一夏side
「お引っ越しでーす」
「「は?」」
ある日の夕食後突然現れた山田先生の言葉に二人ともポカンとした顔になった。
「先生、主語をつけてもらわないとわからないのですが」
「あっごめんなさいね。部屋の都合がついたので篠ノ之さんはお引っ越しです!」
「えっ!?そ、それは今からですか?」
「はい。お手伝いしますよ?」
「いや、私は」
「俺のことなら心配するなよ。箒がいなくてもちゃんとできるさ」
あれ?箒の雰囲気がかわった?
「先生今すぐ移ります」
「あっはい」
「俺も手伝おうか?」
「いらん!」
それから数分後、荷物をまとめ終えた箒はでていった。
突然一人になった俺は、部屋がやたら広く感じていた。まぁ単純に二倍だからな。そう感じるわな。
「あー一夏、いるか?」
「ん?箒か?忘れ物か?」
「いや、その…」
「そんなとこにいるのもなんだし部屋はいったら?」
「いや、ここでいい」
扉の前に陣取ったまま箒は言い放った。
「今度のトーナメントで優勝したら、付き合ってもらう!」
「は?」
それだけ言って箒は自分の部屋に戻っていった。なんだったんだ?
「聞いた?」
「うん!」
「いいこと聞いちゃった♪」
それを聞かれていたことで後にとある噂が流れることになるのだが一夏は知るよしもなかった。
一夏sideout
イチカside
「ようやく完成しました……」
「あらグレン、やつれてるわね?」
「グレン、大丈夫か」
「休憩とらねぇとそのうちポックリいっちまうぞ?グレン」
私がふらふらになりながらラボの部屋から出ると、リビングでくつろぐ5人がいた。
「兄さんようやく簪の機体完成ですか?」
「私のプログラム役に立った?」
以前壊れてしまった打鉄弐式に代わり、簪がグレンの家族になったということで新たな機体を作っていたのだ。簪にもプログラムを頼んでおり、共同開発というかたちになった。
「はい。とても役立ちました。おかげでプログラムをつくる時間が減りましたし。ニーナの『レイミア』より早くできました。早速試運転しますか?」
「うん」
「じゃあ地下にいきましょう。オータム、手伝ってください」
「あいよー」
軽くパンをつまみ、私たちは地下へ降りた。
「これが簪の専用機『打鉄発式』です!」
「これが…」
「あっはっは!打鉄の面影ゼロじゃねぇか」
そこにあったのは水色をベースとした機体。全身の至るところにビームミサイルの発射口を搭載しており、オータムのいった通り打鉄の面影はまったくない。
「ちなみに、マルチロックオンシステムとビームミサイル搭載の中距離特化型機体です。近接武器は以前と同様『夢現』がつんであります。あと新たに開発した『夢幻』も積みました。遠距離はビームマシンガン、荷電粒子砲ですね。ビームは太陽光または空気をエネルギーに変換する機械が量子化してあって弾切れとは無縁になってます。『山嵐』三連発とか余裕ですよ」
「おそろしい機体だな。私の『アラクネⅡ』が霞んで見えるぜ」
「オータムは機体の性能差を気にしないだけの技術と応用力がありますからね。下手に武装にこだわるよりシンプルな方がいいんですよ」
「お、おう」
恥ずかしいのか少し顔を赤くして返事をするオータム。
「ではまずは
「うん。おいで『打鉄発式』」
簪がISをまとう。私はケーブルをつないだパソコンで何かを打ち込んでいく。
「これでよしと。簪、少し歩いて感覚を確かめてから飛んでください。何かを不具合とか感覚が変だとかあったらいってください」
「わかった」
簪が言われた通りうごく。
(すごい。イメージ通りに動く…)
「なにもありませんか?」
「うん。大丈夫」
「たぶんあと2分くらいで一次移行するのでそのまま感覚を慣らしてください」
そして5分後、グレンの言った時間よりは遅れたものの、打鉄発式は一次移行した。
「いいですね。では次は武装です。オータム、全部避けてください。簪、近距離、遠距離、中距離の順に武器を試してください。狙いはオータムです」
「え?いいの?」
「遠慮すんなよー。私は並みの動きじゃ当たらねぇぜ」
それから次々と武器を試していく簪だったが、そのすべてをかわされた。時にアラクネⅡの作り出す糸でずらしたりしながらも、オータムの被弾はゼロだ。笑顔で軽々とかわしてしまうオータムを見て、簪も少しいらだっていた。
「最後ですね。山嵐を好きなだけ連発してください。あっ『アラクネⅡ』がエネルギー切れたらとめてくださいね?」
