一夏side
「ねぇISスーツどこのにする?」
「私はハヅキ社のかな~」
「ハヅキ社のってデザインだけじゃん」
「そのデザインがいいんじゃん!多少高くなるけどそれでもいいと思えるだけのデザインがある!」
「そういえば織斑くんとグレンくんはどこのなの?」
女子のISスーツの話から俺らの話に変わった。
「俺のはどこかの会社のやつをモデルにしたオーダーメイドって聞いてる。千冬姉から受け取ったからいまいちわかんない」
「私のもオーダーメイドですよ」
グレンのもそうなのか。まあ男のためのを作っても正直意味ないしな。二人しかいないし。
「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、ISはそこで必要な動きを行います。また、スーツは耐久性にも優れ、一般的な小口径拳銃の銃弾程度なら完全に受け止めることができます。あ、衝撃は消えませんのであしからず」
すらすらと山田先生が説明しながら現れた。
「山ちゃん詳しい!」
「一応先生ですから。……って山ちゃん?」
「山ピー見直した!」
「今日が皆さんのスーツ申込み開始日ですからね。予習はばっちりしてあるんです。えへん。……ってや、山ピー?」
山田先生は教師陣の中で一番といっても過言ではないほど親しみやすく、生徒からの人気も高い。そのためなのかはわからないがあだなが既に8個くらいついている。
「あのー先生をあだ名で呼ぶのはちょっと~」
「えーいいじゃんいいじゃん」
「まーやんは真面目だな~」
「まーやんって…」
「マヤマヤのほうがよかった?」
「それとも前のヤマヤに戻す?」
「それだけは絶対にやめてください!!」
なんか異常にこのあだ名を拒む。なんか過去にあったのかな?
「と、とにかくですね、きちんと先生を付けてよんでください!」
はーいと元気な声が上がるが絶対に聞いてないな。今後も山田先生のあだ名は増加していくことだろう。
「諸君おはよう」
「お、おはようございます!」
千冬姉が教室に入ってきた。そのことにより騒がしかった教室はどこぞの軍隊のようになった。さすが千冬姉。
「本日より本格的な実戦訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業となるので各人気を引き締めるように。各人のISスーツが届くまでは学校指定のものを使うので忘れないようにな。忘れたものはかわりに学校指定の水着で受けてもらう。それもないものは、まあ下着で構わんだろ」
かまうわ!俺らいるの忘れてないか?クラスのみんなもそう思ってるはずだ。さすがに下着はまずいだろ。下着は。
ちなみに専用機持ちは『パーソナライズ』をしておけば普通の服のまま展開してもISスーツにかわって展開される。まあエネルギーを消費するので緊急時以外は普通に着替えてから展開するんだけどな。
「では山田先生ホームルームを」
「はい。みなさん!今日は転校生を紹介します!」
「「「「転校生!?」」」」
「はい。しかも二人ですよ!二人!」
噂好きの女子高生たちの間で何も情報が出回ることなく突然現れた転校生にクラスはざわついた。
てゆうか普通ばらけさせるもんじゃないか?なんでうちのクラスに二人なんだろう?
「では、入ってください!」
「失礼します」
「………」
教室の前の扉が開き二人の転校生が入ってきた。
一人は黒い眼帯をした銀髪の少女。周りと比べて背は小さいものの、雰囲気は軍人のそれで近寄りがたい感じがあった。
しかし、問題はもう一人の方だ。
短く濃い金色の髪で中世的な顔立ちの……
「どうも、本日からお世話になるシャルル・デュノアです。同じ境遇の人がいると聞いて本国から転入しました」
シャルルはやわらかい笑顔で言った。
「き、きゃぁぁぁぁぁあああああああああ!!!」
その転校生の男子を見てクラスの女子からソニックブームが発せられた。耳が痛い…。
「男子!3人目!」
「しかもうちのクラス!」
「美形!守ってあげたくなる系の!」
「地球に生まれてよかった~~!」
「あー騒ぐな。静かにしろ。まだ終わってないだろ」
「そうですよー。もう一人いますからね」
皆の視線がもう一人の転校生に向く。
「………」
「あの~」
「ボーデヴィッヒ、挨拶をしろ」
「はっ教官!」
「今はもう教官ではない。織斑先生と呼べ」
「了解しました」
そう答えるラウラは敬礼をする。
どう考えても千冬姉がドイツにいたころの関係者だよな。
千冬姉は俺が誘拐されたときに情報をくれたのがドイツ軍だったということでドイツに教官をしに行っていたのだ。出張としか聞いておらずそれをしったのは帰ってきてからだけど。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「………」
沈黙が場を支配する。みな続く言葉を待っているのだが、名前だけ告げてラウラは口を閉ざしてしまった。
「あ、あの、以上……ですか?」
「以上だ」
耐えられなくなった山田先生がラウラに尋ねるが、ラウラは結局それ以上言うことはなかった。みんなえーって顔してるじゃねえか。
と思っていると、ラウラがこちらに歩いてきた。
「!貴様が―――」
ん?どうかし
バシンッ!
