ある所に女の子が居た、その娘の個性は超人社会においても、余りにも異常であった。
外見には何ら変化が見られないにも関わらず、異型系の個性にも勝るその細腕からは想像することのできない怪力、発動系の個性のように触れた動物や人間、生物なら種を問わず全て、触れたものの体と個性に自身を作り変える事を可能とする、更には、強い想像力を必要とするが架空の物にも自身を変えることができる、それに少しだけイタズラ好きになった。
両親の個性との関係性は、母が発動系で、父が異型型であるという点のみ、関係性は全く無い、にも関わらず強大で、危険で、異常な、力を授かってしまった。
彼女の個性を診断した担当医は異常であると言った、DNAの上では間違いなく両親はいわゆる没個性なのに、間に生まれた娘の個性は、調べれば調べるほど何の因果関係の無い、突然変異としか考えられない上、超が付くほどに強力な個性であったからだ、しかも、彼女が母親と偶々入った書店でクトゥルフ神話に登場する神をまとめた、『クトゥルー大全集』とか言う、四歳児には刺激の強すぎる本を呼ばれるように手にし、邪神・ニャルラトホテプのページで手を止め、漢字など読めるはずもないのに食い入るように見つめていた。
それを受け両親と担当医の下した決断は、「旧支配者、外なる神・ニャルラトホテプに酷似している」という物、娘自身はそれが事実であるという妙な確信を持っていた、更に、いきなり、個性を暴走させ自身も知らぬ間に絵本の中のお姫様になっていたり日曜朝に変身したりするようなことが無くなり医者の判断でも、ほぼ間違いく邪神サマである、と判明されてしまった、しかし両親は優しかった、強大で危険な個性を宿していても娘を、変わりなく愛していた、しかし問題はあった。
それは、親戚と娘の友人たちである、生まれ持ってきた個性、そこに本人の意志など無いにも関わらず周囲にそんな事は関係ない、異型系を超える怪力と発動系のような擬態、強すぎる個性により、家族は親戚と疎遠になり、彼女は小学生の頃は仲間はずれにされ、中学に上がったときには、ニャルラトホテプや、クトゥルフ神話がどういった物かを知った彼ら彼女らは、彼女を危険視し、軽いイジメへと発展してしまう、と言っても、個性とはいえ、彼女の中にいるのは邪神サマであったため、いくら体格の良い男でも、いくら強力な個性を持っていようとも本能的な部分で直接的な攻撃や直接的な嫌がらせは避けてしまう、危害を加えようとするものは皆、何もしていない彼女の個性を恐れることとなるのだ、これにより、彼女と相対した血気盛んな者達がヒーロー科への進学を諦めるほどの恐怖を味わう事となり、更に陰口が加速するのだった。
しかし彼女は腐らなかった、そして彼女は決意した、自身の個性から来る負のイメージを払拭するべく、ヒーローになると。
「雄英高校、相変わらずでか過ぎませんかね」
そう呟いた彼女の前には、此処は本当に日本なのか?というほどに巨大な校舎、此処は国立雄英高等学校、地元にこんな馬鹿げた大きさの物が建てられるだけの土地をどうやって用意したのかと、どうでもいい事を考えながら緊張を紛らわせている、絹糸のような銀髪の髪をたなびかせる少女がその巨大すぎる校舎に向かっていく同士、受験生たちの背を見ている。
今日は雄英高校の受験当日、少女、神無月 星海(かんなずき そら)は他の受験生に比べて余裕がある。
「おい、デクゥ、どけよ、俺の前に立つなよ」
「か、かっちゃん、ごめん」
ああ、これはまた、絵に書いたようなイジメっ子とイジメられっ子ですね、押し退けてるじゃないですか、もう殆ど暴力ですよね、ああいうの見るとチョット、イラッとするんですよね、私はあそこまでの事はされなかったにしても、ああいう下手に出ている相手には何でもやっていいと思ってるんですかね、そのくせ少し睨んだだけで謝って来るんですよね、何なんですかねアイツラ、何か嫌な物見ちゃいましたね、早く会場行っちゃいますかね。
『受験生のリスナー!!!、今日は俺のライブへようこそ!!!!エヴィバデイセイヘイ!』
シーン
『リスナーの皆にはこれから10分間の模擬市街地演習を行ってもらうぜ!』
シーーン
『これから皆には指定された演習場に移動してもらうぜ!』
シーーーン
いやぁ、誰も返事しませんね、まあ皆ガッチガチに緊張してるから当たり前といえば当たり前なんですけどね、ていうか、プレゼントマイク心臓に毛でも生えてるんですかね。
まあ、そんな事より説明も筆記試験もサクッと飛ばして、面白いところだけ、文章にしましょうかね、え?メタい?ナンノコトカナーワカンナイナー。
さあやって参りました、演習会場!
