さすがにところどころは変わってるよ?
もちろん
イチカside
「紅茶だ。熱いから気をつけて飲めよ」
「あ、ありがとう…」
「ありがとうございます」
あれから一夏を何とか黙ら…もといOHANA…じゃなくてお話によって私たちにそっちのけはないということを分かってもらって私たちはベットに座って沈黙を保っていた。
話をしようにも誰も切り出そうとしない。
「あ、あのさ、シャルルはその…なんで男のフリなんかしてたんだ?」
沈黙に耐えきれなくなった一夏が話を始めた。
「それは、その……実家のほうにそうしろって言われて…」
「実家?実家というとデュノア社の」
「うん。僕の父がそこの社長。その人からの直接の命令なんだよ」
「命令って、親だろう?なんでそんなこと」
「一夏、僕はね、愛人の子なんだよ」
シャルルさんが話し始めた。私はその彼女の姿を見て何か言おうという気がなくなっていた。
イチカsideout
一夏side
「僕はもともと田舎でお母さんと二人で暮らしてたんだ。お金があるわけじゃなかったけどそれなりに楽しく暮らしてた。でもお母さんが死んじゃってそのときになって私を引き取ったのが二年前。なくなった時に父の部下の人がやってきたんだ。それからいろいろと検査をしていく過程でISの適性が高いことがわかったんだ。それで非公式ではあったけどデュノア社のテストパイロットをやることになったんだ」
シャルルはおそらく話したくないであろう話をけなげに話してくれた。だから俺は真剣に彼女の話を聞くことに専念した。
「父にあったのは2回くらい。話したのは数回かな。普段は別邸で生活をしてたんだけど一度だけ本邸に呼ばれたことがあってね。あの時はひどかったなあ…。本妻の人に殴られたよ。『この泥棒猫の子が!!』ってね。参るよね。母さんもちょっとくらい教えてくれたら、あんなに戸惑わなかったのにね」
あはは、と愛想笑いをつなげるシャルルだがその声は乾いていてちっとも笑っていない。俺はなぜ赤わからない怒りがふつふつと湧いてきて、それをこらえるために拳を握った。
「それから少したってデュノア社は経営危機に陥ったの」
「え?でぅのあ者って量産機ISのシェアが世界第三位の会社だろ?」
「そうだけど結局リヴァイブは第二世代型なんだよISの研究はお金がすごくかかるんだ。国からの支援を受けてなんとかなりたってるところがほとんどだよ。フランスは欧州連合の統合防衛計画『イグニッション・プラン』から除名されてるからね。第三世代型の開発は急務なの。国防の面もあるけど資本力で負ける国が最初のアドバンテージをとれないと悲惨なことになるんだ」
たしか以前セシリアがそんなこと言ってた気がする。第三次イグニッション・プランのためのデータ取りのために送られてきたって。イギリス、ドイツ、イタリアの3か国のISがトライアルに参加しててイギリスがリードしてるとかも言ってた気がする。そういえばドイツからラウラが来たのもその一環なのかもしれない。
「話を戻すね。それでデュノア社でも第三世代型を開発してたんだけど、もともと遅れに遅れた挙句の第二世代型最後発だからね。データも時間も圧倒的に不足していてなかなか形にならなかったんだよ。それで政府からの通達で予算を大幅にカットされたの。次のトライアルで選ばれなければ援助全面カット。その上でISの開発許可も剥奪するって流れになったの」
「なんでそれが男装につながるんだ?」
「同じ男子なら日本で登場した2人の特異ケースと接触しやすいってね」
「それは」
「そう、僕は白式のデータを盗んで来いって言われてるんだよ。あの人にね。あわよくば一夏本人の生態データもって言われてるんだ。あとはグレンの持つデータ。それさえあればあっという間にデュノア社はトップに立てるだろうからね」
話を聞く限りシャルルの父は一方的にシャルルを利用しているのだろう。それでどこか他人行儀だったのだ。あの人は他人だと思い込んで。
「とまあ、そんなところかな。でも二人にばれちゃったし僕は本国に呼び戻されるだろうね。デュノア社はつぶれるかほかの企業の傘下に入るだろうけど関係のないことかな。今までみたいにはどの道行かないと思うけどね。…ああ、話したら楽になったよ。聞いてくれてありがとう。それと、今前嘘ついててゴメン」
