと、それに今は外で蝶々と戯れて遊んでいる外にいるプギーの事についてとかな。
まあ、鉄華団の皆が俺の最後の団長命令を聞いて今も進み続けてるってことはいいことだった。ただ、その過程でミカや昭弘が死んじまったことがやるせねえがな…。
ミカが出会った桜ちゃんって人もミカの世話をしてくれてるみてえだし、近いうちに菓子かなんかでも持ってって団長として礼を言わなきゃな。
プギーは…まあ…鉄華団に新しく団員が増えたって捉え方でもいいだろ。
俺も今までの経緯をミカに話した。最初は普通に聞いてたんだが途中から俺の事をジト目でみてやがった。
…理由は分かるが、俺からすれば悔いのねえ事をやっただけだ。だから後悔はねえ。話が終わるとミカの口の口角が上がり
「オルガがいつもみたいに元気そうでよかったよ」
と、笑ってそう言った。
「お前もなミカ」
こっちも笑って返すと互いに拳を出し、拳と拳を合わせた。死んじまってからもう会うことは確実にねぇとおもっていたがミカともこうして拳を合わせられる事がホントに嬉しかった。そしてもしかしたら…ミカがここにいるって事は昭弘や死んじまった奴等もここに来てるのかもな。そうだったら…また会えるといいな。
「きゃぁぁぁ!?大きい猪!?」
外でそはらが大きな悲鳴を上げているのが聞こえた。
確かに結構高身長な俺よりもっと大きかった。そりゃ悲鳴くらいあげるよな。しゃあねえ、智樹連れてそはらの所に行くか。
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そはらの所に行くとやっぱりというか腰抜かしてた。そはらの隣にいたイカロスはプギーの頭を撫でていたが特に反応を示さなかったのかイカロスが膝をついて落ち込んでたのは流石に笑ったな。
ちなみに、俺が撫でると頭をこすりつけてきたんだがこれは懐いてる証拠だとミカが言ってたんでイカロスがミカと同じくらいのジト目で見てたんで若干怖かったがな。
智樹が「よ〜しいい子だぞ〜」って言って頭撫でようとしたら触れられる前に蹴飛ばされたのは流石に同情したが。
「じゃあ桜ちゃんの所に戻るよ。心配してるだろうし」
「ああ!たまにはこっちにも来いよミカ!」
「出来ればその猪は来ないで貰いたい…」
吹き飛ばされて帰って来た智樹がボロボロの状態で言ってたがミカはニッコリ笑って帰っていった。
ありゃあまた連れてくるな。確実に。
その後はこれと言ったことはなく、緩やかな日を、送った。飯食った後俺と智樹に眠気が襲ってきたので時間的にはまだ早いが寝る事にした。
「じゃあイカロスおやすみ~」
「はい、おやすみなさいませマスター。オルガさん」
「ああ、おやすみ」
まあ、明日は学校だしなちゃんと早く寝てしっかり起きねえとだな。俺達は布団に籠ると数分もしない内に深く眠りについた。
「んっ…くっ…」
気がつくと見知らねえ場所にいた。野原と青空意外なんもねえ、しかしどこか神秘的な場所だ。
「ここは…何処だ?」
確か俺は智樹の部屋で寝てた筈なんだがな。横を見てみると智樹も寝てるみてえだ。
「おい智樹、起きろよ」
「ん〜…あれ?オルガ?それにここ…夢の中か?」
あ?何言ってやがる。夢の割にはかなり現実感があるぞ。
この野原も空も空気も何もかも現実に思える。これが夢だったら相当てレベルの夢じゃねえか。
「いやさ、前に言ったじゃん。俺も変な夢見るって」
「これが…その変な夢か?」
仮に夢だったらとしたらどうして智樹の夢に俺がいる?訳の分からねえ事だらけだが、取り敢えず此処に居ても仕方ないから立って歩いて見るか。
そう思った矢先にある1人の人物が
「……貴方」
「あ?俺か?」
なんだ俺をご指名か?顔は隠れてよく見えねえが女性って事ぐらいしか分からねえ。
「どうか、この子とこの世界を守って―――」
「は?それはどういう――」
聞き返そうとした瞬間、こんな何もないのどかな場所に似合わないとてつもないくらい巨大な何かが現れた。黒いシルエットになってよく分からねえが
「な、なんだあれ!?あんなの今まで夢で見たことねえ!」
智樹も驚愕していた。しかも今まで見たことねえって話だ。だか、
そこで俺は夢から目を覚ました。
「ハッ!?」
「うわっ!?」
なんだ今の夢は!?なんでモビルアーマーの夢なんて見るんだ!?それに…どうやら智樹も見たっぽいな。
「なんだあれ…今までなら目が覚めるときほぼ忘れている筈なのに今回は鮮明に覚える…」
「大丈夫か智樹?」
「ああ…。ってかオルガ、お前も…?」
「ああ、見た。バッチリな」
変な夢だとは聞いてたがまさかモビルアーマーなんて出てくるなんてな。
「あれは一体…」
「あれはモビルアーマーだ」
「モビル…アーマー?」
「ああ、前に俺がいた火星について話したよな?…その火星で鉄華団で一番強かったミカがほぼギリギリで勝てた相手だ。しかし、なんでアイツが…」
「マスター、オルガさんおはようございます。既に朝食は出来てますよ」
俺と智樹が考え込んでいるとイカロスが既に目の前にいた。わざわざ起こしに来てくれたみたいだな。
「…まあ、考えてもなんだ。智樹、飯行こうぜ飯」
「あ、ああ、そうだな」
それからは特に問題もなくそはらも迎えに来たので学校に向かったんだが…
「今日から、皆に新しい仲間が増えまーす」
なんて、朝から担任の先生が言っていた。智樹がもうトラブルは勘弁してくれよ、なんて顔の表情で訴えていたが…問題ねえだろうよ。
先生が「入ってきて」と言うと1人の男性が入ってきた。
「三日月・オーガス…です。これからよろしく」
「ミカァ!?」
なんと、ミカがこの学校に来やがった。
モビルアーマー…一体何マルなんだ…?