イチカと一夏の物語   作:コクトー

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タイトルに深い意味合いはありません


鈴「!?」


イチカと一夏と鈴の音

 

 

鈴side

 あたしはただ寮の廊下を走っていた。なによあのバカ!信じられない!あたしの一世一代のプロポーズを忘れるとかありえない!

 

 走るとき、耳のイヤリングが揺れる。どうしてあの時を思い出すのよ…もう会えない。一目惚れも一時の気の迷いだ。もう会うことはない。そう言い聞かせて…嘘までついて諦めたはずなのに…。

 

ドンッ

 

 誰かにぶつかった。あたしはそれが誰なのかはわからない。でも今はただ泣きたかった。

 その人の服をぎゅっと掴み胸に顔を埋める。意外にも胸板がしっかりとしていた。もしかすると国の偉いおっさんたちがいっていた二人目かもしれない。名前はなんと言ったか?顔写真すらなかった。

 

「ヒック……グス…」

 

 あたしの涙で その人の制服が濡れる。悪いとは思う。でもおさえられない。

 

 あぁなんであの時を思い出すのだろう。走ってる最中も何度となく頭に浮かんだ。

 

 突然あたしがつかんでる相手がそっとあたしを抱き寄せた。そして背中を軽くたたく。あぁあの時と同じだ。

 

 あたしは目の前と記憶がごっちゃになる。たしかあの時はこういってくれたんだっけ…

 

 

「『もう大丈夫ですよ。安心してください。思う存分泣いていいですよ』」

 

 

「う…う…うわぁぁぁああああん……」

 

 なぜこの人は全く同じ台詞を言うんだろう。涙が止まらない。止められない。だめだとこらえようとも思えない。あの人と、あの時と同じ。今はたまったものを全部出してしまいたい。

 

 

 

 それからしばらく、あたしは廊下だということも忘れ、その人の腕の中で泣き続けた。

鈴sideout

 

 

イチカside

 私たちは夕飯を終え、部屋に戻ろうとしていた。

 

「美味しかったですね。作り方を習いにいきましょうか…」

 

「兄さん、私がつくってあげます」

 

「わ、私も」

 

「ありがとうございます。二人は料理が上手ですからね。楽しみです」

 

 マドカはもとより、最近知ったのだが簪も実は料理がうまい。楯無さんのように炭を作り出すなんてことはしないのだ。

 

 そのとき、前から誰かが走ってきた。なにやらただならぬ様子だ。

 

「む、走ると危ないぞ」

 

「なにかあったので」ドンッ

 

 その少女は私にぶつかると制服を掴み、胸に顔を埋め始めた。

 

「ヒック……グス……」

 

 それからすぐに泣き始めてしまった。なぜ!?えぇと、こうゆうときは…

 私はそっと彼女を抱きしめ背中を軽くたたく。以前にもやった動きだ。まぁ状況がまるで違いますけど。

 

「もう大丈夫ですよ。安心してください。思う存分泣いていいですよ」

 

 二人からの視線がきつくなるが気にしない。今は目の前の彼女を慰めるのが先決だ。

 

「う…う…うわぁぁぁああああん……」

 

 本格的に泣いてしまった。失敗したか!?とりあえず私は背中を優しく叩き続けた。

 

 それからしばらくして彼女は泣き止み、制服を離してくれた。

 

「おや、泣き止んだようですね。よかったです」

 

「兄さん、手慣れてましたね?まさかみんなにやってるんじゃ…」

 

「いやいや。以前にはイヤリングの子にしかやったことありませんよ!」

 

「……イヤ…リング?」

 

「あっ耳…」

 

 簪が気付き見つめる先には黄色の星の形のイヤリングが揺れていた。

 

「兄さん…」

 

「グレン…」

 

「?」

 

 さっき関係ないっていってたじゃん!とジト目をむける二人と事情がわからず離した制服を掴み直す少女。

 

「お久しぶりですね。覚えてますか?」

 

