邪神だってヒーローになりたい。   作:キツネくん

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第三話

『お友達ごっこがしたいなら他所でやれ....此処はヒーロー科だぞ』

寝袋から這い出し、途中でゼリー飲料を飲み干すというよくわからない登場したが、私からしたらそれより、友達ごっこと言われたのが気に食わない、お?喧嘩売ってんのか???

個性が発現してからというもの、全く友達の出来ない私にとって今の会話がどれだけ貴重か、貴方には分からんでしょうね。

 

まあ、いきなり此処で声を上げる程の度胸は無いのですがね。

 

「はい、皆さんが静に成るまで8秒掛かりました、時間は有限、合理性に欠けるね」

 

その数秒に拘るのなら、もう少し食事や睡眠何かにも拘ったほうが色々効率的に事が運ぶのでは?

まあ此処で声を上げられるほどの度胸もコミュ力もないので黙ってますが。

 

「俺は担任の相澤消太だ、早速だがお前たちには体操着に着替えて、グランドに集合だ」

そう言って、寝袋から取り出した青に白のラインの体操着を取り出した、えーと、確かこの学校、グラウンドいくつかあるし、更衣室の場所知らないしでどうしたら良いのか分からんのですが?

 

「それじゃ、急げよ」

 

 

行ってしまった...どうしましょう

「じゃあ、更衣室、行きましょうか」

「知ってるんですか?つゆちゃん」

「届いた資料の中に校内地図が入ってたでしょ」

「響香ちゃんまで」

そういえば有りましたけど、しっかり見てませんでしたね、でも確か持ってきたかも

 

「三人ともちょっとエエかな?ウチも連れてって!」

幼い雰囲気を残す声の女の子が話しかけてきた。

これは!私が鏡に向かって練習した笑顔と自己紹介を試す絶好の機会なのでは?つゆちゃんと響香ちゃんにはしっかり出来ましたし問題ないはずです!そうです!私はやればできる子なんです!

 

「は、はじめまして!神無月星海と申します!よろしくお願いしましゅ!」

やらかした、噛んだ、かみまみた

「えと、ウチ麗日お茶子よろしくね!」

はっ!こんなところで躓いていては、人気者なヒーローなんて夢のまた夢、最初は失敗しましたがまだです、さっき二人がしたように私からも握手を求めるのです!友達初心者の私にはよく分かりませんがきっと重要な事の筈なのです、なるべく自然に、右手、あれ?左?と言うかなにか違うんですかね?分からん、もうどっちでも良いですかね、なるべく自然に、当然のように差し出す、これがベストな筈です!

 

「...?」

 

不思議そうな顔されちゃいましたよ、また私何かやっちゃいました?

 

 

 

 

 

やって参りましたグラウンド、この学校広すぎますね、あのあと、お茶子さんが察してくれて、握手はしてもらいました、初めてにしてはよくやったって事でいいですかね?良いですよね。

 

「全員揃ったな、じゃあ今からお前らにやって貰うのは、個性把握テストだ」

「「個性把握テスト?」」

誰からともなく疑問の声が上がった

「入学式は?ガイダンスは?」

この人に意見するとかお茶子ちゃん肝が据わってますね、私ったら小心者ですからこういう時声が出ないんですよね。

 

「ヒーローに成るならそんなの出てる暇ないよ、雄英は自由な校風が売りの高校、それは教師側もまた然り」

正気か?それでは教師の一存で、生徒の進級やら留年どころか、強制退学、何なら飛び級すらも出来てしまう可能性がある、此処、国立高校ですよね?

「お前たちもやっただろう、個性禁止の体力テスト、今の超人社会において、個性禁止では大した意味がないがな、実技トップ成績は...まじかよ、俺のクラスに纏めやがったか」

これ完全に私のこと言ってますね、異例の減点者って言ってましたしね、なんか、ご迷惑をお掛けします?

 

「あー、爆豪、中学の時のボール投げの記録何メートルだった?」

「67m」

え、あの野蛮そうで乱暴そうで、凶悪な顔した人がトップ?まあ、たしかに強そうですが、でも、レスキューポイントがっけこう大きな配点のテストであの人がトップ?何体倒したんですかね?あれ?私も人のこと言えない?

 

そんな事を考えていると爆豪さんが、配置についてウォーミングアップを始めている。

 

「ホントに何してもいいんすか?」

「円から出なければ何してくれても構わない、とっととしろ」

「ほんじゃまぁ、死ね!!

