狙撃手・多々良   作:おべ

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大海賊時代・開始
シャボンディ諸島①


――大海賊時代

 

 

 

 

『''海賊王''ゴールド・ロジャー死刑執行!』

 

 

 

『大海賊時代幕開け!』

 

 

 

『"金獅子"のシキ、インペルダウンへ』

 

 

 

 世間は賑やかだ。みんながみんな海賊王の話題でもちきり。騒がない日はないほどで、夜は昼間のように明るく、飲食店は普段よりも繁盛していた。海賊、市民の壁に隔たりがなく、肩を組んで飲んでいる奴もいるほどだ。それだけに、海賊王の死は大きい。

 

 

 

 

 海賊王、ゴールド・ロジャーがローグタウンで最後に放った一言。ワンピースの存在が公になり、多くの者がこぞって海へ旅立ちた。ある者は野望のため、ある者は力のため、ある者は自由のため、ある者は正義のため、ある者はワンピースのため、ある者は海賊王になるため、多く者が海賊王ゴールド・ロジャーに触発されるように偉大なる航路(グランドライン)後半の海、新世界にあるとされている''ラフテル''へ向けて各々出航した。

 

 

 

 

 金獅子のシキは世間の間ではそこまで話題にはなっていないが、海賊、世界政府、海軍と言った海を生業としている者にとっては衝撃な出来事である。シキの性格を知る者は彼の行動に納得するが、知らない者は誹謗中傷な発言や贔屓的な印象が見受けられた。だが、この海においてロジャーを始めとする大海賊が抜けた穴は大きい。シキもだが海を知る者が一気に前線から降りたことにより、勢力図が様変わりを見せる。それをきっかけにかつての縄張りを襲う海賊が現れ、死刑執行以前よりも治安が悪くなった。それだけに海賊王の死を悔やむ者も大勢いた。

 

 

 

 


 

 

 

 シャボンディ諸島

 

 

――ハムッ

 

 

 

 今、多々良は焼き鳥を食べ歩きしていた。少し小腹が空いていたため、目的地の途中にあった屋台で焼き鳥と玉こんにゃくを購入した。屋台は元々好きで、香ばしい香りにつられてついつい買ってしまったのは内緒だ。

 

 

 

「さて、そろそろかな」

 

 

 

 多々良が今現在向かっているのは13番GRにある酒場『シャッキー’s ぼったくりBAR』。シャッキー事、シャクヤクが経営している酒場で、店名通りに来る者に法外な額の飲食代を請求し、拒否するものなら半殺しにして、根こそぎ剥ぐ。

 

 

 

 ONE PIECEの考察で元ロックス海賊団なのではないかという記事があるほど、戦闘力が高く、原作では涼しい顔でしばいていた。

 

 

 

 何故、多々良がここに訪れるのか。

 それは至極単純、情報収集のためだ。シャクヤクは作中の中で情報入手が早く、噂程度から信憑性の高い情報まで多く取り扱っている。それを元にした分析力も優れており、ルフィ達に適切なアドバイスを送っていた。また、自身が住むシャボンディ諸島で起きている事象については大概知っている。

 

 

 


 

 

 

 

 『シャッキー'S ぼったくりBAR』

 

 

 暫く歩いている目的地に到着した。

 

 

 

――カランカラン

 

 

 

「いらっしゃい」

 

 

 

 入り口のドアを開くと中から女性の声。手には海賊だろうか、顔がグチャグチャになり息が絶えかけている大男が握られている。

 

 

 

「ちょっと待ってね」

 

 

 

 そう黒髪のボブカット、官能的な厚い唇が特徴の女性、シャクヤクが手している大男の身包みを剥ぎながら声をかけられる。

 

 

 

 とりあえず適当なカウンター席に座り、テーブルの上においてあった新聞を読みながら待っていると、やることを終えたのか、シャクヤクがこちらに尋ねて来る。

 

 

 

「あら…珍客ね。多々良ちゃん」

 

 

 

 まるで多々良を見通すかのような鋭い視線。どこ興味を感じさせる表情を浮かべている。それと名前も把握されているようだ。

 