 頭をなでながら話しかける。

 彼女はまだ若干目に涙を残しながらくいっと上を向く。そして私の顔を見たとたん、みるみる顔が赤くなっていく。男に抱きついてたのが恥ずかしいんですかね。

 

「あああああ、あんた……!!?」

 

「イチカ・グレナディーンです。一年ぶりといったところですかね」

 

 彼女は今の自分の状態に気付きぱっと離れる。

 

「ななななんでここに!?」

 

「おや?知りませんか?二人目の男性IS操縦者ってことになってますが」

 

「顔写真は公開されてないから知らないと思う。私たちは姉さんが調べてきたから知ってたけど」

 

「あの人はなんでもありですか?それより、何かあったのですか?」

 

「そ…それは…」

 

「立ち話もなんですしなんだ。部屋にいこう。簪いいか?私の部屋ではなんだしな」

 

「うん、いいよ」

 

「えっ、あの」

 

 マドカが私と彼女の手をつかみ部屋に引っ張る。簪はどこかに連絡している。楯無さんかな?

 

 そして部屋に入り、お茶を用意して座った。彼女も大分落ち着いてるようだ。

 

「えっと、まずは自己紹介だな。私はマドカ・グレナディーンだ。訳あって兄さんの家族になった」

 

「更識簪です。簪でいいよ?」

 

「私は凰鈴音。鈴でいいわ。さんとかはいらない。それで…あんたがあのときの男なの?」

 

「あのときというのが不良に絡まれてたときを指すなら私ですね。証拠としてはこれですかね」

 

 私は耳にあるイヤリングを見せる。

 

「間違いないわね…」

 

「ちなみに私たちも兄さんからイヤリングをもらっている。他には5人だな」

 

 それぞれのイヤリングを見せる。鈴はそれをじーっと見る。

 

「まさか全員ここに揃うとは予想外でした」

 

「兄さん、スコール姉さんたちにも説明しないとダメですよ」

 

「あ、あのさ、全員ってどうゆうこと?」

 

「私は合計7人にイヤリングを渡したのですが渡したかた全員IS学園にいるんですよ」

 

「私とスコール姉さんたちは兄さんが連れてきたのだがな」

 

「ふーん。そういえば家族ってどうゆうこと?マドカは千冬さんにそっくりだし…」

 

「私の本名は織斑マドカだからな」

 

「えぇぇぇええええ!!???」

 

「親に連れられてテロ組織にいてな、組織に裏切られたところを兄さんに救われて兄さんの家族となったのだ。姉さんたちも同じだな」

 

「織斑って一夏の兄妹!?元テロリスト!?」

 

「元兄妹だ。今は兄さんの妹だからな」

 

 マドカが胸を張る。いやどこに胸を張る要素があったんでしょうか?

 

「兄さんは私たちが何者だろうと受け入れてくれたからな」

 

「てか家族ってつきあってんの?」

 

「いえ、名前を変えただけですよ」

 

「あぁ。襲ったりはするがつきあってはいない。だがいすれはそうなるかもな。あっ私は兄さんならハーレム大歓迎だぞ簪」

 

「はひゃ!?」

 

 なんかすごい可愛い声が出ましたね。録音しておけばよかった…。

 

「わ、わたしは…えっと…その」

 

「私は構いませんよ。ただ家族となると今の立場ではいられなくなりますが…」

 

「無国籍だっけ?」

 

「それもありますがIS委員会やら世界各国やらに反発してますからね。狙われないように守ります」

 

「あたしは別に今の立場に執着ないし…」ボソッ

 

「?」

 

 うまく聞こえませんでしたね。マドカがにやにやしてますからなんとなく想像できなくもないですが。

 

「それより、なんで泣いてたの?」

 

「!!それは…」

 

 プルプル震え出す鈴。言い辛いのかな?