先ほど説明された通り、これから訓練用のロボットと戦うわけですが、どうしたもんかと悩んでおります、何処で変身したもんですかね、あまり人に見られたくないんですよね、大分、命を冒涜するような変身の仕方をするもんですから、なれてる両親以外は、体の一部の変身中を見ただけで吐き気、グロ耐性の無い人だと恐慌状態に陥る可能性すらある、全身だと両親も耐えられないのだからなおさらだ、これだと、私を見た人を妨害したとみなされる可能性がある、こんな事で失格にされては堪った物じゃない、どうしたものか。
こういう遮蔽物の多い市街地戦は、森の中のエルフのように隠れながら高所を取り続け、アウトレンジで戦う戦法がよく刺さるだろう、とりわけ今回は、空を飛ぶ敵ロボットは居ないだろうし空を飛べるとなお良い、例えば、天狗なんかが良いかな、空を飛べて、影薄そうで、能力が風をあらつる程度、これならトップ狙える、でも団扇か何かが欲しい、私が持ち込んだ物といえば、数年前家の、倉庫から掘り出した、バール一本、これでは天狗も厳しいだろう、仕方ない、私の無駄に有り余ってる、身体能力でパルクールでもしながら、宇宙CQCで殲滅ですかね補助として、羽根でも生やしておけば何とでも成るでしょう、まずはスタートしたら他の方々を見送って、皆さんの背後で羽根を生やしましょう、これなら妨害には成らないでしょう、後ろに先生が控えてますが、まあ、全身変えるわけでも無いし、プロの方ですから猟奇殺人なんかで、見慣れてるでしょうから、問題ないですね、あとはその場の判断で、最善を、いい感じに、まあ、なんとか成るでしょう。
『ハイ!スタート!!』
お、始まりましたね、では皆さんいってらっしゃ~い
「「「え???」」」
『ホラホラ!何ボサッとしてるの!実践に合図は無いのよ!!』
そう言われた一同は演習に走り出した
「あら、貴女は行かなくて良いのかしら」
おや、話しかけられちゃいましたね、これ、やる気が見えないとかで減点とかされませんよね?
「いやー実はですね、私の個性って大分ビジュアルが良くないので、他の誰にも見られない此処で発動しようと思いましてね、出来れば先生もあまり見ないほうがよろしいですよ」
これなら、分かってくれないだろうか、SAN値を削って妨害扱いされたくなかったんだって。
「私のことは気にしなくて大丈夫だから、個性を使って早く試験を始めて」
「はい」
伝わった?かな?
まあ、良いでしょう、きっと、プロの方ですから、猟奇殺人ぐらい見たこと有るでしょうし大丈夫でしょう、ヤりますか、イメージするのは、巨大なコウモリの羽根、鷹なんかが格好良くて良いんですが、何分羽根がたくさんでイメージしづらいのでコウモリでいきましょう。
想像する、自身の背中に大きな羽根、コウモリの羽を生やした私を、ジャージの背中に羽根の為に穴を
グチャグチャと冒涜的な音を発しながら背中の肩甲骨のあたりがの皮膚がえぐれ、筋肉が蠢き出した、直後、ゴキゴキ、メキメキと、到底人体から発せられた音とは思えない音を立て、蠢く肉を貫き羽根を型どった骨が姿を表した、更にそれらを覆うように皮膚が伸び、黒く染まった羽根が出来上がった、その姿は悪魔を彷彿とさせ、近くに居た者を戦慄させた。
だいぶ怖がらせてしまったみたいですけど、私、気にしません!
