イチカと一夏の物語   作:コクトー

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イチカと一夏と保健室

一夏side

 アリーナでの件から1時間がたった今、保健室のベッドの上には包帯とシップで体のあちこちを覆われた鈴とセシリアがいた。二人はシャルルのもってきた飲み物を飲んでいる。つい先ほどまで若干どころではなく慌てていたが今は落ち着いている。2人とも忙しい奴だな。

 

ドドドドド

 

 その時、なにやら地鳴音が聞こえた。な、なんなんだ!?

 

ドォン

「「「「織斑君!」」」」

「「「「グレン君!」」」」

 

 突然扉をぶち抜いて現れた女生徒たちに囲まれた俺たち。いきなりなんだ!?

 

「みなさん、ここには怪我人がいるんですよ。静かに」

 

「「「「ご、ごめんなさい…」」」」

 

「わかってもらえたなら大丈夫です。それで、何の用事ですか?」

 

「そうだ、これ見て!」

 

 グレンの言葉で静かになったみんなの中から腕が伸びてきて1枚の紙をつきつけてきた。

 

「えっと、『今月開催する学年別トーナメントでは、より実践的な模擬戦闘を行うため、ふたり組での参加を必須とする。なお、ペアができなかったものは抽選により選ばれた生徒同士で組むものとする。締め切りは』」

 

「ああ、そこまででいいから!とにかく」

 

 俺たちに一斉に伸びてくる手。怖いわ!

 

「私と組もう、織斑君!」

 

「私と組んで、デュノア君!」

 

「私とみましょう、グレン君!」

 

 なんでいきなり学年別トーナメントの仕様が変更されたのかはわからないけど、リボンの色からわかったけど今こうしてやってきているのは全員一年生の女子だ見たことない人も多くいるし他のクラスの人も来てるんだと思う。とにかく学園内でというか世界で3人しかいない男子と組もうと、先手必勝とばかりに否み迫ってきているのだろう。

 

「わ、悪いけど俺はシャルルと組むから諦めてくれ!」

 

「ふぇえ!?」

 

 いやシャルルが一番驚いてどうするよ。俺はシャルルの肩を組みみんなに告げる。

 

「まあそういうことなら」

 

「他の女の子と組まれるよりは」

 

「シャルル君×織斑君…いや、織斑君×シャルル君?どちらにしてもおいし…ごほん」

 

 最後待て。

 

「だったらグレン君と!」

 

「私ですか?私は…その…」

 

 珍しくグレンが焦ってる。まあ下手に誰かと組めないからな。俺はシャルルがいたからその辺はなんとかなったけど。

 

「待て」

 

 女子たちの後ろから声が響く。一斉にそちらを振り向くと、そこには腕を組んだラウラがいた。

 そしてその女子たちをかき分けて前まで来る。そして他の女子たちも持っていた紙を差し出して告げた。

 

「イチカ・グレナディーン、貴様は他の生徒とは違う。私と組め」

 

「…その心は?」

 

「他の専用機持ちと違って貴様なら善戦できるだろう?我が隊に迎えてやっても良いぞ?」

 

「ふふ。さすがにスカウトは拒否しますが、いいですよ。組みましょう。徹底的に使ってあげます」

 

「逆に私が使ってやろう」

 

 「ではな」と言い残して去って行ったラウラ。それを俺はポカーンと見ていた。

 そこにグレンはパンと手を叩いて注意を集めた

 

「さて、そういうことなのですいませんがペアは埋まってしまいましたですのであきらめてください」

 

 グレンがそういうと、女生徒たちは一人また一人と保健室から出ていった。遅れてバタバタとペアを求めて走り回る女子の声が聞こえる。

 

「ふぅようやくしずかに」

 

「一夏さん!」

 

 セシリアが痛いはずなのに体を起こして詰め寄ってきた。

 

「ここはクラスメイトとして私と組んでくださいまし!」

 

「私も出たいとこだけどあれじゃ出れそうにないわよね…」

 

「鈴さんの言う通りですよ」

 

 そこに山田先生が現れた。なんか先生っぽい雰囲気が出てる。珍しい…。

 

「鈴さんもおっしゃってましたがお二人のISの状態をさっき確認しましたけど、ダメージレベルがCを超えています。当分は修復に専念しないと、後々重大な欠陥を生じさせますよ。ISを休ませる意味でも、トーナメント参加は許可できません」

 

「不本意ですが、ひっっじょうに不本意ですが、トーナメントは辞退します」

 

 割とあっさり辞退したな。

 

「わかってくれて先生嬉しいです。ISに無理をさせるとそのツケはいつか自分が払うことになりますからね。肝心なところでチャンスを失うのは、とても残念なことです。あなたたちにはそうなってほしくありません」

 

「わかりましたわ………ですが、ですが!デュノアさん!絶対に、絶対に勝ってくださいね!負けたら承知しませんことよ!」

 

「おいおいセシリア、怪我ひどいのに動きすぎだろ」

 

 俺は軽い気持ちでぽんと肩に手を置く。

 

「ぴぐっ!」

 

「なんだ?そんなに痛かったのか?すまん」

 

 結局そのあとセシリアと鈴は素直に保健室で休むこととなり俺たちは出ていった。ちなみにそのあと俺は職員室に反省文を書きにいくことになった。忘れてたぜ……

一夏sideout

 

 

イチカside

「兄さん、なんであいつと組むことになってるんですか!?」

 

「私も気になる…」

 

 保健室から部屋に帰る途中、私はマドカと簪に先ほどの件について問いただされていた。というより話が広まるのは早いですね…。二人はあの場にいなかったはずなのに。

 

「あの場を抜けるには一番都合がよかったですし、なにより誰と組むか悩んでましたからね。ちょうどよかったのですよ」

 

「だったら私たちのどちらかと組めば」

 

「それに、あなたたちがどれだけ連携をとれるのか見たかったという点もあります。二人でペアを組むのでしょう?」

 

「そ、それは」

 

「そうだけど…」

 

「たしかに個人の技量も大事ですが、二人の力をきちんと合わせることができればさらに大きな力発揮できます。今日からトーナメントまでおよそ1週間。それまでにどれだけ連携をとれるようになるか。見してくださいね。勝てたらご褒美ですので」

 

「簪、全力で頑張るぞ!」

 

「うん。絶対に打ち負かす。そのためにも作戦を立てないとね」

 

「というわけで兄さん、やることができたので!」

 

「私も!」

 

 二人はダッシュでマドカの部屋に行ってしまった。まあやる気を出してくれるのはうれしいことですね。

 

「でも、私も負けませんよ?しかし…」

 

 そう一人つぶやく。

 

「ラウラさんが連携をとってくれるとは思いませんし、武装も考えないといけませんね。おそらく…というか確実に全世界から多くの企業の重役や国のトップクラスの人物、はたまたテロリストまでもが来るでしょうからね。防御態勢もしっかりとしておかねばいけませんね。スコールたちと相談しましょう。マドカと簪には伝えるのは最低限にして試合に集中してもらいましょう」

 

 私はスコールに連絡を入れてラボのほうへと戻って行った。

イチカsideout

 

 




どうもコクトーです

1か月以上ぶりの更新です
この間にSAOの久しぶりの更新やオリジナルをどんどん更新したりといろいろやりましたよー

次からついにトーナメント開催!

ではまた次回
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