死ね?やっぱあの人やばい人だ近寄らんとこ。

 

「700m超えって、マジかよ」

「個性思い切り使えるのか!」

「なにこれ!面白そう!」

「流石ヒーロー科!」

誰からともなく、爆豪さんの記録や、ヒーロー科への歓声が上がった

 

「面白そう、か、ヒーローになるための三年間、そんな腹づもりで居るつもりか?」

普通であれば、初めはこれくらいから始めるものだろうに、と言うかそのためにガイダンスって物があるのですが、此処はホントに自由が売りなんですね...卒業出来るかな?

「よし、総合成績最下位の者は除籍処分とする」

お、早速出ましたね、自由な校風、しかもこれ本気ですね、私のこの道十年の熟練した人間観察眼を舐めてもらっちゃ困りますよ、この人の目、声のトーン、完全に本気ですね。

「最下位除籍?そんな!初日から、いや、初日じゃなくても理不尽すぎます!」

やっぱり、お茶子ちゃんの肝の座り方半端じゃないですね。

 

「自然災害、大事故、身勝手に暴れる敵達、日本は理不尽にまみれている、そんな物を跳ね除けるヒーローに成ろうって言うんだ、放課後マックで談笑するような高校生活を考えていたなら諦めろ、これから三年間、雄英はお前たちに苦難を与え続ける、Plus Ultra、全力で乗り越えてこい」

 

 

測定が始まってそうそう私は今困っています、なぜかって?それは今の体操服が半袖半ズボンだからです、これが結構困ったことを招いてまして、というのも、私の個性における、唯一と言っていい欠点が、変身の際の見た目、音ともにグロ耐性のない人が見れば即リバースな演出のせいだ、コレのせいで個性を大ぴらに使うことが出来ないため、素の身体能力でしか測定できていない、とはいえ、上位に食い込んで入る、居るのだが、先程から凄く、相澤先生が怖い、すごい睨まれてる、手を抜いてるって思われてるのだろうか、個性の工夫が足りないって思われてるのだろうか、最悪、最下位ではなく私が除籍なんて可能性も、流石にそれは避けたい、でも皆の前で変身すれば、せっかく友達が出来そうなのに、小中に逆戻りだ、何とかしなくては...

 

ボール投げ

そろそろなにか、個性を使わなくては、50m走や、握力、力立ち幅跳びなんかも結局、個性の変身無しで来ている、あとボール投げと持久走と長座体前屈、これもう使えそうな所はボール投げ、此処しか無い、そんな事を考えている時、お茶子ちゃんが無限という大記録を打ち立てた、どうしましょう。

 

「ソラちゃん?どうかしたの、あんなに大記録を出したのに浮かない顔して」

「つゆちゃん、私まだ個性の半分を使えてないんですよ、このまま行っても最下位は無くても、見込みなしと判断されたら、どうなるか」

「ソラちゃん、つゆちゃん、見ててくれた!」

お茶子ちゃん帰ってきましたね、どんな個性かぐらい聞いときますか。

 

「お疲れさまです、すごい記録ですね、どんな個性なんですか?」

「手で触れたものに掛かる引力を無くす個性だよ!」

あっさり答えてくれましたね、手で、ですか、掌だけなら隠せる、でもこれから変身は確実に必要でしょうし、全身を隠す方法も考えとく必要ありそうですね。

 

そんなこんなで私の番、円の中に入って、両掌を合わせ、そこだ変身を開始する、必要なのはボールを投げる右手に丈夫な皮膚、個性は出鱈目な謎パワーを扱えるオールマイトのもの、掌だけなら問題ないだろう、それに、天候なんて変える必要はない、遠くにある雲を蹴散らすぐらいの感覚でやればいい。

 

掌の革が爆ぜ、質量保存も何のそので再構成、明らかに、固く、分厚い皮膚ができた、これで、掌は耐えられる、あとは、肩を回して準備運動、普通に投げては活かしきれない、だから、投げる構えを取り、腰を捻って、斜め上45°程度を狙って、掌で、ボールを押し出すようにして飛ばす、狙いは遠くに見える雲!

 

「おらあ!」

 

ちょっと掛け声は気の抜ける感じだったが、よく飛んだようだ、証拠に雲が散っていった。

 

「記録3m」

相澤先生が告げる、え、だってあそこの雲が居なくなりましたよ、3m?嘘でしょ?kmじゃなくて?

 

不思議に思い、三メートル付近を見れば、ボールだった物が力なく横たわっていた。

 

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