イチカと一夏の物語   作:コクトー

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イチカと一夏は試合前

一夏side

 俺は今、剣道場に倒れていた。どうしてこうなった?思いかえすと数時間前の食堂で。

 

 

「なぁ、箒」

 

「なんだ」

 

「いいかげん機嫌治してくれよ」

 

 あれからまだ箒はぶっきらぼうなままだ。なんか悪いことしたか?

 

「あ、箒、ISのこと教えてくれね?」

 

「断る」

 

「いいじゃんか、教えてくれよ」

 

 箒は黙り、魚をつまむ。うまそうだな、魚定食。

 

 そんなこと思ってると、なにやら上級生らしき人が来た。

 

「君が例の男の子?織斑君だっけ?」

 

「はぁ」

 

「今度代表候補生の子と試合するんでしょ?教えてあげよっか?」

 

「助か」

 

「結構です。私が教えることになっているので」

 

 受けようとした俺の言葉を箒が遮った。あれ?さっき断らなかったっけ?

 

「君一年生でしょ?代表候補生でもないみたいだし。私二年生。わかる?」

 

「私は篠ノ之束の妹なので」

 

 箒がそういうと二年生は残念そうに帰っていった。てゆうか箒束さんのこと嫌ってなかったか?

 

「箒、どうゆう」

 

「今日の放課後、剣道場にこい。どれだけできるか見てやる」

 

 そういって箒は食べ終わった皿を片付けにいった。こうして俺の放課後の予定は決まった。

 

 

 

 

そして放課後…

 

「なぜそこまでなまっている!」

 

 俺はぼこぼこにされていた。そりゃ三年以上やってないからな。

 

「IS以前の問題だ!徹底的に鍛え直す!」

 

「へ?ちょっ?箒?」

 

「異論は認めん!今から素振りだ!」

 

 こんな感じで日暮れまで鍛えられ(?)た俺は疲れてその場に倒れこんだ。

 

 それからあとは部屋に帰って休んだんだろうが、あまり覚えてない。それだけ疲れてたんだろうな。

一夏sideout

 

 

 

 

 

イチカside

 決闘当日、私と一夏それから篠ノ之さんと簪は一夏のISを待っていた。

 

「なぁ、箒」

 

「なんだ?一夏」

 

「気のせいかもしれないんだけどさ」

 

「なら気のせいなんだろう。気にするな」

 

「ISのこと教えてくれる約束は?」

 

 一夏が聞くと箒さんは目を反らせた。

 

「目をそらすな!」

 

「し、仕方ないだろう。お前のISもなかったのだから」

 

「それでも知識とか基本的なことがあっただろ!」

 

 さらにそらせた。

 

「そらすな!」

 

 その様子を見ながら私は簪の目を隠していた。

 

「…グレン君、見えない」

 

「簪は見てはいけません」

 

 男が言い寄る様子などあまりいいものではないですしね。

 

「それにしても一夏のISはまだ来ないのですか?」

 

「「………………」」

 

 一夏と箒さんはうつむいた。決闘当日、しかもその数分前になってもまだ来ていない。予定では、セシリアと一夏、セシリアと私。私と一夏の順なので一夏のISが来ないことにははじまらない。

 

「織斑先生、私が先に試合しましょうか?」

 

「その方がいいかもしれ」

 

「織斑君、織斑君、織斑君!」

 

「やっときたか。グレンその必要はなくなった」

 

「では私は出ていますね。勝負を見てしまってはフェアじゃありません」

 

「わかった。織斑の試合が終わり次第連絡をいれるからすぐにこれるようにしておけ」

 

「わかりました」

 

「…待って、私も」

 

 私と簪はモニタールームを後にした。

 

 それから私達はアリーナの近くを散歩していた。風が気持ちいい。

 

「せいぜい三十分ってとこですかね」

 

「なにが?」

 

「一夏の試合ですよ。おそらく一夏の機体には兎さんが関わってくる。となれば、簡単には終わりません」

 

「…兎さん?」

 