いきなり頬を殴られた。無駄のない動作から放たれた平手打ち……っては?
「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」
混乱が収まると、今度は頬に痛みが来る。痛え。
「いきなりなにしやがる!」
「ふん…」
そのまますたすたと歩いていきやがった。つか無視かよ?無視はねえよ無視は。コミュニケーション能力ゼロかよ。
「あーごほん!ではHRを終える。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合今日は二組と合同でIS模擬訓練を行う。デュノアは織斑、グレンお前らが面倒見ろ。同じ男だろ。解散!」
千冬姉が無理やり終わらせた。まだ納得はいかないがそんなことをしている場合じゃない。IS学園では生徒は教室で着替える。そのためここに残っていてはまずい。
そのため俺たちはアリーナの更衣室に移動しなければ内らない。
「君が織斑君?初めまして、僕は」
デュノアがあいさつをしてくるが今はそれどころじゃない。
「ああ、いいから。とにかく移動が先だ。女子が着替え始めるから。男子は空いてるアリーナの更衣室で着替えなんだ。実習のたびにこうだから早めに慣れてくれよな」
俺はデュノアの手をつかんで教室から出る。後ろからグレンも来た。急がないとな。
一夏sideout
イチカside
一夏と転校生のデュノアさんの後について教室を出た。この実習の度の移動は正直面倒くさい。まあ女子と一緒に着替える気はありませんから仕方はないんですが…。
「トイレか?」
「ち、違うよ!」
一夏が突然わけのわからないことを言い始める。
「そうかそれは何より」
階段を勢いをそのままに駆け降りる。速度を落とすわけにはいかない。
「ああ!転校生発見!」
「三人そろってる!」
「みてみて、手つないでる!」
HRが終わった。それが意味するのはただ一つ。
「いたっ!こっちよ!」
「者ども出会えい出会えい!」
ほかのクラスや他学年の生徒まで現れるということ。
「まずい!囲まれんぞ!グレン!」
「ですね。どうしましょうか」
「織斑君の黒髪やグレン君の赤色もいいけど金髪もいいわね」
「しかも瞳はエメラルド!」
「日本に生まれてよかった!ありがとうお母さん!今年は河原の花以外をあげるね!」
いや今年以外もちゃんとしたプレゼントをあげましょうよ。私はあげるなんてまったくありませんでしたが。
「ねえ、なんでみんな騒いでるの?」
「そりゃ俺たちしか男がいないからな」
「騒ぎたくなるのも当然でしょう。迷惑でもありますが」
「?」
「いや普通に珍しいだろ。ISを使える男子って俺たちだけなんだからさ」
「……あ、ああ!うん、そうだね!」
ようやく納得した様子のデュノアさん。
「それとあれだ。この学園の女子って男子と極端に接触が少なかったからウーパールーパー状態なんだよ」
「ウー…?」
「20世紀に日本で流行った生き物ですよ。知りませんか?」
どうやら知らないようで頭を傾ける。
「やべ、囲まれた」
気づくと前にも後ろにも女子がいっぱいいた。こうなったら…。
私はこっそりと窓辺に近づいて窓を開ける。そしてデュノアさんの手を取る。
「一夏、すいません」
「え?」
私はデュノアさんごとステルスで消える。そして窓から飛び出る。
「えぇぇぇええええ!?」
「その手があったか!!」
「大丈夫ですよ。このままISで飛んでいきます」
ステルスのまま私たちは更衣室へ向かった。
一夏を残して。
「あれ?グレン俺は?」
そうつぶやく一夏の視界に、もう私たちはいない。申し訳ありませんが一夏には犠牲になってもらいました。
「織斑君はいいの?」
私の腕の中でデュノアさんが尋ねる。今はいわゆるお姫様抱っこの状態だ。
「ええ。一夏はあれくらいじゃくじけません。それより、私はイチカ・グレナディーンといいます。グレンと呼んでください」
「う、うん。僕もシャルルでいいよ。よろしくグレン」
「よろしくお願いしますシャルルさん」
その後校舎の方から『ちくしょーぉぉぉおおおお!!!』という叫びが聞こえてきましたがキニシマセン。
イチカsideout
どうもコクトーです
ようやく出せたシャルラウコンビ!
なんか難しいんだけど!!?
さて彼女たちの扱いはどうしよう…
案はいくつか考えてるんですが…まとまらない…
のんびりですが進めていきます
ではまた次回