 

「あのバカ!信じられないのよ!」

 

 あっ怒りをためてただけですね。

 

「あたしがせっかく勇気を振り絞ってしたプロポーズを覚えてなかったのよ!」

 

「それは…」

 

 一夏さすがと言いたくなりますね…。

 

「一夏のことが好きなのか?」

 

「初恋だったのよ。そのあと一目惚れしたけどもう会えないってことで忘れたらまた一夏が好きになったの。ってあ…」

 

「ほぅ兄さんに一目惚れしたのか~」

 

「鈴大胆」

 

「喜んでいいのでしょうか?それとも忘れられたのを嘆くべきでしょうか?」

 

「~~~~~!!!」

 

 鈴が声にならない声で叫ぶ。

 

「今のなし!わ、忘れなさい!」

 

「でもそれは昔なのだろう?今は一夏が好きと。違うか?」

 

「そ、それはそうだけど…」

 

 チラチラとこちらを見てくる。なんか恥ずかしくなってきますね…。

 

「そ、それで織斑君と喧嘩したの?」

 

「うっ」

 

「一夏の鈍感はすごいですからね」

 

「はぁ。なんでこうなったのかな…」

 

「まぁ今はいいじゃないか。それより、はじめてあった時の兄さんはどうだったのだ?簪は私たちよりかなり前だろう?」

 

「まだ小学生だったからね。なんかこう…可愛かった」

 

「ほんと!?うわぁ見たいなぁそのグレン。写真ないの?」

 

「あいにく私があった頃からのはラボにあるがそれ以前のものはないのだ」

 

 そんな感じで私はほったらかして女子トークが始まった。自分の小さい頃を客観的に語られることがこんなに恥ずかしいなんて…。

 私は布団に潜り夢の世界へと逃げ込んだ。

イチカsideout

 

 

 

 

一夏side

「いーちか」

 

「ん?鈴か?どうかしたか?」

 

 セシリアたちと訓練をしていると鈴が来た。機嫌なおってるみたいだな。

 

「ねぇどう?」

 

「なにがだ?」

 

「反省したかって聞いてるのよ。あたしを怒らせて悪かったな~とか仲直りしたいな~とか」

 

「別に?」

 

「…なによ。あんた女の子がほっとけって言ったらほんとにほっとくの!?」

 

「おう」

 

 言われたとおりにすることのなにが悪いのだろうか?

 

「なんか変か?」

 

「変かって…ああ、もうっ!謝りなさいよ!」

 

「なんでだよ。約束ちゃんと覚えてただろうが」

 

「約束の意味が違うのよ意味が!」

 

「説明してくれたら謝るっつの」

 

「説明したくないから来てるんでしょうが!」

 

「なんだよそれ」

 

「じゃあこうしましょう。今度のクラス代表戦で勝った方の言うことを負けた方は一つきく」

 

「いいぜ。勝ったら教えてもらうからな!」

 

「説明は…その…」

 

「なんだ?やめるならそれでもいいぞ?」

 

「誰がやめるのよ!あんたこそ謝る練習してなさいよ!」

 

「なんでだよ馬鹿」

 

「馬鹿とはなによ馬鹿とは!この朴念仁!間抜け!アホ!馬鹿はあんたよ!」

 

 むかついてきた。

 

「うるさい、貧乳」

 

ドガァァァァアアアアアン!!

 

 地面にクレーターができた。ヤバイ!

 

「すまん、今のは俺が悪い」

 

「今の『は』じゃないわよ!今の『も』よ!いつもあんたが悪いのよ!」

 

 むちゃくちゃだが反論できない。

 

「少しは手加減してあげようと思ってたけどもう頭きた。こてんぱんにしてあげるから覚悟しなさい!」

 

鈴はそのままピットに帰っていった。まずいな…

一夏sideout

 

 

 




どうもコクトーです。


ついに再会!!!
なぜか出てから時間がかかりましたがようやく再会を果たしました!
今後鈴ちゃんはどうなってしまうのか!?
誰にもわかりません。
当然自分にも!




作者に対する不安がたくさんですが
ではまた次回
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