地学者真中あおの取材レポート   作:伝説の超三毛猫

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P9, シヴァレル雪山の踊る宝石

 

 私はある日、とある噂を耳にする。

 

『シヴァレル雪山には、おどる宝石がいる』

 

 踊る宝石とは? それに「ある」ではなく「いる」と言った意味とは……? それを確かめるため、私はシヴァレルというロシアに近い地方に向かった……

 

………

……

 

『もしもし、あお?

 今度の写真が信じられないものばかりなんだけど』

 

「みら…確かに、ちょっと現実的じゃないものだったかもしれない。でも捏造した訳でも加工したわけでもないよ」

 

『あおにそんな技術ないのは知ってたけどさ。

 どこで撮った写真なの?』

 

「シヴァレルっていう街で撮った写真でね。

 街の人がもれなく人間じゃなかったよ……」

 

『そこは可愛いから良いんだけどさ』

 

「良いんだ……」

 

『次の、金色のブロック? みたいなものの写真はコレは一体なに?』

 

「金塊だよ」

 

『……え、金塊?

 金塊って……あの?』

 

「うん。黄金。ゴールド。メッキでもなんでもない。」

 

『うそ、本物!!? どれくらいの大きさ!? 持って帰ってこれる!?』

 

「し、質問が多いよ……シヴァレルの金塊は特定のルート以外の交易が許されてないんだ。いくら大きくても、日本に持って帰れないんじゃあ意味ないよ」

 

『そ、そんなー!』

 

「仕方ないでしょ、そういうルールなんだから。

 ところで、ちょっと驚く写真を入れておいたんだけど、もう見た?」

 

『え? …………うわ、なにこれ。変な……宝石袋?』

 

「うん。実は、私がシヴァレルに行ったのはこの宝石袋の噂が目当てだったんだ。」

 

『え、そうだったの?』

 

「現地の人たちは『踊る宝石』って言ってたよ。まぁ、思ったよりも違う方向性のモノが出てきたけどね……

 でね、その『踊る宝石』が……なんかこっちを見た途端に逃げだすから写真を撮るのにひと苦労したよ」

 

『…………このヘラヘラした顔のままで?』

 

「……うん、このヘラヘラした顔のままで」

 

『だ、大丈夫だった?

 その……精神的に、さ』

 

「うん。近づいたタイミングで体当たりされて煽られたり、雪をかけてくる罠を仕掛けて煽られたり、小馬鹿にするような笑い声で煽られたり、とにかく煽られたりしたけど大……大丈夫だった」

 

『…あお、怒ってる?』

 

「怒ってないよ。やっとのことで捕まえた時に一発ひっぱたいたけど怒ってないよ」

 

『ひっぱたいた!!? というかあお、怒ってるよね!?』

 

「怒ってないよ。それよりも気になることができたから」

 

『気になること?』

 

「『踊る宝石』の周囲の宝石ってね、浮いてるの」

 

『浮いてる? それってなにかの例え?』

 

「ううん。本当に浮いてたの。

 でも、ひっぱたいた拍子にボロボロ落とした宝石は普通の宝石だった。もちろん、浮くこともない」

 

『それって………』

 

「きっと、何らかの重力を無視する手段をアレは持ってる。調べれば何か分かるかもしれない。癪だけど」

 

『いま癪だけどって言ったよね? 絶対怒ってるよね?』

 

「怒ってないよ。少なくともみらに対しては怒ってないから安心してね」

 

『あお、ストレスはちゃんと発散してよ?』

 

「分かってる。そっちこそ体に気をつけて、みら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【踊る宝石】

見るからに人を小馬鹿にするような表情と振る舞いをする、宝石袋の生命体(?)。宝石程度なら宙に浮かす手段を持っているようだが、調査の際は寒さと煽りに耐性のない人間は行かない事をお勧めする。

 

 

 




☆おどるほうせき

『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する、宝石を散りばめた宝石袋の魔物。マヌーサ・ルカナン・メダパニなど非常にウザい呪文を数多く使用してくる。『スライムもりもりドラゴンクエスト』シリーズでは、敵サイドのメタル系の役割を担う。主人公を見つけるなり逃走を始め、終いにはルーラでどこかへ行ってしまう。が、攻撃が当たる度に宝石をバラまき、撃破すると大量ゴールドをドロップする美味しい敵。

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