十歳のころ、私の世界が大きく変わった。
私は、その日、近くのスーパーに買い物にいっていた。
(今日は何を食べようか……)
そんなことを考えながら歩いていると、向こうから煙が上がっているのが見えた。何事かと向かってみると、どうやら大きなビルが火事になっていた。
―まだ中に子供が!!!
―危ないから下がって!!
そんな会話も聞こえてきた。自身のISのハイパーセンサーでビルを見ると、8階に、三人の自分と同じくらいの子供が残されていた。
それを見つけた瞬間、私は動いていた。
人目につかないところへいき、私の専用機『炎の指揮者オペレーター』を展開。そして子供のところへ飛んでいった。
子供たちは、怯えていた。
一人は姉に抱きつき涙を浮かべて震えている。一人は守ろうと辺りを見ている。一人は震えている妹の手をぎゅっと握っている。
「…お姉ちゃん、怖いよ」
「大丈夫よかんちゃん。私が守るから」
「でも、(ガシャーン!)きゃあ!」
どこかでジャンデリアが落ちた。
「刀奈様、もうすぐそこまで火の手が」
「わかってる。虚、かんちゃんをお願い」
「お姉ちゃんは!?」
「お姉ちゃんは大丈夫。だってお姉ちゃんなんだから!」
彼女がそう虚勢をはる間にも、火はどんどん強くなっている。
そして次の瞬間、ついに耐えきれなくなったのか、天井が降ってきた。黒い影が彼女たちに迫る。
「「「きゃあああああああ!!!!!!」」
咄嗟に身を寄せた三人だっが、いつまでたっても瓦礫は降ってこなかった。
正確には、なにかが彼女らを覆っていた。
「大丈夫?怪我はない?」
そこには、ヒーローがいた。
そのISをまとったヒーローは、自分の上の瓦礫をどけると、三人を抱き寄せた。
「あ、あなたは?」
「私の名前はイチカ。イチカ・グレナディーンだよ」
私はそう名乗った。そして、三人を抱き寄せたまま、ビルを飛び出した。そして近くのビルの屋上に降りると、三人をおろした。
「あ、ありがとう、ござい、ます。私は更識刀奈です」
「いいよ別に。私はたまたま通りかかっただけだから」
「ですが、…ありがとうございます。私は布仏虚と申します。おかげでお嬢様方も私も助かりました」
「簪…です。…ありがとうございます」
「いえいえ。あ、そろそろ人が来ますね。私はこれで失礼します」
「あ、あの!」
「なにか?」
その場を去ろうとした私を姉らしき人が止めた。
「また…逢えますか?」
「わかりません。私は変わった人間なのでね。そうだ……」
私はISを解除し、金属精製能力で4つのイヤリングを作って一つを自分の耳につけた。そして残りを三人の耳につけた。
自分のは赤色の炎の形
姉には水色のダイヤ
妹には水色の水晶
もう一人には赤色の勾玉
「これが私たちの目印です。これをつけていてくれたら将来どこかで逢えるかもしれません。姉妹仲良く暮らしてくださいね。」
そうして男である私は再びISを展開し、飛び立った。
「……ヒーローみたいだった」
「そうね…」
「ですね」
少しボーッとしていた刀奈は、虚の耳をみてあることに気がついた。
「…て虚、あなたのイヤリング彼と同じ色じゃないの!うらやましいわ!」
「……うらやましい」
「わ、私が決めたわけじゃあありませんよ!彼に言ってくださいよ!」
「それでもうらやましいの!!って、彼?」
刀奈はあることに気づいた。
「ねぇ。彼って男よね?」
「そうですが?」
「IS乗ってなかった?」
「「あっ。」」
男のIS操縦者。それに気づいたとき、ふと彼がいた場所に目をやると、紙がおいてあった。
『私のことは極力内緒でお願いします。特にISについては絶対に言わないでください。まだ私は静かに暮らしたい。
そしてもう一つ。
もし将来自分が他人と比べられてもきにするな。他人は他人、自分は自分。他人を基準にする必要なんてどこにもない。
でも、どうしても悩んで悩んで苦しい時は抱え込まず声に出せばいい。きっと伝わるから。
イチカ』
それから数分後、やってきた両親に抱かれて家に帰っていった。
一方で私は、食材を買うのを忘れ、結局カップ麺で済ますこととなった。
そして、私は中学生になった。
私は普通の公立の中学にかよっていた。今はその二年生だ。まぁ月日がたてば人も変わっていくわけで、私もかなり変わった。
ISの作成、強化は続けながら、体を鍛えることに夢中になった。とにかく鍛え続けた。自身の回復能力もあって、みるみる力がついた。そして同時に進めていたISの操縦もどんどん上達し、今では『瞬時加速』を円を描くようにできるようになった。
その日も、日課のロードワークをしていた。
―やっ、離しなさいよ!
