仮面ライダーSPIRITS〜転移せし善悪の亡者達〜 作:仮面ライダーハードエボル
side:診療所
「今日はもう遅い・・・あんたも宿がないんならここで泊まっていくか?」
滝は結局この診療所で掃除に洗濯に後片付けを手伝い、時間を潰した。
外も完全に暗くなり出歩くには物騒な雰囲気でもあったため、カブキの話にのった。
「それがイイわね。明日の朝もまた手伝ってもらうけど」
「色々とすまねぇな・・・」
宿を取っていなかった滝はカブキと真美の厚意を素直に聞き、1晩泊まることにし。
しかし悪意は他の住民を気にすることなく無差別に襲ってきた・・・
「銃声ッ!?」
「まさか近くで戦闘が!?」
「こんな・・・避難地区のスグそばまで!!!」
「・・・ッ!!!」
夜になった避難地区の近くでゲリラ戦が始まった。
そんな状況を見て、滝やカブキの大人たちは子供や怪我人を逃がすために外に出た。そんな中で真美は戦場の近くまで行き、叫び出した。
「やめてよ!!バカーーーー!!!」
「おい!危ねぇって!!」
「あんたたち互いに正義とか悪とか言って人を傷つけて・・・あんたたちはただ酔っ払って弱者を虐めてるだけじゃない!!!」
「子供たちにとったら殺し合う大人たちはみんな悪魔よ!!!」
「あんたの言葉はもっともだ!!だがあいつらに俺たちの声は届くことは無い!!今は早くみんなを逃がすんだ!!!」
「・・・・・・ッ!!!」ギリッ
身勝手な争いに真美は心から叫ぶが届くことはなく、銃声と爆音が響くだけだった。
真美は自分を連れ戻しに来たカブキと共に子供や怪我人の避難を手伝いに行った。
side:隼人
「こりゃあ・・・この死に方は・・・・・・!!」
ゲリラ戦が起こった直後に隼人は現場に向かった。そこで見たものは無惨にも殺された兵士たちの死体が転がっていた。
なかには四肢が草の根の様に千切られ、戦車はまるで岩を投げられたかの様な大きな凹みがあった。
「う・・・ゔゔっ・・・・・・!!」
「!?」
そんな中で今にも死にそうな僅かに息のある兵士を見つけ、彼から少しでも情報を聞き出すことにした。
「オイ・・・・・・しっかりしろ!!」
「ゴブ!!ゴホッ!!」
「悪魔・・・・・・だ・・・・・・ヤツら・・・・・・みんな・・・・・・」
「・・・・・・おい!」
最後の力を振り絞って言い残した兵士はそのまま息を引き取った。
死んだ兵士の最後の言葉を聞いた隼人は最悪の状況を思い描いてしまった。
「ヤツら・・・・・・だと・・・まさか診療所が・・・!!!」
side:診療所
診療所の門の壁の所に子供や怪我人を避難させていた滝たちがいた・・・・・・彼らの目の前には銃を構え、戦車の砲身を向ける武装集団がいた。
「おいおいここには怪我人とガキしかいないぞ?それが人間のやることか?」
そんな中で滝は冷や汗を流しながら少しでも逃げ出す隙を見出そうと武装集団にそう問いかけた。
「フム・・・・・・確かに人道に反する行為だな」
「だからこそそのインパクトは実にいい宣伝になるのだよ・・・」
滝の問いに答えたのは戦車の入り口部分で指示を出していた指揮官だった。
「我々の戦闘力を知って・・・・・・大国もついに契約を結んでくれたよ」
その指揮官は滝が昼間に見た護送車を襲撃し、救出に失敗して殺されたゲリラのリーダーのグィン将軍だった。
「グィン将軍・・・・・・!!!?射殺されたハズじゃあ・・・」
「!」
「そのライフルにその戦車・・・・・・最新型か?ゲリラにしてちゃあすぎた武装だぜ。お前らは一体・・・」
「今から1人残らず死ぬのだ・・・聞いてもなんの意味もあるまい・・・」
そう言って滝たちを見下すグィン将軍の目とセリフはニューヨークで会ったペトレスク神父と同じだった。
「!!」
「お前まさか・・・!!」
「よそ見するなぁ!!」 ドカッ!!
「!?」
「お前は・・・空港の・・・・・・!!」
カブキが声を張り上げて滝に銃を射撃しようとしていた兵の1人蹴り飛ばした。
しかし立ち上がった兵士は滝が空港で見たガイドのゲリラ兵だった。しかしその表情は苦しそうで涙を流していた。
「ダン・・・ナ・・・・・・ロシ・・・テ・・・くれ・・・・・・」
「・・・・・・オーケー」
ガイドのゲリラ兵の涙の訴えを聞いた滝は改造メリケンサックを顔面に叩きつけ、爆破させた。
しかし煙が晴れて見たものは顔の皮が剥がれ、仮面ライダーに似た機械の顔だった。
「こっこいつら・・・・・・!!!」
「なるほど。今まで起きた虐殺は全部テメェらの仕業だったのか・・・!!」
滝とカブキは今までガモン共和国で起こった虐殺の真相に気づいた。
しかしゲリラに扮した怪人たちの凶器は未だ向けられたままであり、戦車の砲身も狙いを定めていた。
「何に気付いたかは知らんが・・・そのままくたばると良い・・・・・・」スゥ・・・
グィン将軍は滝たちを見下したまま砲撃手に合図を送り、砲弾を放った。
「やめろぉぉ!!!」
そこでカブキが叫びながら前に出て、後ろにいる皆の盾になるように突っ込んで行った。
「バカ!!死ぬぞ!!!」
「カブキさん!!!」
「フン、愚かな・・・・・・」
そんな三者三様の反応を無視し、カブキは腰に着けていた鬼の顔が彫ってある音叉取り出して腕に叩いて鳴らした。
鳴らした音叉を額にかざしたその時、桜が舞うような光がカブキを包んだと同時に砲弾が直撃した。
「カブキィーッ!!」
砲弾がカブキに直撃し、誰もが死んだと思った。しかし晴れていく爆煙が舞うように動き、その中心が現れてきた。
そこに居るのは無惨に殺されたカブキではなく、歌舞伎役者の様なポーズをとった左右非対称の緑・赤・金色をしたカラフルな鬼で、胸の部分は肋骨のようなっていた。
「お・・・鬼・・・・・・!?」
「カブキさんが・・・・・・〝オーガ〟・・・!!?」
カブキの正体に驚いた滝と真美は驚いて硬直した。カブキはそんな2人に目をくれず、グィン将軍を睨みつけるように見つめた。
「ギギギギィッ!!」
「〝音叉剣〟!!!」シュインッ!!
「ハアァ!!!」ザン!
「ギ・・・・・・ギギ・・・・・・ギ・・・」
「ギ・・・ギ・・・コレデ・・・シネ・・・ル・・・!!」
カブキに切り捨てられた改造兵士は嬉しそうに呟いて爆発した。それを見たカブキは音叉剣を更に強く握りしめた。
「子供たちに・・・・・・手を出すな・・・・・・!!」
「・・・フフ・・・フフフフッ!!!」
そんな姿を変えたカブキを見て、グィン将軍は笑いが込み上げていた。
「良い性能じゃないか・・・・・・!!貴様の作戦目的とIDは!?」
グィン将軍はそう叫びながら改造兵士たちに合図を送り、顔を剥ぎ取りながら姿を現した。
「作戦?そんなモノはねぇな・・・・・・」
カブキはそう言いながら少しづつ改造兵士たちに近づいて行った。
「俺の名は〝
〜END〜