 

 

「それで…()()()()()()()?」

 

 

 

 含みを持たせながら伺って来る。

 

 

 

「その前に自己紹介を。オレの名前は綾小路・多々良。ご存知かと思いますが、()()()()()()()ニューゲートの船に乗っていました」

 

 

「あら?まるで私が知っていたみたいな言い方ね」

 

 

「情報通と聞き及んでおりましたから」

 

 

「そう。どこで知ったかはいいとして、今日の用件は?」

 

 

 

 能面。

 時々笑みを浮かべながらも、こちらを観察する視線は少々気持ち悪かった。商売人であるため、1つでも情報を抜き取ろうとしているのであろう。自然を装ってはいるが、どこか完璧すぎる、自然すぎるという違和感を感じさせた。根は腐っているかは現段階において分からないが、海賊をやっていただけはある。そう騙し討ちとして。

 

 

 

 

――ドサッ

 

 

 

 

 カウンターの上に大きな包み袋が置かれた。それを置いたのは多々良。今日この日までに掻き集めたものだ。それは――

 

 

 

 

「――15億ベリー」 

 

 

「ふーん」

 

 

「15億」と言うとシャクヤクの瞳が一瞬揺らいだ。

 

 

「ここに15億ベリーがあります。このお金を資金にして貴女から情報を買いたい」

 

 

「何がご所望?」

 

 

「ロックス」

 

 

「…」

 

 

 『ロックス』と言う単語を出すと言葉が詰まるように反応する。傍観に徹したかのような、こちらを『見る』ではなく、『見た』と言う、鋭い真理を探すかなような瞳。目で射抜いていた。

 

 

「足りませんでしたか。それでは出直して来ます」

 

 

「待ちなさい」

 

 

 帰ろうと後ろに振り返り、玄関の方へ歩を進めようとした時、後ろから呼び止められた。

 

 

「ロックスの何が欲しいの?」

 

 

「いくらから?」

 

 

「そうね。その15億とあなたの情報で手を打つわ」

 

 

「よろしいので?」

 

 

「私が言っているのよ。それ以上文句があるなら、今の話は聞かなかったことにするわ」

 

 

「ふっ、ありがとうございます」

 

 

 どうやら売ってくれるらしい。条件は少々破格ではあるが、ロックスについて得られるのだ。少しくらい損しても問題ないだろう。

 

 

「それで…ロックスの何?」

 

 

「そうですね。ロックスの思い出話しを」

 

 

「それだけ?」

 

 

「ええ。それだけで充分ですよ」

 

 

 多々良が欲しいのは『ロックス』自身に関する情報ではなく、単なる思い出話し。ロックスが何を企んでいたのか、野望があったのか、極秘に触れるようなことか、とシャクヤクは気を引き締めていたのだが、多々良の要望が拍子抜けだったため、少しばかり驚いた。表には決して出していないが、目が答えており、多々良の心理を探っていたその瞳は息を取り戻した魚のように泳ぎ出す。

 

 

 

「一度訊いてみたかったんですよ。ロックスがどんな人だったのか」

 

 

 

 多々良は普通にどうでも良くそこまで興味はないが、これからの未来を進めて行く上で必要になる時が来るかもしれない。それらに備えためにも、得られる情報は確実に入手したい。ロックスといえば、のちに登場する四皇や海軍上層部、五老星を始めとする世界政府が大きく関係して来る。昔を共有できれば少しは懐に忍び寄ったり、弱みや計画を握るための布石を作ることができるかもしれない。そんな打算を思い浮かべながら、多々良はこのように要望した。

 

 

 

 

「どこから話せばいいかしら?」

 

 

「始めからで」

 

 

「そう。長くなるわよ」

 

 

「構いません」

 

 

「分かったわ。では、ロックスいえ、『ロックス海賊団』の始まりから語るとしましょう――」

 

 

 多々良とシャクヤクは2人してロックスの過去話、多々良の素性で盛り上がるのだった。

 

 

 

 

 

 

 




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一さん様、さっとん様ありがとうございます。
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