―うるせーな、いいからこいよ
―きゃっ!いや!離しムグゥ!
―もういいや、ここでやるか
その声は近くの路地裏からかすかに聞こえてきた。私はそこに向かった。そこでは、一人のツインテールの女の子を四人がかりで抑え込もうとしてある男たちがいた。
「さて、なにをやっているのかな?あなたたちは」
「あぁん!どっかいけやくそ野郎。今忙しいんだよ!」
「そうだ!そうだ!お前なんかお呼びじゃないんだよ!」
そう私を罵る男たちをみず、おさえられている彼女の方を見た。服を破られ、口を塞がれ、涙をうかべて必死に抵抗しようとしていた。
「恥ずかしくないんですか?よってたかって女の子をいじめるなんて」
「うっせーよ。いいから引っ込んでな!」
「ふぅ…。私はね、泣いてる人を放っておけないんですよ!」
私は言い終わるのと同時に男たちに向かって走り出した。四人とも私に向かってきたが、全員素人だ。私は難なく四人を殴った。すると、
「「「「覚えてやがれ!!」」」」
と、一昔前の悪党みたいな台詞をはいて逃げていった。それを確認して、私は彼女の側にいった。
「大丈夫ですか?怪我はないですか?」
私は上着を彼女にかぶせた。
「ヒック…………」
「怖かったでしょう?もう大丈夫ですよ。安心してください。思う存分泣いていいですよ。」
私はそういって彼女を抱き、背中を軽くたたいた。それからしばらく彼女は、溜め込んだものを吐き出すように泣き続けた。
そして泣き止むと、姿勢をなおして言った。
「ヒック、あ、ありがとうね。えっと…」
「イチカ・グレナディーンといいます。イチカとでも呼んでください。あなたは?」
「イチカ…、あ、あたしは凰鈴音よ」
「ところで、あいつらは?なぜあんなことを?」
「あいつらがナンパしてきて、それを断ったら腕を捕まれたから、なんとか振り払って逃げたのよ。そしたら急に怒り初めて……」
「そうですか…」
私は再び彼女を抱き寄せた。
「ちょっ!//なにしてんの!?」
私は赤くなる彼女をきにせず、強く抱いた。
「辛かったでしょう。でも、今は、今だけは、私が側にいますから、ゆっくりと休んでください」
それから私はしばらく彼女を抱き続けた。
「あ、あたしそろそろ行くわ」
「そうですか。また辛くなったら言ってください、側で支えてあげますから」
「!!///あたし、今度中国のほうに戻るんだけど、…また…また、逢えるわよね?」
「えぇ。きっと逢えますよ。そうだ」
私は昔のように、黄色の星の形をしたイヤリングを作った。そして、彼女の耳につけた。
「これは?」
「私たちの目印です。同じことを以前にもやりましたが、わかりやすいですしね。この目印がまた逢わせてくれますよ。きっと」
私はにっこり笑って彼女と別れた。そして同時にイヤリングを渡した三人のことを思い出していた。
(また逢えるといいですね……)
それからまた月日は流れ、今の世界の常識を覆す存在。男性IS操縦者。『織斑一夏』の発表があった。
原作キャラの登場です!
過去捏造万々歳。
更識楯無、簪、布仏虚、凰鈴音
の登場です。
そして次回、イチカ表世界に登場!