「篠ノ之束博士ですよ。唯一の親友織斑千冬先生の弟。その機体に手をつけないとは思えない。おおかた倉持技研がそのISの解析でもしてたんじゃないですかね?束博士の作る最新鋭機体。解析する価値は沢山です」

 

「…そんな」

 

 それを聞いた簪の顔がいっきに暗くなった。

 

「どうかしたのですか?」

 

「…実はね、私の専用機、まだできてないの」

 

「?簪は代表候補生ですよね?その機体ができてないとは?」

 

 本来代表候補生は国の代表として学園に送られる。その代表のISが未完成とは一体…

 

「私のISの制作担当は…倉持技研。織斑君のISを作るからって凍結されたのが私の機体なの」

 

 ひどい話ですね。国の威信を背負って学園に入る代表候補生よりぽっと出の男性操縦者のISを優先させるなんて。

 それに、私の推論が正しければ倉持技研は作製なんてしていない。下手すると解析しかしていない。そちらにすべての技術者をあてて簪の機体を後にしたのだ。

 

「……今もその機体は倉持技研に?」

 

「…ううん。未完成のままでいいからって引き取って今は私と本音とお姉ちゃん達とで作ってるの。武器はまだだけど、ある程度は形になってきたとこ」

 

「初日になにか打ち込んでたのはISの設計だったんですね」

 

「そう。…でも、そんなことのために私の『打鉄弐式』は…」

 

「あくまで推論ですが、間違いないと思います。始まって既に五分ですが連絡がありません。倉持技研め、ふざけてるのか…」

 

 私も怒りを抑えきれない。簪はさらにショックだろう。

 

「……簪、この試合のあとになるんですが、私にも手伝わせてもらえませんか?主に武器関連で」

 

「!!?」

 

「私は今の倉持技研の対応が許せないんです。一機作っているなら他の会社に任せればいいでしょうに。それに技術者の一人も寄越さない。今すぐにも潰してやりたいくらいです」

 

「…それは困る…かも?」

 

 なんで疑問型なんですか…。

 

「では私の作った武器も使ってくれませんか?今のところ私の家族では私しか使わないのがいくつかありまして…」

 

「…武器を作れるの?」

 

「えぇ。ラボが学園内にあるのでそこで作っています。さすがに中は見せられませんが」

 

「どうして?」

 

「これでも最先端兵器を扱ってると言う自覚がありますからね。各国からスパイが来たこともありますし」

 

「…ちょっと興味あるかも。武器今度見せてくれる?」

 

 そんな上目遣いで見られると…。

 

「わかりました。どの距離のものがいいですか?」

 

「うーん…中距離のミサイルとかってある?」

 

「すいません。ミサイルは作ってないんです。主にビーム兵器ですね。中距離のもありますからそれでいいですか?」

 

「ビーム…」

 

 目を爛々と輝かせてますね。部屋でもアニメを見ていることがありましたしその影響でしょうか?

 

「さて、それより、そこの人?なにかようですか?」

 

 私は近くの木を見ながらいった。おそらくステルス迷彩でしょうか。まぁISがあるから見えますけど…

 

「出てこないのですか?それとも一人になったところを襲う気ですか?簪に手を出したら国ごと潰しますよ?ロシア(・・・)の刺客さん♪」

 

 すると木の裏から出てきた。簪は驚きっぱなしですね。

 

「いつから気づいていた?この光学迷彩はうちの国で作った最新鋭なのだが」

 

「いつと言われましても…。アリーナを出てから誰かついてきてると言うくらいしかわかりませんでしたが、光学迷彩でピンときました。たしか以前そんなののデータを見ましたから。ちなみに、私にステルスはききません。それ以上のステルス使えるので」

 

「何を言っている?交渉といこうじゃないか。今からその子を殺す。嫌なら貴様のもつ技術をすべて提供しろ」

 

「!?」

 

「殺す?どうやって?それに彼女は日本の代表候補生です。殺せば戦争ですよ?」

 

