さる研究所を訪れた時に、私は奇妙な資料を見つけた。
時系列は、1000年前。日本が平安時代だった頃の話だ。書かれた内容は―――
『星の化身のような童子が現れた。彼は願いの限りを叶えてくれるなかなかお目にかかれない者だったが、7日たつと、奇妙な石を残して忽然と消えてしまった』
―――というもの。
これを受け、私はとある場所に向かった。
……ファウンスという、数年前に「願い星伝説」が生まれた土地へ。
………
……
…
「みら、元気?」
『うん! あおは今どこにいるの?』
「ファウンスっていう森の奥だよ。少し前に『ジラーチ伝説』が確認されてからというもの、一種のパワースポットになってるの」
『じらーち伝説?』
「みらは、『ジラーチ』っていう幻のポケモンを知ってる?」
『ううん、知らない。』
「出会った人の願い事を叶えてくれるって言われてる、ねがいごとポケモンだよ」
『願い事を叶える!? それって、すごいことじゃない!? 何でも叶えられるものなの!?』
「うん。過去の文献を見る限り……何でも叶えてくれるみたいだよ。ただ……」
『ただ?』
「1000年に一度、7日間しか目覚めないんだって。しかも眠り続けている間、『眠り繭』っていう結晶になっているから結晶状態のジラーチはまず見つけられないとか」
『そんなーー!!』
「ファウンスは唯一、ジラーチの眠っている場所として有名になって、観光地になっているよ。近くの都市では、ジラーチにちなんだお土産が沢山ある程だよ」
『ねぇあお! ジラーチは!? 次にジラーチが目覚めるのはいつ!?』
「……それが、ファウンスのジラーチは数年前に目覚めていることが確認されてるから、もう1000年弱は目覚めないよ。」
『そ、そんな………生ジラーチが…生ジラーチがぁぁ………!』
「………気持ちは分かるよ。とっても羨ましい。ファウンス近くのジラーチ記念館には最新の記録が載ってたけれど、私としても生でジラーチを見てみたかった。」
『えー……見てみたかった、って言っても、次は1000年後だよ? 私達は生きてないし、子孫に託すって言っても不確定だし……』
「それがね、みら。ジラーチはファウンス以外にもいるかもしれないって考えてるんだ。」
『そ、それってつまり……』
「うん。
きっとこの世界のどこかにいると思うんだ。」
『やった!! まだチャンスがあるんだ!!』
「まぁ、本業のポケモン博士ほど真剣に探せないし、根気も必要な上に見つかるかどうか分からないけど―――」
『―――見つかるよ! 私も手伝うから……絶対、見つけよう?』
「みら……!?」
『だって、私達は……
「―――!!!」
『きっと見つかるよ! 私達が生きてるうちに、他のジラーチが!』
「そうだね。見つかりますようにって願ったら……叶うかな?」
『叶うよ!きっと……私達で、叶えよう!』
「ふふふ…また、夢が一つ増えたね?」
『うん!!』
ちなみに、私が親友との話し合いの末に見つけたこの『ジラーチ複数体説』。軽く発表したら、なんとあのオーキド博士がコンタクトを取ってきたのだ(なお、この事をみらに伝えたら、サインを貰ってきてと頼まれてしまった)。
実際に会ってみたところ、良い人だったんだけど、出会い頭に川柳を一句詠むのはちょっと気恥ずかしいから辞めてほしかった。
1000年に一度しか会える可能性がないという、幻のポケモン。根拠は何もないけれど、複数体いることを信じている。そして……私達が生きてる間に、見つけることができるといいな。
☆ジラーチ
ねがいごとポケモン。1000年に一度、7日間しか目覚めない極めて稀少なお寝坊さん。3つの短冊が付いた星のような頭部を持つ、可愛らしい姿をしている。背中に付いている「願いの羽衣」は伸縮自在で、睡眠中は羽衣に自らを包んで眠る。ただし、他のポケモンと同じように実際は年中活動する個体が存在する。また、腹部には「真実の目」と呼ばれる第三の目があり、千年の眠りで蓄えた恐ろしいまでのパワーを発動する時に開くという。しかしこの目を開く事はジラーチ自体にも相当の負担がかかるため、目が開いている時を見たものは殆どいないと言われている。
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