イチカと一夏の物語   作:コクトー

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イチカと一夏は授業を受ける

イチカside

「とゆうわけで、一年一組の代表は織斑一夏君に決まりました。あっ一つながりでいいですね」

 

 朝のHRで山田先生がそう発表した。クラスの女子の大半も喜んでいる。

 

「先生質問です」

 

「なんですか?織斑君?」

 

「俺は昨日の試合全部負けてるのになんで代表になってるんですか?」

 

「それは」

 

「わたくしが辞退したからですわ!」

 

 山田先生の言葉を遮ってセシリアが高らかに言う。いや山田先生若干涙目ですよセシリア…。

 

「まぁ、勝負はたしかにあなたの負けでしたが、しかし考えてみれば当然のこと。それで、わたくしも大人げなかったなと反省しまして…。クラスの皆さんの意見もうけて一夏さんにクラス代表を譲ることにしましたわ!」

 

「さすがセシリア!わかってる~」

「やっぱり二人しかいない男の子だもんね」

「私たちは貴重な経験が積める。そして他のクラスの子に情報も売れる。まさに一石二鳥ね!」

 

 最後おかしいでしょうに。売るのは勘弁ですね。

 

 クラスの意見が一致していたところに、一夏が反論しだした。

 

「それならグレンは!?俺にもセシリアにも勝ってるんだし実力的にもぴったりじゃねぇか!」

 

 おや?私に飛び火しますか。マドカ、一夏を睨むのをやめなさいよ。

 

「私はデータ等一切公表しませんし機密の塊みたいな機体ですから問題が多いんですよ。それにかなりセーブしないといけなくなりましたし…はぁ…私のビットたちが…」

 

 泣く泣く最低限以外のビットはラボに置いてくるはめになった。隠して使わないようにってことらしい。

 

「みなさん、先日はどうもすみませんでした。あのような発言本当に申し訳ありませんでした」

 

「いいよセシリア」

「謝ってくれたしね」

「大丈夫だよセッシー!」

 

「ありがとうございますわ。こ、こほん。それでですわね、このエレガントなわたくしが直々に一夏さんのコーチをして差し上げようかと。わたくしにかかればみるみると成長を」

 

「一夏のコーチは私が直接頼まれてるから結構だ」

 

 篠ノ之さんが反論する。いやあなたはIS初心者でしょ。

 

「あら?あなたはIS適正ランクCの篠ノ之さん。Aのわたくしになにかご用かしら?」

 

 セシリアの発言にでてきたが、ISには適正ランクというものがある。最高がSで、最低がD。IS学園の生徒となるには、C以上が条件だ。高ければ高いほど入りやすくなっているらしい。Sともなると、織斑先生とあと他に世界で3人なんだとか。ちなみに私はA++とかいう、Sの少し手前らしい。

 

「ら、ランクは関係ないだろう!ともかく私が頼まれたんだ。私が教える!」

 

「座ればかども」スパーン!

 

 織斑先生の出席簿が火を吹いた。

 

「お前らのランクなどゴミだ。私からしたらどれも平等にひよっこだ。まだ殻がついたままの段階で優劣をつけようとするな」

 

 反論する余地がないのか、なにか言いたげだが言葉を飲み込み席についた。

 

「代表候補生だろうが機密の塊だろうが一から勉強してもらう。くだらん揉め事は私の管轄時間外にやれ」

 

 あれ?私も混じってる。

 

「クラス代表は織斑一夏。異存はないな」

 

 はーい。とクラス全員が声をだす。正確には一夏とマドカ以外全員ですね。

イチカsideout

 

 

一夏side

 四月も終盤にはいった。今日はグラウンドで実際にISを装着しての授業となった。

 

「では始めに専用機持ちに実際にやってもらう。オルコット、織斑、グレン、マドカ展開しろ」

 

 千冬姉の指示でそれぞれがISを装着する。

 

(こい、白式!)

 

 心のなかでそうつぶやくと3人に遅れてだがISが展開する。展開時間0、7秒。一秒きれたぜ!