そういえば少し前にデビューした巨大化の個性を持ったヒーローさんに握手してもらいましたし、鷹と触れ合ったことありますし、それでも良かったかもしれないですね。
じゃあイキますか、まず全体を確認するために有り余る脚力で高く飛び少し羽根を羽ばたかせ、ビルの上に乗ッてみたは良いが密集過ぎてよく見えないので壁走りで走りながら戦っていないロボットを「名状しがたくはないバールで間違いない」でサーチ・アンド・デストロイしていきますか。
特に問題なく、走り回りながらロボットを見つけては、ぶっ叩き、破壊する、そうしてもう少しで、100ポイントに届こうかという頃、やつが動き出した、そいつは今までどうやって隠れていたんだというほどの巨体に物言わせ、ビルをなぎ倒しながら逃げ惑う受験生たちを追い回している。
「いや~でかいですね、所狭しと動き回るってこういうことでしたか、試験としては無視しても問題ないでしょうけど、ヒーローとしては街をメチャクチャにする敵に対して逃げるだけでいいのか?ってとこを見るための装置ってとこですかね?まあ、私は立ち向かわなくともポイント的に問題ないでしょうし、皆さん逃げてますし、傍観ですかね」
逃げ惑う受験生たちの中逃げずに留まっている女子二人を発見した、これは受験生たちをを俯瞰で眺めていたからこそ気付けたことで、他の受験者達は自身のことで手一杯の中、瓦礫の下敷きとなった少女と救出しようとして腕力が足りていない少女を発見することができた。
「無策で助けに行った感じですかね、このままだと踏まれちゃいそうですよ、チョットこれは見過ごせませんね、助けに行きますか」
路地裏に入り、先程生やした羽根以外を全て作り変える、
足と手を特に筋肉質にし、他の部分も満遍なく、顔は、自身の物をより中性的にし、性別を男に変え、服装は、ジャージのまま、上の下着だけシャツに変更、個性を、オールマイトの物に変更、これは中1の頃余りにも友だちが出来なくて不貞腐れて夜で歩いていた時声を掛けられた、つまり補導された、その時に握手して貰い、変身可能とした。ちなみにこの時サインも貰った、人並みにはファンなのだ、そのオールマイトの正体不明な超パワーに指定、変身開始。
皮膚が爆ぜ、肉が蠢き、骨が暴れ、一度、肉塊になってから全てをグチャァグチャァと作り変える、ただ時間はかけられないのでできるだけ急ぐ、10秒後には銀髪の細身で筋肉質のコウモリの羽を持った青年に早変わり。
「急いで、彼女たちの元へ行きますか」
彼女たちとその奥にいる巨大ロボットに向けて走り出す、変身に時間がかかってしまったため急がなくでは、これは私の個性の数少ない弱点ですかね、変身のビジュアルが良く無いのは、煙幕でも焚けば良いでしょうけど、無駄にグチャグチャとやるものだから時間がかかってしまう、一分ならまだしも、一秒を争う現場であれば、間に合わなくなってしまうだろう、おっと、そんなとそんな事を考えて居られないほどにロボットに近づいていた、蛙の子と耳ジャックの子が驚いているのを尻目に、ニャルラトホテプの耐久力にたより両足に超パワーを込め加速し、ホップ・ステップ・ジャンプでロボットの胸元まで飛び、右腕に超パワーを込め殴り飛ばす、この時ちょっとカッコつけて技名を唱えちゃったりする。
「厚顔無恥ナル拳」
距離的に直接当たったわけでもないのに拳の風圧だけで装甲を貫き、吹き飛ばす、それなりに力を込めたためか、少し腕が痛むが、恐ろしい威力で飛んでいったのを見送る。巨大ロボが街を破壊しながら飛んでいってる、これは減点されませんよね、守るべき街を壊しっちゃってますけど、大丈夫ですよね?ていうか、この個性ヤバいですね、今の一撃で、ロボットを貫通した上で吹き飛ばし、後ろのビル群まで吹き飛ばしてようやく止まった、これは確かに練習して、本気で撃てば天気ぐらい変えられそうですね、これは適当に使えませんね。
『試験終了後!!!』
あ、100ポイント取れなかった、まあ、合格は出来るでしょうし、羽根で落下の勢いを殺して、下の子達を助けますかね。
「えーと、大丈夫ですか?」
「ええ、ありがとう、助かったわ」
「い、いえいえ、瓦礫退けちゃいましょう」
私よくよく考えたら、同い年の人と話すのって何年ぶりですかね、あれ、私ってヤバい?
お読み頂きありがとうございました。
気の向くままに書いたものですので、矛盾点などが有るでしょうが目を瞑って頂きたく思います。
本作は続くかどうかわかりませんが、気長に、記憶の隅っこにでも置いていただければ幸いです。