「もしもし、みら。今、大丈夫?」
『もちろん! 今日は、スーパームーンだよね!』
「そう。今回は皆既月食も同時に起こるんだって」
『生まれて初めてだね!! 月食とスーパームーンが同時だなんて!!』
「24年ぶりなんだって。次は10年以上かかるとも言ってたよ」
『うっ……10年後かぁ…私達もいい年になっちゃうよ』
本日、晴天。空を見上げれば、綺麗な星々が見える夜。
お月さまも、バッチリ見える。雨の予報もないから、今夜は安心して夜空を観察できそうだ。
私は夕飯を早めに済ませて、ベランダに出ながらみらに電話をかけた。
『ふわぁ………、赤いね……!』
「皆既月食はブラッドムーンとも呼ばれているんだ。太陽と地球と月が一直線に重なった時に地球の大気圏を通った光屈折して届くからたいていくすんだ赤色になるの。そこから、ブラッドムーンって呼ばれてるんだよ」
『た…確かに、言われてみればちょっと血っぽいかも………
で、でも、怖いことだけじゃあないもん!!
例えば……そう! すずちゃんのパンが今日はより美味しかったの!!』
「……え? それ、関係ないんじゃ……」
『すずちゃん本人も言ってたよ~? 「今日のアップルパイ大成功した」って。分けてもらったんだけど、物凄く美味しかったの!! パンもいつもよりいっぱい売れたんだって』
「大成功って何……? いやでも、今日のごはんはなんだか美味しかった気がする…」
『あお、今日の夕飯はなんだったの?』
「……シーフードカレー」
そうだったんだ!って声を受話器越しに聞きながら考える。
そういえば今日、絶滅種を発見したって人達のネットニュースがあったっけ。目撃した人も多く、川辺や林、更には住宅街でも見かけた人がいたんだって。映像も鮮明で、複数のメディアで流れてたニュースだった。
たぶん…ただの偶然、のはずなんだけど。考えすぎかな。このご時世、その気になれば映像だって作れちゃうから。
『……あ!ちょっと欠けてきたかな?』
「…うん。そろそろだね」
とりあえず、今は見上げた空にある―――あの欠け始めた月。
あれを、大好きな親友と一緒に見ることにしよう。
「綺麗、だね」
『うん。キレイ………!』
月が欠けていき、やがて完全に欠けた頃。
真っ暗な夜、真ん中に浮かぶほんのり赤い満月が、私達を静かに照らしていた。
翌日。
みらのあの発言がどうしても気になった私は。
「あの…すずさん。昨日のアップルパイとか、残ってます…?」
「なになに、どうしたの…??」
ブラッドムーンが浮かぶ日のパンを買いにスズヤベーカリーに行きました。
………食べ比べた結果、信じられないことに、今日の焼きたてよりも美味しかった。どういうことなんだろう……?
ブラッドムーンとも呼ばれている。あの日はスーパームーンと皆既月食が同時に発生する日だったためか、絶滅種の目撃情報が増えたり、料理が格段に美味しくなったり……いやいやいや、それはない。いくらなんでも、因果関係がなさすぎる。でも、あの味は本物だったし……いや、ただの偶然だ、偶然。今回の希少な天体観測は親友と有意義に行えました。はい終わり!
☆赤い月(ブラッディムーン)
『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』に登場する天文現象。リアルの
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