Reform FF15   作:白海坊主

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変更点
イリス→18才くらい。肩に掛かるくらいの黒髪。


「ノクト自身にじゃ」

自分以外誰もいないバスの中で、外の景色を眺めていた。

三年ぶりの帰郷となれば自然と鼻唄も歌ってしまう。

 

ハンマーヘッドに近づくと、身に覚えのある一団が止まっているのに気付き、停車ボタンを押した。

 

ルシス兵の一団を見つけ、その中でもっとも階級の高い男性に声を掛けた。

 

「すみません!私は‘イリス・アミシティア’と申します。クライラス将軍に御目通りしたいのですが、どちらにいらしゃいますかいますか?」

 

レギス王の名前をあえて出さず、父親の名前を伝えて、用件を手短に話すと、兵は私の姓を聞いたら快く返事をして、案内をしてくれた。

 

一団の中心の辺りにある建物に通され、扉をノックして中に入る。

 

部屋には、テーブルを囲むように一番奥の目立つ位置にレギス王、両脇にコル護衛隊長と父のクレイラス、王の向かい側に‘シド・ソフィア’とイグニスさんがいた。

 

片膝を付き、

「お久しぶりです陛下。三年の学業を終え、帰って参りました。陛下におかれましては以前とお変わり無く、お元気な姿を拝見して、私は嬉しく思います。」

 

「久しぶりだなイリスよ。其方の無事の帰郷を喜ばしく思う。ワシとは打って変わって、見違えたぞ。どうやら身に付くものが多かったと思える。」

 

お土産話をしたい気持ちを抑えて、元気よく返事をし、部屋を出ようとする。

 

「それでは私はこれで失礼します。まだ宿屋を決めておりませんので今日は此処に一泊して明日、王都に帰ろうと思います。無事のお帰りをお待ちしております。」

 

「うむ。イリスよ。よかったらワシらと一緒にディナーでもどうかの?是非、土産話でも聞かせてくれ。」

 

「ご一緒してよろしいのですか!それでは適当な時間になったら、また伺います。」

 

それを聞いてシドが話掛けて来た。

 

「そうじゃイリスちゃん。ワシの孫娘のシドニーもディナーに呼んでくれんか?おっさんとジジイばかりに若い子一人じゃかわいそうじゃからの。」

 

シドがレギスに了解を得て、私も答えて部屋を出た。

 

外に出てシドニーを探そうとしていたら、背後から背中を叩かれる。

 

「お父さん!」

 

「親子の久しぶりの再会なのに挨拶も無しとは、冷たい。」

 

「本当はお父さんに会ってから、陛下に御挨拶に向おうとしてたのに、一緒に居たからそんな余裕無かったんだよ。それよりいいの?講和の為の大事な話とかしてたんじゃないの?」

 

「…いや、昔話さ。久しぶりの再会に陛下も俺達に気を利かせて下さったんだよ。お前もわざわざ挨拶の為に寄ったんだろ。」

 

「うん。見かけたらぐらいに思ってたけどね。陛下の留守中に王都に帰っても煩しいかなって。」

 

そう言えば、一泊するのを兄さんに伝えてないのを思い出し、話すとお父さんの方から伝えてくれるようだった。

 

お父さんは話を早々に切り上げ、「また後で」と手を振った。

 

 

別れた後、ハンマーヘッドにある工場に着き、シドニーさんを探した。

直ぐに見つけたが、仕事中だったから声を掛けづらくて暫く作業を見ていた。

 

油と鉄の匂いにまみれ、その中でテキパキと働いている姿はカッコ良かったので、暫く様子を見ていた。

視線に気が付いたらしく、コチラを注意深く見て話掛けて来た。

 

「もしかして、イリスちゃん?」

 

「はい!お久しぶりですシドニーさん。」

 

数えるぐらいしか会ってないのに覚えていてくれてうれしく思い、自然と笑みが溢れる。

 

「少し見ない間に良い女になったじゃん。恋でもした?」

 

「そんな事ないですよ。それよりもお元気そうで良かったです。」

 

少しドキッとして、返答に困っていたが隠せなくて、そこをシドニーにつけ込まれる。

 

「その反応は、何かあったな。可愛いヤツめ!」

 

適当にはぐらかして、話を変えた。

 

「そう言えば、陛下が私たちにディナーでもどうかと言ってましたけど。」

 

「え!私が!馴染みである爺さんならともかく私も?失礼にならないかな?」

 

「とんでもないです。お爺様から誘うように言われました。」

 

「分かったよ。それならイリスちゃんは今日はハンマーヘッドに泊まるの?宿屋は決まった?」

 

「いえ、まだです。」

 

「それならウチに泊まるといいよ。部屋空いているから。」

 

「本当ですか!ありがとうございます!」

 

「うん。じゃあまだ仕事中だから、また夕方に。」

 

「分かりました。」

 

「それと、今晩はイリスちゃんの男の話を聞かせてもらうからね。」

 

そう言って工場に戻って行った。

 

シドニーさんは勘違いしている。

私にお付き合いしている男性はいない。

だけど、片思いはしている。

その相手は王都にいる。

 

ディナーまで随分と時間が出来た。

カフェで本でも読んで時間を潰そう。

一冊くらいは読めそうだ。

 

