それは、戦火がまだ燻ぶっている地方にたまたま寄った時の出来事でした。
私は、まっぷたつに割れたようなメダルを拾った。
そして、その後……それを探しているらしき男の人とも、出会ったのである。「メダルがない〜」って呟いていたから、すぐわかった。
「おかしいなぁ〜…ここら辺に来るまでは持ってたはずなんだけどなぁ…」
「あの、すみません。これ……落としましたか?」
「…! そ、そうです!俺が落としたものだ!!
ありがとうございます! 大切なものだったんです!!」
鉄道の駅近くでうろうろしていたその人に渡せば、予想以上の喜びようだ。
「そんなに大切なものだったんですか?」
「はい。俺の大切な、相棒のものだったので」
「そうでしたか…」
…相棒、か。
私にとっての、みらみたいなものかな。
確かに、みらを思い出すくじら座のキーホルダーは、今も大切に肌身離さずつけている。
手荷物を確認すればほら、そこについて……………
「…あれ? ない……!」
「ど、どうしました?」
「キーホルダーがない! ど、どこに落としちゃったんだろ………」
まずいよ……みらとの思い出が詰まったものなのに……!!
「……良ければ、手伝おうか? そのキーホルダーを探すの」
「で、でも…貴方の予定とか、大丈夫なんですか…?」
「いいのいいの。人間、助け合いが大切なんだから。
…それで、落としちゃったのはどんなキーホルダーなの?」
爽やかにそう言った男の人は、火野映司と名乗りました。
*
結論から言うと、くじら座のキーホルダーはちゃんと見つかりました。荒れた道路の茂みの中に紛れていたんです。きっと、木の枝か何かにキーホルダーが引っかかっちゃったんだろう。
ただ……時間がかかりすぎて、見つけた頃には日が暮れちゃったけど。
「…見つかって良かったね」
「ありがとうございます火野さん。これは…友達との思い出の品なんです」
「友達かぁ…」
「みらって言うんですけど…名前が、くじら座の変光星と同じだから、それにちなんで買ったんです。みらと、一緒にいられる気がするから」
「なるほどね。俺にとってのコレみたいなモノだったんだ。」
「火野さんのその欠けたメダルは何なんですか?」
最初に拾った時、不思議な感じがした。
メダルの材質は、金属でもなければ、石とかでもない。なんだか、どんな鉱物で出来てるんだろうって思って、調べようと思ったんだ。
まぁ、火野さんのものって分かったからすぐに返したけどね。
「さっきも言ったけど、俺の相棒……アンクのものなんだ。今はちょっと、会えないけど……いつかまた会うために旅をしてる。世界を回ってね」
「さっきみたいに、人助けをしながら、ですか?」
「ははは、おかしいかな?」
火野さんにとっては、その、あんくさんのものだという欠けたメダルが大切なものなんだ、と分かり。みらの言葉を思い出す。
『皆それぞれ好きなものや得意なもの…その人の「世界」を持ってる。ひとりでいたら世界はひとつだけど、それがもしたくさん繋がったら……可能性がどんどん広がって…大きくて未知数で―――宇宙みたい』
だから、それは火野さんにとっての世界なんだ。
「…おかしくありませんよ。ひとりでいたら世界はひとつですけど、たくさん繋がれば、可能性はどんどん広がります―――それも、宇宙みたいに。
私も、ある夢が叶ってからは、もっとたくさんのものを知りたくなって、世界を回ってますので」
「……そっか。たくさん繋がれば、世界は宇宙みたいに広がる、か。俺とちょっと似てるね」
「火野さんと?」
「俺の夢はね、自分と他人とが繋がって紡がれていって、どこまでも広がっていって、誰にでも届く腕になっていくことなんだ。」
「………!」
確かに…ちょっと似てるかも。
人の手は一人だと限りがあるけど、皆と繋がれば広がっていくみたいに……それは、たくさん繋がれば広がっていく「世界」みたいだった。
「素晴らしい夢ですね。応援しても、良いですか?」
「もちろん! ありがとう、真中さん!」
こうして、不思議だけど、楽しい出会いの夜は更けていった。日が変わる前に別れちゃったけど、きっとこの日の出来事は忘れないだろう。
私の「小惑星を見つける」夢も「もっと広い地球と宇宙を知りたい」夢も彼は気持ちよく肯定してくれた。ただ、欠けたメダルが何かは結局は分からずじまいだったけど。まぁ、また火野さんと出会った時にでも聞いてみよう。見知らぬ人の落とし物を一緒に探していくれるほどお人好しなあの人なら、快く教えてくれるはずだから。
☆コアメダル
『仮面ライダーOOO/オーズ』に登場するキーアイテムにして、仮面ライダーオーズの変身アイテム。800年以上前に当時の錬金術士たちが人工の生命を作るため、地球に生息する様々な生物種のパワーを凝縮して作った神秘のメダル「オーメダル」のうち、生物のパワーがより大きく封じられたもの。同作品に登場する敵「グリード」の核となっていて、基本的に増殖したり消滅することはないが、とある方法で破壊する事が可能である。
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