 

「よし、では飛んでみせろ」

 

 四機のISが宙を舞う。慣れてないのもあって少し遅れる。

 

「織斑なにをやっている、スペックではオルコットより上だぞ」

 

 通信でお怒りを受ける。急上昇と急下降は昨日教えてもらったけど慣れてないからな。

 

「一夏さん、所詮はイメージですわ。イメージ。自分でしっかりとイメージを持つことが大事ですわ」

 

「そう言われてもなぁ。大体空を飛ぶ感覚自体がまだあやふやなんだよ。なんで浮いてんだこれ?」

 

「説明しても構いませんが…長くなりますわよ?」

 

「ならいいや。グレンはどんなイメージなんだ?」

 

「私ですか?私は人形を作って動きを手で動かして感覚を掴んでましたからあまりイメージとかはありませんね…。マドカは?」

 

「訓練です」

 

 簡潔!てかグレンの練習もすごいな。箒に聞いたときなんか

 

『ぐって感じだ』

『どーんって感じだ』

『ずばってイメージだ』

 

 うん。役に立たねぇ。箒はあれでできるのか?

 

「慣れるしかな」

 

「一夏!いつまでそんなところにいる!早く降りてこい!」

 

 見ると箒にインカムを奪われアワアワしてる山田先生がいた。なにやってんだよ…。

 

「急降下と完全停止をやってみろ。目標は地表10cmだ」

 

 10cmってほんとすれすれじゃねぇか。俺の携帯より短いぞ。

 

「では私からいきますよ」

 

 グレンがあっという間に下にいる。あれをやんのか。

 

「待ってください兄さん!」

 

「わたくしもいきますわ。一夏さん、お先に失礼しますわ」

 

 マドカとセシリアも同様に降りる。

 

「3人とも10cmジャストか。さすがだな」

 

「よし!俺も!」

 

 一気に加速して下にいく。加速して、加速して、加速して……あれ?停止ってどうやんの?

 

ドォーーーーン!

 

 土ぼこりをあげて地面にめり込む。地表マイナス数mになっちまった。

 

「誰が穴を開けろといった」

 

「…すいません」

 

「昨日私が教えてやっただろう」

 

 あの『ぐってきてピタって感じだ』ってやつか?あんなのでわかるかっての!

 

「一夏さん!大丈夫ですか?」

 

 セシリアが降りてきてくれた。ISは解除してるようだ。

 

「どこかお怪我はありませんか?」

 

「ISをつけていて怪我をするはずがないだろう」

 

「あら?万が一ってことはありますわよ?」

 

「お前が言うか。この猫かぶりめ」

 

「鬼の皮をかぶっているよりましですわ」

 

 二人がにらみあう。なにこの状況?

 

「一夏、大丈夫ですか?とりあえず穴から出ましょうよ」

 

 グレンが気にかけてくれた。うんそうしよう。この二人のいがみ合いの現場から逃げ出したい!

 

「邪魔だ貴様ら。おい織斑、武装を展開しろ。それくらいはできるだろう?」

 

 一週間練習したからな!

 物体を切り裂く剣のイメージ…

 

 俺の手に『雪片弐型』が表れる。よし、必ず出せるようになったな。

 

「遅い。0、5秒で出せるようにしろ。次オルコット」

 

 けなされた 誉められないで けなされた。

 なんか俳句みたいになったな。少しくらい誉めてくれてもいいのに…。

 

 っと、セシリアの番だ。腕を真横に上げ、その手に『スターライトmkⅡ』が握られてる。きちんとマガジンが接続されていて、視線を向けるのとと同時にセーフティが外れる。

 一秒もたたずに展開、そして射撃準備まで完了していた。

 

「おー私はこのまま撃たれるのですか?」

 

 銃口の先には両手をあげるグレン。そういや横にいたからな。

 

「早さはさすが代表候補生だが、その展開はやめろ。それで誰を撃つきだ。正面に展開できるようにしろ」

 

「で、ですがこれは私がイメージを固めるのに必要な」

 

「直せ」

 

「………はい」

 

 千冬姉には、かなわないよなさすがに。

 

「次は近接武器をだせ」

 

「えっ、は、はい」

 

 うーんと唸るセシリア。でてこない。でてこない。

 

「いつまでかかっている」

 

「あーんもう!『インターセプター』!」

 

 セシリアが武器の名を叫ぶと手に握られる。あれ?これってたしか『初心者用』の展開の方法だよな?

