これを読んでいる皆へ。
もし、ダイヤの指輪と呼ぶには大きすぎるダイヤモンドの指輪・しかも顔付き(オマケにちょっとかわいい)を見つけてしまったら、どうしますか?
「…………」
「…………」
―――私は、思いっきり固まりました。全身が急にダイヤモンドにでもなったかのように。
かつて隕石が落下したと思われる採掘場所。私は、たまたまそこで謎の生命体と出くわしたのだ。
つぶらな瞳ににやけたような口元。姿かたちは、先述したようにダイヤモンドの指輪がそのまま大きくなったよう。
「………!」
「あっ…!」
少しだけ私と目があったそれは、一瞬だけ止まると、目にも止まらぬスピードで、一目散に逃げ出してしまった。
それからというもの、私はあの生き物の正体を探るべく、色んな手を使ってみた。
まず、相手は逃げ足がとてつもなく早いと分かっていたため、追いかけるという線はなし。数秒で引き離されておしまいだ。
そこで私は、あらゆるものを餌に、あの生命体が何に食いつくかを検証してみた。
用意したのは、パン、お肉、キャベツ、リンゴ、そして……ダイヤモンドの指輪。費用は…大体15万円ほど。ほぼダイヤモンドが割合を占めているのは言うまでもない。
買ってきたそれらを、目撃現場に並べて、捕獲用の罠を仕掛ける。落とし穴とか、害獣捕獲用の網とかだ。本命のダイヤモンドには重点的に仕掛ける。10万円もかけたんだ。簡単に取られるわけにはいかない!
そして、現場にカメラをしかけて、私は距離を取って別の場所で待機する。
簡単に現れるとは思っていないから、何日かキャンプする覚悟で用意しておいた。
さて、また現れてくれるかな、あの生き物は。
―――1日目。
ダイヤモンドのあの生命体、姿を現さず。
―――2日目。
日中に姿を現すことはなかった。しかし…夕陽が暮れ始めた時間帯、変化が現れた!
「……!! 映像に映っている!!」
そう。例の生き物がカメラに映っていた!
私は、途中の食事をほっぽって、食い入るように映像の先の生き物を見つめる。
それは、現場に置かれた様々なモノを物珍し気に、遠目から見つめている。
「……結構、警戒心が高いんだな…」
生き物の専門家でも呼んだ方が良かったかと思ってしまう。
でも見た目からダイヤモンドの指輪を大きくしたようなものだし…信じてくれるかどうか。
もっと証拠を集める意味でも、もっと観察する必要がある。
……そう考えた時だ。
「なっ!!?」
ダイヤモンドの生命体が動き出した。
まるで罠の位置を知っているかのようにジグザクと罠のない場所を突き進み、まっすぐダイヤモンドの指輪へ向かっていく!
「いや、でもカゴの中に入らないと指輪は取れない……!」
映像を持って現場へ急行しながら映像越しの様子を見る。
この時の為に用意した罠の中に、タヌキやら何やらを捕らえる用の、入ったら扉が閉まる仕掛けのカゴがある。ダイヤモンドの生命体の目的がダイヤの指輪ならば、それを取るためにカゴの中に入らないといけない。
すると、映像に異変が起こった。
「うわっ、見えない、これ…光!!?」
カゴの外側に近づいた生命体が発光したのか、映像では見えなくなってしまったのだ。
映像から目を離して遠目に見れば、罠たちを置いた場所から光が放っているのが見えた。
「なに、あれ……!?」
現場に到着した時、目にしたものは、一部が溶接でもされたかのようにこじ開けられたカゴだった。
中にあったダイヤモンドの指輪は、影も形もなくなっていた。
「やられた………!」
それ以降、夜が明けるまで、あの生き物が現れる事はなかった。
―――こうして、最初の私とダイヤモンド生命体のファーストコンタクトは、私の財布に大打撃を与える形で終わりを告げたのであった。
「―――ってことがあってさ……」
『うわぁ……あお、何円くらい損したの?』
「15万くらいかな……大損だよ…」
『あ、あお…大丈夫?帰ってきたらなにか奢ろうか?』
「…………」
みらの親切心ながらのその台詞になんて答えたらいいか、ものすごく迷ったのは想像に難くないだろう。
私の財布に大打撃を与えた宿敵。いつか再び見つけた時は、必ず捕まえるなり証拠をこれでもかと掴んでその生態を暴いてやる。……まぁそれはそれとして、お金どうしよう。この生命体の為に15万近くのダイヤの指輪を買った私は、今になって思うと正気とは思えない。
☆ダイヤモンドスライム
『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2プロフェッショナル』『テリーのワンダーランドSP』『イルとルカの大冒険SP』に登場する、メタル系スライムの新種で、黄金のリングにはめ込まれたダイヤモンドの指輪の姿をしたスライム。常にキラキラと輝きを放っている何ともゴージャスなモンスター。スライム界の宝石とも称され、こいつを恋人に贈ると必ず結ばれると言われている。
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