「……ものすごい辺境の村だな…」
私は今、日本を飛び出したとある国の超・超・超辺境に位置する村にいた。飛行機や鉄道どころか車さえ走っていないのは当たり前、移動手段はもっぱら徒歩だというのだから驚きだ。
この地が自然保護区で、鉄道や道路を敷く事が禁止されていると知らなければ、別の世界と勘違いしてしまうくらいだ。
このような所に来たのには訳がある。
調査依頼の中に……『スライムの精霊』の調査をしてほしい、というものがあったからだ。
そもそもファンタジーの定番であるスライムの…しかも精霊とはどういう事か?
正直、異世界にでも行っているんじゃあないかっていうほど変わった場所に赴いたが、これも依頼の為だ。
思い切って、行ってみよう!
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『……ふーーーん…それで?どうだったの?結果は』
「うぅ……ごめんなさい、みら…」
『クリスマスのこの時期に日本にいないと思ったらそんなことしてたなんて!』
「スケジュール通りいきませんでした……」
『クリスマスに帰れないってブラック企業の社員じゃないんだから!』
「ほんとにごめんなさい…」
調査が終わった後、ちょっとした事故でクリスマス前に日本に帰ってこれなくなったことをみらに話さざるをえなくなり、こっぴどく叱られました……。
『それで、今度はどんな子と浮気したんですか?』
「う、浮気って言い方やめてよ!
えっとね、スライムの精霊のファルファちゃんとシャルシャちゃんなんだけど…」
『スライム? スライムって、あの?』
「うん。今私のいる地方はスライムみたいな希少生物がいっぱいいるから、車も通っていない自然保護区なんだよ」
『車も通ってないのっ!? どんな辺境まで行ってるのあお…?』
「で、その地方の高原のおっきな一軒家に住む人たちに会ってきたんだけどね」
『たち? 何人か住んでたの?』
「えーっと、まず魔女さんでしょ、ドラゴンでしょ、スライムの精霊って名乗ってたファルファちゃんとシャルシャちゃんも住んでたし、耳が尖ったおっぱいお姉さんもいたし……あと、ゴーストもいたよ」
『……あお、大丈夫? とうとう頭か目がおかしくなった?』
「とうとうって何!!? どこもおかしくなってないよっ!
あ、写真! あとで写真送るから信じてもらえる?」
『……分かっ、た、信じるよ…』
「みら、本当に信じる?」
『……………動画送られても信じられそうにない……』
「やっぱりー!!」
『ところでさ。いつ頃帰ってこれる予定なの?』
「…年明けまでには、何とか?」
『ほんとに頼むよ、あお。年末年始は一緒に過ごそうって約束したじゃん!!』
「ご、ごめんって……それじゃあ、身体に気を付けてね?」
『そっちこそ……ちゃんと帰ってこないと許さないんだから』
その後、フラタ村のクリスマスの祭りに参加して、写真はいっぱい撮った。
また、高原の魔女さんの動画も撮ってみらに送ったことも忘れていない。
帰ってきた後、みらに魔女さんの家族写真を指差しながら「誰と浮気してたの」なんて言われ続けるとは思わなかったけど。
一見、普通の人間と大差がない。説明されてもまったくそれだと分からず、変化されて初めて分かるレベルである。魔女のアズサさん曰く生まれて50年はたっているのだそう。知りたくなかった。
☆スライムの精霊・ファルファ&シャルシャ
『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになっていました』に登場する、高原の魔女・アズサが倒し続けたスライムの怨念が生んだ精霊。アズサは毎日25匹を365日300年間欠かさず討伐したため、本編開始の50年前に姉妹で誕生した。姉・ファルファと妹・シャルシャがおり、シャルシャは当初スライムを倒し続けたアズサを恨み、「破邪の魔法〈高原の魔女〉」を生み出すまでに力を蓄えたが、高原の魔女・アズサ以外には恐ろしく弱く、あっけなく倒された上にマナを使いすぎて数十年間使えなくなってしまい事実上復讐が出来なくなってしまう。その後、アズサの提案で娘として迎え入れられた。
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