イチカと一夏の物語   作:コクトー

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イチカと一夏じゃない視点

 

 

セシリアside

今まさに試合をしていたアリーナに突然現れた謎の機体。わたくしはモニタールームでそれをみていました。

 

「あれは?」

 

「IS…?」

 

 はじめはなんなのかわからなかった。ですが、あらたに四機入ってきたことで状況が一変しましたわ。

 

「山田先生、避難連絡を!」

 

「は、はい!」

 

 山田先生が一夏さんと鈴さんのお二人に連絡をいれる。ですが、一夏さんがそれを断った。なにをやってますの!?

 そのまま通信も切れてしまった。

 

「もしもし、織斑くん聞いてます!?凰さんも!聞いてますー!?」

 

 かなり慌ててらっしゃる山田先生。

 

「本人たちがやると言ってるのだからやらせてみてもいいだろう」

 

「お、お、織斑先生!何をのんきなことを!」

 

「糖分がたりんのだ。コーヒーでものめ」

 

「先生、それ……塩…ですわよ?」

 

 ピタッと動きが、とまる。

 

「…………なぜ塩がここにある」

 

「さ、さぁ?」

 

「……山田先生、どうぞ。一気にのむといいですよ」

 

「そんなことしたら死んじゃいますよ!もうそれ塩の飽和水じゃないですか!」

 

「どうぞ」

 

「いやだから!」

 

「ど う ぞ」

 

「…………はい」

 

 なにやらコントを見せられてるようですわね…といけないそれより!

 

「先生!わたくしにISの使用許可を!」

 

「まぁ待て」

 

「ですが!」

 

「そうしたいところだが、これを見ろ」

 

「遮断シールドがレベル4に設定?しかもすべての扉がロック!?」

 

「被害を考えれば幸か不幸かわからんがマドカが扉を破壊して誘導してるため生徒の避難は進んでいる。しかし、後ろのISは誰のだ?この学園の生徒ではないだろう?学園の専用機持ちは全員把握している」

 

「あわわわ…二人は聞いてないし、グレンくんは避難指示を自分で出して自身はあのISと戦ってるし…私はどうしたら~…」

 

 山田先生の慌て方が激しくなってきましたわ。

 

「あれ?篠ノ之さんはどちらに?」

 

 そこにいた全員が慌てたり動揺したりと平常時とは違う様子だったからか、わたくしたちはその場からいなくなっていた一人に誰も気づいていなかった。

セシリアsideout

 

 

簪side

 私はマドカと一緒に生徒の誘導をしていた。

 

 突然謎の機体の乱入。グレンが危惧していた通りに起こってしまった。グレンもこんな嫌な予想は当ててくれなくていいのに…。

 

「こっちです!慌てないで!」

 

 精一杯声を張り上げ指示を出す。その時、一人どこかに走る姿を見つけた。

 

「あれは…篠ノ之…さん?」

 

 私は彼女のあとをおった。彼女は非難する方向とは逆の方へと走っている。今放っておくのはまずい。

 

 が、生徒が多くいることや案内をしながらということもあり、姉ほどではないが『更識』の家で鍛えている私でもなかなか追い付けず、彼女は放送席に入った。そして中から二人の悲鳴がした。

 

「大丈夫!?」

 

 慌てて私も入ると、放送係の生徒が二人血を流して倒れていた。そして篠ノ之さんの手には木刀。なにがあったのか即座に判断できた。

 

「篠ノ之さん!なにをやって」

 

「一夏!男なら、男ならそれくらいどうにかできないでどうする!」

 

 彼女は放送室の一番奥、つまりアリーナから一番よく見える場所まで行き叫んだ。

 

 バカなの?私はそう感じた。この状況で篠ノ之さんがやってることはすべてマイナスにしかならない。無抵抗な生徒二人を傷つけ、無防備で敵の前にたち、目立つ行動をとる。ほんとになにをやってるんだろう?

 

「篠ノ之さん、早く逃げて!」

 

 私は腕をつかんで引こうとする。が、それが払われた。

 

「何をするんだ!」

 

「こっちの台詞!早く逃げないと!」

 

「私は私のできることをするだけだ!」

 

 それが逃げることじゃない。それすらも判断できないのだろうか?

 

 私はISを展開して無理矢理でも引こうとする。が、ハイパーセンサーがとらえたのはこちらにレーザーを撃とうとする謎のISだった。

 

「箒ぃぃいいい!逃げろおぉぉお!!」

 

 織斑君の叫びが聞こえる。なんで叫んでるの?それより早くあれを止めてよ。なんでせっかく突撃態勢とったのにやめちゃうの?なんで『剣』を下しているの?