 

「何秒かけるつもりだ。実戦でも相手に待ってもらうつもりか?」

 

「じ、実戦では相手に懐に潜らせませんわ!」

 

「ほう、初心者の織斑に懐に入られてたのは私の錯覚か?」

 

「ぐっ、それは…その…」

 

 ゴニョゴニョ言ってるセシリア。あっ図星つかれてなんも言えないんだな。

 

『もう!あなたのせいですわよ!』

 

 プライベートチャンネルで話してくるセシリア。といっても俺はこれの通信方がはっきりいってわからん。頭の右後ろ辺りを意識するってなんだよ…。

 

『せ、責任をとってもらいますわよ!』

 

 なんの責任だよ。

 

「次、グレン、マドカ二人とも遠距離武器だ」

 

 一瞬で正面に向けられる二人の銃。セーフティも外れてるし先に誰もいないようにしてる。すげぇな。

 

「次は近接武器だ」

 

 これまた銃を消すと同時に現れる武器。

 グレンの方は以前みた刀。マドカは右手に大きな鎌だ。

 

「いいか、この二人を手本にしろ。このレベルは代表候補生でもそうはいない」

 

 すげぇな!セシリアとかすげぇ悔しそうだし。てかなんかグレンはマドカを撫でてる。見ててほほえましいな。あっ同い年か。

 

「ん?そろそろ時間だな。これで授業を終了する。織斑、グラウンドを埋めておけよ」

 

「一夏、手伝いますから頑張りましょう」

 

「ありがとう…グレン…」

 

 ちなみに箒とセシリアは気づいたらいなかった。まぁ、こうゆう力仕事は男の仕事だよな。土どこだっけ?

一夏sideout

 

 

ツインテside

それから数日後の放課後。

 

「ここがIS学園ね。だいたい、本校舎一階総合受付ってどこよ。案内くらいつけなさいよ…」

 

 ツインテールの少女がキャリーバック片手に学園内をきれいな薄茶色の髪と黄色のイヤリングを風に揺らしながら歩き回っていた。

 案内の地図らしきものを見ながらキョロキョロしていると、ぐしゃっという音と共に地図が潰れた。

 

「自分で探せばいいんでしょ探せばぁ」

 

 と、そこに声が聞こえてきた。

 

「―――でだな」

 

(ん?誰かきた。いいや、案内してもらうおっと)

 

 と声のした方へ少しかける。その目に飛び込んできたのは…

 

「だからそのイメージがわからないんだよ」

 

 声を聞いてピンときた。自分の求める人。今の(・・)私の好きな人。名前も覚えていない二番目の恋の相手ではなく、初恋であり今の恋であり、名前も顔も性格もなにもかも覚えているその少年。

 

「いち――」

 

 が、その声はとまった。そう、その隣にいる人によって。

 

「一夏、いつになったらイメージが掴めるのだ。先週から進まんではないか」

 

「いやだかろ『くいって感じ』ってなんだよ。説明独特すぎんだろ」

 

「……くいって感じだ」

 

「だからそれがわかんないんだって。って待てよ箒!」

 

 すたすたと歩く女子。それを追う一夏。誰?あれ?

 先程まで浮かんでいた期待と喜びが嘘のように今は疑問といらだちが浮かんでいた。

 

 結果をいうとすぐに受付は見つかった。そこで手続きをすました。

 

「これで手続きは終了です。お疲れ様でした凰鈴音さん」

 

「あのぅ、織斑一夏って何組ですか?」

 

「一夏君?あぁ、有名だものね。一組よ。クラス代表なの。ちなみに凰さんは二組ね」

 

「あの、二組のクラス代表って誰ですか」

 

「?どうかしたの?」

 

「いやぁ…お願いしようと思って。代表譲ってって」

 

(待ってなさいよ一夏…)

 

 にっこりと笑うその顔にはしっかり怒りが現れていた。

ツインテsideout




どうもコクトーです。


久しぶりの一夏視点です。
なんでかなイチカのときより書きやすい・・・
今回マドカの武器も登場しました。
大鎌『ハイド』
いずれ登場すると思います。今は名前だけ。


そして謎のツインテ登場!
この少女はなんなのか!?
少女の目的はなんなのか!?
少女の正体は!?




ではまた次回
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