「大丈夫だよグレン。私には当てられねぇよ」
「……五連『山嵐』」
山嵐。それは簪が打鉄弐式の時に開発した第三世代兵器。マルチロックオンシステムによって自動的にロックオンした48の追尾ミサイルが同時に襲うというもの。
五連山嵐、つまり48×5。240のビームミサイルがオータムを追尾する。
「は?ちょっ!これは洒落になんねぇよ!」
糸で盾を作ったりミサイル自体を攻撃して打ち消しながらオータムは逃げ回った。途中でむきになった簪が遠距離から荷電粒子砲を使いだし、オータムはミサイルの雨に降られた。
「すっきり」
「すっきり。じゃねぇよ!あれは反則だろ!つかなんで荷電粒子砲使ってんの!?よけれねぇよ!」
「ははは、さすがにやりすぎましたかね?」
「やりすぎだ!」
「大丈夫。試合で五連なんか使わないから」
「じゃあなんで私には使ったんだよ!あーもう!グレン、後で付き合え!」
「はいはい。簪、問題はありませんでしたか?」
「うん。大丈夫だよ」
「ではこれからはここで訓練してもらいます。さすがにこれをアリーナでやるのはまずいですしね…」
「メニューはスコールに聞けよ?グレンに聞くと疲れ果てるぞ」
「そんなことないですよ。現に私は倒れません」
「体力底無しだからなグレンは!まったく、そのせいで何回気絶したことか…」
最後の方が小さくなってたけどばっちり聞こえた。そんなに多くないと思うのにな…。
「今日は休みですからくつろいでてください。明日から始めますよ」
「うん」
「グレン、部屋にこいよ」
「わかりました」
それから思い思いに休日を満喫した。
イチカsideout
一夏side
「で、楽園での生活はどうだ?」
「は?」
突然昔からの親友、五反田弾が尋ねた。今日は休日。そこで家の様子見のついでに弾の家によったのだ。
「とぼけんなって。女の園での生活はどうだって聞いてんだよ」
「なんだよ女の園って。うーん、あっ鈴が来たぞ。喋り相手増えて助かったわ」
「へぇーほぉー」
なんかにやにやしてる。
「なんかキモいぞその顔」
「うっせ。招待券ねぇの?」
「あー学園祭のときならこれるぞ。チケットいるか?」
「くださいませ一夏様!」
「まだねぇよ。まぁきたら渡すわ」
「ありがとう!やっぱ持つべきは友だな!」
「なんだよそれ?」
突然部屋のドアがあく。
「ちょっとお兄!昼飯できたっていったじゃん!いつまで待たせんの…って、いいい一夏さん!?」
「お、蘭、ひさしぶりだな。邪魔してるぞ」
弾の妹の五反田蘭が入ってきた。一個下で私立の中学に通う優等生。兄とは違うなうん。
それにしても女子は家だとみんなこうなのだろうか。タンクトップにショートパンツと、ずいぶんラフな格好だ。
IS学園でも女子は大体こんな感じで、視線のやり場に困る。まぁもうなれたけどな。
「い、一夏さんきてらっしゃったんですね。ぜ、全寮制の学校って聞いてたから…」
「あぁ。今日は休日だからな。家の様子見ついでによったんだ」
「おい蘭、お前なあノックくらいしろよ。恥知らずな女だと思われ…」
ギンッ!蘭の視線が弾を貫いた!
弾は縮んでしまった。わかりやすい力関係だ。
「なんで言わないのよ」
「あれ…いってなかったか?ははは……」
「あの、一夏さん、よかったら昼食ご一緒しませんか?まだでしたらぜひ」
「おっそうしようかな。弾いこうぜ」
「あぁ」
それから弾のじいさんである五反田厳さんの作った、五反田食堂鉄板メニュー『業火野菜炒め』をおいしくいただいたり、弾の頭にお玉が飛んで来たり、蘭がIS学園を受験すると言い出したり、弾がお玉で殴られたり、無料でやってもらったらしい蘭のIS判定が実はA判定だったり、弾がお玉で殴られたり、弾がお玉で殴られたりしたが楽しい時間を過ごせた。
家に帰って片付けをして、いるものを持ってIS学園に戻った。さて、明日からも頑張りますか!
一夏sideout
どうもコクトーです
ハイスクールDQMの方にかまけて遅れてすいません
日常回です
簪の機体の名前は『打鉄発式』にしました
基本的には原作の打鉄弐式と同じで、ミサイルの代わりにビームミサイルがつんであります
ハイスクールDQMでも言いましたが、4作目となる小説を執筆中です
原作ハイスクールDXD
「半分だけが人間です」
まだまだ先になるかと思いますがよかったら読んでやってください
この小説の方もゆっくりですが進めていきますので気長にお待ちください
次回からシャルラウのあたりに入れるかな?
ではまた次回