深々と頭を下げるシャルル。俺は気づいたら肩をつかんで顔を上げさせていた。
「いいのかそれで」
「え………?」
「………」
「それでいいのか?そんなわけないだろ。親が何だって言うんだ。どうして親だからってだけで子供の自由を奪う権利がある。おかしいだろう、そんなものは!!」
「い、一夏?」
「親がいなきゃ子供は生まれない。でも、だからって親が子供に何してもいいなんてそんなことあるわけがない!生き方を選ぶ権利は誰にだってある。親に邪魔されていいわけがない!」
俺はシャルルのことだけを言ってるんじゃない。きっと自分自身土地冬姉のことも言ってるんだろう。
「どうしたの一夏?熱くなって」
「悪い。俺と千冬姉は親に捨てられたからな」
「その…ゴメン」
「気にすんな。俺の家族は千冬姉だけだ。親なんかなくてもいい。それより、シャルルはこれからどうすんだ?」
「どうって、時間の問題じゃないかな。フランス政府もこのことを知ったら黙ってるわけがない。ぼくは代表候補生を下されてよくて牢屋かな」
「それでいいのか?」
「いいもなにも僕には選ぶ権利がないから仕方がないよ」
そういって笑って見せたシャルルの笑みは痛々しかった。俺はシャルルにそんな表情をさせるすべてが許せなかった。同時に俺はなにもできない自分に腹が立った。
そのことで頭がいっぱいだった。だからこそ、俺は今のグレンの様子など気にも留めていなかった。それでも俺は続けた。
「……だったらここにいろ」
「え?」
「特記事項第21、本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外敵介入は原則として許可されないものとする」
「―――つまりこの学園にいれば、すくなくとも三年間は大丈夫だろ?そんだけあればいい方法も見つけられる。別に急ぐ必要あってないだろ?」
「一夏」
「ん?なんだ?」
「よく覚えられたね。特記事項って55もあるのに」
「勤勉なんだよ俺は」
「そうだね、ふふ…」
やっとシャルルが年相応の笑顔を浮かべた。
「まあ決めるのはシャルルなんだから、考えてみてくれ」
「うん。そうするよ」
「そういえばグレンならどうにかできるんじゃな――――――」
俺はグレンのほうを見る。
その瞳にはあきらかに侮蔑の念が込められていた。
「話は以上ですか?くだらない。なら私はこれで失礼しますね」
「おいグレン!そんなこと言わなくてもいいだろ!」
俺はグレンの胸ぐらをつかもうとする。しかし逆につかまれてベットの上に投げられた。
「はぁ…。もうあきれすぎて言葉も出ない。私は日々自分のことを『甘い人間』だと思っていましたが一夏、いや織斑一夏。お前はそれ以上に甘い。いや甘すぎる」
「どういうことだよ!」
「どうもこうもお前の考えのなにもかもが甘すぎるって言ってんだよ。そしてシャルル・デュノア。お前はなんで既にあきらめてんだ?全てをあきらめてるようなやつに差し出す手はない」
「そんな!僕はあきらめてなんて!」
「いやあきらめてる。お前は自分は悲劇のヒロインだとでも思ってないか?そんな思い上がりも甚だしい。選ぶ権利がない?ならなぜその権利をもぎ取ろうと努力しない?なぜその権利をほしがらない?全て受け入れてあきらめてるだけだ」
「そんな…僕は…」
グレンはいつもの口調なんかさっぱり忘れてまくしたてる。
「おいグレン!そんな言い方しなくてもいいだろ!シャルルは嫌々親の命令に従わされてたんだぞ!」
「そんなことは俺には関係ない。嫌々やっていたならすべて許すのか?」
「それは…」
「抗う気のない奴に這い上がる道はないお前らは現実を知らなさすぎる。教えてやるよ。このIS学園で起こっている『現実ほんとう』を」
一夏sideout
どうもコクトーです
この話を書くために原作を読みながらやってるんですが、白式のデータなんか仮に盗んでも使えるんですかね?
一夏と白式に手を出した件で間違いなくウサギさんとブリュンヒルデの怒りは買うと思いますし実際白式は欠陥機だって明言してるのに…
次回はグレンのお話ですかね
IS学園の『現実』ってなんなのか!
作者(それを今から考えねば…)
↑ほんと大丈夫かこいつ
ではまた次回