──シャボンディ諸島
「はあああ…やっと…着いた!」
着いて早々に悲鳴をあげるティーチ。他の面子もぐったりしている様子。
「ガバァ…無理がある…グハッ」
船酔いで症状を更に悪化し吐血するドクQ。愛馬のストロンガーも瀕死の状態。
「ウィィィヒヒ…流石に無理があったか!!」
いつもの空元気のないバージェス。海賊船で見つけたエールに手を伸ばすものの、身体は伸びていた。
「酷かったですね…途中で海賊船を奪えたのが功を制しましたが」
悲惨なものだったと苦い顔を浮かべるラフィット。シルクハットが濡れたようで、ステッキを地面に刺しそこにかけて乾かす。
「フン…運命とはいかに」
腰を落とし愛銃を手入れし始めるオーガー。ドヤ顔で運命と言われても正直発言に困るのだが。
「そりゃあ…無理あるだろ…丸太船じゃよ。それとオーガー、運命運命煩いぞ!これが運命とやなら最初からティーチに文句言え!」
最後に丸太船に文句を零すオレことエース。
それとオーガーの運命に悪態を吐く。
──絶対に考えていなかったやろ!
何はともあれ、6人無事に到着した。
「さて、どーすんだ?これから」
軽く息を整え、オレはみんなに訊いてみる。
「ホホ。とりあえず、隠密に行動しつつ海賊狩りして行く方向でどうでしょう。
「だが…それに比例して海軍も多い。ゲホッゲホッ…無闇に立ち回れば…向こうの警戒心が増すばかり。大将が来ないことを祈るだけだな」
これからこ方針を説明するラフィット。それに付け加える形で述べるドクQ。ドクQは方針に賛成はするも積極的ではない様子。大将が来ないことを祈るあたり海賊狩りよりも他に重点を置いて警戒しているようだ。
「同感だな。この島には天竜人がいる。ルールを逸脱する者が現れない限り、気にしていてもしょうがない。世界がどう判断するかは運命のみが知る他あるまい」
オーガーは天竜人を警戒している模様。だが、いつの世も予想ができない者は現れる者。警戒していた所で結果は自ずと暗くなる。気にしていては物事は進まない。
「ウィ〜ハッハッハ!俺は何でもいいぜ!殺しても、奪っても、どちらにせよ、海軍の厄介だ!それなら、隠密なんざ無意味!さっさと奪うもの奪って、とんずら方が楽でいい!」
オレ達の目的はルフィを含め
「ゼハハハ…バージェスの気持ちは分からんわけじゃないが、今は大人しくしてよう。肝心ののターゲットがまだ着いていない。今から暴れてしまっては、ルーキー達に逃げられる。時は熟すまで息を潜めよう!」
「そうだな。オレもそれでいいと思っている。弟がいない今、無闇に海賊狩りしても海軍が飛んでくるだけでこちらにメリットを感じねぇ。最初の方針通りでやる時は徹底的に暴れた方がいいだろ」
バージェスの気持ちは分からないわけではない。だが、どちらがこちらの利益となるかを考えた場合、十中八九隠密行動が定跡となるだろう。そもそもの前提として、
「ホホ。それでは現状維持ということで?」
「ゼハハハ…それで構わねえ!やる時はバージェスを筆頭に暴れればいいじゃねぇか!ルーキー達を手土産にできれば、他はどうでもいい!奪うもの奪ってとんずらするぞ!」
「「「「「あぁ!」」」」」
「タダァシイ!どこかの馬鹿によって、海軍大将を呼ばれた場合は即時撤退だ!テキトーに海賊狩りして手土産にする他ねぇ!」
ティーチはその辺もしっかり考慮しているようで、こちらの損害が大きくなるとみなした場合、直ぐにシャボンディ諸島から手を引く。だが、ゆくゆく
「「「あぁ」」」
「どっかの馬鹿ねぇ……心当たりがあるんだが?」
オレは弟のルフィを思い浮かべる。
「ホホ。それはないと信じたい所ですが、あり得るので難しいものです」
ラフィットはエース同様に問題児の孫と当たりを付けつつも、それ以外の懸念も考慮している様子。
「ゼハハハ…あくまでも現れた話しを言っているんだ!不吉な話はここで終いとしよう!」
「「あぁ」」
その後、黒ひげ海賊団はこれからに備えるためを準備に取り掛かった。
「それはフラグというのだ。運命でも何でもない」
ぶつぶつと独り言を零す狙撃手が一人。
彼らの背中から視線を外し、明後日の方向を見ていた。