イリスは髪を揺らしながらカフェに向かった。

 

 

 

夕方になるとハンマーヘッドは風が吹いて、少し肌寒いくらいだった。

 

テーブルを囲んだのは部屋にいた顔触れとシドニーさんだけだった。

ディナーを挟み会話が弾む。

私の話を中心に各々の近況だけでなく、ノクトや兄さん、カトレアさん、シドニーさんの話が多かった。

私やシドニーさんを気にしてか、今回の講和の話は出なかった。

とても楽しい時間だった。

 

 

時間はあっという間に過ぎて、お開きとなり、シドニーさんと私は先に帰る事となった。

 

「さてと。洗いざらい話して貰おうか。」

 

これからが本番だと言いたげな空気で詰め寄られ、逃げれないと内心思った。

 

「ハンマーヘッドにいると仕事は楽しくても、こう言った話しは無くてね。あたしもそんな話をしてみたいよ。」

 

シドニーさんはそのように言っているけど、ハンマーヘッドのお客さんの中にシドニーさん目当てで来ている人が多い事をカフェで小耳に挟んだのでそのまま返してみた。

 

「シドニーさんこそどうなんですか?噂になってましたよ。」

 

「いやダメだね。軽い男が誘っても、営業スマイルでお断りだね。」

 

容易に想像がつく。

仕事を愛しているが故に軽い誘いに乗らないのだろう。

 

「で、どうなんだい?出会った男は。」

 

そんな人は居ないとキッパリ言うと、納得したのかキョトンとして質問を変えてきた。

 

「なるほど。既に居たか。」

 

心臓を掴まれた気がして、体がビクッと反応してしまう。

 

「分かりやすいね。本当に居ないかと思ったよ。」

 

誰にも言ったことないし、心に閉まっておくつもりだったが、遅かった。

マジマジと私の顔を伺いながら、探偵のように推理を始めた。

 

「相手は、…そうだね。誰にも言った事のない相手。と言うよりは言えない相手。言いづらい相手。…となると。親しい人にすら言った事の無いなら、その人かな?言えない複雑な相手。…分かった!」

 

ドキッとして、敵わないと思い白状しようとして息を吐く。

その前にシドニーさんが言葉を挟んだ。

 

「もしかして、あたし?」

 

緊張した気持ちが解けて、笑いに変わる。

 

「虐め過ぎちゃってゴメンね。そんな好きなら気持ちを大切にしないとね。」

 

「だから、居ませんって。」

 

苦し過ぎる言い訳を吐いて、「わかったよ」短く返事が返ってきた。

 

そんな中、私のケータイが鳴りだした。

お父さんからだった。

「直ぐに来てくれ。」との事だったので、向かう事にした。

 

「あたしは明日も仕事だから寝るけど、勝手にシャワー浴びてもいいからね。」

 

「ありがとうございます。」

 

「困った事が会ったら、あたしに相談しなよ。おやすみ。」

 

「おやすみなさい。」

 

暖かい言葉に気持ちがスッキリとした。

多分、相談は出来ないけど嬉しく思った。

 

私は恋はしている。

ただ少々、曲者なのだ。

 

 

昼ごろに来た部屋のドアをノックする。

「入りなさい」と声が聞こえた。

 

中に入ると陛下と父の二人だけだった。

 

お辞儀をして、椅子に座って、二人の様子を伺う。

ディナーの時とは違って、神妙な表情を浮かべている。

 

「イリスよ。夜分遅くに悪いな。」

 

「いえ、陛下に呼ばれたとあれば伺うのが臣下の務めです。」

 

「ハハッ。そう固くならずとも良い。クレイラス。2、3分外してくれ。」

 

固くなるなと言われても無理があると言うもの。

陛下が何を仰るか想像出来ず、固唾を飲む。

 

陛下は父が部屋を出るのを見てから、語り出した。

 

「イリスは進学せずに父や兄と共に王都で働くとの事だったな。」

 

「はい。学業で得た知識を生かし、私の持てる全てを使って、陛下をお支えしたいと思っています。」

 

「そうか…。ならば一つ頼みがある。」

 

「はい。なんなりと。」

 

「其方の才の全てを未来のために使ってくれ。」

 

「元よりそのつもりです。」

 

何度も申し上げたにもかかわらず、釈然とせずにいて、陛下の真意が分からなかった。

何か試されているようだった。

 

「私はルシス王家に忠誠を…。」

 

 

「王家にではない。ノクト自身にじゃ」

 

 

困惑しながらも返事をする。

 

「分かりました。殿下に忠誠を誓います。」

 

私の顔を真剣に見つめ、納得した様子だった。

 

「うむ。遅くにすまんかったな。下がって良いぞ。」

 

部屋を出て、陛下の真意を考えてみても分からなかった。

ノクトの名前が出た時、こころを覗かれている気分になった。

 

失礼ながらもたったそれだけの為に呼んだのかと思ったが、状況的に違うとは思うが、それ以上の答えが出なかった。

 

陛下の考えは「未来のために」と言っていたから、ノクトが王になった時の事を言っているのかと考えたが、数日後に陛下の真意を理解することになる。

 

 

 

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