 簪は怯えてるのか少し震えていた。この女性から出る殺気はそれなりにきついですからね。中々の腕です。後ろにかばって少しでも緩和しているがそれでも怖いでしょう。

 

「証拠を残さなければいい。貴様を本国に連れていき、その子の死体も持っていけばいい」

 

「できるとでも?」

 

「できるできないではなくやるしかないのだ。任務だからな」

 

 女性はISを展開した。そのISは『ラファール・リヴァイブ』を改造したもののようだ。私も甘く見られたものですね。これだけ話していれば準備は終わっていると言うのに。それにしても任務ですか。失敗したらどうなるんですかね?一番面倒くさいのは爆発ですかね。回りにも被害が出ます。なら

 

「あなた、一歩でも動けば撃ちます。すでに展開はしてありますから」

 

「はったりはよせ。おとなしくしていればあまり痛い目にはあわん」

 

 女性は一歩近づいた。

 

「動きましたね?FIRE」

 

 瞬間、女性のIS私ははエネルギーが0になった。そして首から上を残して体がすべて凍りついた。

 

「な!?」

 

「わかりませんか?すでに準備は終わっていたのに」パチンッ

 

 私が指を鳴らすといままでステルスで隠して女性の周りを取り囲んでいレーザービットが三十基、姿を表した。そして女性の正面には小さな蒼いドラゴンがいた。

 

「これらは私の自作ビットです。そちらのドラゴンもですよ。龍型ビット『青龍』。今あなたがそうなっているように凍らせるレーザーを放つビットです。私の技術の一つですね」

 

「凍らせるレーザーなど聞いたことがない!」

 

「そうでしょうね。私以外に作れる人を知りません。あなたに質問といきたいところですが…」

 

 私は後ろで呆気に取られている簪に言った。

 

「すいません。これから少々国家機密レベルのことを聞いたりするので申し訳ありませんが先に戻っていてください。なるべく早く終らせます」

 

 簪はこくりとうなずいてアリーナの方へ走っていった。

 

「さて。まず、今回来たのはあなただけですか?」

 

「……」

 

 無言だ。何ももらさないように訓練されてるのだろう。

 

「無言ですか…。困りますね、急ぎですから」

 

「言うとでも思ったか?甘いな」

 

「そうでもないですよ?先に少し調べますか。場合によってはスコールに任せてあとからやりましょう」

 

 私は量子化していた、ゴーグルを取り出す。

 

「これは私製のナノマシンや爆弾といった類のものを調べる装置です。さてと……うーんナノマシンですかね。とりますか。回復応用『削除(デリート)』」

 

 私は回復能力を応用させ、異物質を削除した。それからオータムを呼んだ。

 

「さて、もうあなたを縛るものはないですがまだしゃべりませんか?」

 

「………」

 

 依然として沈黙を続けた。

 

「国を思う気持ちが強いのか、それともただ失敗にたいする処罰が怖いのか。どちらでしょうか?とりあえずはオータムを呼びましたからラボの方にいてくださいね。また夜に聞きますから。と、ちょうどきましたね。おーい」

 

 ラボがある方角からオータムが飛んできた。

 

「グレン、何のようだ?この凍ってるやつ関係か?」

 

「えぇ。スコールとの時間を減らしてすいませんね。とりあえずこの人をラボの空き部屋に運んでください。夜にちょっとお話しします。あ、明日は二人とも休みにしますから二人でいていいですよ?」

 

「よっしゃ!じゃあワインだしとこ。スコール何がいいかな?」

 

「ではまた夜に会いましょう。あ、コアは抜いといてください」

 

 オータムはISで軽々持ち上げて運んでいった。

 

 

 

 




どうもコクトーです。
D君の人気に嫉妬しました。
D君と虚さんが会った時どうしよう…

そしてオータムさん登場!
ちょっとですけどね。

倉持技研の話は作者の想像です。実際原作でもなんかすごいことつぶやいてた気がするのでいいかなと判断しました。

ではまた次回
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