 

わからない。

 

 そして無情にもアリーナのシールドを撃ち破るレーザーが発射された。

 

 私は咄嗟に篠ノ之さんをかばう。

 

(お願い。もって、打鉄弐式!)

 

 この打鉄弐式は完成した機体ではない。武器もまだだしマルチロックオンシステムもできていない。しかし、それもあと少しというところまではきていて、あとはプログラムを打ち込むだけ。ただ、機体自体はほぼできている。シールドも問題はない。

 

 しかし、私の願いは届かなかった。

 機体は壊れ、後ろの壁に叩きつけられた。

 流れ出る血を感じながら、私は意識が薄くなっていった。

 

「簪!」

 

 グレンがきた。あぁ、やっぱり私のヒーローなんだな…。でも…もう…

 

「簪!絶………やる!『……全!』」

 

 優しい光に包まれる感覚があったあと、完全に意識を失った。

簪sideout

 

 

 

鈴side

 私たちはグレンが切り刻んだISをただ呆然とみていた。ハイパーセンサーを使っても私がグレンに気づいたのは既に切り刻んで放送席に向かった後だった。グレンはそこまですごいのか、と思い愕然としたが、それ以上に驚愕だったのは一夏の言葉だった。

 

『箒!……よかった(・・・・)。無事みたいだ』

 

 無事?簪は?あの場にいた放送係の生徒は?疑問が駆け巡る。私の知る一夏なら…。そう思ってしまったらもう確かめずにはいられなかった。

 

「ねぇ一夏、簪は無事だと思う?」

 

「ん?ISつけてんだから平気じゃないのか?箒は専用機持ちじゃないしわかんなかったけど、何とか無事みたいだな」

 

 ISがあるから平気だって?あたしが試合前にいった絶対防御は完全じゃないという言葉を忘れたのだろうか?さんざん喰らった衝撃砲のダメージも。

 アリーナのシールドを破るほどの威力。それを食らって無事なはずがない。あたしの頭には嫌な予感しかなかった。

 グレンも同じだったのだろう。だからすぐにあそこへ行ったのだ。

 

「ねぇ一夏、なんであそこで突撃やめたの?すぐにやってればレーザーを撃つ前に倒せたんじゃない?」

 

 一夏の心を確かめる。はっきりいって辛い。今まで信じてきた人を疑うのだ。だが、目の前にいる男は本当にその人なのか。わからなくなっていた。

 

箒が(・・)あんな危ないとこにいたらつい心配してそっちむいちまうだろ」

 

 箒が…ねぇ…。あたしは一夏のことがなんとなくわかった気がした。まだ確信はないけど、一夏は自分の味方(・・・・・)が心配なのだと。

 

「いいわ。ピットに戻ってて、あたしはグレンの方見てくるから」

 

「おう」

 

「あとさ一夏、約束なんだけど」

 

「そういやこれ中止だよな?どうする?」

 

「やっぱあれなかったことにしてくれない?」

 

「ん?なんでだ?」

 

「えっと…」

 

 顔が赤くなるのを感じる。

 

「この一年で大事なことを見つめ直せたから…かな」

 

 あたしはグレンの元へ向かう。若干光が見えた。でもそれはほんの数秒のことだ。気のせいだろう。

 

 放送席につくと、そこでは二人の生徒と箒、そしてグレンか服がボロボロになった簪の前で倒れていた。

 

「グレン!簪!」

 

 慌てて脈を図る。安定していた。よかった。でも妙だ。簪は服がボロボロなのにもかかわらず怪我も傷も一つもない。他の二人も同様だ。

 

(グレンがなにかしたのかな?)

 

 そんなことを思いながら先生方に連絡を取りすぐに意識が戻った箒以外の三人を保健室に運んだ。

 

 

 その後あたしは箒に詰め寄っていた。

 

「箒、あんた何やったのかわかってるの!?」

 

「私は私のできることをしただけだ」

 

「できることって…他の生徒を危険にさらすことがあんたにできることなの?」

 

「うるさいうるさいうるさい!簪も貴様も!私は手間取っていた一夏の激励をしただけだ!」

 

「あんた…………もういいわ」

 

 あたしは箒をおいて保健室に向かった。

鈴sideout

 

 

 

 

 

 




どうもコクトーです。

今日はこっちの更新ですね。明日はハイスクールDQMかな?
今回、三人ほどの視点でお送りしました
イチカも一夏もちょっと話したくらいになってますが…

さて、今後どうするかな…




ではまた次回
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